3,4,5歳児クラスのお散歩で面白いこと出来事がありました。
新宿せいが保育園では毎週水曜に近くの小学校の校庭を借りて遊ぶイベントがあります。
校庭が使えるのは、9時半までで、そこから子ども達は再び室内遊びと外遊びを選択します。室内を選んだ子は園に戻り、外遊びを選んだ子はさらに、11時半過ぎまでとたっぷり外で遊べます。
その日はちょうど水曜日で、校庭の後の外遊びは、最近できたばかりの公園に行きました。そこはとても広く、また日が出ている時はごろんと横になりたくなるくらい気持ちのいい芝生が生えている公園で、子ども達は、ほどよい日差しを浴びながら、ボール遊びをしたり、かけっこをしたり、ムシさがしをしたりと思い思いに遊んでいました。
私も、なんとなくいすに腰掛けながら、子どもたちの様子を見ていたのですが、ある子どもたちのグループが目に留まりました。そのグループは、芝生の上に落ち始めているたくさんの落ち葉をせっせと拾ってきては、一か所に集めながら何か話していました。
少し離れていたので良く聞こえないところもあったのですが、
「もっと集めてきて」「後でお店屋さんを・・・」と、何やらごっこ遊びをする準備をしているようでした。
楽しそうだなと思って見ていると、公園の手入れをしてくれているおじさんたちが、芝生に落ちている葉っぱの掃除にやってきました。
おじさんたちが熊手で芝に落ちている葉っぱをきれいにしてくれている横で、かすめ取るように葉っぱを集めていく子ども達。
私はそれを見ながら、「おじさんたち掃除しにくいかな~」と思っていると、
おじさんが「遊ぶのはいいけど、ちゃんと持って帰っててよ」と一言。
そんなことを言われて、子どもたちはどうするのかと見ていると。
一人の子が「どうする?持ってってだって。」
突然の声掛けにしばらく止まる子どもたちでしたが、その後が輪になり、相談を始めていました。しばらくすると、パッと散らばってまた葉っぱを集めだしました。ですが今度は自分たちが集めていた場所ではなく、おじさんたちが集めている袋に入れていました。
どうやら、ごっこ遊びから、お手伝いと葉っぱをいっぱい集める遊びに変更したようでした。そんな様子におじさんも感心していましたが、何人かの子ども達には、おじさんが集めている熊手にたくさん葉っぱがあると、おじさんの周りを行ったり来たりで、おじさんも苦笑いでした。
おじさんの一言で変わった遊び。
もし大人だったらどうでしょう。私の場合、注意されるとそこでお終いにしてしまうかもしれません。ですが、子どもたちはそれをきっかけに新しい遊びを生み出し、更に楽しんでしまう。そんな所に子ども達の強さと魅力を感じた出来事でした。
(報告者 西田)
おじさんからの声がけの内容を理解し、そのことについてみんなでどうするか考える子どもの姿はすごいです。それまでの保育の積み重ねがきっとこのような子どもの姿を生んでいるんだと思います。自分たちがやりたいことだけをやるのではなく、おじさんの声を聞き、その内容について考える姿勢は様々な人を受け入れるそんな姿にもつながっているのかもしれませんね。そして、おじさんの姿や言葉から、その言葉の本当の意味を考えたのかもしれません。このような子どもの姿が生まれるためには日々の保育をいかに大切に取り組むかということが大切になるとしっかり感じさせてもらいました!
子ども達の強さや逞しさに感心すると同時に、西田先生の見守ろうとする姿勢にも感心してしまいます。見守る保育は男性の方が行いやすいということがありますが、大らかに構えることで新しい方向性が見えて来るという好事例のような気がしました。どうしても子どもたちが声をかけられた時にそこで大人が介入してしまうことが常となってしまうような気がします。子どもを信じることや、地域の人との関わりを大人同士のやりとりで終わらせてしまわないことなど、見守ることで生まれてくるものがあることを改めて感じました。