質と量と

2月13日の臥竜塾の報告をさせていただきます。

今回のメニューは麻婆豆腐丼とキムチ、ニラ玉スープでした。

デザートは横田先生のお土産、チーズ饅頭をいただきました。

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ごはん大盛にしてしまい盛り付けはごちゃっとなってしまいましたが、味は最高でした!

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こちらの写真はきれいに撮れました。味もばっちり!

食事をしながら、話題は健康について

最近、体を気遣った食事を心がけているという森口先生、「納豆」をよく食べるそうです。納豆の美容、健康効果はたびたびテレビ番組で特集が組まれるほど有名ですよね。大豆イソフラボンやナットウキナーゼなどをはじめとする有効成分やビタミン、たんぱく質などの栄養素。スーパーでも手軽に購入することができ食事にも取り入れやすい、まさに食べ”ネバ”損な食品ですね!

納豆と聞いて思い出すのが集団形式としてのコーヒージョンの考え方。集団の中の個と個が発達や活動の能力によって納豆の糸のような様々な関りを築き、結び付いていく集団。見守る保育の環境で必要となってくるコーヒージョンの考え、納豆と同じくらい、いやそれ以上に必要な要素として取り入れ、意識していきたいです。

次は森口先生より、研修の報告でした。

指針研修を受ける中で、森口先生は”ゾーンのような子どもが主体的に活動できる環境が前提として用意されていないと健康な心と体は育たないのではないか”と子どもの発達を保障するための環境設定について強く意識されたそうです。主体的な遊びや活動の中で発達し学習していく子どもたち。前回のアクティブラーニング(自ら問題や課題の解決に参加し、学習する能動的学習)が見守る保育でのゾーンの環境と近いと感じていたこともあり、これからの社会で必要な能力、生きる力を乳幼児期に環境として用意することが大事だと気づかされました。

食事も学びも身になることが多く、発見も多いのですが

今回の投稿、最近入塾させていただいた松元が初担当させていただいており、塾でご飯を作る際にたびたび思うのです。

塾っていろいろと量が多い

大人12人分ほどの料理を作るのに参加する機会なんてこれまでの人生なかったため、毎度驚いています。買い物の量、切る具材の量、そして使う食器の量。買い物をしながら、料理をしながら、食べながらの会話はとても楽しく、笑いの量も多い塾での食事の時間。

そんな塾生活も今年度いっぱいで新宿せいがを離れる塾生が数名いるため少し寂しくなってしまうのですが、3月に旅立つ塾生を送り出す塾旅行が予定されています。場所は信州長野、予定は田崎先生がメインとなって観光地等調べてくれています。どのような旅路になるのか、想像するだけでワクワクしてしまいます。

報告者 松元泰志

 

アクティブラーニング

2月6日の臥竜塾の報告をさせていただきます。

まずはメニュー紹介から。今日のメニューはチャーハン風ピラフ、西村先生特製のポテトサラダ、コンソメスープでした。コンソメがたくさん余っていたということでこのメニューにしました。西村先生特製のポテトサラダですが、隠し味に練乳を入れていました。マイルドな味に仕上がり、いつもは小食でおかわりのしない小松﨑先生もおかわりしていました。また、宮崎県の久松先生から「きんかんたまたま」をいただき塾生みんなで食べさせていただきました。甘くてとても美味しかったです。ありがとうございました。

ごはん

今日のご飯

たまたま

久松先生から頂いた「きんかん たまたま」

そしてご飯を食べ終えると、話題はGT福岡の報告に移りました。森口先生からの報告で、開園4年目の西都保育園の公開保育についてです。環境がすごく工夫されていて、乳児クラスには手作りのおもちゃが多く、微細運動を行う環境が整っていたという話がありました。報告の最後には、「森口先生はイケメンですね」と西都保育園の先生に言われたそうですが、園に戻ると「ゴリラ!!」と子どもに言わた、としっかり落ちのある報告でした。

報告が終わると話題はアクティブラーニングに移っていきました。にのみや認定こども園さんの映像を見ました。アクティブラーニングと聞くと、中学校、高校時代の総合的な学習を想像しますが、正直、私はアクティブラーニングについてあまり知りませんでした。インターネットで調べてみると、体を使った、体験を通した学習とあり、いまいちピンときませんでした。塾の翌日に副園長先生にアクティブラーニングってどんなことでしょうか?と聞いてみました。例えば、テーマが「恐竜」だったとして、恐竜の塗り絵をするや、どうして恐竜が滅びたのかなどを自発的に調べるというような活動のことかな。とおっしゃっていました。

さて、ビデオの内容ですが、にのみや認定こども園では、先生たちは子どもたちに適切な指示は出さず、選択の幅を残すような声掛けを行っているそうです。先生の言うことを忠実に守る子どもは、自身の問題解決能力につながらない。ではどうしてこういった保育ができるかというと、ここに異年齢保育があるそうです。クラスで、個性の幅が広いとアクティブラーニングはうまくいくそうですが、狭いとうまくいかないそうです。様々な課題を与えられたときに、幅が狭いとみんなできる、できない、という状況になり、自分だけの視点になってしまいます。他者と補いあうことができなくなってしまうそうです。ですから、異年齢保育にし、補いあえる環境にしたとお話しされていました。見守る保育では発達のあった子ども同士がかかわりを持てるために異年齢をやっていると思っていましたが、そんな考えもあるのかと勉強になりました。また現場の先生たちはあくまでフォローに徹しているそうで、時間はかかるが子ども同士で行う活動を進めているとありました。先生たちはどんどん子ども達と距離を置いていくようになるとあり、まさに見守る保育だなと感じました。

アクティブラーニング

アクティブラーニング ビデオ

ビデオを見終わると話題はイエナプラン教育について移っていきました。イエナプラン教育とは、オランダの教育法の一つで、子ども主体で、異年齢で行っているそうです。これについては臥竜塾ブログ2013年10/10 ~ の「オランダ報告」で書かれていますのでご確認ください。

www.caguya.co.jp/blog_hoiku/archives/2013/10/オランダ報告%ef%bc%94.html

オランダの話は、写真を見ながら進めていきました。時々、冗談も入りながら面白おかしく進んでいき、今回の塾は終了しました。

報告 横田龍樹

インフルエンザ対策を!!

1月30日 臥竜塾報告をさせて頂きます。

この季節怖いのがインフルエンザです・・・。
今年は例年に比べると、感染率が非常に高いようです。
手洗いうがい、食事に睡眠!予防を怠らず元気に乗り越えましょうね!
そんな中、元気いっぱいの臥竜塾生が集まり、久々の塾がありました(笑)

さっそく今日のメニューを紹介します!
旬の食材を使った料理が食べたいと思い、鍋にすることに!

野菜たっぷり担々風鍋

野菜たっぷり担々風鍋

 

さて、鍋を頂きながらの話題は…

前日の1月29日㈪に、新宿こだまさんの研修があり、そこでの内容を少し話していただきました。

そこで、こんな質問があったそうです。

 ○給食で犬食いしている子がいて、お皿を持って食べるように言ったところ、「アメリカでは持たないんだよ」と言われた。どんな対応が望ましいのか??

難しい質問ですね…。

私は、「あ、そうなの…。でも、ここは日本だよ」と流してしまいます(笑)

質問の回答として、塾長はこんなことを伝えたそうです。

「基本的には子どもが食べやすい方法で食べる。」
「アメリカでは、箸を使う文化がないし、日本に比べると皿の大きさも違います。アメリカの大きな皿を持って食べるのは難しいですし、日本の場合では、箸で食べるならお茶碗を持って口に近づけて食べないとこれまた難しい。
その地域の風土や料理、道具によって食べ方も変わってくる。その地域の気候や食べ物、文化によってルールがあることが背景になっている」と教えて頂きました。

日本でも西洋の文化を取り入れているところも多いですし、食べ方を無理に押し付けてなくていいのだと学ぶことができました。

次の日、同じクラスの先生にも同じ質問をしてみたところ・・・。

「スパゲティとかだったら言わない。むしろあんまり言わないかも!その地域の文化とか料理も食器も違うからねー。」とすんなり答えてくれました。
さすがだな!と思ったのと、まだまだ勉強しないとな!と思わされる出来事でした。

そして話の流れから、季節にできる野菜はその季節にあった体を作る役割があるという話へ。

例えば、きゅうりも夏の暑さに負けないように、水分が多く含まれています。しかし、旬でない食べ物も簡単に手に入るようになっている時代です。出来るだけ旬の食材を使った料理を心がけたいですね。

そして、太陽を浴びることは骨を作るために大切だという話もしていただきました。保育園で、子どもたちが着用する帽子には、首のところまで覆う帽子もありますが、必要以上に防ぐことはしなくていいことも学ぶことができました。
次の質問は、
 ○お昼寝で寝ない子はどうしたらいいか?

これは、多くの方が経験したことがあるのではないかと思います。

「最近の研究で発達障害や不登校の半分以上が、睡眠障害が原因ということが分かっているそうです。睡眠障害とは、生活のリズムが出来ておらず、夜の睡眠の質が悪いことが原因のようです。
かといって、お昼寝はあまり関係なく、給食中に眠くなってしまう子も結構見かけますが、それは、夜の睡眠が原因なので家庭で生活リズムを整えてもらうことが大切になってきます。そして、基本的に、3歳以上はお昼寝はいらない。スッキリするために、15分程度寝るのは効果的だ」ということも教えて頂きました。

お便り帳には、昨夜寝た時間を記入する欄があるので、給食中や活動中に眠たくなる子の昨夜の睡眠時間を見ると、原因がわかるかもしれませんね。

 

そして、睡眠の話から、仰向け寝とうつ伏せ寝の話も。。

保育園では、うつ伏せで寝ることはよろしくないとされていますが、果たしてどうなのか??
そもそも動物は内臓をさらけ出して寝ることはせず、よっぽど安心していないとお腹を見せて寝ることはしない。うつ伏せ寝で寝ると圧迫死してしまうと言われるが、そんなことはないのではないか?
発達の過程から見ても、うつ伏せからハイハイにつながるし、うつ伏せは必要なのではないだろうか?ととても興味深い話がありました。

監査でも、指摘を受けたりするので、「うつ伏せ寝でもいい!」とは言えませんが…笑
考えさせられますね。

 

そして、次の話題は1月27日(土)に行われたメンズディスカッションについてです。

メンズディスカッションとは、GT園の男性保育士から構成されており、集まれる人でいろんな議題で語り合ったり、情報提供をしたりという場です。

今回の内容は、今後どんな内容について取り組んでいくか、案を出し合いました。

ここで出た案を少し紹介したいと思います。

① 見守る保育の「そもそも集」
普段の保育の意図、当たり前なことを形にする、言葉で説明する。

② 園庭環境作り
あそび場の素材見直しなど。

③ 用務員の視点から活動の提案
せいがの森子ども園の卒園製作や活動例を参考に。

④ 幼児期までに育ってほしい10の姿芽生え
赤ちゃん~幼児期までの保育内容、赤ちゃんが持っている能力について。

⑤ 保育遊びでゾーンを考える
ゾーン配置、遊びの提供の仕方、ゾーンで遊ぶ子どもの見方。

⑥ 男性の特性と価値

⑦ 調理と考える食育活動
調理と保育士のコラボ、活動園の活動例を集めて共有。

⑧ チームワーク
保育士が生き生きと保育参加できる環境、人間関係、多様性などについて。
などが提案されました。次回、この中から題材を選んで取り組んでいく予定になっています。

初めての参加でしたが、明るい雰囲気で見守る保育をいろんな角度から学ぶことができ、これからの取り組みが非常に楽しみになりました。

次のメンズディスカッションは、2月26日(月)の18:30から20:00で予定しています。

 

次の話題は、金沢出張報告を助手として付き添った西村氏から報告がありました。

1月26日(金)に神戸での研修。夜のうちに、金沢に向かい次の日に金沢での研修に参加したそうです。雪が、すごく新幹線も区間運休しているところがあったそうで、金沢までたどり着けるだろうか?とハラハラしたと言っていました。

 

最後に、シンガポールで会議は映像でやっているらしい!という話に。

ライン電話を使っているということで、そんなことができるのか!?と塾生で試してみました。

LINEのグループで電話ができ、顔を変えたりする機能もついており。これが思いのほか盛り上がりました笑

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LINE電話です!

今回の報告はここまで。

報告者:田崎 天悠

超(腸)すごい!

あけましておめでとうございます。

新年1発目の塾は、人体についての勉強です。

テーマ『腸』

現在NHKで放送されている、NHKスペシャル『人体−神秘の巨大ネットワーク』という番組をみんなで観ました。

腸と言えば、今大注目なのが「腸内フローラ(腸内細菌)」ですね。ダイエットや美肌、肥満解消など、腸内細菌が体に良い効果を生み出していると話題です。細菌を手懐けている、とても珍しい臓器が「腸」なのです。まさに、人体の中の「独立国家」と言えるでしょう。

その腸が、私達の命に関わる意外な役割を果たしていることが最近明らかになったそうです。それは、免疫力を司るという大仕事です。この時期になると、インフルエンザが流行ってきます。今年は特にインフルエンザの患者数が多いそうですね。そのようなインフルエンザや食中毒など、あらゆる病気から、私達を守る大事な力が免疫力です。その働きがおかしくなると、花粉症や喘息などのアレルギーやリウマチなどの病気を引き起こすことになります。

そんな大事な免疫力を保つために腸が利用しているのが、腸内細菌と免疫細胞なのです。腸は水戸黄門の助さんと格さんのように、腸内細菌と免疫細胞を従えて全身の免疫力をコントロールしていることが分かってきたそうです。番組の中でも、ある研究者がおっしゃっていましたが、「腸は免疫力の源」です。

今回、番組のゲストで、ニューヨークヤンキースの田中将大投手が出演されていました。普段の生活で腸を意識することはありますか?という質問に、食当たりの経験もなく、大人になるにつれて体を壊すことも少なくなったとおっしゃっていました。すると、解説の山中教授が一言「超一流のスポーツ選手は、腸も一流」

実際に番組を観ていると、クスッと笑うのですが、文字に起こしてみると、面白さが半減しますね(笑)

では、皆さんは腸についてどのくらいご存知でしょうか。簡単な情報を見てみましょう。

成人の平均的な腸の長さは、約8.5m

それを広げてみると

およそ32㎡!!これは畳20畳分の広さだそうです。

これだけ大きな臓器が人の体の中には収納されているのですね。

実際には、腸の表面は絨毛というひだ状になっています。それを広げるのでこれだけの広さになるそうです。

写真で見るとイソギンチャクのような形をしています。腸(超)すごいですね!

この腸を毎日通るのが、私たちが摂取した食事です。腸は食事から大量に栄養や水分を吸収しています。しかし、食べ物以外にも病原菌やウイルスが一緒に入ってくることもあります。つまり、腸は体の中でもっとも外敵にさらされやすい場所でもあります。しかし安心ください。腸にはその外敵を抑える仕組みがちゃんとあります。そうですよね。その外敵に負けていたら、人間ここまで遺伝子を繋いできていませんよね。

では、一体何が人間の免疫力を高めるのでしょうか。その答えは、腸内のミクロの世界にあるそうです。腸内の表面は透明な粘液で覆われています。さらに拡大すると、びっしりとたくさんの突起が並んでいました。これが絨毛です。絨毛の中には毛細血管があり、食べ物などの栄養は、この絨毛で吸収され、血液で全身に運ばれるのです。この腸の表面付近に住んでいるのが、先ほども書いた腸が従える助さん(腸内最近)と格さん(免疫細胞)です。腸の表面を覆う粘液には、大量の腸内最近がいます。その数100兆個。100腸個です!(笑)では、免疫細胞はどこにいるのでしょう。それは、絨毛の突起の中にいました。つまり、腸の壁の中にあるのです。免疫細胞の仕事は、病原菌やウイルスなどの外敵を攻撃し排除することです。この免疫細胞ですが、全身でみると、およそ2兆個あるそうです。そして、なんとそのうちの約7割を腸に配備していると言います。腸は、外敵の侵入から人体を守る門番と言っても過言ではありません。だからこそ、腸に大量の免疫細胞を集結させ、体を病気から守っているのです。腸の中では、どのようにして病気から体を守っているのでしょう。

腸に病原菌・ウイルスが侵入した際、その異変を察知した免疫細胞が、攻撃するように攻撃メッセージを伝える物質を放出します。腸の壁の細胞がそれを受け取り、腸の壁は殺菌物質を放出します。これで外敵の侵入を防いでいますが、腸の仕事はこれだけではありません。なんと、全身の免疫力を高めるために、免疫細胞を「訓練」するという重要な役割を果たしていることもわかりました。そして、そのための訓練場まで完備しているそうです。

その訓練の方法もすごいんです。腸の中に、隙を作ります。そこから腸内細菌を敢えて取り込み、中にいる免疫細胞に出会わせます。そこで、敵か敵ではないかを学ばせるのです。こうして、免疫細胞は様々な病気と戦う能力が高められます。その活躍の場は、腸に留まらず、血液の流れに乗り、身体中に運ばれます。こうして全身の至るところで、病原菌と戦う戦士となるのです。腸と免疫の関係というのは、現在の研究者の間では、とてもホットなテーマだそうです。

腸の重要性も見てきましたが、同時に厄介な問題もあると言います。免疫というのは、外から入ってきた細菌やウイルスをやっつけるというのが役割ですが、それが暴走してしまうと、アレルギーや自分自身の細胞を攻撃してしまって起こる病気になったりします。そして、これらの病気が最近増えています。その陰には、腸の異常があるのではないかと、山中教授はおっしゃいます。

免疫が暴走すると、仲間の免疫細胞を異常に興奮させ、敵ではないものまで攻撃させてしまいます。その症状に悩まされている海外の患者さんが出演されました。何が、免疫の暴走を招いているのか、今回専門家が行ったある調査で、その患者さんの腸に異常があることが分かりました。その調査は、検便です。便を調べると、腸内細菌の種類や数が分かります。その結果、健康な人と比べて、いくつかの腸内細菌が明らかに少なっていました。また、暴走した免疫細胞が脳に入った場合、脳を攻撃するようになります。

番組の中では、多発性硬化症の患者さんと、重度のアレルギーの患者さんが取り上げられていました。全く関係のない病気のようですが、2人の患者の便を調べると、どちらも共通してある特定の腸内細菌の減少が見られたそうです。

先ほど、腸内細菌がいくついるのかを記述しましたが、100腸個の腸内細菌が腸の中にはいます。その種類は約1000種類。代表的な細菌の1つがビフィズス菌です。腸の調子を整える善玉菌ですね。その一方で、免疫の暴走が起きていた患者さんのような病気の方の腸では、聞きなれない腸内細菌がいくつか少なくなっていました。2つの病気に共通して少なくなっていたのが、「クロストリジウム菌」という腸内細菌です。現在、研究者の間で大注目の腸内細菌だそうです。また大変なのが、このクロストリジウム菌だけで100種類くらいあり、中には病気の原因になる菌もあれば、免疫を制御する重要な役割を果たしている菌もいる。この中の特定の種類の菌が少ないと、重度のアレルギーなどを引き起こすことになったりする。

では、なぜクロストリジウム菌が少ないと、免疫が暴走するのか。謎を解く鍵が免疫研究の免疫研究の世界的権威、坂口先生によって発見されました。外敵を攻撃するのが仕事と思われていた免疫細胞の中に、全く違う役割を持つ特別なものがいることを見つけたのです。この発見はノーベル賞級だと言われており、世界中の研究者が驚きました。この坂口さんが見つけ出した、新たな免疫細胞は「Tレグ」と名づけられます。

このTレグ、体の中で暴走している免疫細胞を見つけると、驚くべき働きをします。なんと、興奮を静める物質を放出して暴走を抑える働きをします、まさに、演繹のブレーキ役と言っていいでしょう。そんな重要なTレグが私たちの腸で生み出されていることが最新研究で明らかになりました。しかも、免疫の暴走と関係していたクロストリジウム菌の働きが鍵を握っているというのです。腸の中ではどんなことが起きているのでしょうか。

腸の中でクロストリジウム菌は、食べ物のカケラに噛り付いて盛んに、メッセージ物質を放出しています。そのメッセージは、落ち着くように仕向けるものです。このメッセージ物質は、腸の壁の中に入って行き、免疫細胞に伝わります。それを受け取った免疫細胞は、形を変えてTレグ細胞へと変化します。これがTレグ細胞の誕生のプロセスです。こうして生まれたTレグ細胞は、訓練された免疫細胞と一緒に血液によって全身へ広がって行きます。そして、たどり着いた先で、暴走している免疫細胞を見つけると、その異常な興奮を鎮め、暴走を抑えます。全身の免疫本部である腸の役割は、免疫力を高めるだけではなく、ブレーキ役も生み出し、全身の免疫力を程よくコントロールする役割も担っているのです。つまり、アレルギー症状の重い人は、Tレグを増やすクロストリジウム菌が少ないために、免疫疾患が起こるという考えが今注目されています。

私たちの免疫というのは、攻撃役とブレーキ役のバランスがとても巧妙にできています。何事も「バランス」ですね。仏教に通じるものがあるように感じます。なぜ、突然仏教の話を出したかというと、このクロストリジウム菌を増やすためのヒントが意外な場所にあったからです。それが、神奈川県にある曹洞宗の大本山総持寺です。ここで修行生活を送る修行僧に、アレルギーが改善したという人が続出しているのです。花粉症のある人、アトピーのある人が、ほとんど気にならなくなったと言います。修行僧の腸で一体何が起きているのでしょう。便による腸内細菌検査を調べたところ、その結果、大注目のクロストリジウム菌が備わっていることが分かりました。修行生活の中に、何かクロストリジウム菌にとって良いことがあるのでしょうか。研究者が注目したのは、修行僧が毎日食べている精進料理です。食材にたくさん含まれる食物繊維が鍵を握っていると言うのです。実は、最新の研究で、食物繊維の意外な働きが突き止められました。腸内にクロストリジウム菌の多いマウスに食物繊維たっぷりの餌を与え続けると、Tレグの割合がぐんと増えました。同じくクロストリジウム菌の多いマウスに、食物繊維の少ないエサを与え続けると、あまりTレグが増えませんでした。つまり、クロストリジウム菌は、大好物の食物繊維を摂ることで、初めてTレグを生み出すことができるのです。

この食物繊維ですが、私たち日本人ととても深いつながりがあります。はるか昔から食べられていた、きのこや木の実に始まり、その後も穀物、根菜、海藻類など日本の食材は常に食物繊維がたくさん含まれています。そのため、長い年月の間に、日本人の腸にはクロストリジウム菌など食物繊維を好む腸内細菌が多く住み着くようになったと考えられています。最近の研究発表では、そんな日本人の腸内細菌が優れたパワーを持つことが明らかになりました。調べたのは、腸内細菌が免疫力をコントロールする物質を出す能力です。欧米などの他の11カ国と日本の健康な人で比べると、約4倍近くその物質を出す能力が高いのです。日本人の腸内細菌は免疫力をコントロールする能力が群を抜いています。長い間、食物繊維をたっぷり摂り続けてきた日本人には、誰にでも鉄壁の免疫力を生む「腸能力」が備わっていたのです。

ところが、現代の日本では、アレルギーなど免疫の暴走による病が増え続けています。腸の中で、長い時間をかけて育まれてきた腸内細菌と免疫細胞の関係が、急速な食の変化により、乱されているのではないかと考えられ始めています。これまでアレルギーというと、皮膚や呼吸器だけで起こる問題だと思われていましたが、腸も関わっている可能性が強く示されています。腸内細菌との共生は、簡単にできることではなく、人類の進化の過程でだんだん身につけた能力なのです。それを、この数十年で突然環境が変わったり、食べ物が変わったりすることで、腸内細菌も驚き、暴走しているのではないかと山中教授は指摘します。現代の生活の中でも、食物繊維は摂取できます。アレルギーの少ない修行僧は、1日平均20グラムの食物繊維を摂取しています。もちろん、食物繊維だけを摂るのも良くありません。それも「バランス」ですね。

2018年、健康的なテーマでスタートしました。わたし自身の食事を振り返っても、やはり食物繊維が少ないように感じます。バランスの良い食事を心がけていこうと思います。では、そんな今回の塾の食事は、どうだったのでしょうか。

IMG_5672IMG_5675私の長崎土産「島原うどん」

IMG_5676田崎先生の長崎土産「雲仙ウインナー」

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高騰している野菜もしっかり摂ります「ニバニラ炒め」

レバーで鉄分もたっぷり。

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新年1発目なので、「お屠蘇」

今年もよろしくお願いします!!

西村 宗玲