アジアスチューデント〜1月25日の塾〜

1月25日の塾の様子を報告します。

今回はzoomでの開催になりました。そして、私自身、久々の参加になりました。というのも昨年8月に二人目の子どもが産まれたことにより、現在、しばらく塾をお休みしているのですが、今回の塾が、zoomでの開催になったことと、私自身のタイミングも合ったことにより久々に参加することができました。

そんな今回の塾はまず、「北京ダック」の話からはじまりました。園長先生が先日、ある方と北京ダックを食べた話から、中国、北京での二日連続北京ダックの話へと話題は移りました。北京への出張は私が同行させてもらったのですが、やはり北京に来ているのだから、夜の食事は北京ダックにしようということになり、なかなか有名なお店へ園長先生と入ることになりました。そこでなんとも芸術的で味も素晴らしいダックを食べることができました。そして、次の日には、中国でホテルを経営している方のご招待を受け、建物が国宝になっているお店で食事をしました。そこでも北京ダックが振る舞われ、「中国で北京ダックを食べるのは初めてですか?」という問いに「はい。そうです」と返答したことを思い返す話からはじまりました。

いいお店のいい北京ダック
食事会の様子
中国て見守る保育を展開している経営者の方
辛いけど美味しい北京の町外れグルメ

話はとある幼稚園の方が園舎を建て替えるにあたり、園長先生の意見を聞きたいということで、設計士さんを連れて来られた話にうつります。

そこで、イギリスの何かの大会で、ある付属幼稚園の発表が各国から評価されたという話がありました。それは、日本の乳幼児保育が「子ども同士から保育をしている」ということでした。園長先生からも、「子ども同士の関わりを深めることは今、世界の課題になっている」とあり、子ども同士の関わりの大切さ、それを生む環境の構成をずっと提案してきたのは、園長先生であり、この藤森メソッドであります。改めて、その考えを深めること、そして発信していくことの意義を感じました。

そして、話はこの藤森メソッドをいかにこれからの残していくのかという話になりました。園長先生が、ある遊具会社の社長さんと話をしたときに、この保育をいかに残していくかを考えた具体的な仕組みが必要になるとしきりに言われたそうです。

それは私たちも本当に思うところです。このメソッドをさらに確立し、そして、今後も実践され続け、ブレることなく残していくための仕組みを本気で考えていかなければいけないなと、そんな局面にきているなということを感じます。

そうなると、このメソッドの資格を作ることが重要になってきます。

資格認定制度にしていくには、どのような資格段階を用意し、そしてどのような認定内容にしていくのか、そのあたりも議論、実践していかなければなりません。

別の協会を作っていく必要性も、様々な方と議論しているところであります。

と今回も熱い話題でのzoom塾となりました。

園長先生の姿からは「先を見据えて今何をすべきか」ということを感じます。赤ちゃんもそうですが、将来のために、はいはいやずり這いをしっかり行うことが大切と言われますね。それは、早く歩かせようとすることではなく、その時期に必要なことを楽しむことが大切です。はいはいをしっかり楽しみながら、しっかり行うことが将来のためになる。

私たち塾生も、将来のために、今やらなければいけないことをしっかり明確にし、それを全力で焦らずに楽しみながら、行うことができると、その上に積み上がっていくものがしっかりとするのかもしれません。

そんな大切さを感じました。

報告者 森口

松ゲン君、久しぶりの参加&技術の進化

1月18日の報告です。

今回の塾は、奥さんが出産のため東京に来ている鹿児島の松元君も、塾に参加しました。コロナ前は度々ゲストの方がきてくれていましたが、久しぶりのゲストであり元塾生ということで嬉しかったです

最初の話題は、保育業務に対するAIや技術進化についてでした。

近年はAIやデジタルが進化することで保育者の業務量を軽減できるようなシステムができてきています。それは簡単に書類などが作成できたり、ロボットを玄関先に設置して挨拶をすると同時に体温が計れたりというシステムができて、広めていこうという提案があったそうです。しかし塾長が提案するのは、「保育者の書類をデジタル化によって軽減させるのであれば無くせばいいと思う。それが一番の軽減になる。例えば、ドイツでは書類が無い。小学校に提出する要録の作成はドイツでは禁止されている。それは一人の職員の判断で見たことのないその子の印象などが刷り込まれてしまうから。なので、ドイツでは一年に何日かは直接園に来て自分の目で確認している。また、保育日誌など、保護者向けに何をやったかを貼り出す時など、例えば「今日は〇〇公園へ行きました。天気が良くとても楽しそうでした」と貼り出した場合はドイツではNGになってしまう。それは「〇〇公園に行ったという事実はOK」だが、そのあとの「天気が良くとても楽しそうでした」は先生個人の感想になってしまい、本当に全員がそうだったとは限らないということでした。なので、ドイツでは遊んでいる様子をタブレットなどで撮影をし、それを保護者が見れるように置いてあるということでした。

そういった観点から塾長は「保育者がデジタルを使って仕事を軽減させるということではなく、デジタルを使って子どもがどんな風な保育をするか。これからの時代は必ず使っていくので何に使うか、どう使うかを我々は研究して行く必要がある」ということでした。

技術進化によって仕事量の軽減、そして今後を生きる子どもたちが、社会に出て活躍できるような環境づくりが大切であり、塾長がいうような考え方がやはり必要だなと感じました。

次の話題は最近「雑談」の評価が高いという報告があるそうです。塾長から、デジタル化が進むフィンランドでは学校内でも全てWIFIが飛んでいるが、一部屋だけWIFIが使えない部屋がある。それは職員室で、職員同士が直接顔を合わせてお茶を飲みながら会話をして欲しいからという理由からだそうです。そうじゃないとみんなスマホをいじったり、タブレットをいじったりしてしまう。そことは別に職員の仕事部屋はありそこではWIFIが使用できるが、職員室では雑談をしたり、お茶を飲んだりして欲しいということで最近雑談の大切さが見直されているそうです。なので新宿せいがの345歳児がみんな揃うまで「いただきます」をしないのは待たせているのではなく「雑談をする時間」として位置付けている。

また、毎週行う塾も半分以上は雑談でもいいと思うのはそこからヒントが見つかればいいと思っているから。同じ時間を過ごすことでいずれ実家の園に帰ってしまう人たちも仲間として保育して行きたいと思っている。ということでした。

そんな話の流れから松元君から実家に戻ってどうか報告がありました。

戻った時はZOOMで塾というのがなかった中、自分の周りから身も守る保育の考えを持っているのが自分だけだったので不安な部分もあった。コロナのおかげではないがZOOMでの塾が行われるようになり、離れていてもそこに参加できるのはとてもありがたかったです。また自分と同じように先に実家に戻った先生たちと話すことができて参考になることがたくさんあり、ありがたかった。今回は久しぶりに生で参加できることができて嬉しかったです。ということでした。

締めの挨拶はやはり小林先生から(笑)生き物が好きで最近読んだ本から収斂(しゅうれん)進化という話をしてくれました。

イルカとサメは見た目は似ているのに哺乳類と魚類に分けられている。また絶滅してしまったがオーストラリアに有袋類でフクロ狼というのがいて見た目はほぼ狼。ユーラシア大陸にいる狼や犬などかけ離れた場所にいるのに同じ見た目というのが、収斂進化といって全くかけ離れた場所にいても、同じような生活環境で過ごすことでそれに適した形になってくるのが収斂進化という現象ということでした。つまり、イルカとサメも海という環境で大型の生物が早く泳ぐために適した形が今の形に進化したもの。この話はいろんなことに言えると思ったのが、藤森先生とドイツの保育が偶然似たというのは、乳幼児教育にとって最適解というか生物の生存を考えると同じになっていくのかなと思いました。という話を披露してもらい、今回の塾の締めになりました。   (報告者 柿崎)