伝統工芸「別府竹細工」①

「いやぁ〜世の中にこんな楽しいことがあるのかと。仕事って、イメージ的にこう、ちょっとしんどいことをして働いて、変わりに報酬を頂くっていうイメージがあるじゃないですか。だから俺あんま嫌なことしてへんよなぁ。だって僕、竹割ってりゃ、幸せなんですから。」

 

 この言葉に惹かれて、休日に伝統工芸「別府竹細工」のワークショップに行ってきました。講師は、大学卒業後に竹細工職人を志して大分県・別府にある竹細工の訓練学校で学び、伝統工芸士の方へ弟子入りを経て独立した、別府竹細工職人の清水貴之氏です。最初の言葉は、清水氏がCSのディスカバリーチャンネル『明日への扉』の番組で言われた言葉です。実際にお会いした印象は、自然体で佇む姿から“飾らずゆったりと”といった雰囲気を感じて、時間の経過もあっと言う間でした。

竹を割いていく清水貴之氏

竹を割いていく清水貴之氏

 

 まず、竹細工には地道な竹ひご作りから始まります。竹も何度も割って徐々に細くしていきます。次に表面をはぎます。竹細工で使用するのは、丈夫でつやのある皮の部分のみ。何回にも分けて薄くはいで、材料を作っていくのです。そして、できた竹ひごを整えていきます。巾を揃える「巾とり」、竹の角をとる「面取り」。そんな地道な作業を清水氏はこう言っています。

 

「正直、初めたての頃は、面取りの重要性をよくわかってなかった。単調ですし。今は、面取りっていうのは一番かごがきれいに見える大事なところじゃないかなって思う。」

 面取りの角度ひとつで、柔らかさや凛々しさなど、作品の印象が変わるそうです。最後に裏すき銑という道具で厚さを揃えると、ようやく編む材料が完成となります。材料を作るまでに、こんなにも手間がかかっていることが理解できるように、この作業は、竹細工全ての行程の7割にも及ぶと言っても過言ではないそうです。

左は、水に濡らした竹。そうすることで滑りにくく、柔らかくなって編みやすい

左は、水に濡らした竹。そうすることで滑りにくく、柔らかくなって編みやすい

 

 以前、竹細工の作品を店頭で見る機会はありましたが、その価格に正直驚いた記憶があります。しかし、この作業工程を知ると納得します。また、清水氏は震災の時、竹と鉈さえあれば、生活に必要な道具は全て作れるなと思ったという話をしてくれました。箸やナイフ、皿などを始めとする食器も、そして籠も、全て竹だけで作れるので、自分は生きていけると。そう考えると、究極のエコかもしれませんね。自分の中での竹細工の魅力が、ますます上がっていきます。

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(報告者 小松崎高司)

園内研修報告in神奈川

9月20日に神奈川県にある保育園さんで園内研修がありました。そこの保育園さんは年に1回、塾長の講演を保護者向けと保育士向けにという事で開催し、私自身も今回で3回目の同行になりました。

午前中は保護者向けの講演で、子育てに大切なことをお話しされていました。そのいくつかを紹介したいと思います。

・安全のために過度に排除してしまうと逆に危険!

これは、ドイツの保育園を視察した際のことですが、以前のドイツの園庭は全体がきれいな芝生でした。しかし、それに慣れてしまった子どもたちは街中に出た時に転んでケガをする子が増えてしまったそうです。保育園の園庭をあえて街中と同じような石畳にしたり、少し段差をつけたり、岩を転がしておいたりしたことで、子どもたち自身が危険から回避できるようにするのが保育園の役目だと思っている。日本のように、園内だけを安全にしてしまうと将来自分で危機回避ができなくなってしまう。ということでした。

 

・親がいろいろ言ってやらせてしまうのは良くない!

これは、親が子どもにいろいろ言ってやらせてしまうと、自分で判断することができなくなってしまい、子どものうちに育てたい判断能力が育たなくなってしまう。その結果、将来社会に出て挫折をしてしまった時に自分自身の力で立ち直れなくなってしまう。ということでした。

 

午後からは、2園の合同研修でした。

今回は主に、事前にあったいくつかの質問を順に塾長が答えていくという研修内容でした。これもいくつか紹介していきたいと思います。

Q、見守る保育を行うにあたり、動きやすく良いチームワークになるためには?

A、先ずは、先生同士で園の理念や、子どもの発達などを共通理解すること。そしてお互いを信じ合う。また、先生同士の得意なところを活かすためにお互いをカバーし合うことで、気軽に苦手なところを他の人に頼むこと。ベテランが見本を見せたりすることも必要。

Q、2歳児保育のポイントは?

A、2歳児は自ら徒党を組んだり他と関わり始めるので、横のつながりを大切にすること。

また、随意筋が発達してくるので微細運動を行う。

Q、異年齢児保育の重要な点は?

A、違う発達を見て刺激をもらうこと。少し上の発達の子を見ることで刺激をもらい、自分もマネしようとする気持ちが大切。逆に下の子に見られていることでお手本になったり、自分の行動を振り返ったりすること。下の子に教えてあげることで自分の力として定着する。他との違いを感じること。他との違いを感じ、他と調整し、他の中で自己主張することで社会を学んでいく。

Q、見守る保育を行うにあたり、最も大切なポイントは?

A、①ちゃんと見守るためには安心、安全な環境を用意し、外から見られるようになって初めて見守ることができる。②子どもの発達を理解をすることでどこから手を出せばいいかが変わってくる。③子ども同士で関わることができているから先生は外から見られることができる。

Q、栄養士、調理員として「食育」を通して見守る保育にどう関わっていけばいいか?

A、調理は保育士ではないが、食を通して保育をする人。同じ保育者。ただ食事を作る人ではなく、園のテーマに添って食事を出したり、「栽培」「料理」「共食」という人類しかできないことを伝えていく。

 

今年度から塾長と色んな保育園さんへ行き、色んな質問をされているのを聞いていましたが、今回の質問は「見守る保育」そのものへの質問が多かったような気がします。私自身も学ぶことが多かったように感じます。(報告者 柿崎)

マネジメント8

塾長が掲げている「見守る保育の10ヶ条」というものがあります。
おそらく今年の環境セミナーに参加されている方や塾長の講演などで聞いたことがあると思います。
その中の一つに「社会を構成する一員(シティズンシップ)」があります。
保育者だけが子ども達を保育するのでなく、地域みんなで子ども達を見守っていく必要があると思います。
そして、子ども達も社会の一員としての意識が必要だと思います。
ただ、子ども達に、こんな難しいことを話しところで理解するのは難しい事だと思いますが、
例えば散歩の途中で地域の人に挨拶をしたりするのも私は立派な社会の一員として地域に貢献していると思います。

以前、こんなことがありました。
345歳で散歩に行くと、犬を飼っている家の前を通るそうです。その時は必ず犬の名前を呼んでいるそうで、犬もそれに、答えるかのように吠えているそうです。
ちょうど私が玄関の掃除をしていると一人の年配のおばさんが保育園に訪ねてきました。

そのおばあさんは、折り紙でサンタクロースを作った物をたくさん持ってきて、子ども達に渡して下さい!と言いました。
聞くところによると、自宅の前を散歩で通る度に犬に声をかけてくれたり、犬の散歩途中に会うと声をかけてくれたり…とても嬉しかったそうで、
何か子ども達にお返しをしたいと考えて、ちょうど時期がクリスマスだったので、プレゼントを作ってくれたそうです。

また先日、地域のお祭りがあり、男性職員が四人、お神輿を担ぎにいきました。
他にも新宿区の学童、児童館が一斉に集まり運動会が毎年行われていますが、学童職員と保育園の職員が自主的に参加させていただいたり…。
保育園として、地域という社会に貢献するというのも大切な役割だと私は思います。

ドラッガーはこんなことを言っています。
「組織とは、個としての人間一人ひとりに対して、また社会を構成する一人の人間に対して、何らかの貢献を行わせ、自己実現させるための手段である。」
と言っています。

少々ドラッガーの言っている事と離れてしまうかもしれませんが、
ここの「社会を構成する一人の人間」という言葉に注目してみました。
冒頭に述べた「シティズンシップ」と同じ意味合いがあると私は感じました。
保育園というのは、以前の「マネジメント」で書いたように、子どもを単に預かる場所でではありません。
色々な役割がある中の一つで地域に貢献するという役割もあると思います。
と言うのも、よく聞く話し保育園が住宅地に建設予定になると
「子どもの鳴き声や騒ぎ声がうるさい」という苦情があると聞きます。
確かに万民が子どもの事が好きかというと、中には苦手な人がいるかもしれません。
だからこそ、保育園としての真価が問われると思います。
実際に子どもの声がうるさい時があるかもしれませんが、それを打ち消すほどの地域としての役割を、
示すことで保育園という印象が変わるような気がします。
「もしドラ」では野球部がマネジメントを取り入れたことにより、
部員一人ひとりの気持ちが180度変わり、実際に結果を残しているくらい、
変わった事に、周りの運動部が、あの野球部がどうしてこんなに変わったのか?と主人公に聞き、
ドラッガーのマネジメントを取り入れた事と、具体的な方法を教えたのです。
そうすることで周りの運動部のチームワークが良くなりはじめたのです。
その見返りに、総力向上のために、陸上部から走り方を教わったり、
ピッチャーには柔道部に下半身の鍛え方を教えてもらったりと、お互いに協力を始めたのです。
また運動部だけでなく、文化部にも積極的に働きかけ、料理部には作った物を試食する代わりに率直な感想を言ったり、
吹奏楽部には応援歌のアレンジを求め、より高度なレベルを求めることで、やる気が出たり、
そして不思議なことに、陸上部が野球部員に走り方を教えることに自分のタイムが早くなったという具体的な結果が出始めたそうです。
それをきっかけに、学校の枠を越えて、地域の少年野球に対して野球教室を開くことで、自分たちの技術向上を目指すなど、
ただ、自分たちだけが、強くなり有名になれればいいという考えでなく、
学校という社会の中で、お互いに貢献し合う関係が出来始めたのです。
「もしドラ」は本の世界なので、現実ではありませんが、
とても理想的な学校ですね。
色々と新宿せいが保育園を思い返しえみると、案外「もしドラ」の学校と似ているかもしれません。
冒頭にも書いたように職員が地域に積極的に働きかけたり、
塾長は地域の盆踊りの曲まで作製しました!皆さん知ってますよね??
作詞は塾長、作曲がたにぞうさん、そして振り付けが佐藤弘道お兄さんのコラボです!!
こんな風に地域を一緒になって楽しむと、
地域も新宿せいが保育園という存在を認めてくれて、
何かと保育園にも貢献してくれます。
まさに新宿せいが保育園の理念「共生と貢献」です。
保育園と地域が共に生き、共に協力しあうことで、お互いに貢献し合う・・・。
とても素敵な関係ですね。
少し、保育園の自慢話になってしまいそうなので、この辺で止めておきますね(笑)
(報告者 山下祐)

みんなでつくったみんなのやくそく

生きていると様々な約束事や決まり事がありませんか?

その約束事がもともと決まっていることか、自分たちが絡んで決めた約束事かで大きく変わってくるのではと思っています。

そこで学童では、学童の子どもたちが一円対話を用いて、自分たちで約束事を決め、お部屋に大きく掲示しました。

それがこれです。

みんなでつくったみんなのやくそく

みんなでつくったみんなのやくそく

今のところ、ここに書いてあることが今年の学童の子どもたちが自分たちで決めた約束事です。

この約束事があるかないかでは大きく変化したことがあります。

それはこの約束事を守れていない子に対して、

「みんなで決めた事だからちゃんと守ろうよ!」

と子どもたち間で解決できるようになりました。

子どもたちが子どもたちの中で学びを深めていくことにとってこれはとても大切なことであると同時に自分たちが主体であることを認識していく上でもとても大切なことではないかと思っています。

自分たちが主体であると認識することはある意味、自由であるということです。

しかし、自由には責任が伴います。

塾長が書かれている2014年9月11日「生きる意欲」というタイトルのブログに老人ホームの人々を対象に行った研究が紹介されています。

その研究内容は「日常生活にどれほどの責任を持たせるかによって、老人たちにはどのような変化が起き得るか」です。

この研究結果から選択権とコントロール権を与えられたグループの人はそれができないグループの人に比べて活動的で幸せに暮らせ、研究期間の1年半の間に亡くなった方も少なかったそうです。

これを塾長のブログを読んで知り、自由に伴う責任の大切さを強く感じました。

もともと決まっている約束事と自分たちで決めた約束事かで最も違う点は責任を持つか、持たないかではないでしょうか。

もちろん社会で生きていく上でもともと決まっている約束事(社会のルール)も大事で、自分たちが決めた約束事よりも多く、重要度も高いかもしれません。

しかし、自分たちで決めた約束事が社会のルールを守る上での基になるのではと思っています。

今年度ももう半年が経ちますが、半年間で決めたこのUPした写真の約束事に限らず、これからも子どもたちが主体となり、子どもたちが自分たちの学童を作り上げるためにこれ以外に約束事を設ける機会があれば、その機会を活かして、子どもたちが子どもたちの中で貴重な学びを深めていけるような環境を作る手助けをしていこうと思います。(投稿者 若林)

おもちゃ美術館

先日、四ツ谷にあるおもちゃ美術館に研修で行かせてもらいました。
保育者の方はご存知の方が多いとは思います。私は恥ずかしながら初めていかせてもらいました。なので行く前からとてもワクワクしていました。そんなことは置いておきまして、遊びの研修ということで数多くの方が参加されていました。

研修内容としては、

•手作りおもちゃを作る 30分
•おもちゃ美術館館内レクチャー 30分
•おもちゃ美術館館長の講演 1時間

少々、時間に追われた感じはありましたが非常に面白く、あっという間に終わってしまったと印象です。
ご存知だとは思いますが、おもちゃ美術館には多くのGOOD TOYが数多くて展示されていたり、手に取り遊ぶことができました。

様々な展示の様子

様々な展示の様子

そのGOOD TOYを選考するにあたっての基準は次の通りのようです。

1.健全なおもちゃ
2.ロングセラーおもちゃ
3.遊び•コミュニケーション尊重おもちゃ

3つめのコミュニケーションを尊重するおもちゃというのは保育者にとっても意識する必要がある項目ですね。
美術館館内レクチャーでは初めて見るおもちゃの使い方とこんな遊び方をすることでコミュニケーションが生まれるということを教えていただきした。細かい遊び方を少し教えてもらうだけでもおもちゃの見方が広がることがわかりました。

例えば木の車のおもちゃを走らせるとき床を走らせるのではなく、子どもの体を走らせることでコミュニケーションが生まれるということでした。子どもにうつ伏せになってもらい、何人かで円を作ります。うつ伏せになってもらった背中を走らせることだ自分のところに車がくると自然と興奮し、笑い声が生まれるそうです。尚且つお尻を通る時は「おや、お山があるぞ」や頭を通るときに「大きな岩があって通れない」などいうことで子どもが意識して頭を下げ、平らにしようとしたりもするそうです。

私はこれを大人がやるのではなく、子ども同士にやってもらい、子ども同士が意図的に体を触れ合える体験も含めてやれることがいいのではないかとも感じました。

おもちゃのレクチャーをしてくれています

おもちゃのレクチャーをしてくれています

更に、レクチャー以外で館長のお話は大変ためになるものでした。
数々あるお話の中でおもしろいと思った2つを取り上げたいと思います。

まず館長は0歳〜6歳までの子どもたちを
”遊びの一流プレーヤー”と呼んでいます。
なぜかというと絵本を何回読んでも楽しめるし、絵本でよくある繰り返しに感動します。大きなかぶなどの本は様々な人や動物が現れ繰り返し抜こうとします。こんな繰り返しが好きです。
ブロックをしていても作った作品を壊しては作り、壊しては作りを繰り返します。
この繰り返しを好むことから”繰り返しを楽しむ天才”とも表現していました。

この繰り返しを楽しむおもちゃとして良いのがマトリョーシカのようです。
3歳児に対して、繰り返しの中で盛り上げる極意を教えていただきました。
振ってみて「中に何かいる?」と聞いてみて音がするので子どもは「いる!」と答えます。「よくわかったね」と続け、最後の方では「もういないよ」と音がしているのに”しらばっくれる”そうです。
このしらばっくれることで子どもはのってくるようです。そこで渋々開けることで子どもがより喜ぶのです。
更にもうないと見せかけておいて安心している所で最後の一つを出し、子どもたちの”不意をつく”のが良いそうです。
この”しらばっくれる”と”不意をつく”ということが大事なようです。

こんな具体的に遊び方を話していただけるとやってみたくなるものですね。

もう一つがコマについてでした。
コマに関してはアクティビティトイと呼んでいました。
まずコマの初めは両手で回そうとしますが、上手くなってくると片手で回せるようになります。片手で回すというのは指先で回します。指先で主に使うのは親指、人差し指、中指です。この3本をフル稼働するおもちゃということです。
この3本を使うということは生活の基本動作を表しています。そこからボタンや鉛筆の持ち方に繋がっていきます。コマが上達することでしつけで教えるのではなく遊びの中から身につけられるということをおっしゃっていました。
これは塾長がよく言っている遊びの中から学んでいくことと同じであると思います。

こういった様々な視点を聞くことで自分がおもちゃを見る視点が変わってくることに気づきます。
まだまだお話はありましたがきりがないのでこの辺で…

おもちゃを選ぶ際にはもう少し、違った視点で観れるようになる研修でありました。

(報告者 本多悠里)

新宿せいが職員研修旅行in島根

9月13、14日で毎年恒例の職員研修旅行のため島根県へ行ってきました。

スケジュールとしては、13日に島根県の保育園さんを2園見学させてもらい、夜はそこの職員さん方と懇親会をしました。

14日は旅行で石見銀山と出雲大社へ行ってきました。その名の通り毎年「研修」と「旅行」を兼ねています。

13日に見学させて頂いた保育園さんは新宿せいがととても似ていいながらも、独自のアイディアを織り交ぜながら素晴らしいものがありました。これは先日塾長が言っていた事なのですが『うちの園を見学にきた見学者が環境などを見た時の感想として「新宿せいが保育園のような環境にしていきたいです」という人がいますが、それはゼロからのスタートになってしまうが、「自園に帰ってマネしたいと思います」と言ってくれた方が、うちがやっているところからのスタートになるから、その後の独自性が現れやすい』というように言っていましたが、まさにそういったものや教えて頂いたものがたくさんありとても参考になりました。

1園目の園さんではテーマが「和」という事でした。その中でも3、4、5歳児さんの部屋では、「お相撲さん」に焦点を合わせている箇所がありました。これは年間を通しての運動能力の発達という事でスタンプカードがあり、お相撲さんから「片足でケンケンできるようになったか」や「平均台が渡れるようになったか」などの手紙が定期的に来ていました。実はそれは、運動会で行う種目が書かれてあるそうで、運動会までに楽しく練習できるように、子どもたちのやる気を引き出させていたのだなと感じました。

スタンプカード

スタンプカード

 

また面白かったのが、科学ゾーンに地域で集めたと思われる「砂」がありました。それには園庭や近くの公園、山で採れた砂など、違いが観察できるようにビンに入って並べられていました。

地域から集めた砂

地域から集めた砂

 

2園目の園さんでも「和」というテーマがあり、そこでは「忍者」を通していろいろな取り組みが行われていました。

ここの園さんでは、定期的に来る忍者からの巻物により、走り方や、手裏剣の投げ方などを教えてもらっていました。また忍者からのプレゼントとして、手裏剣型に切った人参を食べたりしていました。

そして科学ゾーンにあった実験道具も、使う材料が一つのケースにまとめられていることで持ち出しやすく遊びやすいのではと感じました。

持ち出しやすい実験道具

持ち出しやすい実験道具

 

2園の見学後にグループ討議がありました。それぞれ同じような担当のグループに分かれ

3園合同に話し合う事は、普段あまり話し合えないことや、他園でのやり方を聞けるという事でとても有意義な話し合いができたのではないかと思います。

 

14日は参加した新宿せいがの職員27名で、石見銀山と出雲大社へ行ってきました。普段なかなかこんな大人数で旅行もできないこともあり、いつもと違う形で楽しむ職員の顔も見られたと思います。また、塾長(園長)の講演で話している話しなども、せいがの職員はあまり耳にすることがないなか、みんなで聞ける機会もあり共通理解ができる良さも感じました。

また来年はどこに行けるか楽しみです。(投稿者 柿崎)

7つの習慣 4

保育をしているといろんなアクシデントがあります。それは子どもの怪我であったり、職員の会議など、イレギュラーにものごとが浮き出ることが多くあります。当然、自分のプライベートも削る必要が出てくるかもしれません。そのときにどう判断するか。どちらを天秤に掛けるか。

 

そのときの判断材料になるのが今回の話で7つの習慣の3つ目「最優先事項」を優先するということです。新宿せいが保育園で勤務していたときにも、私は藤森先生から「物事には優先事項があります。そのなかで自分にとって必要な最優先事項を選ぶようにしていかないといけないね」と言われていました。

 

さて、その最優先事項ですが、では、「最優先事項を考える」とはなにかと考えるとつい、しっかりとスケジュール管理をして、やらなければいけないことの時間をどう有効活用していくか、どう組み立てるかと考える人が多いと思うのですが、コヴィ氏の7つの習慣では「時間の管理をすることが一番成長を妨げる」といっています。確かにスケジュール通りに物事がすめば、充実感はあるかもしれません、しかし、その後、余った時間があると「自由時間」と勘違いしてしまい、つい、ダラダラとしてしまうことはないでしょうか。そのほかにもプライベートを重視するあまり、時間を度外視した付き合いからの信頼関係作りや成長の機会を失うことがある場合もあります。つまり、スケジュールをこなすこと中心になってしまうと、本来重要なことはなにかということを見失いがちになるといっています。そして、そのことは結局目先の結果を求めるあまり、逆に結果がでないという悪循環を生みます。

 

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人間活動の4つの領域

では、実際、どういったところに「最優先事項」があると捉えた方がいいのでしょうか。「7つの習慣」には人間の活動を重要度と緊急性で4つに分類し、重要度は「人生の目的や価値観にとって重要かどうか」、緊急度は「すぐに対応を迫られるかどうか」で考えます。当然、ほとんどの人は第一領域の「緊急性が高く、重要度も高い」ところに重きを置きます。しかし、それは緊急性も高いため、忙しく疲れもでるでしょう。そのため、つい第4領域に逃げ込みたくなります。よくあることですが、書いていながら身に覚えがありすぎて、自己反省します。ここで、コヴィ氏が最も人生を充実させたものにするためには第2領域こそがもっとも重要だということを言っています。そして、コヴィ氏はこの第2領域の「緊急性ではないが、重要なこと」が人生の栄養になると考えています。そこには成長に役立つ活動や将来第1領域に入る事柄への準備活動が入ると言っています。重要なことは「将来」ということです。今すぐに重要なことではないのですが、「将来」を見通すとそれは非常に重要なことであり、先のことを洞察する力も必要になってきます。だからこそ、前回のブログにあった「原則」は自分にとって必要な指標になってくるわけです。そして、その「原則」があるからこそ、第3領域や第4領域における時間を調整し、第2領域に目線や思考を向けることができるのです。

 

そして、最後に重要なことはスケジュールの予定をこなすことが目的ではないということを心にとめておくことです。時間管理にこだわると予定重視になるが、大事なことを優先したマネジメントをすることは自分の人生を生きるということに非常に重要になってくるのです。

 

コヴィは「目の前に現れた用事が緊急に見えなかったとしても、それはあなたの人生そのものに関わる事柄だったかもしれません」と言っています。考えてみると藤森先生の話や生臥竜塾の活動、このブログはまさに前述した第2領域の活動だと思います。そして、この力はきっと将来役に立つものばかりだと思います。臥竜塾の理念の「私たちが学んでいる場の「臥竜塾」は一番最初の段階「潜龍」です。「潜龍」とは、まだ力を蓄えている間で、自分の力をひけらかすことはせず、あせらず、じっと我慢をする時期です。」という言葉は今まさに最優先事項を選んでやれているということであり、自信を持ちます。つねに先を見て自分を高めることを心がけていきたいですね。     (投稿者 邨橋智樹)

保育者の影響力

3,4,5歳の部屋にいる時にこんなことがありました。

それは3歳の女の子が「○○ちゃんが嫌なことした」と私の所にやってきたのです。保育士をやっていると1日に1度はありそうなこんな場面。みなさんはどう対応していますか。

 

以前、こんなことを子どもが言っているのを聞いたことがあります。

「○○先生(私のことです)に言っても、自分でお話しておいでっていうだけで何もしてくれないから無駄だよ。」

そんな風に言ったつもりは一度もないのですが、その子どもの受けた印象はそうだったのでしょう。

 

以来、私の所に来た子が、どんな風に感じているか、また以前関わった時と同じ答えになっていないか、そしてその解決策で本当にその子が納得しているかということをしっかり見る様にしています。

 

特に、大人目線で見ないことを注意しています。

具体的には、子ども達の関わりの中で子どもたちにしか理解できないこともあるということや、子どもたちのケンカにおいて解決しなくても、納得できることがあるということを、気を付けています。

 

初めに書いた3歳の女の子が「○○ちゃんが嫌なことした」と私の所にやってきた時も、それを考えながら接したのですが、なんとなく他の保育士の所にも何度も言っている様子があったので、「どうしたらいいかね~?」と聞いて、その子が「いまは、おはなししない」と答えたので、そのまま様子を見ることにしました。

その子はそのまま元遊んでいた場所に戻り、楽しそうに遊び始めていました。

 

すると、そのすぐ後にその○○ちゃんが私の所にやってきて、「△△ちゃん(最初に来た子の名前)とケンカしちゃったの」とやってきました。そこで私は同じく「どうしたらいいかね~?」と答えたのですが、その子は「まだおはなししてないから、おはなししてくる」といい話に行きました。

 

結果はうまく仲直りできたのですが

初めに、子どもが来た時に、ケンカしている子との仲裁に入る対応や、お話に行ったらと促す対応もできましたが、数ある対応の中で、保育者が子どもを信じて待つというあまり行動しない対応他の、保育者が対応の影響力の強さを感じてしまいます。

 

子どもの気持ちをしっかりと聞き、子どもの力を信じて待つこと。保育者の役割を再認識した出来事でした。

(報告者 西田泰幸)

出張報告in長崎 2日目

9月6日は午前中に2園の見学をし、午後からは実践発表がありました。

2日目の1つ目の保育園さんでは、塾長が以前に提案していたことがされていました。

1歳児のお部屋でのことなのですが、塾長が講演で『1歳児のオムツ交換の際に、担任先生から「部屋からトイレまでの距離が長く時間がかかってしまうので部屋をもう少しトイレに近づけたい」という提案がありました。しかし、1歳児という子どもたちに対して何が一番大切な発達なのかを考えた時に、その年齢の子たちはやっと歩き始めたり、上手に歩く練習が必要なのに遠いからという理由で近づける意味はあるのか。それならば部屋からトイレに向かって歩くことが楽しめるものを置いたらいいのでは』という新宿せいがであった事を話されていました。それを聞いていたのかはわからないのですが、まさに同じようなものが部屋に置かれていたのでそれを見た瞬間に思い出してしまいました。

また、0、1歳児さんの部屋で見えてはいるのですが、気分的に少し隠れられるような場所があると、落ち着くという提案を以前に塾長がされていたのですが、それも押入れの下の部分を使いちょっとした個室のような場所も作られていました。

子どもがついつい上りたくなる台と、ちょっとした隠れ家的スペース

子どもがついつい上りたくなる台と、ちょっとした隠れ家的スペース

 

2つ目の保育園さんでは、特に「文字、数、科学」のバリエーションがたくさんあったので紹介したいと思います。

「数」では、その数を数字や鳥、魚、動物、ドットなどで表していました。鳥では「わ」魚では「ひき」動物では「とう」ドットでは「ひとつ、ふたつ…」などものの読み方も一緒に描かれていました。その横には、時計の読み方、その下には、真ん中の数によって洗濯バサミに付けられた鳥を木に付けていくというもの。

「科学」では、磁石でくっつくものとくっつかないもので実験ができるものもありました。他にもいろんな貝殻(巻貝や二枚貝、大きさなど)を見比べたり、木の年輪を数えてみようというものがありました。

「文字」の部分では、このブログの「製品」でも紹介されている音節分解を学べるボードがありました。

数に関するコーナー

数に関するコーナー

 

磁石で実験

磁石で実験

2日目の保育園さんでも保育室に関して、また「文字、数、科学」のアイディア等を頂くことができました。(報告者 柿崎)

上下関係2

前回に引き続き、上下関係について私の経験を基に書かせていただきます。

みなさんは学生時代に部活動等の先輩とどのような関係性を築いてきましたか?

私が思うにそれは極端に分けると2つあると思います。

1つは自分の意思を貫き、先輩が間違っていると思ったら真正面からぶつかっていくこと。

もう1つは先輩に気に入られるよう後輩期間はずっと下手に接すること。

私は後者の生き方を選択しました。

これはある意味正解で、前者の生き方を選択したものは部内に居場所がなくなり、辞めていってしまいました。

しかし、正解であっても自分の意思を押し殺して生きることはとてもきつい思いでした。

そして前者こそが社会に出て成功する要素を持っているものではないかと思います。

正直、前者の生き方に憧れの気持ちを持っていました。

私は運良く高校の部活動で1年生のころから試合に使ってもらえていました。

ですが、入部したての1年生が試合に出るということはそれまで試合に出ていた先輩を差し置いてということです。

今思い返すと、大好きなはずのサッカーが一時期嫌いになる程、先輩方からの圧力を受けました。

それまで大好きなサッカーをしているときが何よりの生きがいだった私にとって、これほどの苦しみは味わったことのないものでした。

これは私が在籍した部活動に限らず、様々なところで起きていることです。

そのため1年生は絶対に試合に出られない部活も存在する程です。

これは絶対にあってはならないことだと思えてなりません。

そんな苦い思いを味わいつつも、その中で楽しみや生きがいを見出し、乗り越えていき、自分が最上級生になったとき、希望を抱いて新しく入部してきた1年生に自分と同じ思いをさせても良いものかと自分に投げかけました。

私は副主将に任命されていたので主将と話し合い、2・3年生を集め、話し合いの場を設けました。

そして自分が味わってきた苦い思いを後輩たちにさせたくないという思いを伝えると全員が合意してくれました。

スポーツの世界は実力主義で一度フィールドに入れば先輩も後輩も関係ありません。

そこで私たち3年生は先輩という固定概念を捨てることに決めました。

例えば先輩に対して敬語を使わなくても良いとするなどです。

サッカーは試合中に敬語を使っている暇はありません。

部活内の先輩後輩間にこのような関係性を築くと先輩との関係性の築き方の前者の生き方ができるようになるのです。

このような関係性を築いていった成果なのか、私たちが3年生の最後の大会で10年ぶりの県ベスト4という成績をおさめることができました。

この高校の部活動生活の3年間は私にとって自分の人生を左右する上で最も濃く、大切なものを得られたと実感しています。

そんな色濃い3年間を過ごしてきた高校のサッカー部に現在3年生で私の弟が在籍しています。

実家に帰省したときに部活の話を聞くと、私たちの代から始まった先輩後輩間の関係性が今でも伝承されていると話を聞いていて感じます。

自分の経験談を書いていて改めて、部活動は社会に出る上での準備期間に最も適していると思えます。

前回の活動報告にも書きましたが、上下関係から学ぶ上で大切なのは社会に出るまでの上下関係から何を思い、その思いをどの段階でどう反映させるかです。

今の学童の子どもたちは初めて上下関係を経験しているところです。

小学校低学年で上下関係を経験できるのは学童ならではのことと思います。

そんな貴重な経験を通して、嫌な思いをするのも、上級生の権力を駆使するのもとても良い経験となるはずです。

私たち大人(保育者)はその貴重な経験を、口を挟んで潰すのではなく、特に学童期・児童期は見守ることが大切であると思います。

自分の経験談ばかり書いてしまいましたが、学童の子どもたちの上下関係の始まりによってこのようなことを思ったと共に学童における異年齢保育の良さを感じた出来事でした。(投稿者 若林)