3月22日(火)の生臥竜塾
今回は最初にメニュー紹介をさせていただきます。今回のメニューは、前回の塾で話に出た「カレー」にしました。
トッピングを選べる方式です。
今回はTBS60周年特別企画の生命38億年スペシャル「人間とは何だ…!?」をみんなで観ましたが、この回は4時間もあったので、塾長がその中で選別したものを選んでくださいました。
最初から最後までを通して共通の題目は「人はなぜモメるのか?」で、その中で最初に注目されていたのが、男女差でした。
まずは、恋愛観では男性は女性の「外見」を、女性は男性の「内面」を重視していることを、実験で解明していました。その内容はSNSで知り合い、自分の顔写真を送り、実際に会う日取りを決めて会うという単純なものでしたが、会う際に送った写真より特殊メイクによりかなり太ってみえるように細工されていました。
すると、男性は思い描いていた女性像と違うことで帰る人が多かった中、女性は見た目を気にしている人が少なく、その後のデートに発展するケースが多くありました。
なぜ男性は外見を重視するのか。それは、男性が女性に「セクシーさ」を求めていて、そのセクシーさを男性はウエストの細さから感じているそうです。
なぜウエストに着目してしまうのかは、太っていると妊娠していて、自分の遺伝子を残すことができないと脳が無意識に反応してしまうことが挙げられるそうです。
よって、男性と女性はお互いに求めていることが根本的に違うからモメると締めくくっていました。
しかし、男性でも女性らしい人がいたり、女性でも男性らしい人がいます。それを見分けるではないですが、利き手の人差し指と薬指のどちらが長いかでわかるそうです。薬指が長い方が男性らしく、人差し指が長い方が女性らしいのだそうです。ちなみに私は女性らしいという結果に…。
次にモメるのは「遺伝」が大きいのか、それとも「環境」からの影響なのかという実験が、一卵性双生児3組を対象に行われました。
AとBの2グループを作り、3組の双子を分けて編成し、そのグループで1枚の紙にお絵描きしたり、先生の指示を守れるのかを観察したりという内容でした。
そこで興味深い結果が出ました。それは各双子が別々のグループに属しながら同じ役割を担ったり、同じ身振りをしたり、絵の特徴が似ていたりしたのです。
この結果からもわかる通り、幼い頃は遺伝の影響が高いそうです。
また、双子には一卵性と二卵性があり、二卵性の方も同じ実験をしましたが一卵性ほど強い疑似性はありませんでした。
次に「オキシトシン」という信頼と愛情からやすらぎをもたらすホルモンに着目していました。このオキシトシンというホルモンは、人の社会性に影響するとありました。
そしてオキシトシンは、身近なペットとの間でも分泌されるそうで、そのペットは犬だそうです。
このオキシトシンの効果は様々にあるようで、子宮を伸縮させ出産を促したり、怒りを緩和させてくれたりと魅力的な効果が多く紹介されていました。
オキシトシンを分泌させる最良の方法は、触れ合うこと(スキンシップ)だそうです。例えば、極端ですがその人が怒る言葉を発する際や怒る行動をする際に手を握った状態で発したりすると、手を握った状態でないときよりも怒りは小さいなど。
最後に塾長が一番注目していた題目で「集団はなぜモメるのか?」「なぜ人は集団になるだけでモメるのか?」がピックアップされていました。
よくある例としては、大きな集団内にいくつかの小集団があり、その小集団同士がモメることがあるそうです。
ここで集団の法則の1と2があげられていました。
「集団の法則1」では、集団は敵対心などの対抗意識を芽生えさせるとあり、相手を貶めようとする行為が集団がモメる要因とありました。
「集団の法則2」では、「リーダー」と「傍観者」という2つの集団内の役割に注目していました。
ここで全員が初対面である若い男女8人ずつの計16人を男女均等に1グループ8人の2グループに分けて、釣り対決や料理対決するという実験が行われました。
ここで注目するところが、何をするかも伝えていないにも関わらず2グループに分けた時点で両グループ内で「もう片方のグループに負けたくない」という決意表明のような会話が飛び出したのです。
「なぜ人は集団になるだけでモメるのか?」の要因の1つが垣間見えた瞬間でした。
集団が生まれると必ずリーダーが生まれ、リーダーに追随する存在として「傍観者」が生まれます。
ここでの傍観者の役割は、「追随する」とあるように、リーダーに従って後を追うこと、つき従ってそれを真似ることがありました。
この実験では、集団でモメることの良い部分が出ていました。片方のグループが2連敗すると、「このチームで勝ちたい」という思いが浸透し、グループ内の士気、集団力が高まり、次の対決では見事勝利していました。
集団のモメ事は人を成長させてくれることもあるのですね。
この「人間とは何だ…!?」という果てしない疑問に向き合うには、塾長が保育を人類の起源、ホモサピエンスにまで遡って考えていらっしゃることと同じだなと感じました。
塾長が書かれている臥竜塾ブログに集団を人類の起源から考察なさっている内容で2013年4月23日「原始的集団におけるEQ」があるので、より詳しく知りたい方は下記URLからご参照ください。
また、集団のメリットとしてある「協力」「協同」に関する内容の2015年2月13日「協同的活動」も集団を考える上でとても参考になるので、見てみてください!
(報告者 若林邦彦)