新クラスへの移行について (3月8日の塾報告)

こんにちは!
塾生の小林でございます。
春らしくぽかぽかと暖かい日が続いていて、気持ちがいいですね!。
同時に目はかゆく、鼻水は垂れる苦しい日々となってしまいましたが……。
(なぜこんなに空は広いのに、杉の花粉は我々の粘膜にまで入ってくるのでしょうか?!)

さて3月8日に実施された塾の報告をさせて頂ければと思います。
この日もいろいろな話題について話し合いました。
その中でも最も盛り上がったテーマは
「新クラスへの移行」についてでした。
本稿では「移行」のポイントについて
先生からお話し頂いたことに加えて
塾生の先生方からあったコメントも交えて
下記にダイジェストにて要約させて頂きます。

○移行を始める時期は、その年度のクラスによって異なる。
 クラスの中で月齢がどのくらい離れているかなど
 様子を見て移行をしていく。

○どんな部分から移行していくかを考える。
 場所を移行していくか
 保育士の数を減らしていくか
 子ども達が自らやることを増やしていくかなど。

○多くの園で忘れがちなのは
「配置基準の移行」である。
 特に2歳児から3歳児になる時が重要
(急に保育士の配置が減るため)。

(本多先生)
 部屋に保育士がいる状況であると子供は頼ってきてしまうので
 意図的に見守る保育士の数を減らすことは行なっている
(伊藤先生)
 今のにこにこでも徐々に保育士の数を減らして保育している。

○保育士の数を減らすということだけでなく
 子ども自身でやることを増やすというイメージで援助を行う

○随意筋というものがある。
(随意筋:自分の意識で動かすことのできる筋肉のこと。)
 例えば子どもが自由画を描く際、
 小さい頃は何か描こうとして描いているわけではない。
 偶然の手の動きで描いている。
 それをあとで「ママ」「おばけ」など意味付けしている。
 意識的に○を描けるようになるのは
 2歳から3歳にかけてと言われている。
 意識的に描けるようになっているということは
 自分で上手に筋肉が動かせるようになっているということである。
 それは着脱や食事、排泄といった
 生活習慣の自立が可能になっていることを示す。
 遊びの中で子供たちの様子(随意筋の発達具合)を見て
 生活習慣の自立に向けて援助し、移行していく。

(中村先生)
 自立に向けての援助に関しては
 「この子はできないだろう」という
 決めつけはよくないと反省することがある。
 子ども本人はできなくてもやりたいという意思を持っている時がある。

○子どもが自分でやろうとする時は、まだ完全にできない時である。
 だから「できないのだから援助しなくては」ではなく、
 子どもが自分でやれた気になるようなやり方で上手に手伝う。

以上が塾の報告になります。
「新クラスへの移行」というと
未熟な私のイメージでは、場所を変えて慣れていくといったことのみでした。
が、配置基準が変わることを想定して
部屋の中の保育士を意図的に減らしていったり
子どもたちが自分でやることを増やすよう援助したり
することなども肝要なのだと学ぶことができました。
また「随意筋」のお話を聞いて
日々の生活や遊びの中で見られる子どもの様子から
発達状態を見極めて移行していくことが大切なのだと感じました。   
「子どもが自分でやろうとする時は、まだ完全にできない時である」
というお言葉も印象的でした。
手を出して援助したい時も、ぐっと我慢して見守る。
あるいは上手に手助けする。
このことは大変難しいことであると考えますが
毎日の保育の中で意識していきたいと思いました。

さて新クラスの移行に関しましては
YOUTUBEのGTチャンネルの方でも
藤森先生が詳しくお話し頂いている動画がございます。
マンスリーGTチャンネル12月-① 「新しいクラスへの移行①」
https://www.youtube.com/watch?v=KVHxUfo3yaA
こちらでお話されている内容も
下記に要旨をまとめさせて頂きました。
あわせてお読み頂ければ幸甚です!

○移行するための大きな前提として
「発達の連続性」がある。
 新年度の移行というものは大人の都合であり
 子どもにとってはいつもと変わらない毎日に過ぎない。 
 とはいえ新年度になると
 部屋が変わる
 先生が変わる
 新入園児がいる
 つまり移行が必要になる。
 発達を上手に繋げなければならない
 (段差を作らないように移行する)。

○空間の移行
 当園には大きな3つのステージがある。
 ・0・1歳
 ・2歳
 ・3・4・5歳
 である。
 つまり移行においては
 1歳クラスから2歳クラスに行く時と
 2歳クラスから3歳クラスに行く時が中心になる。
 特に丁寧に行わなくてはならない。
 部屋には少しずつ慣れていかなければならない。
 現クラスが散歩などに行っている間に
 体験的に新クラスの部屋に行くことで場所に慣れさせていく。

○物への移行
 現クラスの子ども達から
 玩具の場所や遊び方を教えてもらう機会をつくる。
 発達するに従って今ある玩具が易しくなってつまらなくなる。
 →発達にあった玩具をその部屋へ持っていくではなく、
  その玩具がある上のクラスに連れて行く。
 またクラスにある玩具を易しいものにする。
 →上のクラスに子どもたちが行きたくなる。
  下からくる子どもたちが遊びやすくなる(発達に合っている)。
 移行の時期は概ね1月からだが、子どもたちの様子をみて変えて行く。
 目安としては、部屋にある玩具がつまらなくなり始めたら
 移行の時期と考える。

○人の環境
 チーム保育の体制によって、いろいろな保育士が日々関わっている。
 担任が変わってもある程度信頼関係がある状況にある。

○配置基準
 2歳から3歳への移行は特に気を付けなければならない。
 配置が「6対1」から「20対1」と大きく変わるからである。
 子ども達の負担は増える。
 やってもらえることが減り、自分のやることは増える。
 それを突然行うのは難しい。
 年度を通して距離を徐々にあけ
 子ども達が自分でやることを増やすようにしていく。
 1歳と2歳は同じ配置基準だが、
 2歳クラスでは子ども達が一人でできることが
 徐々に多くなるように一年を通じて見守っていかなければならない。
 基本的生活習慣の自立に向けて少しずつ援助する。
 着脱・食事・清潔・排泄の自立ができるように
 していけば移行はスムースなものになる。

Youtubeのダイジェストは以上となります。

現在、移行の真っ最中でありますが
塾や上記Youtubeで学んだことを
改めて頭に留めながら保育していきたいと思いました。
また移行は1月頃からする部分が大きいと思いますが
発達状況を遊びや生活の中で見極めたり
生活習慣の自立を徐々に促していったりと
年度を通して行う部分も重要なのだと学びました。
報告は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
(報告者:小林)

成長展~一年の育ち~

3月1日(水)の臥竜塾報告を行います。

今回の塾は、ZOOMでの完全オンライン式での塾でした。

今回もトークテーマが盛りだくさんでした。

その中でも、2月25日(土)に行われた、成長展~一年の育ち~について投稿させていただきます。

成長展当日と前日準備には、元せいがの職員の西村先生も長崎から来られていました。

伊藤

「今回1年目で初めての成長展だったんですけど、私自身学生の頃、臥竜塾のYouTubeチャンネルで成長展~一年の育ち~の動画を観させていただいていて、『こんな面白そうな行事があるのか!』と衝撃を受けたのを思い出しました。また、実際に自分のクラスの子の一年の成長を絵やシルエットなどで感じることができ、毎日保育をしている中では感じることのできなかったことに気づくことができ良かったです。」

西村先生

「成長展の前の日の準備から1泊で行ったんですけど、あの懐かしさも感じたくて行かせていただいたんですけど、長崎の自分の園では自分の素を出せてなく本来の自分を見つめなおしたくて前日準備から入らせていただいたんですけど、とても楽しかったなと思いました。また準備も早く、19時半には準備が終わっていてびっくりしました。システマチックで、その辺の進化もすごくて、ここから自由画を展示するとかの目印が天井すでに貼ってあってそういう工夫が準備を早くできているのかなと思い、かなり計画性のある準備だなと感じました。」

私も今回成長展で展示する画用紙のクリップ付けのお手伝いをさせていただいたのですが、1か月ほど前からクリップ付けを行っており、はじめは箱いっぱいのクリップがあり、「果てしないな」と感じていたのですが、係のリーダーの先生をはじめ、成長展を知っている先生が計画的に進められており、とても効率よく準備が行われており、あっという間にクリップ付けが終わったな思いました。

小林先生

「私は赤い部屋(0、1歳児のお部屋)だったので、初めて成長展を見られる保護者の方々のリアクションを見られたのがすごく良かったと思います。ほんとに自分の子どもの成長を喜んでいるし、このせいがの成長展をすごい!とリアクションしていて、「こんな準備すごく大変なんじゃないんですか?」と言って驚かれている方もいたりですとか、「こういう工夫面白いですね」などビビットな反応も見られて、私自身も嬉しくなりました。また、子どもの成長は、万人に通用するエンターテインメントのような感じで、自分自身の子どももそうなんですけど、他の子どもの成長もみんな嬉しくなるというのがすごくよく分かり、見ていて皆さんそういう風に感じているなと思いました。シルエットなども誰が見ても「なんだろ」とか「こういう風に成長しているんだな」とか感じることができ、ある意味コンテンツとして素晴らしいなと感じました。もちろん子ども自身が見ても、自分の成長をみて喜ぶだろうなと思った成長展でした。とてもよかったです。」

佐野先生

「前勤めていた園でも成長展はあったんですけど、せいがは準備や片付けが早いなと感じました。」

段ボールの家の制作について

「はじめは迷路だったんですけど、家のほうが子どもたちもイメージがしやすいので作りやすいのかなと思い家にしました。はじめはあんなにできるとは思わなかったんですけど、子どもたち同士が協力してやっていて良かったです。家具も細部までこだわっていて面白かったです。」

確かに、実際に段ボールの家の制作を見せていただいたのですが、細部まで一つひとつにこだわっていて子どもたちが経験してきたものや見てきたものがそのまま形になって作り上げられているなと感じました。また、佐野先生が普段やられている「サノモッコー」の影響もあり、子どもたちが作ることの楽しさや完成することの達成感も感じられたのではないかなと思いました。

準備や片付けなど、限られた時間の中でクオリティーを落とすことなく計画的に進められており、これはほかの行事や普段の保育でも同じようなことが大事になると感じました。

今回の塾も話が盛りだくさんで、とても有意義な時間となりました。

お付き合いいただきありがとうございました。

(報告者 伊藤 暁人)

あんなことやこんなこと

2月15日の報告をさせていただきます。
遅れてしまい申し訳ありません。

今回は完全オンラインでの塾になりました。
ですので外部臥竜塾生も多く参加してくださいました。

森口先生の髪型が非常に印象的でした。
パソコンの光を軽減するサングラスは必須です。

えー、はじめに見守る保育の全国大会の報告が外部臥竜塾の松元先生から報告がありました。詳しくは下のところをクリックして参照していただければと思います。
見守る保育全国大会 鹿児島大会の様子です!

鹿児島のお話をしていただき非常に盛り上がりました。
そのほかにもそれぞれの近況報告を行いながら話は進んで行きます。
時期的にはインフルエンザに罹患してしまった職員の話だったり、実際罹患してしまって経験した上で病院から許可をもらう大変さなども共有する事でどんな形で登園を許可しているかなど各園ではどんな対応をしているかなども興味深い話でした。コロナも相まって複雑になってしまうのは仕方なく、頭を抱える問題ではありますし、この時期ならではの話題でした。

そして色々学んだことや、悩みだったり、あんなことやこんなことを…
いつも森口氏がファシリテーターをしてくださりいつも円滑に塾が進んでいっています。いつもありがとうございます。
まず伊藤先生に最近どう?何かある?という質問から…

伊藤氏
持ち上がりでクラスを担当するのでそこはまた一緒に成長を感じられるのが楽しみではある。最近は移行や職員ヘルプで自分が担当するクラスが次に行くクラス入っていて来年度どんな動きをするのか、今受け持っている子たちがこうして動くんだという想像ができて、違うクラスに入って見れる仕組みはいいなと思い、楽しくできた。

藤森先生からはマスクについてお話がありました。
ある職員が頭が痛くて病院に行くと自閉症と同じ脳になっているという診断が降りたそうで、その職員は自閉症でもなんでもありませんがマスクをしていて脳に酸素が行かない事でそういった脳になってしまっているとのことでした。
また職員が妊娠していておさんばさんで産む予定ですがそのおさんばさんになるべくマスクは外して過ごしてくださいと言われ、赤ちゃんに酸素が行かないと障害の可能性が高くなってしまうからと言われたそうです。
マスクをして感染を防ぐのは大事ですが、マスクをすることのリスクというのはあまり世では言われてないかもしれないねというお話もありました。

やはり乳児期にはマスクでは接するのではなくしっかりと表情を見せて保育をしたいものですね。5類に下がり落ち着いてきたら元のように保育ができるようになるといいですね。

高橋氏
箸を始める、おむつをとる時などの考えとして見守る保育ではどんな基準がいいのか…
この時期だからとか来年の先生が大変だからというのではなく、その子その子のの発達の合った時がベストだというのを学んだ分どう伝えていくかの難しさを感じている。

それに対して小松崎氏から
人は正論だけでは伝えきれないことを自園に帰って学んだ。高橋氏の気持ちが痛いほどわかるということでした。
実際にやってて思うことは先生たちと信頼関係がなければ何言っても耳に入らないんだということを目の当たりにした。

実際に上の立場と言いますか、伝える立場になった時にどんな対応、伝え方がいいのかというのを悩まれるのが非常にわかる立場になってきたのでこういった場で様々な意見を交換することで自分なりの方法だったり、真似してみたりと試行錯誤していくことで成長していくんだと考えさせられました。そこにもちろん失敗はつきものなので挫けずやっていくことの大事なんだと。

つたない文章でしたが、こうして藤森先生のお話を聞いて学べたり、外部臥竜塾の方や塾生と学び合える時間というのを改めて大切にしたいと思えました。

お付き合いありがとうございました。 

報告者 本多悠里

見守る保育【FUJIMORI METHOD】の全国大会!

令和5年2月10日・11日に行われた「第1回全国実践研究大会in鹿児島」の報告です。報告記事は今大会で事務局を担当した、鹿児島の外部塾生「松ゲン」こと「まつもと」が投稿させていただきます。

“ふり返れば令和4年8月。藤森塾長より全国大会の企画を伺ってから、大会開催までのこの半年間はまさにジェットコースターのような日々でした。

「鹿児島に全国の皆さんをお招きして、学びを深められる!」という興奮。

「研修の事務局とかやったことないぞ、、、。まずなにをすれば?」という不安。

塾長や塾頭をはじめ、鹿児島GTの先生方、旅行会社の方にも何度も相談をして、なんとか心の安全バーを降ろしました。そしてジェットコースターは出発し上へと登ります。高くなる期待、高鳴る鼓動。本当にこんなところから落ちて無事でいられるのか。心配もつかの間、ついに急加速の日常が始まりました。”

とまぁ、ちょっとそれっぽく書いてみましたが、、、

実際は割と地道なもので、何度も先生方に相談をしながら一歩一歩慎重に進めていきました。僕が大会グッズのクリアファイルの納入日をミスして、大会前日に届いてしまったこと以外はすべて順調に進み、大会を迎えました。

藤森塾長による基調講演
肥後秀昭氏による記念講演

1日目は塾長より基調講演、維新ふるさと館の肥後秀昭氏より記念講演をしていただきました。

維新の時代も「見通しが困難で、不確実で曖昧」というVUCAの要素に近い部分があったように思います。そのような時代において、薩摩の偉人たちが育まれた環境に、我々の行う見守る保育~FUJIMORI METHODの柱でもある“異年齢(習熟度別)”や“子ども同士の関わり”といった共通の考えがあったことは、これからの社会においてこのメソッドは必要な教育のスタイルであり、またそれを様々な科学的根拠をもとに乳幼児期から行うという点でブラッシュアップされたものであるように感じました。

たくさん学んだあとは、たくさんの輪の広がりを。懇親会の時間です。美味しい食事に、飲み放題。そして鹿児島GTからのちょっとしたプレゼント。

会場は明るい会話と笑い声につつまれ、一足先にコロナ禍の終わりを感じるような会となりました。

2日目は実践発表、そして塾長より講評がありました。

栃木より、にのみや認定こども園さん

鹿児島より、生見保育園さん

宮崎より、認定こども園ひばり保育園さん

香川より、観音寺中部こども園さん

長野より、すずらん保育園さん

長崎より、昭徳こども園さん

長崎より、もりやまこども園さん

以上の7園さんより、すばらしい実践発表がありました。

各園の発表の中に子どもの達の姿に対する様々な研究が見受けられました。基調講演の際、塾長が「エビデンスは現場の研究から生まれていく」と強調していたように、日々の保育実践や子どもの姿にこそエビデンスは存在し、それらをもとに作られる新しい保育カリキュラムこそ、本質的なものになると感じました。

最後は閉会式。次回が石川・富山大会であることから、富山出身ということで山下塾頭に閉会の言葉をいただきました。

その中で塾頭がこの大会で感動したこととして、今大会の園見学先の一つであった、じげんじ保育園の宮原先生の言葉を挙げていました。

「0から園を作り上げていって、やっと形ができた。それを現場の職員が案内して自分たちの言葉で保育を説明している。その姿を見てとても嬉しく、感動した。」

見学は見る側が学ぶだけでなく、見てもらう側も学びと気付きを得ることができる。自園が見学先となった僕自身も、園の案内をする職員の姿に頼もしさと感動を覚えていました。

たくさんの学びと、胸に温かくなるものを残して、第1回全国実践研究大会in鹿児島は幕を閉じました。

この大会で感じたことは、実際に顔をみて、声を生で聞いての研修は学びが深いということです。もちろんzoomなどのオンライン研修も便利で参加しやすい利点はあるのですが、この大会においては塾長の話はもちろん、実践発表者の熱量を肌で感じること、そしてその地へ向かってまで学ぶという自身の学びへの姿勢が正されるということ、ふとした合間の雑談から思わぬ気付きや園同士の輪が生まれること、「現地」でなければ得られない、たくさんの収穫のある大会であったように思います。

次回大会は石川富山。果たしてどんな学びとの出会いが待っているのでしょうか。 期待を胸に、今日の保育も楽しんでいきたいと思います。

(松元泰志)