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おわりの時間
保育園も学童クラブも、閉園、閉所の時間が近づくと、子どもたちの人数も減り、少し寂しい雰囲気を感じる時があると思います。子どもたちもそんな様子を感じているのか少しおとなしめな感じもします。
私は、わりとその時間が大好きです。
子どもたちの人数がいる時といない時で違ったアプローチができるからです。朝ももちろん、そんな場面があるのですが、朝は「まだお家にいたかった」という気持ちの子もいるのでこれもまた違う気がします。
そんな私の好きな時間に何をするかというと、他の職員が絶対しないであろうなと、いう遊びをします。
あまり書くと、次からできなくなってしまうかもしれないという恐れもあるのですが、、、。
例えば、保育園では最後の戸締り(部屋の鍵が開いていないかや、電気がついていないか)をチェックをします。よく子どもたちの中で行きたい子がいた場合に一緒に行きます。
私はその時に、懐中電灯を持っていく時があります。何をするのかというと、部屋の照明はつけず、懐中電灯の明かりだけで探検気分でチェックをしに行くのです。子どもたちは少し暗いため、みんなで密着しなければいけない感じや、いつもと違って見える様子にドキドキです。中には、3,4,5歳の部屋に飾ってあった自分の作品にびっくりしたり、床に何のへんてつもないおもちゃも、宝物に見える時もあります。
学童でも、子どもの数が少なくなった時にこっそり開いている大会があります。
それは卓球大会です。卓球と言っても、ちゃんとした台ではなく(ちゃんとした台もあるのですが)、机を二つ並べて、その間に少し高めのいすを挟んだ、テーブル卓球です。これがまたいい感じの高さ、広さなんです。ルールも、ラリーがしやすいように変更したり、また短期勝負になるたりと、自分たちで決めているらしく子ども達も子どもたちに大人気です。一つ欠点としては、お迎えが来てもなかなか帰れないという所です。
そんな楽しい時間ですが、他の職員もその時間に面白いことをやっているようです。
ある職員は、びっくり大会(お笑い大会)というのを開いているのを見たことがあります。どんなことをするのかというと、みんなが集まって座り、その中で面白いこと、特技を見せたい人が前にでて発表する。見てる人は、それを見て笑ったり拍手をするというものです。とてもシンプルなのですが、自分も発表しているからなのか、拍手や反応することの大切さを知っているようで、とても盛り上がっています。
朝早い時間、遅い時間、お昼寝の時間、と一日を通すと、子どもの人数が変わる時が多くあります。そんな時、子どもたちの環境としても、大きく変わっているわけで、そんな時間も楽しく、有益に過ごせるようにしていきたいですね。
まだまだいろんなことをやっている職員がいたり、楽しい過ごし方があったりすると思うので、また見つけたら紹介してみたいと思います。
(報告者 西田)
成長展(学童)
先週末の土曜日に新宿せいが保育園にて成長展が行われました。
学童でも1つブースを設けさせていただき、1年間を通しての子どもたちの姿、成長を主に写真とコメントを用いて展示させていただきました。
その学童ブースの中の展示で核となったものをご紹介させていただきます。
今年度の学童の子どもたちの姿や活動の中で最も濃いものを選びました。
それは、この生臥竜塾ブログに何度かに分けて投稿させていただいた「話し合い」です。
子どもたちは日々の生活の中で、月案会議の最中に「やってみたい」「やりたい」というヒラメキを私たち職員に、そして他の子たちに主張してくれました。
では、その「やってみたい」「やりたい」を実現させるにはどうしたら良いかと振ると、話し合いを行います。
今年度の子どもたちはこの話し合いの姿がとても多く見られました。
その姿を四季に沿って色別に分けて展示したものがこちらです。
各色の付箋は、子どもたちにこの話し合いで思ったこと、感じたことを書いてもらい、学年を色別に分けました。
青:1年生 黄緑:2年生 オレンジ:3年生 ピンク:職員の意図する思いとなっております。
そしてその話し合いが発展し、活動となった展示がそのすぐ右にありました。それがこちらです。
そしてその活動を子どもたちと一緒に振り返り、次のヒラメキの誕生に発展したりして次の活動に活かしていきます。
この一連の流れは、職員から子どもたちにおろしていったのではなく、子どもたちの自発的な取り組みです。
これを1年間通して経験してきた子どもたちが単純にすごいなと思ったということと、この経験が今後の子どもたちにとって大きな財産になったと確信できる思いです。
「やってみたい」「やりたい」というヒラメキを実現するために話し合い、活動に移し、振り返りを行って、次に活かす。
それがわかりやすい活動例があります。
それは「先生をやっつけろ」という活動で、先生1人対子ども複数人で行う、マットの上で先生を倒すというイベントです。
そのイベントを行うためにはという話し合いで、先生の誰を呼ぶかを決め、アポをとりにいきます。
そしてイベントを行い、その後に振り返りを行います。
倒せた先生は良しとして、倒せなかった先生に対してはなぜ倒せなかったのかをみんなで考え、作戦を練って次に活かします。
このイベントは昨年度もあり、私も呼ばれたことがありますが小学校低学年の子たちと言えどとても手強く、ハードでした。
この「先生をやっつけろ」は今年度も2回行っていて、1回目は何とか耐えることができたのですが、2回目には倒されてしまいました。
それは振り返りを行った際に新たな作戦として、「足を抑えれば倒しやすい」と1人の子が提案したことによって生まれたことが1番の要因です。
その発案者の子に聞いてみたところ、活動中に考えながら行っていたら思い付いたと言っていました。
もし、振り返りの機会がなかったら、その子は自分の中に留めておいたままだったかもしれません。
ここからも振り返りの大切さを改めて知ることができます。
しかし!
その案を持ってしても勝てない相手がいます。
それは、強く子どもたちの憧れである通称「長男」であり、我らが臥竜塾の塾頭の山下先生です。
そんな山下先生にどうしても勝ちたくて、毎度挑戦するものの勝てていません。
そんな学童の子どもたちの学童での生活も残り1ヶ月を切りました。
現在子どもたちは、「もう1度先生をやっつけろをやりたい」「長男を倒したい」と息巻いています。
今後山下先生のご予定を聞き、最後の「先生をやっつけろ」が催されることでしょう。
(投稿者 若林)
みたらし団子
「オトナ二ナリたい」
先日、塾長の提案から【スマイルミッション】という企画に参加しました。簡単に説明すると、子どもたちがメッセージカードに思いを表現し、そのカードを持っているみんなの写真を宇宙へ飛ばし、自分の分身が宇宙旅行をするといった企画です。宇宙という、まだ未知で壮大なものを身近に感じられる、素晴らしい企画です。
メッセージカードが送られてきた封筒の中には、宇宙クイズの紙も入っていたので、子どもたちと職員とで楽しんでいました。例えば、羽を広げたような写真でよく見る「国際宇宙ステーション(ISS)の大きさはどれくらいでしょう?」とかです。子どもも大人も予測しながら答えを考え、解答を見てみんなで驚いていました。
今回、そのような導入を経て、メッセージカードには「自分の夢」を書いてもらいました。各々、自分の夢を絵や文字で表現していきます。子どもたちは、「アイドルになりたい」「エルサになりたい」などと表現していく中、個人的に気に留まった夢が描かれてありました。
私は、子どもに将来に希望を持って生きていてほしいといった願望があります。それはきっと、大人なら誰しもが思い描いていることでしょう。そのため、普段、職員間での楽しい話を子どもの前でも話すようにしています。そして、最後に必ず「はぁ〜、大人って楽しいなぁ」と言っています。それはそれは非常にわざとらしく聞こえてしまいますが、本音でもあります。もちろん、子ども時代が楽しくないといった事ではなく、大人になること、大きくなるっていうことに対して、積極的で夢のある楽しいことである事を感じてもらえたらいいなと思っているのです。子どもには笑顔で接し、職員間ではただの無表情の業務連絡だけが飛び交っている状況は不自然ですよね。
そんな個人的な思いが、偶然かもしれないのですが、今回「オトナ二ナリたい」という形で表現されたことを、勝手に嬉しく思ったので報告させてもらいました。
街中や電車内で、見ず知らずの子どもと目が合うと、大人はどうしてその子どもに対して笑顔を見せるのでしょうか。自然に笑顔になってしまうという人もいれば、違った理由もあるかと思いますが、きっと「この世界は楽しいよ」「これからが楽しみだね」と本能的に伝えようとしているようにも映るのです。
以前、塾長のブログに“未知な部分、わからない部分にロマンを感じる”などと書かれていたことを思い出しました。子どもにとって、大人というのは近くにいながらも「未知」なる部分でもあるはずです。そんな大人にも、身近で大きな「ロマン」が詰まっているのだと思います。
(報告者 小松崎高司)
実習生
食べる機能 1
先日、僕の働く保育園で園内研修がありました。そこで子どもたちの食事の話題が出てきました。うちの保育園はまだ、職員の先生たちと子どもたちが一緒に食べることが出来ないでいます。そこで問題提起を含めて、新宿せいが保育園でもあるように、子どもと大人が一緒に食べることで子どもたちにどういった影響があり、また、子どもたちの食事の発達といったものがどう進んでいくのかというのを改めて考えていくことにしました。
調べていくと、食事の発達というものがありました。私が見たのは「ベビーフードの和光堂」のHP「赤ちゃん通信」においてで、そこでは日本歯科大学付属病院准教授の田村文誉さんの解説があり、そこに発達の原則が書かれていました。食べる機能の発達にはいくつかの原則があると田村さんはいいます。
その一つ目は「個体(子ども本人)と環境の相互作用」とあります。子ども本人の発達する力(内部からの発達力)と、そして子どもを取り巻く周囲からの適切な刺激(よい環境)があります。それらが相互に働き合うことにより、機能の発達が促されるのです。というのが始めにありました。これは保育をする上で、必ず考える内容ですね。なによりも、この部分に子どもと食事との発達の中心的なものがあるように思います。「子どもと環境の相互作用」というのは食事だけにかかわらず、子どもたちの生活や活動において、とても重要な部分です。周りにいる教師や大人、友だちなど(人的環境)があることはモデルになります。そして、食べたいと思える環境、それはおいしそうな食べ物というだけではなく、楽しい雰囲気なども子どもたちの意欲に繋がることだと思います。その食べている様子や環境が子どもたちにとっての食べたいという心情になり、食べる意欲になり、それが食べるという態度に繋がっていきます。
2つ目が「発達には適切な時期がある」です。もちろん適切な時期を過ぎても、摂食・嚥下機能の発達はなされていきます。しかしながら、機能が発達する最も活発な時期は生まれてから2才頃までとされており、この時期に適切な働きかけをすることが大切になります。ここでは子どもたちの食事の機能のことがいわれています。摂食の方法や嚥下の機能自体は2才頃までであり、ここでの適切な働きかけが必要なのですね。たとえば、子どもの口に入れる大きさの話がありますが、以前新宿せいが保育園での食事の様子を見学していると「かじりとり」などの大切さを話していました。私のいる保育園の古くからいる先生に話を聞いてみると、以前は「子どもたちの食べやすい大きさに切って、食べさせる」というのが当たり前だったようです。その理由は「のどにつめないようにする」ということと「そうして、大きさを大人が調整することで、子どもたちが慣れることによって大きさが分るようになる」ということでした。一方、新宿せいが保育園では「かじり取り」をして、子どもたちが自分の経験の中から、その大きさをかじり取りながら調節したり、噛むことを覚えたりするといっています。この二つを比べても分るとおり、子どもの機能を経験からするのか、大人の意識として環境を用意するのか、その違いが見えます。当然、私は子どもの経験から分ることや気づくことのほうがより深い学びになると考えていますので、大人が調節しても、逆に子どもの大きさを調整する力に果たしてなったのだろうかと思いました。
というように、この先生によると明確にその発達の原則が6つ書かれていました。内容だけを見ていると、なるほどと思うところが多くあります。もう一度自分自身も改めて勉強していくことを含めて、その食べる機能の原則を紹介していこうと思います。
(投稿者 邨橋智樹)
GT福岡
2月6日からGT福岡の研修会に参加してきました。その名の通り福岡のGT園の研修だったのですが、参加者は100名を超えたそうです。
研修自体は、7.8日の2日間行われました。7日は泰幸保育園の公開保育と実践発表。8日はゆたか保育園とるんびに保育園の園長先生による、それぞれの園の理念の発表と、藤森先生による講演という内容でした。
公開保育で個人的に面白いなと思ったのが、この3D本です。
目の焦点をずらしたまま、絵を見ることで立体的な絵が浮かび上がるというものですが、本来は目のトレーニングとして用いられ、視力回復のためのものだったそうです。
私は今まで浮かび上がった経験がないので、保育園の子たちはできるのか、絵本ゾーンに置いて様子を見てみたいなと思いました。
藤森先生と出張に行くと、色んなところに保育の参考になるものを見ることができます。私の目線なので、装飾に生かせそうなものばかりになってしまいますが、少し紹介していこうと思います。
これらは懇親会の会場の写真です。私がコケ好きなため、すぐに写真を撮りましたが、来年の新宿せいが保育園のテーマが伝統ということもあり、最近「和」について見直しています。そこで、これらの写真は和に通じる装飾に生かせるのではないかと、藤森先生と話をしながら撮ってきました。もうすぐ完成する茶室にこういったものを置けたらいいなと思っています。
今回のGT福岡に参加して色んな先生方とお話しをしましたが、最近保育が楽しいと感じる保育士さんが増えたという声がとても多かったという印象を受けました。見守る保育とは、子どもだけではなく、保育士にとっても良い影響がある保育なんだなと改めて感じました。
最後に・・・
公開保育において、私のテンションが最も上がったものがあったことは内緒にしておきましょう。
元ソフトバンクホークスの柴原洋選手のサインです。ある縁があって泰幸保育園さんに来園なさったそうです。ホークスファンの私としては大興奮でした。(笑)
西村 宗玲
東京の野菜
今年度の新宿せいが保育園の食は「和食」をテーマとして誕生会では、その月の旬となる野菜をベースに考え作ってきました。また、和食とは日本の伝統料理ということから有名な京野菜や加賀野菜といったように、東京にも伝統的な野菜が存在していたことからそれらの野菜も誕生会とは別に紹介をしてきました。
東京周辺で伝統的に作られていた野菜を今では「江戸野菜」や「江戸東京野菜」という名前で作られています。その昔は多くの種類が作られていましたが、農地の転用等で無くなってしまった品種も数多くあるそうです。現在作られているものの中で有名なのは、練馬大根や谷中生姜等ありますが、昨年度に江戸野菜を出していくという事で、ブラヘイジで練馬区の石神井公園の中にある「ふるさと文化館」というところへ行きました。
そこでは、練馬大根に関する様々な資料があり中でも驚いたのが、たくあん作りの工程でした。大人が20~30人くらい入れそうな大きな樽が展示してあり、その中に干した大根を敷き詰めて作っていたそうです。そして昔の人たちは、出来たたくあんを江戸で売るために、新宿せいがの近くを通っている目白通りを使っていたというつながりもありました。
話しが少しズレてしまいましたが、今年度保育園で紹介してきた江戸野菜は、4月「東京独うど」5月「芯取菜」6月「三河島枝豆」7月「寺島なす」8月「内藤かぼちゃ」9月「早稲田みょうが」10月「馬込三寸人参」11月「三河島菜」12月「山下白菜」1月「金町小かぶ」2月「伝統小松菜」を各月ごとに、素材の味がわかりやすいように調理をして3、4、5歳の子たちを中心に試食をしてもらいました。とても美味しく食感の良いものや、想像とは違う味がするものなど様々でした。
自分たちの住んでいる地域や、地産地消という意味も含め、生産量が少なくあまり市場に出ないこともあり、初めて知った食材が多かったので私自身とても勉強になったテーマになりました。
今年度も残すところもうすぐあと一月となり、来月はどんな江戸野菜と出会えるのか楽しみです。(投稿者 柿崎)
ブーム
最近の学童ではアイロンビーズが流行っています。
(アイロンビーズとは、熱で溶けるカラフルなビーズを、型にそって並べて、それをアイロンで溶かして作品を作るものです。)
ブームのきっかけは、みんなで作ったものを景品にしてのビンゴ大会をするということでした。
その景品のために、アイロンビーズの作品を作り始めたのですが、始めは子ども広場やホールと言った運動遊びに行かった何人かの子が作っていました。ですが、その子たちがあまりにも熱中してやっている様子に、だんだんとその輪が大きくなっていき、色んな子が途中から競い合うように作品作りをしていました。
「その色いいね」「ここはこの色の方がいいんじゃない」「先生、見本の写真見せて!」などその楽しそうな様子に私も少しだけ一緒に作ってみました。ちいさなビーズをつまんで、型にはめるのが難しく、専用のピンセットが一つだけあるのですが、それを使っている子に思わず「そのピンセット貸して~」と叫んでしまいました。
ですが、他の子どもたちは、そんな難しさも関係ないようで、自分の作りたいデザインを手で何度も何度も直しながら作っていました。集中している時は、そんな難しさもなんとも思わないのですね。逆を言えば集中が出来る環境があれば、難しいこともできてしまうとことです。この辺りは、塾長のゾーンの話を参照して頂いたいのですが、今回おきているブームのなぜ起きたのでしょうか。
私の中では
1つは、自分たちで企画したビンゴ大会の企画だったということ。
2つは、すっと集中してやっている子がいたことが、他の子の興味を深めたこと。
3つは、うまく作ったものが、他の誰かのプレゼントになるという楽しみがあったこと。
細かいところはまだまだありそうですが、このポイントを見ると今回のブームには子ども同士の関わりが深く影響している気がします。
どの子がどんなことに興味を持っているか、そんなことが遊び環境の中にしっかりと取り入れられているか。そんな所を見ながら、その興味をつなげて大きくできるように心掛けていきたいと思います。 (報告者 西田)