モダンタイムス

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仕事をするうえで、仕事をする以外の時間に何をして過ごすか。それは大きな意味を持つと思います。

以前、塾長が病院にかかった時にこんなことを言われたそうです。「あなたはいつも保育のことばかり考えていますね。たまには違うことも考えないと体にとってよくありませんよ。」

いくら保育が楽しいからといって、「同じことばかり考える」それは脳にとってもよくないこと。それを聞いてから、保育以外の時間を大切にするようにしています。

その中の一つが本を読むこと。

最近は、なかなか読めていませんが、私にはとても大好きな小説家がいます。それは伊坂幸太郎氏です。

いくつもの作品があるのですが、特徴的なのがどの作品も日常にあるような何事もない人々の生活を描かれていて、あるところから、その人々の生活が交わりを見せるようになり、終盤になると、それぞれが欠かすことのできないキーマンになって話が進んでいく。という感じのものなのですが、その人々の生活が交わっていくところが何とも言えず面白くはまっています。

 

そんな伊坂氏の作品に「モダンタイムス」というタイトルのものがあります。

私は初め読んだ時は気付かなかったのですが、のちに臥竜塾で同じタイトルを目にすることになります。

 

それはチャーリー・チャップリン氏の「モダンタイムス」という映画です。

チャップリン氏は言わずと知れた有名な「喜劇王」です。

 

臥竜塾の中で、塾長はこの作品を、チャップリン氏の作品の中でも、初めてセリフ音声を取り入れた作品として紹介してくださいました。

内容は

その当時時代背景、資本主義社会や機械文明といったものを痛烈に風刺したもので、労働者がまるで機械の一部分のようになってしまっているという世の中を、笑いで表現しているというものでした。

初めてのセリフ音声といっても、作品の中で2か所だけセリフ音声が入っているのですがそこが塾長のポイントでした。

1つは、主人公(チャップリン)が働いている工場の社長が、労働者を怒鳴る時。これは全編通して字幕で見ている中、そこが音声になっているのは、まさに労働者がまるで機械の様に扱われているという様子を的確に表現され、とても衝撃的でした。

もう1つは終盤のシーンでチャップリンが歌わなければいけなくなってしまうシーン。作品の中では、歌がうまい役を演じているチャップリンですが、本番の直前に歌詞カードをなくしてしまいます。そこでチャップリンがとった方法は・・・なのですが、そこはぜひとも作品を見てみてください。そのセリフのシーン以外もとてもおもしろいです。ちなみに、初めてのセリフ音声ということで、全世界で共通で見れるような言葉という配慮もされていたということです。

そんな「モダンタイムス」ですが、もちろん最初に作られたのはチャップリン氏の方で、伊坂氏はそんなチャップリン氏の作品を知っていたのか、なんとなく同じく現在の時代を風刺した作品になっている気がします。

自分は人のために生きているのか、機械の一部の様になっていないかと考えさせられるいい一場面でした。

(報告者 西田泰幸)

モダンタイムス」への2件のフィードバック

  1. チャップリンのモダンタイムスは実際には見たことがありません。作品を見る機会があれば見てみたいので、しっかり覚えておきたいと思います。私も本を読むのが好きです。そして、私の好きな小説家も伊坂幸太郎さんです。伊坂さんのモダンタイムスも読みました。誰かの行動が積み重なり知らないうちに悪がうまれる。どちらが悪で、どちらが善という訳でもないのかもしれませんが、一人の人間として、何を大切にし、何をすべきなのかそんなことを感じる作品でもありました。伊坂さんの小説は本当にあっという間に読めてしまいます。読み始めの一行目からぐっと世界に引き込まれるあのスタートダッシュは気持ちいいですね。

  2. チャップリンがどんな行動をとったのか、とても気になります。インターネットで調べてみたのですが、どこにも載っておらず、これは見ることでしかわからないようです。
    音がないことで、よりメッセージは強く、見る人の心に訴えるものがあると思います。映画や芸術を鑑賞することは、仕事を厚くします。大切にしていきたいと思いました。

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