邨橋先生参戦

8月22日(火)の生臥竜塾報告

今回の生臥竜塾では元臥竜塾生で現在大阪にあるご実家の園で活躍されている外部臥竜塾生の邨橋先生がゲストティーチャーとして参加してくださいました。

最初は初対面である田崎先生と横田先生が自己紹介を含めた近況報告を行い、その後、邨橋先生からの質問タイムとなりました。

Q:「新宿せいがに入った経緯は?」

田崎先生

A:新宿せいがで実習なら東京に行けるからという軽い気持ちだった。当初は保育をやりたくないと思っていたが、その実習で保育に対する気持ちが変わって、塾長に新宿せいがで働かせて欲しいと直接伝えに行きました。

それに対して邨橋先生曰く、そのルートは「邨橋ルート」だそうです。

横田先生

A:最初はとりあえず内定をもらわないととあまり興味がなかったがシステムエンジニアになる予定だったが、叔父と新宿せいがに同行させていただく機会があって、初めて塾長と話し、塾長の考えや保育に惹かれたのがきっかけで、最初にカグヤさんにお世話になり、どちらかに就職するか悩んだ末に塾長についていきたいという気持ちがやはり強く、新宿せいがを選択した。

次に塾長から「家族」と「社会」の形成に関して、貴重なお話をいただきました。

家族は形成できるけど社会を形成できないのがゴリラ

社会は形成できるけど家族を形成できないのがチンパンジー

人間は両方できる。人間がなぜゴリラとチンパンジーにはできない家族と社会の両立できるのかは「共感力」にあるそうです。

しかし、今の若い人はこの共感力が落ちてきているのではないかと塾長は危惧しています。

そのキーワードとして、子どもたちに「音声だけで伝達しようとし過ぎている」「赤ちゃんのときに白目が見える範囲にいてあげる必要性」を挙げていました。

白目に関する内容は塾長が毎日書かれている臥竜塾ブログに掲載されているのでこちらをご覧ください↓

http://www.caguya.co.jp/blog_hoiku/archives/2015/05/白目.html

これらは現在より昔の方がよりできていて、それらを復活できるのは保育ではないかとおっしゃっていました。

そして、保育園は親の仕事のために預ける場所ではなく、教育の場として質を高めていく必要があると日経新聞に掲載されていたことを紹介してくださいました。

そのためにはまず私たち保育者がその意識を高く持つ必要性があるなと感じました。

また、これから求められることとして、「関連性知識」という言葉が出てきました。

この関連性知識とは「1つのことにいろいろと関連付けて考えること」だそうです。

この能力において、日本は下位で1位はシンガポールだそうです。

この違いは、どの時期の教育で差が出てしまっているのか、そもそも教育にどんな違いがあるのかが気になります。

来年の2月に塾長がシンガポールに招かれ、講演をする予定があり、邨橋先生も同行されるそうです。

その際に塾長によって、関連性知識に関する教育の違いがより詳しく紐解かれる気がして今から楽しみですし、見守る保育にも繋がっていく気がしています。

そして、韓国でも見守る保育が流行りつつあるという情報が入ってきているそうです。

その背景に「見守る」が日本の精神と捉われているという何とも嬉しいお話もありました。

次に森口先生からの熊本出張報告です。

今回のGT熊本では、毎回のことながら質の高い実践報告があり、感動したそうです。

GT長崎同様に、GT熊本も各園独自にテーマを決めて報告する形だったそうです。

最後に邨橋先生から自園に戻られてからのエピソードや思っていることを熱く語ってくださいました。

まず、自園の園長先生が語る場が必要だと感じていて、外の研修に出すことも必要だけど、出したらOKみたいなところがあるから、それなら外の研修を削って、園内研修を行い、園の理念や保育をしっかりと園長から現場におろしていく必要性があると感じているそうです。

また自園に戻り、雇われる側から雇う側になり、求人として技術より想い先行の人を求めるべきことに気付いたとおっしゃっていました。

さらに、自園の大阪に帰ってからの方が見守る保育を勉強していることにも気付いたそうです。

また、以前塾頭の山下先生が助手時代に質問を受けた際、例えば塾長なら何と答えるかなど「誰なら何と答えるかなと考えたりする」と言っていたことに当時はあまり理解できなかったが自園に戻ったことでそれがよくわかるようになったともおしゃっていました。

そして「奥さんの存在が大きい」というお話も出て、その1つに邨橋先生に変なプライドがあって、そのまま真似ることへの躊躇いがあったけど、元新宿せいがの奥さんがそのプライドを払拭してくれて、増改築した際にまず新宿せいがを真似ることから始められたことが大きいそうです。

塾内には私も含めてですが、邨橋先生同様にいずれ実家の園に戻られる先生が多く在籍しているので、とても参考になるお話がたくさん聞けて勉強になりました。邨橋先生ありがとうございました!

最後に今回のメニュー紹介です。

旬な野菜をたくさん使った「酢鶏」と園長先生の熊本出張お土産「馬刺し」、中華のお供と言えばの「ザーサイ」と卵スープです。

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酢鶏定食

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馬刺し

食後には私が栃木に帰省したお土産の「日光甚五郎煎餅」をみんなに食べてもらいました。

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日光甚五郎煎餅

(報告 若林)

見守る保育三本柱

8月16日(火)の生臥竜塾

今回は塾長宅ではなく、ギビングツリーの事務所で行いました。

メニューはそうめん・天ぷらの盛り合わせ・焼きナスです。

塾頭の山下氏からのお土産で、さす(カジキマグロ)の昆布締めと、白海老の昆布締めを頂きました!デザートには、加藤氏からのお土産でバウムクーヘンも頂きました!

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山下氏からのお土産!

山下氏からのお土産!

加藤氏からのお土産!

加藤氏からのお土産!

さっそく、山下氏から富山に帰省した際に訪れた「富山県美術館」の話を伺いました。そこには、「オノマトペの屋上」というものがあり、子どもたちが遊ぶ遊具を「オノマトペ」で表現している魅力的な庭があるそうです。それを手がけたグラフィックデザイナーの佐藤卓氏は、「楽しい遊具をまず作るという発想ではなく、楽しい擬音語・擬態語を思い浮かべてから遊具を考えるというアプローチです。」と表現しています。「オノマトペ」という、遊具と懸け離れたものとを結びつけるというのは面白いですね。新しいものや試みというのは、既存の何かと何かを結びつけたものなのでしょうか。そんなことも思い浮かびました。

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ふわふわ

ふわふわ

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次に塾長から、確立させていきたい見守る保育の三本柱についての話がありました。

見守る保育三本柱

  • ゾーン保育
  • 異年齢(子ども集団の関係性)
  • 乳児の社会性

新聞に書かれていた、OECDの結果をもとに様々な区がそれぞれの保育内容を展開し始めていることについて、塾長の意見を聞きました。乳児保育については、研究が進むにつれ愛着形成の仕方や子どもを見る職員の距離間など様々な方法がある中、目先ではない子どもの発達にとって何が良いのかということを話してくれました。

  • 人類の進化上、母のみという育児はない
  • 「特定の」という意味
  • 子どもは距離感を表現する
  • 先回りの危険性
  • 脳への刺激

などが、キーワードでした。

そして、異年齢についても再確認できました。

まず前提には、発達の違う子を一緒にしましょうではなく、一人一人の発達に合わせるために「異年齢保育」があるということ。発達をどこに合わせればいいのか、3歳児は5歳児からのプレッシャーを感じないか、5歳児は3歳児と関わることで幼稚にならないかなどの問い合わせが多い中、4月から3月という大きな幅の中、年齢別保育は発達に合ったことができるのか、見て真似ることが最も高い学習方法であり、発達の違う子を見ることによって成長するのではないか、年下の子と関わることで調整能力が養われるのではないかと塾長は言います。

最近、3・4・5歳児クラスで「将棋」ブームです。もちろん、5歳児は4歳児とも対局しています。そんな中、5歳児は4歳児の能力を見て、「じゃあ、俺は角なしでいいや」など自分にハンデを生み出して課しています。それは、どちらもが楽しく将棋を指す方法を探っている過程であり、相手との調整であり、新しいルール構築というクリエイティブな作業であり、まさに調整能力であるわけです。

全ては「子どもに選択させる」ことから始まります。ゾーン遊びもその一つです。始めは自分の能力とは異なるところを選択してしまっても、その経験から次第に「自分の力」を読み取ることができるようになります。その経験の幅は、異年齢であるからこそ大きくて多様なのだと。

塾長は言います。そもそも「社会」は異年齢であると。

昨今の、「ストレス社会」という要因の一つには“年齢が違う人との関係性”があるのではないか。乳幼児期から、異年齢という環境に身を置くことで相手との調整能力を養い、年齢的差別意識も持たないのではないか。若いというだけで未熟だと見てしまう、年上だから頭が硬いという社会ではなく、その人個人の能力(発達)を見つめていく社会(環境)が大切であり、それが「異年齢保育」であると。あくまでも、一人一人の発達に合わせるための「異年齢保育」です。

塾長は言います。そもそも「社会」は異年齢であると。

(報告者:小松崎高司)

見学者

8月8日に塾報告をさせてもらいます。
まずはご飯の紹介から…
さっぱりとしたネギナス(さっぱり作ろうとしましたが味付けをしていくうちになんとなくさっぱりではなくなってました。)、ネバネバ丼(アボガド、納豆、オクラ、山芋、しらす、漬けマグロ)、ミョウガの味噌汁です。
そして大きなスイカもいただきました!
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「夏らしく」というイメージでメニューを決めさせていただきました。
本日は和気藹々といいますか、楽しく食事をしている際に田崎氏があいうえお作文が得意という話になりました…
田「昔友達とやりませんでした?僕得意ですよ!」
そこまで言うならば…すごい作文出してくれるのだろうなと塾生一同期待しながらお題を振ります。
お題はBMW…
なかなか難しいですが、田崎氏ならばと。
田「(B)ボギー、(M)マギー、(W)私」
さすがですね。
では本題に移りたいと思います。
今回のメインは「見学者からの質問」です。
見学者は中国からでした。
その方々は塾長の本を全部読み、是非この園に見学に行きたいと出版社に問い合わせをして紹介をしてもらいここまで来たそうです。
実に熱心な方々だったようです。
そこで質問が興味深いものでしたので塾長が私たちだったどう答えるかと質問をしてくれました。
まずは0、1歳クラスで異年齢のお話を説明し、上のクラスの子を見ることで刺激を受け、食べ方を真似するようになっていきますと言ったような(相当ざっくりです…)説明を塾長がしたそうです。
すると質問に「フォークの子が手づかみ食べを真似しないですか?」
「悪い真似もあるのでは?」
「逆もあるのではないか」
「だから、先生が見本を見せた方がいいのではないか」
と言った質問です。
確かにと思う反面個人的には何か違和感を感じる質問であるように感じました。
1歳児クラスでは1テーブルに1人は上手な子を置いて真似できたり、手伝ってもらえる環境を作りますが、まさか上手な子が手づかみ食べを真似するというのは想像しずらい部分ではありました。
そこで塾長はの説明として、兄弟では下の子が生まれた時に、下の子の真似をするようなことがあるがそれは赤ちゃん返りという行為で、親の愛情を欲しての行為であり、真似しているわけではない。本来人間は進化してきたのだから、進化するためには悪いものはせず、便利でいい面を真似していくのではということです。さらに、影響されて悪になってしまう自分というのはまだ自分ができていないためにつられるのであって。真似とは違うとおっしゃっていました。
人類の起源になって考えることで見えて来るものが大きく変わって来ることを実感します。
続いては3、4、5歳クラスのお話です。
例えばブロックで遊ぶ時は子ども同士が一緒にやることでいいものができますと説明したところ、
「いいものができて嫉妬はしませんか?」
「他の子が壊しませんか?」
こうした質問を受けたようです。
こういった質問に対してどう答えるだろうかとそれぞれ塾生は考えましたがなかなかむずかし質問であるように感じます。
塾長は、嫉妬は早い段階から生まれるものであり、嫉妬は愛情を取られる時に嫉妬をするが、いい作品には嫉妬をしないのではないかという結論です。
また嫉妬をしないような子に育てるためにはどうしたら良いかという質問も受けたそうです。
それに対しては、嫉妬しないで、協力することでいいものができることの経験を積み重ねることでいいのではということです。
一同大きく頷くような答えでありました。
一緒に作ることでいいものができ、嫉妬しないで一緒にいいものを作る経験を重ねることで嫉妬をすることがなくなるという考えですね。
同じく、3、4、5歳児クラスので質問では、給食の際、食べれないで残してしまう子にはどうしているのかという質問です。
塾生だったどう答える?という質問では、二回食であるため、次に出た時は減らそうねといった答えでしたが、中国では食べられる食べられな関係なしに権利として、全部よそうそうです。ですから食べられない子がいたら、夕方までかけて全部食べさせるそうです。なんともかわいそうな教育であるように感じるとともに、そこに中国という人間性が現れいるのではないかとも感じます。
中国のバイキングではとりあえず全部よそうそうです。こうした根本にある考えによって子どもに影響することも多いことが伺えます。爆買いと最近話題になりましたが、それもその影響が大きいのでしょうね。
せいが保育園でしている雑巾掛けの自己評価を中国の子がすると全部できていると言って全てシールをもらおうとすると聞きました。それも国民性なのでしょうね。
見守る保育をする上でそのような考えになる先生を作るためにはどのくらい時間がかかるだろうかという質問もあったようです。
それに対して、森口氏は「先生の話を一回聞けば変わると思います」と名言をおっしゃっておられました。それは実際に見守る保育に出会う前の森口氏の経験からの発言であることがよくわかりました。
と、こんなように中国の方の質問から盛り上がり、様々なことを考えさせてもらえる会となりました。
原点とは何か、答える上で基盤がしっかりしていないと答えれないこを再確認できたように思います。
(報告者 本多悠里)

退院祝いから学ぶ人生観

8月1日の臥竜塾は、森口君が7月17日から31日の2週間入院していたので、その復帰祝いをしました。
森口君に手術と入院生活の感想を聞くと、「入院だけなら良いが、手術はしなくていいのであればしない方が良い」そして『主治医の先生が31歳の方で、その先生から「手術が本当に嫌なら、始まる1秒前までに申告してくれれば中止することができます。私の場合だと過去に1人だけ申告した方がいました」という事を聞いたので、手術をあまりしたくはなかったので申告するかどうかをギリギリまで悩み続け、全身麻酔のマスクをかけられた瞬間に意識が無くなり目が覚めた時には手術が終わっていました(笑)』という事でした。また、術後の2,3日は点滴の管がずっとつながっているのであまり動く気が起きなかったそうですが、点滴が外れると自由になり「どこへでも行ける(笑)」みたいな解放感だったそうです。そして、入院中の部屋が4人部屋だったのですが、そのうちの1人が癌患者の方がいたそうで、健康の大切さと、入院が長期になると気が滅入ってくるので、長くいてはいけないなと感じつつ、後半に隣のベッドのおじいちゃんと仲良くなったそうで退院するのがちょっと寂しかったとの感想でした。

塾長も42歳の時に死んでしまうかもしれないほどの大病を患い、手術経験があったことからその時のことを教えてくれました。
当時塾長は地域等で様々な役についていた事から、同じ役同士の人や教え子、そして保育園で働く園長の仲間などたくさんの人がお見舞いに来てくれたそうです。そのお見舞いに来てくれた人達と話していて気付いた事があったそうです。
役の関係で来てくれた人は、もちろん心配で来てくれている人もいましたが、今後復帰できるのか否か、それはいつ頃なのか、復帰できないのであれば次の人を決める準備など見極めに来ている感じだったそうです。つまり、生きるか死ぬかの塾長を様々人がお見舞いに来てくれたが、その中でも塾長の「地位」と「名誉」などをどうにかしようとする人が見受けられたそうです。しかし、本当の意味で心配し親身になってくれた人を後で快気祝いをするために忘れないようにメモをしたら200人の名前を書いていたそうです。そういった時に、友達関係の人は本当に心配してくれたり親身になってもらったが、助けられたなと感じたのは、管理職だったため、入院して困ってくるのは書類や運営になってくる。そういうのができる仕事関係の仲間によって助けられたと感じたそうです。
塾長の手術が終わり治った時に塾長は奥様に『残りの人生で3つ捨てたいものがある。それは「地位」と「名誉」と「お金」は持っていても意味がない。それより人に感謝されるような事をしたい。いざ何かあった時に親身になって助けてくれるから、200人の名前を死ぬ前までに400人にしたい』という話をし、そこから自分の人生が変わったそうです。

塾長と森口君以外の塾生は入院経験がまだないのですが、塾長が「女性は出産をするときに入院する機会があるが男はあまりないので、命等に問題が無ければ入院してみるのも経験だね。」と一言。
確かに入院した時の大変さや、必要になってくるものなどは、それを経験した人にしかわからなかったりします。塾長が感じたように「地位」と「名誉」と「お金」ではなく「人に感謝される生き方」の方が大切と気が付くことが出来たり、健康のありがたさを感じる事が出来たり様々な事が学べる入院生活も良いのかな?と思いつつ、個人的には入院したくはないのが本音ですね(笑)

そして、今回のごはんは時間的に早めに食べたかったこともあり、チキンカツをスーパーで買い、チキンカツ丼を作り、インスタントの味噌汁が今回の夕飯でした。森口君は退院してもまだお粥などの軟らかいものしか食べることができなかったので特別に、お粥の上に刻んで食べやすくしたチキンカツをのせました。
デザートには毎年夏に恒例となったかき氷と、西村君の誕生日という事でちょっとしたケーキを食べました。そして今回はTシャツのプレゼントをしました。このTシャツは西村君の好きな「ソフトバンクホークス」と、「キャプテンサンタ」がコラボしたTシャツで、家族みんな好きという事もあり家族には買っていたそうなのですが、自分の分だけ買っていなかったという事でとても喜んでくれていました。(報告者 柿崎)

今回の夕飯 チキンカツ丼とみそ汁

今回の夕飯
チキンカツ丼とみそ汁

 

森口君バージョン

森口君バージョン

 

夏の恒例となったかき氷

夏の恒例となったかき氷

 

西村君のお祝い

西村君のお祝い