段差

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4月も終わろうとしているある日、2階から3階へ向かう子どもたちを見かけました。
新宿せいが子ども園は2階にブロックゾーンやゲームゾーンなどがあり、3階には絵本ゾーンや制作ゾーンがあります。
そんな3階に、わいわい組(3歳児)の子どもたちが数名で向かおうとしていました。2階から3階に行くには階段を登って向かうことになります。ですので、わいわい組の子たちも階段を登りはじめました。
何気なくその様子を見ていたのですが、あることに気がつきました。わいわい組の子たちにとっては当たり前のような光景ではあるのですが、みんな階段の手すりを持ちながら登っていたのです。
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以前も報告させていただいたのですが、平成30年から実施される新しい保育所保育指針の中の「幼児期の終わりまで育ってほしい姿」という項目の1つに「健康な心と体」というものがあり、内容には「保育所の生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。」とあります。

この項目は主に、子どもたちが自分がやりたいと思ったことに取り組むことで充実感を持って生活していくということにつながると思うのですが、手すりを使って階段を登る子どもたちの姿を見た時に、その姿もこの項目に当てはまるのかな?と思いました。

というのも、内容の中に「見通しもって行動し」という部分があります。
これは園生活の中で、一日の見通しをたてる、一年の見通しをたてるということでもあると思うのですが、「危険な行動をしない」という部分にも当てはまるのではないだろうかと感じました。
危険な行動をしないためには「自分がどれくらいのことができる」ということを自覚していないといけません。そして、「これ以上のことをしてしまうと危険が及んでしまう」ということを感じることでもあると思います。

写真 2017-04-27 17 16 07

しっかりと手すりを掴むこの姿。なんだか私自身、地に足をつける大切さを教えられたようでもあります。

階段を登るわいわい組の子たちは、手すりを持って階段を登らないとまだ少し危ないかもということを分かっていたのだと思います。反対に、手すりを持って階段を登れば安心だということになります。そのことに気づけるためにもこういった環境が保育園には必要なんだということを改めて感じました。
意図された段差、障害物、高低などなど保育園だからこそ必要な環境がたくさんありますね。このわいわい組さんのように、子どもたちは自ら危険だと思うことを防ぐ力を持っているはずです。反対にその力を育たなくしてしまう環境を作ってしまってはいけませんね。
子どもの持っている力というものを感じさせてもらったように思います。

報告者 森口達也

段差」への2件のフィードバック

  1. 自分の身体能力を知るということは重要な事ですね。私の自宅もマンションの二階なので、毎日階段を上り下りをする必要があります。ちょうど写真のように息子は手すりを使って毎日階段を使用していますが、最近は使わなくなりました。とは言え、まだまだ見ていると危なかっしくハラハラさせられますが、面白いのは親が近くで見ていると少し冒険しようとするのですが、見えないような(親が見えないように隠れて見ると)場所から見ていると慎重になって階段を使っているのです。あとは、何か手に持っているときは手すりを使います。自分の状況によって手段を変えているのを目にします。ちゃんと自分の身体能力分かっていることに安心しました。ただテンションが上がると自分の能力を越えた事をして、時々泣きますけど(笑)

    • まさに今、手すりから手を離すことが増え、自分の体だけを使って歩き始めたという時期なのですね!そして、親が見ている時は少し冒険をしたり、見えていないと慎重になったり、またまた何かを持っている時は手すりを持っているのですね。「状況によって手段を変えている」とありましたが、まさにそのような姿ですね。子どもというのは本当に、自分の状況をよく理解して体をコントロールしているのですね。そして、テンションが上がると、とありましたが、これは大人も同じですね笑
      そして、そんな時に保育者が子どものテンションを下げるような関わりをしなければいけないなと改めて感じました。

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