単位展 4km

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他にも、このような展示がありました。

紙の単位

A版

A版

B版

B版

【紙の規格サイズであるA判、B判は半分の半分の半分…と切っていっても長方形の比率がずっとかわりません。「A」「B」に付く数値は、サイズを切っていくほどに大きくなります。A判はもともとドイツの規格で、現在は国際規格。B判は日本の美濃紙をもとにつくられた規格です。】

ただ異なる紙を平行に並べるのではなく、立体的に積み上げてことで視覚的にも分かりやすく、また、インパクトのある展示になるのですね。非常に参考になります。

 

無印良品の単位

尺貫法を元に構成されたスケール

尺貫法を元に構成されたスケール

商品や並べ方を工夫するのみならず、その見せ方を工夫することで購買意欲を高め、商品そのものに付加価値を付け、癒し効果や安心感を生み出す展示へと変化させることが可能なのですね。

 

黄金比(1:1.618…)の単位

黄金比

黄金比

【古来より数学のみならず建築や美術に用いられてきた黄金比という美しい比率の中から偶然発見されたクマ。】

ぬいぐるみの中でも、よく「クマのぬいぐるみ」が子どもたちに人気なのには理由があったのですね。また、美しい比率ということもあって、子どもは生まれながらに美しい物とかを求め、美的感覚に優れているということが理解できます。逆に、子どもが持っているもの、求める物の中に、大人が未だ把握していない『美しいもの』があるのかもしれません。

 

命の単位

命の単位

命の単位

【いずれのほ乳類も、一生の間に打つ鼓動の回数は約20億回と言われています。身体が小さければ速く、大きければゆっくりと鼓動を打ちます。鼓動の速さはほ乳類の、物理的な時間とは違う命の単位とも言えます。聴診器を胸に当ててゾウ、ヒト、ネズミの鼓動を体験してみてください。】

左からゾウ、ヒト、ネズミの時間の進み具合を展示

左からゾウ、ヒト、ネズミの時間の進み具合を展示

ゾウが2km歩く時間感覚は、ヒトが4km歩く時間感覚に、ネズミに換算すれば40kmとなるということかもしれません。ゾウにはゾウの、ネズミにはネズミの時間が存在しています。このような違いは、ヒトの中でも見られるのではとも感じました。よく、多動な子を落ち着かせようと、あらゆる手を使いますが、多動な子どもは多動な時間で生きているわけで、そういった時間の中で気持ちよく過ごせるような環境を用意しなくてはいけないということであるようです。みんなよりも、行動も思考も遅い子どもは、そういった時間の中で生活をしているわけで、その時間を無理矢理速めようとする行為は、命を削る行為なのかもしれません。少々極端な考えですが、個々の発達を保障するとか、個人差に応じるというのは、“その子の時間を理解する”ということなのでしょう。

 

体の単位〈コップの中の空間〉

コップの中の空間

コップの中の空間

【人間にとっては水を飲むための小さなコップでも、蟻にとっては大きな家かもしれません。体の単位を変えて想像してみることで、身の回りの物の中に、たくさんの空間を発見する事ができます。】

去年度の成長展では、テーマが「共感」でした。そこで、子どもの世界に共感してみようということで、大人の湯のみ茶碗は、子どもにとってはどれくらいの大きさなのか、一般の雑巾のサイズは、子どもにとってはどのくらいに感じているのか、子どもの視野はどれくらいの範囲が見えているのか、子どもの目線カメラ映像から、子どもの目線にはどんなものが見えているのかなどの展示を行いました。それも、「体の単位を変える」という考え方であったのだと思います。そして、まさに『新たな気づきと創造性』をもたらす見方であったのだと感じました。

(報告者 小松崎高司)

単位展 4km」への2件のフィードバック

  1. 展示の仕方は保育でも参考になりますね。子どもにより理解してもらえるような、実感してもらえるような展示を意識していきたいですね。「いずれのほ乳類も、一生の間に打つ鼓動の回数は約20億回と言われています」と聞くと、鼓動を早く打ちすぎるようなことをしていては寿命を縮めてしまうのではないか!?と思った小心者の私であります。「ゾウにはゾウの、ネズミにはネズミの時間が存在しています」というような自分の基準が全てではないという意識は大切にしたいですし、持っておきたいことです。小松崎さんも「その子の時間を理解する」と言っておられました。このことを忘れてしまってはいけませんね。

  2.  面白い報告をありがとうございます。ゾウとヒトとネズミの比較など、時間の流れがこんなにも違うということをとても具体的な数字をもってして感じることができたように思いました。その時間を比較してみようとするアイディアが面白いですね。頭を柔らかくして、その視点に気付けるような視点を持ちながら、日々を過ごしていきたいと思いました。

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