探索と蟻

このエントリーをはてなブックマークに追加

1歳児クラスの遊びの空間から、排泄場所までは少々距離があります。その距離の意味は、1歳児の発達として「歩くこと」があるからです。その発達を保障し、その発達した能力を定着させるための環境であるというわけです。また、空間を区切っているパーテーションから自ら抜け出して、様々な探索活動ができることを保障する環境も大切です。それは、「探索」というその時期特有の発達があるからです。これらのような、この時期の子どもの発達を踏まえ、環境を構成した意図や、0・1歳児クラスの発達に柔軟に対応する重要性などを、先日、塾長から0・1歳児クラスの職員に話してもらう機会がありました。

この機会は、今年度の定員増という変化を通し、なかなか先の見通しがつかない中、「見守る保育」は実践できているのかという『進化をするための原点回帰』であると思っています。正直な話、この機会を設けるというのは非常に勇気がいることであると思います。塾長、藤森平司氏のもとで働いているということは、「見守る保育」を理解して柔軟に実践できているのが“当たり前”でなくてはいけないからです。しかし、“当たり前”の奥には人知れずの努力と苦労があり、それを乗り越える必要があることを先生方は理解しています。ただ、それらを「楽しみ」へと変換できるのが新宿せいが保育園の特徴だと思うのですが、我々は、自信を持って「見守る保育が出来ています!」と発信ために、『見守る保育を目指している』保育園のひとつであるということを感じました。この機会を設けようと提案した職員、それを勇気を持って受け入れた職員、「再確認できて良かったね」と言った職員、「この機会を設けてくれてありがとうございました」と言った新人職員など、すべての人が「良い保育」を行おう・目指そうとした姿であったと思いました。

このようなことを踏まえ、私自身も、環境については理解していたつもりでしたが、日々の保育を行っていくうちに、少しずつ発達についての意識が薄れ、柔軟性に欠けていた自分に気がつく事が出来たと同時に、発達を促すための環境構成についての考えが高まってきた印象があります。その環境のひとつを紹介したいと思います。

探索と蟻

探索と蟻

これは、遊びの空間から排泄場所までの道のりの一部を撮りました。ご覧の通り、蟻が歩いています。最近、1歳児の子どもたちは「蟻」に夢中です。壁や床を歩いている蟻を見つけると、指さしをして足踏みをしたりして喜びをあらわにしています。その蟻を随所に這わせ、探索活動をしているうちに歩いて自然に排泄場所に来てしまうという意図を持った環境構成です。始めの頃は、本当の蟻が歩いていると思った職員がよく驚いていましたが、そのような姿を見るのも楽しいですね(笑)。遊び心と発達を促す環境とのコラボレーションといった感じでしょうか。とどまる事に対して不安を感じる中に身を置く私たちは、遊び心というスパイスを投じながら、一つの目標に向かって多くの仲間と走り続けている途中でもあります。

蟻の目的はチョコレートでした。

蟻の目的はチョコレートでした。

(報告者 小松崎高司)

探索と蟻」への2件のフィードバック

  1. 「見守る保育は実践できているのか」このことは常に頭に入れて、意識しておこなければいけないことですね。私自身、まだまだできていないと自分の行動を振り返って思うことがあります。じゃあどうするんだと自分のことは自分で考え、行動することができますが、全体としてそれを考える機会というのも大切になってきますね。「この機会を設けるというのは非常に勇気がいることであると思います」というのはとてもよく分かります。それができるというのは、相手の意見を受け入れることができる集団であるからこそであったり、妙なプライドを持つのではなく、保育の目的をみんなが共有しているからであったり、常に「これでいいのか」と保育を深める、探求する姿勢がみなさんにあるからだと思います。うまく言葉にできないのですが、もう一度そうやって振り返ってみることができる雰囲気が表している職員みなさんの姿勢はまさに本物だと思います。自分たちが何を目的に、何を目指しているのか迷わずに見据えているみなさんに感動です。

  2.  相変わらず素晴らしい報告ですね。小松崎先生は詩人だなぁと感じることが多々有ります。
     小松崎先生に感化され、また実践していこうとする気持ちに啓発された人はとても多いことと思います。このような遊び心あふれる実践をこれからもたくさんたくさんやっていきましょう!そこに、実はどんな状況でも活路があるように感じるからです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です