メリハリ空間

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ストレスを発散する方法として最も効果があるのは、「心身ともに疲れを癒すこと」だそうです。それは大人だけに限らず、子どもも同じであると思います。塾長ブログ「臥竜塾」の『癒し空間(ドイツ事後報告)』には、こう書かれていました。

 

『子どもたちも園の中で、大きな集団、大きな部屋で、いつも大人に見られ、管理され、言われたとおりに動かされ、かなりストレスを感じているでしょう。ですから、癒される時間、空間、物を用意してあげる必要があります。ひとつの方法として、日常の環境を変えることがあります。小さな集団、狭い部屋、大人に見られない、自分から行動できる時間の設定です。そのために「ロフト」が有効であるということを昨日のブログで書きました。そのほかに、ドイツでは様々な工夫がありました。小さな集団で、過ごせるような空間を部屋の隅に作るのです。いわば「癒しのコーナー」というようなものがどの園でも、どの部屋にも作られていました。部屋が広いということもあるのですが、逆に広いからこそこのような空間が必要なのでしょう。』

外部からの刺激を受けて、生体に起こる反応を「ストレス」というとのことで、そのストレスには必要なストレスとそうでないストレスがあるように感じます。社会性を育む上での必要なストレス以外のストレスは、出来る限り避けなくてはならず、環境を通して子ども自らでストレスを溜めない方法を身につけさせることも大切です。

また、それは「メリハリ」ということでもあります。気持ちを発散する空間と内部に収める空間、明るい空間と薄暗い空間、刺激ある音や言葉が多い空間と静かな空間、陰と陽、ケとハレ、など、様々なメリハリをつけることによって暮らしを豊かにさせる効果があるようです。

そこで、1歳児の部屋にも、そのようなメリハリの空間をということで、押し入れ部分を改装し、そのような空間を作りました。

DSC_0162 DSC_0169 DSC_0174 IMG_6764床には柔らかいウレタン素材のマットを敷き詰め、クッションや寝そべることができるマット、薄い布で天井を覆い、やわらかい電飾をつけました。他の職員は、クッションを購入してきてくれたり、家で使わなくなった光の玩具も持ってきてくれました。その日は、土曜日であったので作業をしている様子を見ていた3・4・5歳児の子どもたちが、動のスペースで走り回っていました。完成したので「入って良いよ」と伝えると、その中では座り込んで声は小さくなり、自然と“お家ごっこ”が始まっていました。

1歳児でも、自分で気持ちのコントロールが難しくなってしまった子どもを誘って一緒に入ったり、メリハリをつけたい時に開放して試している段階です。1歳児は、薄暗い空間に入ると逆にテンションがあがってしまうという子どももいて、癒しの音楽を流したり、明るさを調節したりと工夫しています。今後も、子どもたちにあったメリハリ空間の一つとして活用できればと考えています。

(報告者 小松崎高司)

メリハリ空間」への2件のフィードバック

  1. 「1歳児は、薄暗い空間に入ると逆にテンションがあがってしまうという子どももいて…」という子どものいるのですね。薄暗いと落ち着くと勝手に思い込んでいますが、そうではない子もいるということを知るのもまた大切なことですね。狭い空間などは私も子どもの頃、大好きでした。子どもたちを見ていても、室内でも園庭でも死角になったり、隠れることができるような空間、狭い空間を作ると必ず誰がはそこにいるという状況が生まれますね。私もメリハリということを意識しています。主に今は活動の節目だったり、ちょっと子どものテンションが高いなと感じる時に、瞑想のようなものをみんなでやってみたりしています。メリハリの考えかた、実践の方法、もっと意識してみたいです。

  2.  見るだけで癒される写真の数々ですね。塾長の言う〈小さな集団、狭い部屋、大人に見られない、自分から行動できる時間の設定〉この設定がいかに子どもたちにとって有難いものであるか、改めて考える必要があるように感じました。ほっと一息つける場所が生活の中に必要なのは大人にとっても同じことですね。空を見上げたり、流れる雲を眺めたり、コーヒーを飲んだり。それと同じような癒しある効果を子どもたちに提案できるよう、考えていきたいです。

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