初心

今回の臥竜塾の報告をさせていただく西村です。

前回は引っ越し記念ということで、私の家で臥竜塾を行い、それに因んで、メニューは蕎麦でした。この引っ越し蕎麦ですが、以前の塾長のブログにも書かれているように、引っ越しの挨拶に「そばに参りました」の意味を込めてそばを贈る習慣が江戸時代に起こったことが由来となっています。本来ならば私が蕎麦を贈る側で、前回の臥竜塾の際に、おもてなしをしたかったのですが、引っ越し祝いをしていただいたような形になったので、たまたま今回のメニュー担当だった私が、得意料理を振る舞おうという趣旨でメニューをたてました。

 

今回のメニューは

・豚バラと白菜の重ね鍋

・ナスの味噌田楽

です。

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この豚バラと白菜の重ね鍋は、豚バラと白菜ともやしを鍋に入れ、水を一切入れずに日本酒だけを入れ、アルコールが飛んでしまうほど煮込んだ物で、私が大好きで、最も得意とする料理です。これを、大根おろしとポン酢に柚子胡椒を加えたつけだれにつけて食べるのですが、相性は抜群でご飯が何杯でも食べられます。そして柚子胡椒大臣である私の、地元の知り合いの方に作って送ってもらった絶品の柚子胡椒がこちらです。

柚子胡椒

柚子胡椒

本多先生からお金を払ってでもほしいと言っていただきました。

 

この得意料理を作り、前回のお礼とさせていただきました。

 

 

少し料理の説明が長くなりましたが、本題に入ります。

 

4月になると、新宿せいが保育園が開園して9年目に突入します。もちろん今年1年目の私は、開園当初を知りません。そこで最近、新宿せいが保育園が開園した頃がどんな様子だったのかなと思う出来事がいくつかあったのです。それが、14日の卒園式の後に行われた学童の閉所式と、15日に行われた同じGTメンバーである、大久保わかくさ子ども園の落成式です。

閉所式は、今年で学童が閉所になることから、これまでの学童児に招待状を送り、上は高校1年生から下は現在の学童児までが集まり、過去の写真を見ながら思い出を語り合うというものでした。もちろん、そこには新宿せいが保育園が開園した頃を知っている子どもや保護者がいて、当時の話を聞くことができました。そして、落成式は、4月から開園する子ども園のいうことで、区長さんや区議会議員の方、設計士さん、建設会社の方、地域の方が集まり、子ども園の完成をお祝いしました。

 

これらを体験して、開園を知る臥竜塾メンバーに当時の話を聞いてみたいと思い、聞いてみました。

 

新宿せいが保育園の開園準備は主に、当時のせいがの森保育園の職員が、勤務が終わってから、新宿に来てやっており、新卒で採用予定の職員もまだ正式な職員じゃなかったため、準備に参加することがあまりできず、大変だったそうです。臥竜塾メンバーでは、西田先生が元せいがの森の職員で、新宿せいが保育園の開園スタッフとして、勤務の後、準備をしていました。山下先生、本多先生は新卒採用職員として、時間があるときは準備のお手伝いをしていたそうです。

まずは、その準備をやっていたときの話になりました。私が、当時の感想や思ったこと、驚いたことについて尋ねたところ、山下先生は昼食の弁当の決め方に驚いたと言っていました。山下先生のこれまでの経験だと、何種類か弁当があれば、じゃんけんで勝った人から、好きな弁当を取っていくやり方だったそうです。しかし、そこでは順位によってお弁当が決められており、その決め方を見たときに、「なんだこの決め方は!」と衝撃を受けたそうです。塾長がおっしゃるには、この決め方が1番公平なやり方で、争いがないのだそうです。

さらに山下先生は、準備中にあるベテランの女性の先生から怒られている西田先生を見て、この女性の先生は怖い人だという印象を受けたそうです。新人の間には、緊張した空気が流れたそうですが、西田先生は、何も覚えていないと言います。これは、保育園においての子どもに注意するときにも同じようなことがあると思います。怒られる子は、あまり覚えていないことが多いですが、周りの子の方がよく覚えていて、さらに恐怖感を植え付けることもあります。保育園で子どもに注意する際は、周りも気にしようという話となりました。

 

そして、新宿せいが保育園が開園すると、新人職員は、見守る保育のレクチャーを受けたそうです。このレクチャーで、本多先生がとても納得した話がありました。クレヨンを落とした子に対して、ある子には残り3本を自分で拾えるように援助するが、別の子は3本だけ拾ってあげて、後は自分の力で拾わせるようにする、という話でした。これは、その子の発達を理解しているから、できることだという話を聞いて、本多先生は、見守る保育とはこういうことなのかと、なんとなく理解することができたと言います。塾長のおっしゃることは、やはり今と変わっていませんね。

 

開園当初を知る先生方には、開園のときの話が聞けたので、他の先生方には自分が新宿せいが保育園に来て感じたことについて聞いてみました。

まずは、柿崎先生ですが、元々ホテルで働いていたため、見た目や味を重視されていたそうです。そのため、ホテルのやり方(小指をつけそれをなめるやり方)で味見をしたりしていたそうですが、そのやり方について注意を受けました。ホテルと違い、保育園は衛生、栄養重視なため、柿崎先生の味見の仕方は保育園では厳しく注意されることのようです。その環境の違いに慣れるのに苦労したと言います。ちなみに、とても目つきが悪かったらしく、塾長による第一印象は良くなかったそうです。(笑)

小松崎先生は、大学時代の保育実習で新宿せいがに来たのが、最初でした。小松崎先生の場合、実習前に塾長の本を読んでいたため、本の通りだなという印象だったようです。塾長からの印象としては、実習中の方が明るい印象だったそうです。小松崎先生に真相を聞くと、成績にも影響するだろうから、明るい人を演じていたということでした。(笑)しかし同時に塾長は、保育のセンスがあるというのも見抜いていたそうです。

若林先生は、大学4年の6月に養護施設に実習に行った際、ここで働かないかとお誘いを受けたそうです。そこで働こうか迷っていたときに、若林先生のお母様と新宿せいが保育園の見学に来たのが、初めてだったということです。そこで、いろんな男性職員を紹介され、塾長、副園長から、保育園においての男性の意義や役割についての話を聞いたことで、一瞬にして虜となったのだそうです。

 

私も、ちょうど1年前が就職前の実習の期間でした。初めは、緊張して職員室に入るのが怖かったのを今でも覚えています。やはり、初めてということもあり、壁を感じていたのですが、その壁をとっぱらってくれたのが小松崎先生でした。作業後で、顔が赤くなっており、さらに赤いセーターを着ていた私に、「セーターと同じような顔だね」とイジってくれたのです。もしかしたら、他の人がそれを言われたら、怒る人もいるかもしれませんが、私の場合、逆に緊張がほぐれたのです。それを言って、怒らないことを見抜き、緊張をほぐしてくれた小松崎先生もすごいなと思いました。

 

このように、それぞれの先生方が、初めて新宿せいが保育園と出会ったときに感じたことというのは、心に残っていました。今回の学童閉所式、大久保わかくさ子ども園の落成式に出席して、新宿せいが保育園の開園当時の話も聞けたと同時に、改めて初心に帰ることができました。また4月から新しい年度になりますが、初心を忘れずに、頑張っていこうと思いました。

西村 宗玲

生臥竜塾@西村先生宅

今回の生臥竜塾はタイトル通り西村先生宅で行いました。

西村先生宅で行った経緯は、西村先生が引っ越しをしたことを臥竜塾でお祝いし、みんなで引っ越し蕎麦を食べようということからでした。

そこで、初めに西村先生が引っ越しをした経緯を書かせていただきます。

それは、西村先生が正式に塾長のだいたいの出張に付き添うことができる3代目の助手となったことで、出張に行きやすいように距離の部分を改善するためとのことでした。

今回の生臥竜塾の内容は、最初に塾長から外部臥竜塾生の定義をお話しいただきました。

その定義とは、「塾長の書かれている臥竜塾部ブログへのコメントを8割入れること」です。

その外部臥竜塾生の定義を満たすと、来年度から始まる臥竜塾生が行うセミナーを無料で受講でき、年1回くらい臥竜塾の集まりに交通費、宿泊付き(西村宅か運がよければ塾長宅)で参加できるとのことです。

次に話は、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」に移ります。

前回の生臥竜塾のタイトルに「君は、何を志しますか?」とありました。

小松崎先生が書いてくれた内容でわかる通り、前回の塾で先々週放送された花燃ゆ第9回「高杉晋作、参上」で吉田松陰が高杉晋作に「君は、何を志しますか?」と問いかけるシーンの前後を字幕付きで観ました。

その際に塾長が時代劇は字幕で観るとわかりやすいことに気が付いたそうです。

そして先週放送された花燃ゆ第10回「躍動!松下村塾」で「貴意(きい)」という言葉が出ました。

セリフの一連の流れなどで「貴意」という言葉が含まれていて気付きますか?

私は気付きませんでした。

私どころか塾生全員が「花燃ゆ」を観ていますが、誰も気付かなかったそうです。

しかし塾長は、字幕付きで観ていらっしゃったため、気付いたそうです。

時代劇には、現代でほとんど使われていない言葉が用いられることが多いことには気付いてはいましたが、だからこそ字幕を通してではないと気付けないことが多いということがわかりました。

私も好きで「花燃ゆ」を観ているので、今後字幕を付け、字幕に出た文字がわからなかったら調べて、よりそのシーンを理解して観ていきたいと思いました。

そして締めに、西村先生が引っ越しをしたことにあたっての今後の抱負を述べてくれました。

それは、「職場への距離も近くなり、塾長の出張への付き添いもしやすい距離になったが、これからも気を緩めずにやっていこうと思います!」とのことでした。

最後に今回のメニューを紹介します。

今回のメニューは、2種類の引っ越し蕎麦と柿崎先生お手製の出し巻き卵とおでんです。

西村先生が大好きな柚子胡椒を絡めたりしながらみんなで美味しく頂きました。

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2種類の引っ越し蕎麦と出し巻き卵

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おでん

 

(報告者 若林)

「君は、何を志しますか?」

「本多君、君の志はなんですか?」

 

今回の臥竜塾は、山下氏のこの言葉で始まりました。

この言葉を聞いて、ピンと来た方もいるかと思いますが、前回の「花燃ゆ(高杉晋作、参上)」の一場面にあった吉田松陰のセリフと表情を真似して、本多氏に問いかけたのです。

 

【志(こころざし)】

心に決めた目標・目的。信念。志操。相手を思う気持ち。人に対する厚意。

 

ドラマの中で、吉田松蔭は高杉晋作に対してこう言います。

『僕の志は、この国をよくする事です。志があれば罪人でも生きるんは楽しい。やる気が尽きる事はない。志を立てる事はすべての源です。君がもし、この小さな萩のご城下で、由緒ある武家の跡取りとして人生を考えとるなら、君にとってそれはつまらん事でしょう。君はそれを望んじゃおらんのだから。志は誰も与えてくれません。君自身が見つけ、それを掲げるしかない。君は、何を志しますか?』

その瞬間、高杉晋作の表情が一変します。まるで、自ら閉ざしていた心のある部分に、“志の種”のような光が照らされたかのような表情でした。

 

そこで、塾長は言います。

「なんとなく、松蔭のオーラが罪人にも影響を与えるんだろうね。」

塾長の言葉から、「オーラ」というものが出るとは思いませんでした。勝手に、非科学的なものであるという印象が強かったからです。しかし、最近の臥竜塾ブログの「ダークセンス」(塾長の造語)のように、目には見えないが、そこに存在していることを立証できるだけの情報、また、それ(オーラ)を感じることができる能力(第6感)が、心に闇を抱えた罪人にも伝わる力といったものが、松蔭にはあるのだと思いました。私は、それを「人徳」にも似た印象を受けました。

 

そして、高杉晋作は、父にこう言います。

『父を尊敬しています。しかし、今まで誰も私の目を開かせてくれんかった。父上も、おじい様も、侍の死に様を見てさえも、誰もこの退屈から救うてくれんかった。初めて出会うたかもしれません。あの男たちといれば、いずれ私も、志とやらを持てるかもしれません。』

「誰もこの退屈から救うてくれんかった」という言葉は、心に響きますね。まさに、主体的になれる環境を見つけて、自発的に環境に働きかける、保育園の子どもたちの様子とかぶりました。

そして、高杉晋作は、再び吉田松蔭のもとを訪れます。(個人的には、「夜」に行くという、思い立った瞬間すぐ行動に移したというところ、少々不器用な所に好感が持てました。)

 

晋作「学問がしたいっ!」

松蔭「何のために?」

晋作「わからん。じゃが、面白そうなにおいがする。」

松蔭「ハハハ。そうですか。ならば共に学びましょう。」

晋作「その前に、一つだけ言うておく。俺が本気で学んだら久坂など相手にもならん。」

松蔭「さあ、それはどうかな?」

晋作(微笑む…)

 

そして、再び塾長が口を開き、「薫習」の話をしてくれました。

【薫習(くんじゅう)】

仏語。香が物にその香りを移して、いつまでも残るように、みずからの行為が、心に習慣となって残ること。

「匂いを嗅ぐだけで師匠の教えを学ぶんだろうね。国を動かすとかっていう志は、普通の人は持つ事もないだろうけど、ここにいるメンバーだったら、国を動かすとか、保育界を良くするとか、そんな志を持っても不思議じゃない気がする。」

「あと、“志”は自分のためだと、そう言わない気がする。自分のためであれば“夢”だよね。だから、松蔭は〈夢〉じゃなくて、〈志〉と言っているよね。」

 

そして、最近の事件の話にもなり…

「今ある人を改心させることは難しいかもしれない。でも、ありがたいことに、そういう人を作らないようにできる仕事に我々は就いている。衝動的になってしまう気持ちをとめる力〈理性〉を付けてあげなくてはいけない。」

 

最後に山下氏は、みんなに「志はなんですか?」と問いかけた意味を話しました。

「ドラマ中の松下村塾の風景と、この臥竜塾が重なって見えた。あのように日本を変えようとしている。自分に置き換えてみても、何か動かせるのではないか。広さ(学びの場所)的にもちょうどの大きさだしね。」

偶然か必然か、ちょうど本日のメニューは、ドラマにも出てきた“握り飯”がありました。そして、塾長が最後に締めの言葉を言います。

「個人がどうってことではなく、考え方が広まってほしい」

 

塾長を吉田松蔭にするのは、高杉晋作が「学問がしたい」と強く思ったように、外部にもいる、私たち塾生次第というところのような気がします。

(報告者 小松崎高司)

塾長手作りの焼きそばとお吸い物

本日のメニューは、なんと…塾長手作りの焼きそばとお吸い物!

ひな祭りにちなんだ握り飯

ひな祭りにちなんだ握り飯

火事と10ヶ条

2月24日の臥竜塾は、先日本多先生が引っ越しをしたのですがその時に起こった事件から話題となりました。

 

その日何をそんな遅くまでしていたのかわかりませんが、本多先生はいつもより遅くまで起きていたそうです。そして外から「ドンッ」という爆発音がありました。時間を見たら夜中の1時半だったそうです。音のした方のベランダから外を見ると特に変わった様子はなかったので部屋に戻り少しすると「ピンポーン」とチャイムが鳴り、「こんな時間に誰だよ!?」と思いながら恐る恐るインターホンで出てみると、女性の声で「今、1階が火事になっていますが、煙など丈夫ですか?」と聞かれたそうです。もう一度ベランダに出て見てみると、下からモクモクと煙りが上がってきたそうです。

驚いて家を出てみると、すでに消防車が何台も来ていて消防隊がドアを破り中に入って行くと間もなくしておばあさんが救助されたそうです。原因はわからないそうですが、深夜にそんな事件があったそうです。

 

そしてもう一つの話題というかむしろメインの話し合いは、「見守る保育10ヶ条」についてでした。

・それだけではないと思いますが「見守る保育10ヶ条」は『保育所保育指針」と「幼稚園教育要領」をベースとして作られている事

・見守る保育10ヶ条の確認(1条 生活と遊び・ゾーンについて、2条 一斉保育から選択制保育について、3条 シティズンシップについて、4条 愛着(見守る)について、5条 異年齢保育について、6条 チーム保育について、7条 インクルージョン保育について、 8条 やってあげる保育から見守る保育について、9条 保育者の人権について、10条 乳幼児基本法について)

・次は、見守る保育の本のチェック項目を使いその部分に関する写真を撮って送ってもらう。それによって、初級、2級、3級と「環境マイスター」の資格を作っていきたいという事

・「見守る保育10ヶ条」のポスターを成長展までに作りたい。そして、その写真を集めるには、よく読み込んでその意図することを理解をすることが大切という事

を確認しながら話していきました。

 

その中で調理としては、子どもと直接関わることは保育士さんたちに比べて少ないかもしれませんが、モノによっては当てはまるものもあるのでしっかり探してみたいと思いました。

 

この日は夕方に職員会議があり塾の開始が遅くなるのがわかっていたため、速めに作って食べられるメニューにしました。

鮪の漬け丼、さつま揚げのキムチ炒め、シジミのみそ汁

鮪の漬け丼、さつま揚げのキムチ炒め、シジミのみそ汁

(柿崎 敬史)

10ヶ条のポスター(第5条 異年齢保育)

10ヶ条のポスター(第5条 異年齢保育)