新宿せいが保育園の職員室の紹介をさせていただきます。
職員室では、職員室チームと言われる先生方が基本的に仕事をしています。もちろん、その先生方だけではなく、各クラスの先生方も職員室で仕事をされるのですが、この職員室での雰囲気がとても楽しいのです。
何かおもしろそうな種を見つけると、みんなでそのことで盛り上がり、あっという間に楽しい雰囲気になってしまいます。それは楽しさをみんなで分かち合っているそんな雰囲気にも感じます。
このおもしろ種を蒔くことが抜群なのが塾頭であります。ふっと何気なく発した言葉がどんどん広がっていき、みんながその話題で盛り上がります。まだ新宿せいがに入って間もない私ですが、塾頭は全体の雰囲気を感じて、あえて全体を和ますような発言をされているのではないかと感じます。
そのタイミングはまさに絶妙です。
そして、ひとしきり盛り上がった後に、まるで今までの盛り上がりが嘘だったかのようにみんなそれぞれの仕事に取り掛かります。この切り替えの早さは本当にすごいです。それもその場にいる全員が雰囲気を共有し、「さて、切り替えよう」というまさに非言語コミュニケーションが成り立っているように感じます。
もちろん!毎日真面目に職員室では仕事が進んでいっています。しかし、その間にある絶妙な楽しい時間が新宿せいが保育園の雰囲気を象徴しているように思います。
藤森先生が講演の中で話をされる「5M」の一つに「MERIHARI」というものがあります。漢字で書くと「減り張り」です。
藤森先生は臥龍塾ブログの中でこのように言われています。
「しかし、こんな「ケ」の毎日では、生活にメリハリがなくなり、生活リズムがとりにくくなります。保育指針にも書いてありますが、生活リズムは、情緒の安定につながるのです。しかし、江戸時代では、なかなか波乱万丈ということは起きません。そこで、人為的に「ハレ」を作り出す必要があったのです。それが祭り、能狂言、正月などの行事です。それが年中行事であり、こういった「ハレ」の日には農民も毎日の農耕を忘れ、思いっきり楽しみました。日常、変わらずにおこなっている農作業の合間にも、「あと何日で祭りがある」とか言って、退屈な労働にも耐えることができたのです。「ケ」の中に「ハレ」の要素を取り入れて、人間は生きてきたのです」
「ケ」という日常ばかりではなく、「ハレ」という日があることで、リズムが生み出され、人々の生活や気持ちは安定していったのかもしれません。本来の「ケ」と「ハレ」とは少し違うかもしれませんが、職場も同じように「ケ」なかりではなく、「ハレ」といった時にはみんなで楽しむ、盛り上がるということが一日の中では大切なのではないかと思います。その「ケ」と「ハレ」の絶妙なバランスが新宿せいが保育園の職員室には存在しているのではないかと感じました。
私も減り張りを持って仕事をしていきたいですし、そうすることで、全体の雰囲気を読む力を身につることにもなり、そして、それはお互いを自然にカバーするチームのあり方にもつながっていくのかなと思うと、そういった存在になれるように頑張っていきたいと思います。
(報告書 森口達也)