環境設定

報告が遅くなり、申し訳ございません。2月9日の塾報告をさせていただきます。まだまだ、コロナが猛威を振るっている状況で、蔓延防止措置が出ていることもあり、今回もzoomでのオンライン塾でした。

オープニングトークは、小松崎先生が話していたコロナによる休園の話でした。コロナが広がり、やむをえず休園する保育園、幼稚園が数多くでています。誰が悪いというわけではないものの、園が休園することで、仕事に行くことのできない家庭が少なからずいます。そこで、こんな案が出ているようです。

「休園した園の子供は、休園していない、近くの園に代わりに預けることができる」

という制度です。これを聞いて、みんな「ん?」と頭にはてなが浮かびました。感染拡大を防ぐために休園して、外出を控えていただくためのものなのに、他の園に行ってもいいのでしょうか?無症状でも感染している可能性があるのに他園に行くことは感染拡大につながってしまうのではないでしょうか?仕事に行けずに経済を回すこと、保護者の声を聞いての対策だとは思うのですが、そうであれば、そもそも休園することをしなければいいのではないでしょうか。どのような制度が正しいかわかりませんが、どんなことに対しても、何のためにやっているのか、目的を見失わないようにしなければいけませんね。

そんな話から始まり、話題は環境の話に移りました。

ある園では年に何回か環境を大きく変えるそうです。それは、子供が落ち着かないからという理由からだそうです。環境を変えることで、子どもたちはしばらく遊び込むことができるそうですが、やはり飽きてくるとまた落ち着かなくなり、環境を変えるそうです。森口先生はこれを聞いて、まるで、新しいおもちゃを与えているみたいだと例えていました。遊び込むという段階までいけてないのではないか。子どもたちに刺激を与えることも、もちろん大切ではありますが、与えすぎてしまうと、刺激をもらうことに慣れてしまい、子どもたち自身が遊びを深めていくことができないのではないか、と話させていました。保育者は、子ども達が遊びを深めていくために、どんな環境を用意しなければいけないのか、考えていくことが大切ですね。もちろん、子ども達が遊びこめていない状況を放置することはいけないことですし、難しいですね。森口先生のお子さんは、カエルを弾いてバケツに入れるおもちゃを30分ほど遊ぶらしいです。すると、もちろん飽きてきてしまい、そうすると、次はバケツを裏返しにして、底面にカエル乗せようとしたそうです。遊びを自ら発展させていて、本当にすごいですね。邨橋先生の園では、ある子どもがクーゲルバーンで工夫して遊んでいるとそれが楽しすぎて、「面白すぎてやめられな〜い♪」と言ったそうです。すごく遊び込んでいて素敵ですよね。その子は積み木が好きで毎日やっているみたいで、そうやって遊び込んでいるからこそ、見えてきた遊びなのかもしれませんね。

環境を変えたがることに対して、西村先生の園でもあるみたいです。遊びの発展が停滞している時に環境を変えたがるそうですが、本当はもう少し見ていてほしい。変えたくなる気持ちはすごくわかるのですが、、、。と話し、それに対して、小松崎先生が、「その話わかる〜」とおっしゃっていました。小松崎先生の園でもそう言ったことがあったらしいですが、職員さんにこう言ったそうです。

「何か問題があって、それに対するアプローチとして、変えるという目的のためならいいけど、そう言った目的がないままに変えてしまうと、その後良くなった原因が把握できないよね」と話したそうです。そう言う意味で、大きく変えるのではなく、良くなった原因を把握するために小さく変えて行くことは意味があると言ったそうです。確かに、、、。と素直に思いました。

また、邨橋先生の園では環境を変えるという考えではなく、足し算をしていくような考えする先生がいたようです。おままごとゾーンにシンクがあるそうですが、そこでの遊びが盛り上がっていなかったみたいです。そこで、シンクのそばに、Bluetoothで繋がる小さなスピーカーをおき、YouTubeで焼き肉だけを焼く音「ジュー、ジュー」という音を流したそうです。するとシンクで音に併せて、ガチャガチャと遊びが盛り上がったそうです。先生のちょっとしたきっかけ、遊び心から、発展していてすごいですね。また、別の時には、シンクで髪の毛を洗っている様子を見た先生が、そこの反対側に鏡を設置したそうです。すると、いつの間にか、鏡の前で髪の毛を切る真似をして、美容院ごっこに発展したそうです。ちょっとした環境の変化(足し算)で遊びがぐっと盛り上がっていて、すごいですよね。大人は子ども達が、好きなことを見つけた後にやり込める環境、深められる環境を作ることが大切ですね。

松元先生が塾セミナーで「保育者は環境で語る」と言っていましたが、本当に環境の大切さを改めて感じることができた塾の内容でした。自分も、今一度、子ども達の様子と環境を見つめ直していきたいなと感じました。今夜もあっと言う間に終わる楽しい塾でした。

報告者 横田 龍樹