研修、同窓会、落成式報告

今回の塾では、先週末に行った築地本願寺での講演や、滋賀県で行われた11期生のドイツ同窓会の話し、宮崎県のGT園の落成式で講演を行った話しを塾長の研修報告を同行した小松崎君から聞きました。

 

私自身も塾長が主催するブラ平司で通りかかった時に、築地本願寺は外観しか見たことがありませんでしたがとても立派な建物です。中はどんなすごいところなのだろうと思っていましたが、やはりすごいところでした。写真を見せてもらったのですが、ホールの舞台上にはとても光輝く大きい仏壇があり、その舞台上で講演をする塾長はある意味、教祖様に見えたとの事でした(笑)講演の内容は就学前教育について話されたとの事でした。

 

その足で滋賀県のGT園さんに向かい、11期生のドイツ同窓会を行ったという事でした。

その中で1名の方が、カンボジア、シンガポールから直で参加されたという事で現地の保育状況を聞くと、シンガポールの保育がとても熱いという事でした。シンガポールでは、アジアのトップを育成しようという思いがあるそうで、日本に追い付こうという意識があるそうなのですが、それが実際に日本を見てみるとイメージダウンしてしまうので、日本はアジアのトップとして頑張らなくてはならないという話しをしたそうです。

また11期生がドイツで泊まったホテルがかなり印象的だったそうでその二つの話題で持ちきりだったそうです。

次の日は、その滋賀県の園さんで午前中に保護者講演をし、午後は15時まで園内研修でした。そこからの移動が長かったそうで、電車を使って新大阪へ行きそこからバスで伊丹空港、そして宮崎ブーゲンビリア空港に着いたのが21時だったそうです。そこからホテルに向かうためにバスに乗ろうとしたら、終バスが終わってしまっていたそうで、空港駅があったのでそこから特急電車でホテルに着いたころには22時を過ぎていたそうです。

 

その次の日は、落成式のため宮崎県の園さんへ行き記念講演をしたそうです。落成式の中でマジシャンの方がこられその助手役として小松崎君が志願し!?舞台へ上がって行ったのですが、たねは全くわからなかったそうです。また、マジシャンの話術や注目のさせ方が上手いことから、子どもを注目させるときに試してみると良いような技を学んできたそうです。

園舎内はせいがの森保育園と同じように、上から調理室が見下ろせる作りになっていました。また、その落成された保育園さんのロゴマークはなんと、塾長の娘さんがデザインをしたものをマークにしているそうで、保育園のクラス名にも関係されていてとても素晴らしいマークになっていたという報告をしてもらいました。

 

その後、塾の前日にNHKでやっていた、「人工知能によって人間の職が徐々に奪われていく」という2045年問題のニュースを見て、様々なものがコンピュータ化されさらに人工知能をもったロボットが自分で考えて行動していくというニュースをみんなで観ました。保育の世界はどのようになっていくのだろう、そして個人的には「食」の面はどのように・・・などと考えながら観ていました。

 

今回の塾のメニューは、冷汁と地鶏の炭焼きをお土産として買ってきていただいたのでそれと、飫肥(おび)天に見た目が似たさつま揚げを食べました(笑)

冷汁、地鶏の炭焼き、さつま揚げ

冷汁、地鶏の炭焼き、さつま揚げ

そしてデザートは、宮崎で買ってきていただいたマンゴージュースとマンゴージャムをかけた恒例となったかき氷と、6月21日に若林君が25歳の誕生日だったという事でケーキをみんなで食べお祝いをしました。

マンゴーかき氷

マンゴーかき氷

チョコとチーズの誕生日ケーキ

チョコとチーズの誕生日ケーキ

(報告者 柿崎敬史)

原点回帰・・・

一日遅れてしまいましたが、報告をさせていただきます。

今日は臥竜塾講座の3回目でした。今回のテーマは「異年齢」で担当は本多先生、小松崎先生の二人でした。

私は塾長の自宅で夕飯部隊だったので、会場の雰囲気など分かりませんでしたが、返ってきた二人の顔を見ると、無事に成功したんだな・・・と思いました。

二人からの報告も悔いは残っていないようでしたので、満足した発表ができたのでしょう。本当にお疲れ様でした。

サポートとして西田先生、若林先生、加藤先生が一緒に講座に参加していましたが、

感想として若林先生は、最初は参加者も緊張しているせいか静かでしたが、徐々に二人の発表で場が和み、ディスカションではいい雰囲気になっていました。とのこと。

加藤先生の見解は、おそらく参加者の先生たちは楽しみにしている感じがした。やはり雰囲気も良くなり後半のディスカッションではもちろん盛り上がり、自分のパソコンを開いて子どもたちの姿を見せている先生もいたとのこと。

そして小松崎先生も、塾長の自宅の到着が遅れてしまったのは残ってまだ話しをしたがる先生方が多かったそうです。

回数を重ねるごとに参加してくださる先生方のモチベーションも上がり、本当にいい研修になっているようです。

今後の講座も私たちだけでなく、参加してくださる先生方と一緒に充実した時間を過ごしていければと思います。

 

来月の講座のテーマは「チームワーク」です。

担当は西田先生と加藤先生です。私個人の見解で10回ある講座の中で「チームワーク」は多くの保育園さんが抱えている課題だと思います。塾長と出張に行き、園内研修があると必ず質問がでるほどです。それだけ重要なテーマだと思うので、今回だけは担当ではありませんが西田先生と加藤先生にお願いして、出しゃばらせていただきました・・・。

塾長の考えるチームワークを基盤により実践に近いチームワークの考え方や実践などをお伝えできればと思います。

 

さて、話は変わり・・・。

新宿せいが保育園が定員が増え、3か月が経過しました。

各クラスも4月に比べると落ち着き始めてきました。そこで塾長から改めて各ゾーンの説明をしていただきました。

まず1歳児の発達の中で探究心があるので、お部屋から出るという行動は探究心からでる行動なので、それをしっかり保障できる環境、それこそ担任の先生が「保育室」という概念を再確認する必要があるとのことです。これは塾長の講演の中でも話される内容ですが、

質問で「子どもが保育室から出てしまう・・・どうしたらいいのか?」という質問に対して塾長は「先生の中で保育室というのは区切られた空間で把握しているんじゃなですか?廊下も保育室と思えば子どもが廊下に出ても出ていく子どもではないですよね?さらに保育園全体を保育室と思えばどこでも保育室の中にいることになります」

とても考えさせられる言葉ですね・・・。さらに塾長は言いました。

3、4,5歳クラスの「ごっこゾーン」は職業体験をベースにしたごっこゾーンということです。小学校1年生の生活科で一番最初に習う内容は「働く人」です。年長さんがお医者さん、コックさん、パイロットと色々な職業を体験することで就学前の準備にも繋がります。そういった様々な体験ができるような環境をごっこゾーンに用意する必要があります。さらに2歳でのごっこゾーンはお父さん、お母さん、お兄ちゃんと役割を分担してままごとをするようになりますが、もっと深くいうと随意筋の発達をしっかりとさせる目的が2歳のごっこ遊びとのことです。

私達も9年目になり基本的な保育室の環境設定の理念を忘れていることが多くあり、改めて塾長の話しを聞いて考えさせられました・・・。

定員が増えたという事ばかりに気に取られ、保育自体も去年に比べて見えていない部分が多くあったのかもしれません。

 

そういう訳で、近日に珍しく研修を行う事にしました。

初年度からいるメンバーに向けて塾長から改めて話しをしてもらうことになりました。

新宿せいが保育園が開園して9年目になり定員が増えた事で、ある意味リニューアルの部分があります。だからこそ、初年度からいるメンバーが改めて塾長の話しを聞いて、理念の再確認をしチーム新宿せいがの輪を強くしていく次第です・・・。

 

さて最後になりましたが、メニュー紹介です!!

っとその前に・・・。塾では毎年恒例の行事があります。それは「らっきょ作り」です。

らっきょの時期になると鳥取から、らっきょを取り寄せ、塾生でらっきょを漬けるのです。

今回は5キロのらっきょを注文しました!!

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左の二つが醤油漬けで右の大きなビンに入っているのはスタンダードな甘酢漬けです。

10日間くらいで食べられるそうですが、もちろん日数が経過するほど美味しくなります。

また塾での食事の楽しみが増えました!

さて今回のメニューですが、先週末に塾長と西村先生が沖縄へ出張に行きました。終始、天気も良く何枚か素敵な写真を見せて下さいました。ここまで来たら本日のメニューは何となく分かりますね!沖縄と言えばゴーヤ!

まずゴーヤチャンプルーです。もちろんスパム入り!

そして塾長のお土産「海ブドウ」と「島らっきょ」そして「ソーキ(豚のあばら肉)」

海ぶどうは青じそのドレッシングと共に、島らっきょは塩漬けだったので、そのままで頂きました。どちらも爽やかな味で、沖縄の気候を彷彿させてくれました。

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ソーキは温かい麦ごはんの上にのせた「ソーキ丼」、白髪ねぎと紅ショウガを薬味として一緒に食べました。トロトロになった豚肉と漬けこんであるタレがご飯と絶妙なコンビでした。

 

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そして暑い時期には黄色い炭酸が飲みたいですね!そう沖縄のオリオンビール!!

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さらにデザートは「サーターアンダギー」

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とにかく今回は終始、沖縄でした(笑)(報告者 山下祐)

それぞれの役割

IMG_13886月9日(火)の臥竜塾の報告をさせていただきます。
本日のメニューは、〝牛すじカレー〟と、〝九条ネギのサラダ〟(本多先生の機転(?笑)により万能ネギのサラダに)

左から『青かえで』『おすまし』『暫』『加賀みそ』

左から『青かえで』『おすまし』『暫』『加賀みそ』

そして、我らが西田泰幸先生が第二子出産のお祝いのお返しにと下さった〝加賀麩 不室屋のスープ〟でした。

トロトロと煮込まれた牛すじの旨味、セロリを始めとする野菜達がカレーの香りを一層ふくよかにし、とても味わい深いカレーでした。サラダもスープもとても評判よく、皆で美味しくいただきました。
先ずは、恒例のように西村くんの出張報告から。
先日、島根県は『GT島根』による研修会に立ち合われました。
あらかじめいくつかの質問をとらせていただき、その内容を元にグループディスカッションが行われました。

中国版『見守る保育』の出版の体系化を兼ねた研修であった為、「基本的な話が多かった」と西村くん。

日中は書類やお便り、行事などに追われてクラスで話し合いの時間をもつことが難しく、

夕方は職員が自分の子どものお迎えなどですぐに帰宅しなくてはならない為、兎にも角にも〝時間がない〟という声が多かった、とのことです。

藤森先生からは、「保育士の仕事というのは、子どもと関わることだけでなく、書類関係の仕事も含まれる。

それを勤務時間内で完結させるのが大前提のはず。海外では定時で帰る人ほど評価されるのに対し、時間外手当て等して残業を奨励するのは日本だけ。

書類を保育中に行えるような簡易的なものにするなど、書類関係の改善が必要なのでは」というお話がありました。

本当にそうですね。やってもやっても終わらない書類を前にしたら、「書類の為に保育をしているのではない!」と思わず言いたくなってしまいますよね。

 

その他に面白い取り組みについての紹介もありました。あさり保育園では、各ゾーンにQRコードが設置され、

携帯電話でそれを読み込むとそのゾーンの説明が写真付きで表示されるというものです。

時代が進んでいることを感じさせますね。実際に携帯電話で読み込んで見てみると、内容もとてもわかりやすくまとめられていて、

非常に魅力的な取り組みであることがわかります。こういった取り組みに対しての、あさり保育園さんの園長先生含め職員の方々の柔軟な姿勢も、本当に勉強になります。

塾頭から「調理の職員と〞レシピをQRコードで展開してみてはどうか〟という話も出ている。新宿せいが保育園でも検討したいですね」

と話があり、新宿せいが保育園でも今後取り入れたい活動の一つとして、注目の取り組みであることを感じました。

また、今回出張先となった島根県には11園のGT所属園があるのですが、なんとこの度、島根県全体から藤森先生の講演を聞きに、計45園の参加があり、

人数としては、190名以上にものぼる大規模な研修となったとのことでした。見守る保育への興味、関心の熱が高まっていることを改めて感じます。

 

ここで一息。コーヒーを入れて、デザートに藤森先生がご出張先で買ってきて下さった、スティックケーキを食べました。

塾ではもうお馴染みの『花燃ゆ』がデザインのお菓子です

塾ではもうお馴染みの『花燃ゆ』がデザインのお菓子です

左から『チョコ』『キャラメル』『チーズ』『抹茶』です

左から『チョコ』『キャラメル』『チーズ』『抹茶』です

コーヒーを飲みながら、来週に行われる第3回臥竜塾セミナーの本番前チェックを行いました。

藤森先生からの示唆に富んだアドバイスが多々あり、より深みを増して来週、皆様にお届けできることと思います。楽しみにしていてくださいね。

 

そして話は、〝2年目の役割〟について、展開されていきます。

先週6/6(土)に行われた父親体験保育のリーダーを加藤が務めました。その反省を踏まえて藤森先生がこんなお話をしてくださいました。

「2年目の職員がなぜリーダーをするのか。

1年目は好きなことを好きなようにやっていい段階。その他の事を全て受け止めるからとベテランの先生方は言ってくれたよね?

では、2年目はどうなのか。

2年目は1年間行事から何からを見てきて、流れもわかり始めて、職員同士お互いのこともわかって、だけど染まってないというのが、2年目。

好きな事を好きなようにやる1年目のような指揮の取り方ではなく、どうその行事をまとめるか。ベテランから新人さんまで、そこに関わる人達をどうまとめるか。

まとめ方においては新人でありながら、少しずつベテラン側に寄ってくる第一歩。それが2年目の役割であり、行事のリーダーになる所以だよ」

頭の中でバラバラになっていたパズルのピースがつながったような思いがしました。

父親体験保育終了後に感じたまとまらない気持ちを、塾頭を始め多くの先生方が温かな言葉にして声をかけて下さっていたのですが、

この度の藤森先生からのお話で、それら全てがつながったような、そんな思いがしました。目頭が熱くなります。

この経験、想いを胸に、7月に第四回を迎えます臥竜塾セミナー『チームワーク』の会を、西田泰幸先生と一緒に担当させていただきたく思います。

皆様、どうぞご期待ください。

 

ベテランに必要なリーダーシップ論があるように、例えば10年目のリーダーシップ論、何年目のリーダーシップ論と、

各年数において、また、そのポジションにおいて、それぞれリーダーシップについて考えるべきことがあり、

また、それぞれにおいて必要とされる役割があるはずです。

すると、「新人さんは〝フレッシュなリーダー〟ですね」と小松崎先生。それに対して「新人さんはフレッシュさをリードする人」と藤森先生(笑)

流石です。一同笑いに包まれながら、この度の塾はお開きとなりました。

今回の塾は、僕にとっては、九条ネギならぬ万能ネギのように、鮮烈で、少し大人の辛味の効いた、味わい深い臥竜塾となりました。

(報告者 加藤 恭平)

牛タンが招いた偶然

6月2日の臥竜塾の報告をさせていただきます。

今回の臥竜塾は、色んな偶然が重なった回で、偶然好きの私としては、1人で興奮していました。まずは、私の偶然好きの説明をしましょう。

世の中には、こんな偶然があります。アメリカ大統領で、リンカーンとケネディという有名な大統領がいますが、この2人に関する偶然です。リンカーンが下院議員に初当選したのは1846年で、ケネディが下院議員に初当選したのが1946年と、ちょうど100年後なのですが、なんとリンカーンが大統領になったのが1860年で、ケネディが大統領になったのが、1960年と、またもや100年後なのです。これくらいの偶然なら、ありそうなことなのですが、さらに色んな偶然が生まれているのです。2人とも金曜日に妻の前で暗殺されており、リンカーンの秘書の名前はケネディ、ケネディの秘書の名前はリンカーンと言うのです。これは1つの例ですが、私の偶然好きというものが、分かっていただけましたでしょうか。

すこし話がずれましたが、今回の臥竜塾でも色んな偶然が重なったのです。5月30、31日と塾長と仙台に出張に行っていました。仙台と言えば、牛タンだということで、今回の臥竜塾のメニュー担当だった私は、メニューを牛タンにしようと思い、買って帰りました。どうせなら、仙台で食べた牛タン定食を再現したいと塾長と話し、メニューを浅漬けとテールスープにして、定食を再現したのです。そこで、参考にしたのが、『ねぎし』という東京を中心に展開している牛タン専門店でした。

すると、仙台からの出張から戻って、月曜日に保育園に行くと、副園長と塾頭がある話をしていました。何の話かというと、毎週木曜日にテレビ東京で放送されている『カンブリア宮殿』についてです。詳しく話を聞くと、その回で取り上げられたのが、まさに『ねぎしフードサービス』だったのです。そして、塾頭や副園長が感動したのが、その経営方針や社長の考え方で、それが見守る保育やチーム保育に通じるものがあると言うのです。

そこで、テレビ東京の番組をオンデマンドで視聴できるサービスがあるので、それに塾長が登録して、今回の臥竜塾で観ようということになりました。

これを観終わって思ったのですが、ちょうど新宿せいがでも、チームワークと言いますか、人間関係のところで、悩んでいるところでした。今回のカンブリア宮殿で、ねぎしを取り上げたこともそうですが、それを塾頭がたまたま観ていて、それがチーム保育に通じると感じ、臥竜塾で観る。まさに、今悩んでいるところに、それの解決とは言いませんが、ヒントになるような情報がたまたま入ってくるという、この偶然に感動しました。それが、また仙台で牛タンを食べ、ねぎしのような定食を再現しようという今回の臥竜塾のタイミングでまた起きたことに、さらに興奮してしまいました。(笑)

では、その内容について、少し紹介しようと思います。

ねぎし独自の経営術には、おおきく3つのポイントがあります。まず1つめが、「親切」です。根岸社長は、親切こそが、究極の企業戦略であり、ねぎし最大の商品であるとおっしゃっています。外食産業であるため、独自性のある商品でおいしく出すのは当たり前だが、それは、五十歩百歩で周りが迫ってきます。そうなると、結局最後は、『人』だとおっしゃいます。それはどういうことかと言うと、答えはねぎしのお客の声にありました。ねぎしのリピーターは、気配り、心配りが、他のお店と違うと言います。たとえば、お客が薬を取り出せば、即座に水が運ばれたり、女性客のおかわりには、あえて声を出さなかったりというような気配りが見られます。このように、親切を提供することで、ねぎしは、価格競争とは無縁の独自の集客を続けていきました。激安ランチが多くあるなか、ランチの平均客単価1200円以上でも、連日大行列ができているのは、そこに秘密があったのです。

その裏には、店員が、お客の動きを見逃さない立ち位置を事前に打ち合わせし、こういったことに即座に対応できるようにしっかり準備をしています。その打ち合わせの様子で、「フォロー」という言葉がよく出てきました。この「フォロー」というのは、去年新宿せいがに就職し、せいがのチームワークを見てきて、1番感じたものです。ベテランが、新人職員に指導するのではなく、新人職員の個性を尊重し、やり方も任せる。そして、失敗しても怒るのではなく、そっとフォローしてくれえる。そして、ベテランの先生方の距離感も、すぐにフォローできる距離感にいつもいてくれるため、新人職員は安心して、のびのびとやれるのです。この辺りに、ねぎしとの共通点を感じます。

根岸社長が、「親切」を企業戦略とした背景には、社長に苦い過去がありました。それが、2つめのポイントです。根岸社長が30代の頃、仙台を中心に、東京でヒットしている業態を地方に持ってきて開業するというスタイルで外食を展開していました。あるとき、そのお店に行くと、お店が開いておらず、従業員も誰1人来ていなかったそうです。すると、近くに同じような業態のお店がオープンしており、そこに従業員全員がヘッドハンティングされていたのです。ショックで1か月仕事ができなかったそうですが、自分が悪いんだと感じたそうです。短期的な利益を求めても、結局は現場の人材力がなければお店は永続しないと気づいた根岸社長は、従業員が、自分たちで考え、自分たちのために働くお店にしようという考えに至りました。そのため、ねぎしは、今年で創業34年目を迎えますが、総店舗数が34店舗、つまり1年に1店舗のペースでしか、出店していません。1年間でしっかり人材を育ててから、出店をするという根岸社長の考えに基づいています。お店では、店長を中心に店舗を「我が事」として参加し、いい店を作りたいと思います。その過程にチームワークが生まれ、いい店ができるとおっしゃいます。

この「我が事」として働くという言葉がいいですね。上からのトップダウンではなく、従業員それぞれが考え、動くというやり方です。責任も重いですが、やりがいが圧倒的に違うと従業員が言います。

最後の3つめのポイントが、現場が会社の仕組みを作り、経営方針を決める会社であることです。ねぎしの経営の本質を表しているのが、本社の場所です。ねぎしの本社は、質素な雑居ビルのワンフロアだけです。社長室も机と椅子だけが入る大きさで、部屋ではなく、パーテーションで仕切られているだけでした。実はねぎしは、本社のことを「サポートオフィス」と呼び、店を支援するためだけの存在と位置づけています。

2つめのポイントにも関わってきますが、ねぎしでは、現場スタッフのアイデアにより、運営の全ての仕組みを作り上げ、店長を中心に、毎年の目標や経営方針を決定しています。たとえば、清潔さを保つプロジェクトでは、本部のマネージャーが監督するのではなく、店長同士がチェックし評価します。また、人材教育に関する効果のあるやり方が考案されれば、運営規則を変更し、全店舗に導入するといいます。

このように、プランから参加することで、「我が事」なります。自分で判断し、実行することで文句の言いようがありません。その中のどこかで必ず「成長してるな」と感じます。そうなれば、人はどんどん変わり、意欲的になっていくと根岸社長はおっしゃいます。すると、定着率も良くなります。しかし、それにはやはり時間がかかります。だから、1年に1店舗というのも納得ですね。

これが、ねぎしの経営術のポイントです。カンブリア宮殿では、最後に番組MCである村上龍さんが、編集後記を読んでいます。そこには、こう書かれています。

 

外食産業は岐路に立っている。消費者は舌が肥えていて、移り気だ。「ねぎしフードサービス」は、従業員の意識改革、やらされ感の改善に取り組むことで、確かな地位を獲得した。モチベーションの向上が必須、などと簡単に言うが、これほどむずかしいことはない。根岸さんは「店長への決定権委譲」など、システムを作り上げた。そのシステムは「信頼」がベースになっている。人と人の信頼は、育むのに長い時間がかかる。また、自らを信頼していないと、他人への信頼も生まれない。人は、案外、脆いものだ。信頼だけが、その脆さを補う。

 

やらされ感の改善、モチベーションの向上は、外食産業に限らず、色んな職場においての課題だと思います。これを根岸社長は、上からのトップダウンではなく、現場主体にすることで改善しました。見守る保育におけるチーム保育では、元々現場主体で、みんなが高いモチベーションを持って仕事ができる環境が整っているように思います。そして、保育士も阿吽の呼吸で連携をとり、絶妙な距離感で子どもと接しています。また、新人は先輩のフォロー力を目の当たりにすることで、ベテランに対して信頼感が生まれ、それを自分がベテランになったときには、新人にできるようになります。ねぎしも見守る保育も信頼がとても大切だということを改めて認識しました。

 

最後に、メニューの紹介ですが、今回はねぎしセットの再現です。

こちらがねぎしセット。

ねぎしセット

 

そして、こちらが今回のメニューです。

 

 

配置もねぎしセットを意識しています。

デザートは、暑くなってきたので、かき氷です。塾長のかき氷機で、氷を削り、シロップと練乳をかけています。

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以上、色んな偶然が重なり、ねぎし三昧となった臥竜塾でした。

西村宗玲