「ラッキーBOY ラッキーGIRL」

つくづく新宿せいが保育園の男性職員の遊び心には関心します(笑)

その日の天気は生憎の一日雨でした・・・。
朝から子ども達は室内だけで過ごしています。
それでも自分たちなりに遊びを探して、楽しく過ごしています。
今日もいつも通りお昼寝から覚めて、お着替えをして、
おやつの配膳が始まりました。
しかし、何かいつもと様子が違って、子ども達はソワソワしています。
お皿の下やコップの底を覗いてみたり・・・。
何かあるのかな??と思ってしばらく様子を見ていたら、
リーダーの先生が・・・
「さぁ!!今日のラッキーBoyとラッキーGirlは誰かなぁ?」
と言うと、みんな一斉に色々な所を探し始めました。
続けて先生が・・・
「今日のラッキーBoyラッキーGirlは・・・残念ながらいませんっ!」
と言いながら誰も座っていない椅子の方に行きました。
よくよく目を凝らして見ると、椅子の背もたれの所に小さなシールが貼ってありました。
そうです!『ラッキーBoyラッキーGirl』と言うのはシールが貼ってある椅子に見事座った子どもの事です。
よく結婚式の時にお皿の下にシールが貼ってある人にサプライズプレゼントを渡す企画があると思いますが、それです!
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しかし今回は残念なことに誰も座っていませんでした・・・。
その時、少し遅れて配膳に着た年少の女の子Yちゃんがいました。
すると、まわりの皆はどうするのか?と思ったら・・・。
「早く座って!早く座って!!」
とYちゃんにラッキーGirlになれるように促したのです。
誰一人「私が座る!僕が座る!」という子はおらず、本当に皆でそのYちゃんに座るよう声を掛けて、
Yちゃんがシールが貼ってある椅子に座った瞬間に・・・拍手喝采!!
なんだか、そのシーンを見ていて感動しました・・・。
よく「お集まりになっても座らない子どもがいて困っています」という相談を受けますが、
このように集まることで何か面白い事が起きる!?という期待感を持てば、
自然と椅子に座るようになると思います。
よく塾長の講演でも「待つ」ことの重要性を話されます。
「子どもを待たせる場合は、待った先に何か面白そうなこと、楽しそうなことを伝えないと、子どもは待てない」
と。まさに、この「ラッキーBoyラッキーGirl企画」は子ども達に待つ間、ずっと楽しめる企画ですね。
聞くところによると、今回で3回目だそうです。
一回目はパックの牛乳の底に顔を書いたそうで、
二回目はお皿の底にシールを貼ってそうです。
ちなみに、こんな事をやるのは・・・男性です。
そう塾生の小松崎先生です。さすがですね!
更に下の写真は先日の朝の会の様子です。
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これも、もちろん男性です。そうです本多先生です。
写真だけ見るとふざけているように見えますが、全体の風景は全員、朝の会に座って参加しています。
先生が「座りなさい」と言わなくても、自然と全員参加します。
朝から、こんな楽しい朝の会だと一日ハッピーになりますよね!
自分が園児だったら絶対にそう思います。
そして写真は無いのですが、そんな様子を2歳児の子どもが笑って見ていました。
来年、自分達もあそこで朝の会だできるんだ!という期待感も自然と身に付きます。
小松崎先生に今後の展開を聞くと、
今後は子ども自身が仕掛けたら面白いかも!と言っています。
ただ、子どもが仕掛けると、言いたくて仕方がないから、すぐにバレそうですね(笑)(報告者 山下祐)

夫婦の形

まずはじめに、先週と今週の塾は塾長が出張だったため、できませんでした。
来週は予定通り行いますので、よろしくお願いします。
先日、職場の後輩(女性)の結婚式に出席させていただきました。 とても素敵な結婚披露宴で、とても感動しました・・・。

さて職場の結婚式となると、主賓の挨拶はもちろん塾長です。 よく塾長はスピーチだと緊張するから、講演だと思って話します。 と言われますが、やはりたくさん講演している塾長でも緊張するのですね・・・。

今回も塾長はどのように挨拶するのかとても気になりながら聞いていました。

新郎の職業はプロのスポーツ選手で、 出席者も誰もが知っているような有名な方がちらほらいて、 そういう意味でも雰囲気はすごかったです。

先に新郎が所属しているチームの監督がスピーチをされましたが、 『食』についての重要性を二人に伝えました。 やはりスポーツ選手にとって「食事」というのはとても重要なことで、 身体がしっかり整っていないと100%の力を発揮できないからですね。

それに続いて塾長の挨拶ですが、 まずは企業のチームについて話されました。 おそらくこれは、臥竜塾ブログにも詳しく書かれていますし、 講演の中でも話されているので、ご存知かと思います。

ドラッガーは企業のチームを3つに分けられると言います。 「野球型」「サッカー型」「テニスのダブルス型」です。

野球型というのは各自のポジションが決まっていて、ほぼ自分の役割だけを全うする。 サッカー型というのは各自のポジションは概ね決まっているが、自分の役割を越えて、 仲間の分までフォローする。 これからの企業は「サッカー型」のチームにならなければいけないという話です。

そしてテニスのダブルス型は少人数のチームで、長い時間かけて訓練、そして働く必要がある。
と言っています。 詳しくは↓

http://www.caguya.co.jp/blog_hoiku/archives/2011/04/post_1922.html

 
 
そこで塾長は
「夫婦というのはテニスのダブルス型のチームワークをする必要です。
どちらからが前衛で前に出た時に、自分が打ち返せないボールが来た時に後ろの後衛が必ず取ってくれるという信頼感、
そしてお互いに足りない部分を補い合ってこそ、よいチームワークが発揮できます。その良いチームワークを作るには長い時間をかける必要があります・・・」
と言われました。
これを聞いて、同じ席に座っていた職員全員が納得していました。
夫婦になっていつも円満な訳はないと思います。
時にはケンカをしてしまう時があります。
お互いに様々な経験を長い時間かけて積むことで、初めて夫婦円満になるのかな?
と思いました。
それとは反対に乾杯の挨拶を新郎側の上司がされましたが、
夫婦円満の秘訣を話されていました。
一つ目は「家に長くいない」
二つ目は「ケンカが起きたら勝とうとしない、引き分けに持ち込む」
三つ目は「10あるうち一つでも誉めたら旦那は調子に乗る」
という秘訣です(笑)
全てはありませんが、何となく分かります・・・特に二つ目。(報告者 山下祐)

どう使うか

私たちは月に1回月案会議というのをしています。その中で各ゾーンどんな様子で子どもたちが遊んでいるのかを見て次にどんな発展ができるかを話し合います。

話し合う中で環境を用意したもののその遊びに発展が見られないことからどうしたらいいかを考えています。
環境を用意し、その物でただ遊ぶのではなく、その物を道具としてどう使えるかを考えていこうと思います。新宿せいが保育園には文字数、科学ゾーンというゾーンがあり、その中の物たちをどう道具として使ってもらえるを悩むことがあります。
例えば体重計であれば、自分の体重表を書く用紙を用意し、自分の体重を測り、記録します。
さらにそこから様々な動物や人、物などの重さを大まかではありますが例として出して掲示しておきます。
そうすることで自分の体重を測り、そこから他の動物や人、物とを比較し、外界と触れ合うことができます。
このように目的を果たすための道具として使って欲しいという思いがあります。
前々から双眼鏡はどうしたら良いかと考えていました。双眼鏡は遠くを見たり、小さいものを見るとことが用途です。
以前ブラヘイジで江戸東京博物館に行きました。そこでは小さい昔の町並みと小さな人の模型が展示されていました。それの模型たちは非常に細かく当時を再現していました。
そこには双眼鏡があり、小さな人や建物を双眼鏡で覗くことでその模型たちが鮮明に見えることでワクワクした気持ちなりました。
そんなヒントから双眼鏡で目的を果たすための道具として使うために肉眼では見えない大きさくらいの文字を壁に貼り、ある指定した場所から双眼鏡でその文字を当ててもらうゲームのようなことをしてみました。
すると子どもたちは好奇心をむき出しにし、挑戦していました。双眼鏡を逆さまに使ったり、椅子に乗ってみたり、ボヤけてて見えないからどうしたらいいかなどそれぞれにどうすれば見えるからを考えていました。
真ん中のネジを回してみたらなど少しづつヒントを出すことで双眼鏡を上手に使えるようになっていました。このように目的を果たすための道具として使うことでこんなにも使い方に変化が起きることを実感しました。
こういった使い方ができるよう、他の物も使い方を柔軟に考えていきたいと思える出来事でした。
実際に見ています。

実際に見ています。

(報告者 本多悠里)

巨大トランプ

 前回の巨大紙飛行機のように、今回も巨大なものシリーズです。普通のトランプを大きくしてみたらどうなるか。それで実際に遊んでみると、また新しい発見が待っていました。
サンタクロースにもらった「巨大トランプ」。私は、先日それで「神経衰弱をしてみない?」と子どもたちに提案してみたのです。
左が通常サイズのトランプ
左が通常サイズのトランプ
 子どもたちは、この巨大トランプに驚きながら、大きな好奇心を抱いていました。早速、そのトランプをセッティングします。普通のトランプは、一つの机の上に全てのトランプを置くことができますが、このトランプはそうはいきません。どうなるかというと、子どもたちはこのようにセッティングしていました。
トランプをセッティング
トランプをセッティング
 
 普段より9倍の机と場所を使うことになりました。その9倍がもたらすことは、まず足を動かす距離が増えたことです。普通のトランプで行う神経衰弱は、歩く必要もありませんが、このトランプではめくりに行くまでに体を動かさなくてはいけません。そこで発生する運動は、自発的なものになります。当然ですね。トランプをめくりたいと、うずうずしていますので。また、自分と他児がめくったトランプの記憶をさかのぼりながらブラブラと歩いて探すため、自然と歩く距離も長くなりますし、考えながらなので走り回ったりはしません。(もしかしたら、近所の公園に遊びに行くよりも歩いていたかもしれません。)ここから、運動における室内と屋外に新しい価値観を持つことができます。もちろん、外へ散歩に行くということは様々な環境に出会えるという利点がありますが、室内だから全く動いていないということではなくなりますね。
 
 また、私は「運動と記憶力」との関連性にも着目してみました。これはあくまで推測ですが、見たり聞いたりするだけよりも、実際に自分の体を動かした時の方が記憶に残っている印象があります。つまり、巨大トランプで行う「神経衰弱」は、理にかなっているというのが私の見解です。自分が持つ記憶力を、最大限に活かすことができるような仕組みになっているのではと予想します。
 
 そして、「トランプ」自体をよく見てみると、スペード・ハート・クローバー・ダイヤなどのマークが、サイコロでいうところの“ドット”の役割を担っていることに気がつきます。右上には数字が書かれているため、「神経衰弱」を行うことで、同時に【数】の認識にもつながっていることになっていると感じました。
マークとドットと数
マークとドットと数
 今回で、トランプの可能性をたくさん感じることができました。この巨大トランプで「ババ抜き」や「七並べ」など、違ったトランプ遊びを提案してみても面白いかも…と思ったりもしています。
 
(報告者 小松崎高司)

凧揚げ

つい先日に、学童の子どもたちと凧作りをして作った凧を近くの公園に揚げに行きました。

お正月と言えば凧揚げ。 羽根つきや福笑いと共にお正月の伝統的な遊びですね。 凧揚げがお正月のイメージなのは占いや厄除け、祈願などの意味や諸説あるようですが、北風や一定方向に風が強く吹く季節的な要因もあるようで、1月は凧揚げに適した季節と言われているそうです。

しかし、地方によっては凧揚げの時期が異なるようです。

長崎の有名な凧揚(はたあげ)は4月ですし、浜松は5月、新潟県白根は6月、沖縄は10月とばらばらです。

また、関東地方以北では「たこ」と言うが、大阪辺りは「いか」、長崎辺りでは「はた」と言うそうです。

今月の月案を子どもたちが決めた際に「凧揚げ」が発案されました。

このような伝承遊びは、いつも大人のひらめきとして子ども月案の他に組み込ませてもらっているのですが、今回はその必要さえありませんでした。

そして私自身、小さい頃に凧揚げをしたことはあるのですが、自分で作ったことがなく、今まで興味を示して来なかったら凧についての知識は全くないと言っても良い程でした。

ですので、文頭で書かせていただいた凧揚げの時期と呼び名の違い等々は今回の子ども月案がきっかけで調べ、知り得た事です。

子どもたちの自発的な遊びや発案がきっかけで、私が新たな学びを得ることができたのは今回で何度目なのか数え切れません。

凧についてより詳しく、凧揚げの歴史やどこから伝来されたか等が書いてあるので、ぜひご覧になってみてください。

http://sogyusha.org/saijiki/01_spring/tako.html

さて、今回の凧揚げは1日で製作から実践を行う過密なスケジュールにしてしまったので、簡単に作れる凧を2種類用意し、子どもたちに選んでもらって一緒に作りました。

1つはポリ袋を用いたぐにゃぐにゃ凧です。

もう1つは画用紙を用いた画用紙凧です。

製作後、天気にも恵まれていたので近くの公園に揚げにいったのですが、不運にも風がなく、あまり高く揚がりませんでした。

しかし、上手く揚がらなかったからこそより良い学びがあります。

「なぜ上手く揚がらなかったのか?」

風がなかったからと考えた子もいれば、骨組みを付け過ぎたための重みで揚がらなかったと考えた子もいたりと様々でした。

もし上手く揚がっていたら、子どもたちの凧は今回止まりだったかもしれません。

前文に不運にも風がなく…と書きましたが、逆に運が良かったのかもしれません。

そして、子どもたちとまた次回チャレンジしようと決めました。

次回の凧揚げで子どもたちは凧にどんな変化を加えるのか。

はたまた風のみを気にするのか。

今から楽しみでなりません。

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ギリギリ揚がった凧

(投稿者 若林)

地理好き

毎日、誰かしらブログを更新するようにしています。
塾生は全員で7人いるので、ちょうど一人一週間に一回書けばいいのですが、
それでもネタを探すのに必死です。しかも塾長は毎日一人であれだけの量を書いています・・・。
よくブログでも色々なところにアンテナを張り巡らせる事が大切と自分でも言っていますが、
おそらく「つもり」で終わっているのかもしれません・・・。
もっと知りたい!学びたい!という意欲が足りませんね。
さて今回の帰省で東京に戻る際にいつもは電車を使っていますが、
今回は切符が取れなかった関係で飛行機を使いました。
出張を行かなくなってから飛行機に乗る機会はめっきり減り、かなり久しぶりの飛行機でした。
ですので、なんだか新鮮な気持ちで搭乗しました。
飛行機に乗った方は分かると思いますが、座席ポケットに通販と機内誌などが入っていると思います。
いつもは、普通に読んでいるだけですが、今回は久しぶりと言う事もあり、じっくり読みました。
後半のページには機内ラジオのチャンネル案内、あとは航路系図などが載っています。
今回はいつも素通りのページの航路系図に目が留まりました。
と言うのも座席が窓側で外の風景が見えたので、今どこを飛んでいるのか気になりました。
あと私は昔から地理好きというのもあるかもしれません。
まず富山空港を富山湾に向けて離陸し、そのまま右へ旋回しながら上昇しました。
そして雲の上に出たので、詳しくは分かりませんが、おそらく新潟の上空を飛んで、
そのまま茨城の方まで南下しました。
そして下降し雲を抜けたら茨城独特の曲線の鹿島湾が長く続いているので、
どこを飛んでいるかすぐに分かりました。
そして霞ヶ浦の上を通過し、千葉の九十九里浜を左手に、
鴨川付近で右に旋回し、東京湾に突入・・・。
そのまま着陸態勢に入り、羽田空港に着陸しました。
詳しくは下の地図の赤線を見て下さい。
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地理の授業で「リアス式海岸」って言葉を聞いたことがあると思います。
これはご存知の通り、岩手県のように地図で見るとギザギザした海岸線が続いている地形の事を指します。
言葉で理解していても、やはり実際に見るのとでは理解度が全く違うと思います。
数年前にドイツ研修に行った際に、成田空港を離陸し、そのままロシアの方まで飛び、
ロシア上空を飛んだ時に雲の切れ間から、ロシアの大地を見ました。
地図で見た通り、一面真っ白の大地が続き、感動しました。
そして北極上空を通過しヨーロッパの方まで飛び、
スカンディナビア半島を通過した際にノルウェーの「フィヨルド」を見た時もとても感動しました。
簡単に説明すると、氷河によって削られた大地の事を「フィヨルド」と呼びます。
リアス式海岸のように地図で見るとギザギザした形が特徴です。
ちなみにリアス式海岸は谷が沈降して出来た物です・・・。
子ども達が公園や森に散歩に行き、色々な虫や花、植物を発見し
保育園に戻ってから図鑑などで調べて同じものを見つけた時は、とてもいい表情をします。
そして、それが大きな学びに繋がります。
塾長の講演やブログでも、乳幼児期には「体験」がとても重要と言われているように、
大人になっても「体験」すること、そして自ら色々な事に興味を持ち「行動」する。
ずっと忘れてはいけませんね。(報告者 山下祐)

巨大紙飛行機

 目に前にあるものをクローズアップしてみたり、逆にロングショットで見てみると、普段とは違った視点や発見をすることがあります。その道具として「顕微鏡」やカメラの「ズーム」機能などがあるように、その対象となる物のサイズを大きくしたり小さくする方法には「科学概念」が含まれていると思います。 
 子どもたちは、よく「紙ヒコーキ作って〜」と言ってきます。その度に、子どもと一緒に折ったり、紙飛行が折れる製作マイスターに頼んでみるよう提案をしています。屋外にでると、空を飛ぶヘリコプターや飛行機に憧れを抱くように、空中を飛ぶ紙飛行機にも興味を持つのでしょうか。
 そこで、その紙飛行機を大きくしたらどうなるだろうかといった疑問が浮かんできました。早速、クラスの職員に相談すると「面白そう!今日お散歩行ってやってみない?」ということになり、朝のお集りを簡潔にし、大きな模造紙を持って子どもたちと近所の公園に行きました。
小さい紙の方がA4紙
小さい紙の方がA4紙
 紙を折りやすい場所がコンクリートの上しかないということもあり、ごつごつしていて折りにくかったですが、ワクワクがその感情を消し去ります。子どもたちも、紙の端を押さえてくれたり、折り目を手で強く押して形を整えてくれます。
 そして、巨大紙飛行機の完成です。
巨大紙飛行機の完成
巨大紙飛行機
 子どもたちは、この紙飛行機はいったいどのくらい飛ぶんだろう、どうやって飛ぶんだろうなどと大きな期待を込めて飛ばしていたと思います。しかし、飛ばして1秒後には地面に落ちてしまいました。何度やっても結果は同じですが、子どもたちはそれでも楽しそうに遊んでいました。紙の素材が悪かったかな…、風が強かったかな…などと自分の中で反省していると、一人の子どもが「なんで飛ばないんだろう?」とぼそっと言いました。その言葉を聞いたとき、私は今日この活動をしてよかったと感じたのです。
自分と同じくらいの紙飛行機を飛ばす3歳児
自分と同じくらいの紙飛行機を飛ばそうとするす3歳児
 まっすぐ飛ばないこと、自分が思ってもいない方向へ飛ぶこと、風があるとそれに負けてしまうこと、飛ばしてもすぐに落ちてしまうことなど、そういったいくつもある小さな疑問が、2・3・4投目といったように次なる紙飛行機投てきへといざなっていく、そういった活動が「科学概念」という物事の可能性を知っていこうとする力を育んでいると思えたからです。
 年末に、塾長のブログで“科学的アプローチ”の話題が取り上げられていました。その学びを、実際に子どもたちとできたのは、相談した職員の「面白そう!今日お散歩行ってやってみない?」という言葉のおかげでした。子どもたちの体験を科学に向けるのは、そういった職員同士の協力が必要な時もあるのだと思います。
 
(報告者 小松崎高司)

おもちゃの整理、管理<その2>

前回のブログで、最後に足りなかったピースが届いて一件落着というところだったのですが、実はこの先にも話は続きました。

実際にやってみるともう1ピース足りなかったのです。パズル全体が立体で国の場所が盛り上がっていて、海の場所が少し低くなっているのですが、ちょうど中東あたりに海が細く伸びている箇所があり、それがピースがないのか、海なのか気付かなかったようで、、、楽しい空気から、少し重い空気へ。

しかし、小学生はそんなことではあきらめません。

前回よりも、集まっていた人数が多かったこともあり、再びピースを注文する相談を始めました。前回やっているだけに、その流れは速かったのですが、誰が電話するという所でまたも「やっぱり先生が、、」という声が、、。

ところが、前回いなかった子が、「私電話したい!」と立候補をし、電話することに。

ここにきて私も本当に電話させても大丈夫かと不安になったのですが、とりあえずやってみることに。

電話番号だけは押してあげて、その受話器を渡すと、

「お世話になっております。新宿せいが学童クラブです。○○○の世界地図パズルのピースが足りないんですが、注文することはできますか?」

「はい、1ピースです。」

「郵便番号は○○○の住所は○○○です」

「足りない国のパズルはイクラです、、、じゃなかったイラクです。」

「はい、よろしくお願いします」

とあっさり注文をしてしまいました。

途中で、真面目にボケもありましたが、その電話の後は、その子を中心に「注文できた~」「なんでイクラっていったの」「本当にできると思わなかった」と大盛り上がりでした。

今度の火曜日にその1ピースが届く予定なのですが、今からその日が楽しみです。

ちょっとした失敗も、いい経験になるものですね。

まだまだ整理するものはたくさんあるので、子ども達と楽しみながらいい経験をしていきたいと思います。

(報告者 西田泰幸)

おもちゃの整理、管理<その1>

新しい年が始まり、今年度限りでお終いとなる新宿せいが学童クラブも残すところ3か月となりました。

少しずつ家具や書類、おもちゃなど整理が始まっています。何気に大変なのがおもちゃの整理です。日頃、使っているものは、ほとんど大丈夫なのですが、しばらく使っていなかったものや、タイミングがなくまだ出していなかったおもちゃまでと沢山のおもちゃをまだ使えるか確認しなくてはいけません。

例えば、トランプがちゃんと53枚足りているかどうか、ボードゲームのパーツは足りているかなどが、あるのですが、もし職員が一人で何セットものトランプを1枚、2枚、、と数えている姿をすると、相当寂しく、そして手間がかかりそうです。

それなので、私は子どもたちと一緒に遊びながら確認するようにしています。トランプならソリティアを教えてあげたり、何がババか分らないじじ抜きを一緒にやってみたり、ボードゲームなら一緒に遊んで、その場で足りないカードやパーツを作ってみたり。そうすると、楽しく遊びながら、同時に、足りないと困るという経験から子ども達に物を大切する気持ちも伝えることが出来ます。

そんな中、パズルのピースが足りているかという遊びをしている時に面白いことがありました。しばらく手がつけられていないパズル、、、はめてみる前から、ピースが足りないのだろうなと思いながらも、子どもたちに声をかけて一緒にやってみました。やってみると「どうかな?足りるかな」とワクワクしながらやってみるのもなかなか楽しいものです。毎回の最後は「あ~、1ピースたりなーい」「ちょっと下に落ちてない?」等と、色んなパズルをやること繰り返す事、、、5回目。「やったー!」と、ついにちゃんと足りているパズルを見つけました。苦労があり、また本当にできるかどうかわからなかっただけに、その子どもたちの顔はとても嬉しそうでした。

その後も、続けたのですが結果はちゃんとピースが足りたのは全8枚中1枚のみでした。

結果を見ると少し笑ってしまいますが、そこからも色んなことが経験できました。

まず初めに、起きたのが「ピースが足りないパズルはどうするの?」ということでした。それまで、トランプやボードゲームで物の大切さを感じてきた子どもたちなので、なかなかの問題でした。

ほとんどのパズルは、箱がなくどこで買った物か分らなかったのですが、一つだけ○○○の世界地図パズルと会社名が書いてあるパズルがありました。「これなら聞けるかもね」と足りないピースを注文できないかという話になりました。

まずその世界地図パズルのどのピースが足りないのかという確認が始まりました。全部はめて、足りない国の場所を地図で見て「ここは、、イタリアかな」「ここはチリかな」と書き出していきました。国ごとに分かれているピースだけあって足りないピースは10数個もありました。

足りないピースがわかると電話です。小学生ということで実際に電話してみると、話していたのですが、「誰が電話するのか?」、「なんと話すのか?」と決めているうちにだんだんみんなが弱気に、「やっぱ先生がした方がいいんじゃないの?」。

直前まで子ども達で電話する流れだったのですが、その弱気なムードは変わらず、残念ながら、子どもたちに何が足りないとなんというかを復唱してもらいながら、職員が電話をすることに。

それでも子ども達は、自分たちがそのパズルをまたできるようにしたことにとても満足気でした。

何日かして、そのパズルが届いたときには、「来たー!」と大喜び。注文に携わっていない子までやってきて、そのパズルを楽しんでいました。

自分たちだけで何かができる。そこから生まれる喜びは格別のものですね。                 (報告者 西田泰幸)

バランス

園庭の運動遊具や園庭のあり方について、皆さんどう捉えるでしょうか。私の園でもそうなのですが、基本的に総合遊具は園庭の端にあり、真ん中は広い場所になっています。そこは三輪車で走ったり、ボール遊びをしたりと広い場所を使って遊ぶものをするときに使われることが多いです。一般的な保育園の園庭もそうであることが多いように思います。そのことについて、以前、ドイツの遊具メーカ-aibeのグリム氏と藤森先生の研修でグリム氏がこういったことを言われていました。

 

それは1.日本の園庭は遊具が少なく、様々な遊びができない。2.広いが一つの遊び道具しかない。ということでした。また、こんなことも言われていました。「日本人は遊具に信頼がない」つまり、「怪我するかもしれない」「落ちるかもしれない」といって、その遊具の本来の意図を理解よりも、怪我などのリスクを避けるということです。ドイツでは逆転の発想でした。

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ロフトの下には木のチップが敷き詰められています。

たとえば、ブランコですが、「日本ではぶつかっては危ない」「落ちたら危険」といって公園から撤去されていますが、ドイツでは逆に「転落の経験も必要」という考えを持っていました。しかし、やはりぶつかると危ないので、座席部分はゴムにしているということでした。また、一番怪我をするのは降りるときであり、その問題は地面にある。だから、地面を柔らかい素材や木のチップを敷き詰めている。とのことでした。

「危険」だから取り除くという日本の捉え方と大きく違いますね。そして、その怪我や危険のためにバランスを養うことにより自分で怪我を回避するようにしているといっていました。このバランスということが何かと重要視されます。こういった目的のため、その遊具一つ一つに込められた意図をしっかりと繁栄されており、「経験」を通して、どう子どもたちを育てるかという意味合い自体が遊具メーカ-にも考えられていました。

 

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フィーリングロードも一つのバランスを養う場所

 

 

 

 

こういった園庭の遊具の環境から前回の内容にもあった「運動」につながることが研修の中で触れられていました。というのも、前回のブログでもあったように日本は「運動」のとらえ方というと「走る」「跳ぶ」「投げる」といったように広いフィールドで力いっぱい走り回っている様子を運動と捉えることが多いです。そのため、園庭の環境もそういった活動ができるように意識されていることがとても多いです。

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ドイツの園庭の環境

 

しかし、私が以前ドイツの保育園に見学に行ったときも、園庭の中に広い広場があることは少なかったように思います。園庭が日本のように走り回って体を動かすといったようなものではなく、多くの「経験」ができる場所としての意味合いが強かったように思います。日本の様に「園庭=運動」ではなく「園庭=自然環境や外でしかできない活動」といったイメージでしょうか。

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乳児の環境でも不安定な場所が作られている。

 

 

 

 

そのため、岩が置いていたり、木などの自然環境があったりと日本の一般的な園庭とはまた違った環境でした。では、どこで運動をしているかというとそれは園庭だけではなく、室内でもしていることがありました。それもどちらかというとボール遊びだけではなく、アスレチックのようなもののほうが多かったように思います。それは前述にもあったように「バランス」が非常に重要視されているからなんでしょうね。

 

では、なぜ「バランス」が重要視されているのでしょうか。このときの話ではバランスを重視する内容が2つでていました。1つは「特別な機能を上げるのではなく、やりたいスポーツで発揮できるように 体のコントロール能力 と バランス感覚 を養うことが大切としていることです。最近ではスポーツの中でも「体幹」が重要と言われることが多いですが、バランス感覚はどのスポーツでも大切なことです。スポーツをするためにトレーニングするのではなく、自然と遊びの中でトレーニングすることでやりたいスポーツができるようになる。といったことですね。2つめは「集中力の強化」が言われていました。バランスを必要とすることは集中力を必要とします。難しければ難しいほどどう渡るかを考えます。そして、その経験が「問題解決能力」に繋がると考えられていました。

 

あくまでこれは遊具メーカーの考える遊具や園庭においてどう考えるかということの一端にすぎないことだと思います。しかし、この一つの話をとっても、私はあらためて考えることが多かったです。文部省のHPを見ても、日本人の身長は年々伸びているのに対し、運動量は低くなっています。「運動をできるようにする」のではなく、「運動を楽しくできる」ようにするにはどうしたらいいのか。そのために、どういったアプローチをしていくことが必要なのか。もっと幅の広い目線や意図で園庭においても環境を作る必要性をこの研修で感じました。

(投稿者 邨橋智樹)