個人的に、日々の保育を行ううえで“ちょっと待つ”ことを意識しています。言葉がけも、行動も、思考においても、自分の限界からちょっと待つことをすると、自分が思い描いていた想像の世界とは異なった世界が、そこに繰り広げられていたなんてことが多くあります。そんなことをこのように言っていながら、「そのつもりになっていただけだった…」「まだまだだなぁ…」と感じた出来事がありました。
皆さんは、この写真を見て率直にどう感じるでしょうか?
私は、隣のテラスで洗濯物を干し終えた後、部屋に入ってきたらこの光景が目に飛び込んできました。素直に、「なんだこりゃ?」と思いました。何かしようとしているのかなと思いつつも、本は一冊ずつ本棚から出して見ればいいし、片付けが大変だろうにぃと思ってしまいました。この場面は夕方だったこともあり、精神的に疲れていたのかもしれません。私が「図鑑出し過ぎじゃない?」と呆れ口調で言おうとした瞬間…
「パソコンとDVDらしいですよ。」
という声が後ろから聞こえました。「えっ?」と後ろを振り返ると、同じクラスの新人の職員が立っていました。もう一度、子どもたちの姿をよく見てみると、確かにデスクトップパソコンとキーボードです。
手を素早く動かしながら、タイピングの物マネまでしていました。その職員に話を聞いてみると、どうやら子どもたちは、デスクトップパソコンでDVDを見ようとしていたそうです。また、積み上がっていた図鑑は、その大事なDVDだったのです。子どもに対して申し訳ない気持ちになったと同時に、その職員のタイミングのよい一言に救われた気がしました。
人は不完全であると思います。むしろ、不完全であるから魅力的なのかもしれません。いつも言っていることが実行できているとは限りません。しかし、その都度それを補ってくれる人の存在がいるということを感じました。例え、それが新人職員であってもです。その職員は、よい意味で思考も行動もゆっくりです。だから「ちょっと待ってみる」が自然にできるのかもしれません。それが、その人の特技であるのかもしれません。これからも、その特技に甘えてみようと思いますし、あの言葉を言われた瞬間「余計なお世話だ。新人が何を言ってるんだ!」などと思っていたら、きっと私の成長や学びは終わりなんだと思います。
最後に、その子どもたちはしっかりと全ての図鑑を片付けていました。むしろ、いつもより早いくらいでした。十分に、満足した遊びが行えたからでしょうね。
(報告者 小松崎高司)
私も一見すると「ん?」という子どもの行動を目にした時に、一体何をしようとしているのだろうと想像し、一呼吸おけるようになりたいと思っています。しかし、意識していてもついつい、いらない口を挟んでしまうことがあります。後で、「あ、今のは…」と反省することも多く、申し訳ない気持ちになります。どんなことを思っているのか、何をしようとしているのか分からないこともあるかもしれませんが、「ちょっと待ってみる」という具体的な方法を常に頭に入れておき、それができることで、子どもたちの世界が見えてくるということもあるかもしれません。また、明日からの保育が楽しみになってきました。また、様々な人から学ぶという謙虚さはいつまでも持っていたいですね。いい方向に向かっていかない「プライド」は持ちたくないですし、必要以上に大きくしたくないなと思いました。
いいアイディアですね〜♪子どものこういったアイディアは自分の精神状態と関係なく繰り広げられるから、僕らはほんと疲れてなんていられないですよね(笑)面白いことを逃せないというか、アンテナを張っていないともったいないというか、本当に面白いことを思いつくなぁと思います。
夕方の疲れもピークの時に、その先生の一言で自分を持ち直し、それを面白いと感じ、その先生にまで感謝をする。更にブログのネタにしてしまう小松崎先生、流石です。最後の言葉の締め方など、藤森先生のブログのようです。ミラーニューロンは、文章を書く上でも起こるものなのですね。