8月のメモワール

このエントリーをはてなブックマークに追加

hatigatuno-memowaru-b

 

塾長が紹介してくれた映画は「8月のメモワール」という映画です。

1970年夏、ミシシッピ州、ベトナム戦争から帰還したスティーブンは戦争で精神病を患い、治療を続けていました。彼の妻ロイスとリディア、ステュの姉弟はトレーラーハウスで貧しい生活を送りながら父の帰りを待っていたのです。しかし父のスティーブンが家に帰って、職を探してもなかなか長続きはせず、その理由として精神病で治療していたことが原因で、すぐに職場から解雇を言い渡されるのです。

そんなある日、姉弟は大きな木を見つけ、ここにツリーハウスを作ろう!と計画しそれぞれが材料を集めて早速、ツリーハウスを作ることに。そこでリプニッキ家にあるガラクタ置き場に目を付けるが、かえって6人兄弟にいじめられてしまうのです。そんな息子に父が言ったのは

「我慢を忘れると一生後悔することになる」

と言ったのです。しばらくして、父は小学校の用務員として働けることになったが、精神科で治療していることが学校に知られ解雇になってしまうのです。それでも父は諦めずに必死に仕事探し、子どもたちに明るい未来を見せたいという思いで働くのです。そんな時に銀行が抵当で売りに出している家を手に入れようと、高い給料がもらえる石切り場の仕事に就くことに。しかし家を買うことは息子のステゥと秘密の約束にし、妻のロイスを驚かせようと約束をしました。そんな父にリディアは「どうせ、また首になる」と言い、母のロイスは非難は絶対に許さないと言われ、反省したリディアは父のスティーブンと言葉を交わし「父さんが年をとって死んだら、私の天使になってくれる」と。

 

例の家を手に入れるためにスティーブンとステゥが出かけた時に些細なことでリプニッキの父に絡まれ、ステゥの身に危険が及んだことから、リプニッキの父を掴み息子に謝らせ、彼を罵った息子にも謝らせた。そしてスティーブンはステゥに戦場での話しをしたのです。

戦場で親友と呼べる仲間がいていつも一緒だったが、敵に襲われ彼が重傷を負ってしまい、彼を抱えて必死で逃げ、脱出用のヘリまでたどり着いたが、定員はどう頑張っても一人しか乗れない、そしてスティーブンは意識が無い彼を置き去りにしたという体験を話したのです。そして「自分自身と国を許そうと努力した」と・・・。

一方、姉のリディアが黒人の友達が担任から差別的な態度を受け激しく抗議をした、そんなある日石切り場で大きな事故が起き、スティーブンは石切り場での仕事を紹介してくれた恩人を助けるために重傷を負ってしまいます。しかし家族の願いは虚しくも数日後にスティーブンはこの世を去ってしまうのです。

 

しばらくしてツリーハウスはリプニッキ兄弟に占領されてしまい、ステゥは取り戻すために友人たちと様々な攻撃を仕掛けて反撃に出たのです。なんとかツリーハウスを取り戻したのも束の間で、今度はリプニッキ兄弟が攻撃してきたのです。火炎瓶、トラクター、打ち上げ花火・・・まさに子ども同士の争いではない状態、そんな風景をステゥは木の上から冷静になると、その風景は本物の戦場にダブって見えたのです。その時、リプニッキ兄弟の末っ子のビリーが給水塔に落ちてしまい、ステゥとリディアは必死に救出し、息を吹き返したビリーが「天使を見たよ」と。それをきっかけにリプニッキ兄弟とも揉めることもなくなり、ツリーハウスにも飽きたころ、銀行の管財人から例の家を父が落札したと告げにきたのです。家はボロボロですが、新しい生活にやっと幸福の予感が訪れるのです。

 

少々長くなりましたが、ざっとこんな感じなあらすじです。本当は実際に見た方がいいので、今度の、臥竜塾で見れたらと思います。

塾長はこの映画の感想としてよく言われるのは

 

「争って、勝ったとしても虚しさしか残らない」

 

と。映画の中で、ベトナム戦争でアメリカが勝ったとしても実際はアメリカも大きな痛手を受けてしまったし、ステゥはツリーハウスを取り返そうとして戦って、残ったのはボロボロになったツリーハウスだけです。

父のスティーブンが「我慢を忘れると一生後悔する」という言葉は本当にその通りかもしれません。ステゥも一時は父の言葉を思い出し、冷静になって話し合おうとするのですが、結局は冷静さを失ってしまい、暴力に出てしまいます。

 

改めて「戦う」という本当の意味を理解しないといけないですね。子ども達はどうしてもテレビを見ると戦隊ものや仮面ライダーなど戦うシーンが多く、あの風景を「戦う」と認識してしまっていると思います。ただ私も小さい時に見ていたので大きなことは言えませんが・・・。

映画の中で父のスティーブンは息子のステゥに「我慢ができるよう自分自身と戦いなさい」と伝えたかったのではないかな?と思いました。

「真の敵は己の中にある」よくスポーツ選手とかが言いそうな台詞ですが、実はあながち間違っていないのかもしれません。結局、様々な行動を決めるのは自分自身の意思ですから・・・。(報告者 山下祐)

 

 

 

 

8月のメモワール」への2件のフィードバック

  1. 「我慢を忘れると一生後悔する」というのはよく分かる気がします。だいたい我慢できずにやってしまったことは後で後悔してしまいますね。ついつい言い合いになってしまった後に冷静になり思うのは「あんなこと言うんじゃなかった」「あんな態度するんじゃなかった」という思いのような気がします。そんな後悔をする前に、湧いてしまった感情を「後で後悔するんだから」とぐっと抑えられるようになればいいですね。そんなことをしっかり実践していきたいです。「8月のメモワール」iTunesで調べてみると、作品がありました!時間のある時にレンタルして、観てみようと思います!!
    また「争って、勝ったとしても虚しさしか残らない」この言葉は大切にしたいです。生活にしても、仕事にしても競ったり、争ってしまうことで、勝った負けたという価値観で過ごしていると精神がだんだんと疲弊していくのではないかと思います。勝ち負け、競うではない生き方をしていきたいなと思います。

  2. 「我慢ができるよう自分自身と戦いなさい」というのは、まさに「自律」にも当てはまる言葉のように感じます。一時の感情に支配されて起こした行動に後悔してきた父親の、大きな意味の詰まった言葉だなぁと思いました。戦争が終われば、全てが終わるわけでもなく、「精神病」という病に冒され続けなくてはならない点においても、「戦争」の怖さが感じられました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です