以前、活動報告にて「カエル」というタイトルでカエルの卵→おたまじゃくし→カエルの生体観測をしたことを紹介させていただきましたが、今回は弱肉強食について紹介したいと思います。
その前に、学童では生き物の飼育をテラスにて行ってきましたが、大掃除をきっかけにお部屋の模様替え(ゾーンの配置移動)を行った際に、「生き物観察ゾーン」を作って欲しいと子どもたちからの打診を受け、生き物観察ゾーンをs室内に設けました。
生き物観察ゾーンを室内に設けたことにより、子どもたちは生き物を観察しながら、その生き物の生態や飼育方法を図鑑を用いて調べる姿が見られました。
それにより生き物を捕まえては生態と飼育方法を調べ、「餌を捕りにいこう」と発展していきます。
正に内発的動機付けです。
現在学童で飼っている生き物は「ヒキガエル2匹」「ザリガニ5匹」と少し前まで1日限定で小さなヤモリを飼っていました。
この生き物観察ゾーンはみんなが観察できるゾーンですが、発展や維持は前回の活動報告で紹介させていただいたクラブ活動の1つの「虫捕りクラブ」が中心になって取り組んでくれています。
なぜヤモリが1日限定かと言うと、一時は子どもたちは飼おうと考え、図鑑を開いて調べ、ヤモリを飼育する上での環境構成と餌を捕りに出かけたのですが、そこで1つ問題が起きたのです。
それはヤモリの餌はコオロギが適していると子どもたちが調べて、たくさん捕ってきたものの、頑張って噛みついて捕食しようとしますがヤモリが小さすぎて、捕ってきた中でも1番小さなコオロギすら捕食できなかったのです。
子どもたちは悩んだ末、ヤモリを自然に還す選択をしました。
これは以前、カエルの卵から生体観測を行ったとき、おたまじゃくしからカエルへは順調だったものの、その後カエルの小ささから餌が難しく、多くのカエルの命を犠牲にしてしまった失敗から学んだことだと判断できます。
改めて生き物の偉大さ、生き物が子どもたちに教えてくれることの多さを感じた出来事でした。
また、ヒキガエルの方はとても順調で、調べた結果、
・カエルは動いているものしか食べない
・コオロギやバッタを好む
とあったので虫捕りクラブの子どもたちと毎日のように虫捕りに出かけ、大量のコオロギやバッタを捕まえてきて、カエルがそれらを捕食する瞬間を見て、子どもと大人が一緒に感動しています。
そしてそのカエルも自然界の弱肉強食の世界では捕食の対象となることもあります。
子どもたちの興味は「カエルはどんな生き物の捕食対象となるのか。」にまで拡がってきている段階です。
そのカエルも冬になれば冬眠するので、冬になる前には自然に還そうと子どもたちは考えているようです。(投稿者 若林)
学童の子どもたちは先週から夏休みに突入。
普段学校に行く時間に学童に登所ということで学童で過ごす時間がとても多くなります。
そこでクラブ活動を取り入れ、子どもたちが自ら発案し、数種類あるクラブの中から選び、話し合って、活動する曜日や内容を決めました。
もちろん参加、不参加は自由ですし、そもそもクラブに属す、属さないも自由。
そこに大人の介入は一切なく、全てを子どもたちに託す形で進めていきました。
すると、去年もクラブ活動を割り出し、周りのメンバーに伝え、役割分担をしてくれます。
基本的に最上級生が主体となってしまいますが、そこから下級生が上級生の姿を見て学べるのが異年齢の良さでもあります。
このような子どもたちの姿を見て、集団での学びは数多くあると改めて思わせてくれました。
クラブ活動も子どもたちにとっては「遊び」に過ぎません。
そしてクラブ活動は一定の目的を持って、一緒に遊び、役割を分化する「共同(協同)遊び」であると同時に学童期では「集団遊び」と言うそうです。
人は必ずいくつかの集団に属します。
大人の世界でも同じことですが、子どもたちも学童という1つの集団に属していて、その学童という集団の中にも異年齢で取り組んではいるものの、学年別で集団という意識があるでしょう。
そして今回のクラブも1つの集団です。
1つ大きな集団に属しながらもその中で小さな集団がたくさんあり、多種多様な集団に属していく。
そして様々な人との組み合わせで起きる化学反応から多くのことを学んでいく。
また、アバウトになってしまい申し訳ないのですが、大き過ぎず、小さ過ぎない集団(4~5人)なら個々の考えなどを補い合えたり、協力し合うことで相乗効果がより得られたりするのではと子どもたちの今回のクラブ活動の様子を見て、感じました。
保育園は、「産まれて初めて集団生活を営む場」と言われていますが、それなら学童は、「集団生活を営む上でのより良いスキルの獲得・育成の場」として、子どもたちの多種多様な組み合わせから、その中で子どもたち同士が自発的に関連し合いながら学びを深めていける集団をクラブ活動以外にも実現し、実践していきたいと思えました。(投稿者 若林)
先日、学童の保護者の方々の中から希望するご家庭のみを対象に個人面談を行いました。
希望するご家庭は約2割ほどで20分間を目安として行い、その間は子どもの様子の話はもちろんとして、何気ない世間話まで幅広くお話しさせていただきました。
2年目の私にとって保護者の方々とマンツーマンで面談をするのは初めての経験で、最初は緊張しましたが、何より保護者の方々がこちら側の理念を理解してくださっていることを知れたとても良い機会となりました。
また、面談した保護者の方々をより知ることのできる機会でもありました。
それ以降、お迎えの際にお話しする機会やネタが増え、以前よりもコミュニケーションを円滑に図れているなと実感している今日この頃です。
面談内容は子どもの学童での様子、家庭での様子、学校での様子から始まり、世間話まで幅広くお話しさせていただきましたが、私が面談したどの保護者の方も共通して、
「先生方を信頼しているので、学童での子どもの様子に関しては全てお任せします。」
と言っていただけたのです。
面談は2週間の日程の中から日にちを選んでもらいましたが、この2週間にこの言葉と似た言葉を何度も言っていただけたのです。
面談を希望しない方も、
「子どもの様子のお話はお迎えの際に聞けるし、先生方を信頼しているから大丈夫です。」
とみなさん口を揃えて言ってくださりました。
これは開園から8年目の積み重ねの結果であり、保護者間での良き伝承の結果であるとしみじみ思った今回の面談でした。
また、1人の保護者の方から言っていただけた一言が印象的でした。
「先生方は私たち親と共に子育てをしてくださっている。」
この言葉から塾長の言う「保護者と保育者はパートナー」が頭をよぎりました。
廃材などの製作材料やタオルやティッシュ、使わなくなった楽器など保護者の方々は他にも数多くの物を学童に寄付してくださっています。
これらは今の学童にとってなくてはならないものとなっています。
正に保護者と保育者は子どもを共に育てる上での良きパートナーです。
これからも保護者の方々と共に子どもたちの成長を喜び、協力し合って見守っていこうと改めて思えた出来事でした。(投稿者 若林)
私の勤めさせていただいている園では、誕生日会を毎月に分けて行い、子どもたちの誕生日を祝っています。
学童でも誕生日会を行っていますが、保育園とは異なり個別で行っています。
誕生日当日だと家族で祝うため学童をお休みしたり、週末の休日であると無理なので多少前後することもありますが、基本的には誕生日当日に行います。
誕生日を家族に祝ってもらうのは特別な意味合いもあり格別ですが、友達に祝ってもらうこともまた格別であると思います。
ましてや自分だけの会となると嬉しい反面、恥ずかしいこともあるかと思いますが、とても嬉しそうにする子どもたちの顔や仕草は私たち保育者の原動力となるほどです。
誕生日会の流れは、○月○日に○歳になりました。と子どもたちが自ら報告する形で始まり、質問タイムへ!
そこでの質問はある程度確立されていて、
「将来の夢は何ですか?」
「○歳になって何をやってみたいですか?」
「好きな食べ物(他にも色など)は何ですか?」
「今日(誕生日)に何のケーキが食べたいですか?」
「誕生日プレゼントは何をもらいましたか?」などです。
誕生日会はその子(誕生日者)をより知るための会でもあるのです。
その後職員が事前に用意した誕生日カードに記載している誕生日メッセージを読み上げ、些細なプレゼントを添えて贈ります。
この誕生日カードには半分は職員からのメッセージで埋まっていますが、あと半分は仲の良い友達に書いてもらったりと、有効活用してくれています。
園の誕生日カードも然りですが、形として残る物はその子にとってかけがえのないものになりますよね。
そして最後に歌のプレゼントをして会は終了です。
なぜこの学童での誕生日会を報告させていただいたかというと、私事になってしまうのですが先月24回目の誕生日を迎えました。
その際に子どもたちはどこで情報を仕入れたのかわかりませんが、私の誕生会をすると言い出したのです。
私は最初子どもたちの意思を組むことができず、「先生のは大丈夫だよ」と言ってしまいましたが、その返しで我に返りました。
「いつも先生たちが誕生日会をしてくれているお返しだよ!」と言ってくれたのです。
正にギブアンドテイク…
前文にも書きましたが、子どもたちの嬉しそうな顔や仕草が原動力となったり、日々の子どもたちの姿から多くのことを学ばせてもらっていることだけでギブアンドテイクが成立しているというのに子どもたちはこういった形でも返してくれるのだととても嬉しく感じたと共に感銘を受けた出来事でした。
形として残るのはかけがえのないものであると書きましたが、私にとってこの24回目の誕生日は心に残るかけがえのないものとなりました。
塾長のブログに「子どもの発達は、子どもと大人の相互作用の帰結として、また、子どもも、また大人側もともに能動的にこのプロセスに関わり、学習はそのような双方の能動的な関与によって構成されていく」とありました。
この出来事もこれに該当するものであるように思えたと共に、これからも子どもたちとギブアンドテイクの関係、対等な関係で居続けていきたいと思えた出来事でもありました。(投稿者 若林)
今年のドイツ環境視察ツアーで「小さな研究者たち」という取り組みを取り入れている園がありました。
そこでは「遊び、遊ぶ、遊び」を全体のテーマに、オープン保育を実施していました。
視察に訪れた週のテーマは「多様な言語、コミュニケーション」です。
私たちはこの園を訪れてとても貴重な体験をすることができました。
それは科学実験です。
3つの実験を体験させていただき、大人である私自信童心にかえった気分で楽しませていただきました。
子どもたちはこのような自分にとって新しい事柄や興味関心をひかれる事柄との出会いによってこんなにも楽しく、ワクワクした気持ちになるのかと想像が膨らんだ、という意味でも貴重な体験でした。
また、異年齢保育でそれ相応の数の子どもたちがいれば、少なからず関係性が希薄である子も出てきてしまうと思っています。
そこでこのような取り組みはその希薄の関係性の仲でも同じことを一緒にやり、共感し、相手方の子の知らなかった部分を見出すことにも繋がり、コミュニケーション能力の向上をも図れるようにも感じることができました。
そしてその3つの科学実験のうちの1つをつい先日、私が勤めさせていただいている学童でも取り入れてみました。
子どもたちの反応は期待通りで、やったことのない新しい事柄、興味関心をひかれる事柄との出会いを喜び、ワクワクしながら楽しむ様子が伝わってきました。
また、視察して気付いたコミュニケーション能力の向上も図ってみようと、通常は1人でできる実験を2人1組(普段はあまり交流がない組み合わせ)で行ってみました。
すると、普段あまり交流がないことなど微塵も感じさせないほど、共感し合いながら楽しんでいました。
つい先日のことなのでその後の関係性を測りきれてはいませんが、今後の関係性が楽しみになりました。
今回は「科学」という遊びを介しての取り組みでしたが、科学も子どもにとったら「遊び」の1つに過ぎません。
そろそろ学童の子どもたちは夏休みに突入します。
そこで学童ではスポーツやダンス、そして科学などのクラブ活動を実施していく予定です。
そのクラブ活動も子どもたちにとっては「遊び。」
「遊び」こそが子どもたちの豊かな個性や発育を伸ばす最善の取り組みなのでしょうね。
これからも様々な遊びを通して、様々なことを子どもたちが学び、そして何より子どもたちが興味、関心を持って、楽しく遊べるように保育者として環境構成に努め、見守っていこうと思います。(投稿者 若林)
6月25日(水)PMに通称「トラウンシュタイナー通り幼稚園・学童保育」を視察させていただきました。
児童は3~6歳児が50名、小1~小4の7~10歳児が50名の全100名。
今回はその中での後者にあたる学童を中心に見学や貴重なお話を聞かせていただきました。
この学童の最も驚くべき特徴は、移民家庭が約80%(ドイツ人は50名中7名)であることです。
その為、異文化理解に重点を置いていて、そのことを一言で「互いに力を合わせて生活するスタイル」と言っていました。
この言葉から保護者間のネットワークや地域性の豊かさが伺えます。
次に小学校のある平日の1日の流れを紹介します。
11;15~17;00がスタンダードで小学校の時間割次第で登所時間が異なり、遅くても13;00には全員登所するそうです。
そして13;00~昼食、昼食後は自由遊びとなり、その後15;00からおやつと並行して20名毎に宿題に移ります。
宿題を行う上で宿題部屋が設けられていました。
そこで興味深いお話を聞くことができました。
※学童では家庭学習を担っている。
対して「学童で宿題をやらずに家庭で宿題をする子はいないのですか?」と聞くと、
「基本的には宿題をやるもやらないも自由だが、ドイツでは陽が出ているうちにしか勉強はしないし、何より保護者が学童で宿題をやって欲しいと希望している」と言っていました。
学童を降所してからの家族の時間を大切にしているのでしょうね。ただし、週末の金曜日だけは、学童では一切宿題をやらないそうです。それは、土、日曜日に、家庭でやってもらうようにするためです。
宿題をしながら30分間の砂時計を設置して、その時間内に終わらせるんだという意気込みと同時に子どもたちの自主性・自発性を感じました。
日本でも宿題を学童でやって欲しいという保護者の声は耳にしますが、子どもの自主性・自発性を尊重したいため、軽い促し程度で強制はしません。
しかし、最近では登所してくる時間に隣の部屋で保育園の子どもが寝ていて、普段開けられるゾーン(ワイワイ騒げるゾーン)が開けられないため、子どもたちが「それなら!」と自主的に宿題に取り組み始めたところです。
今回文化の違い等の大きな捉え方で様々な違いに気付くことができましたが、文化が違えど、子どもの自主性・自発性を尊重する基盤は全く同じこと、同じ保育を行う「仲間」であることにも気付くことができました。
本日でドイツ保育環境視察ツアーの折り返し地点です。
残り半分も全力で楽しんで、多くの気付き・学びを得て、日本に持ち帰れたらと思います。(投稿者 若林)
今年の園のテーマは「季節を楽しもう」です。
学童ではお当番活動やチーム遊びをする上で活動しやすいように子どもたちを8チームに分けました。さらに園のテーマにある「季節」にちなんでこの8チームを2組ずつ分けた春・夏・秋・冬の四季の4チームを作りました。チーム活動の内容によって8チームで行うか4チームで行うかを決めます。
今回紹介させていただくチーム活動は8チームで行ったものです。
8チームそれぞれに半分のサイズに切った模造紙を配り、そのチームが属する四季のチームに該当する季節の絵を「春と言えば何か」といった形で子どもたちが各々のチームで話し合って決めて、絵具やクレヨン等を使って描きました。
その様子を見て、塾長の言う「無理はしなくていい。得意なことをすればいい。」という言葉を子どもたちが自ずと実践していることに気付きました。
「~ちゃんは塗り絵が上手だから絵具で塗る担当ね。」
「だったら僕は指で雪を描くね。」
等を大人の介入抜きで一人一人の役割分担を得意なことに当てはめて決めていました。
学童の子どもたちの半数以上が園の卒園児で在園中に職員間で行われる「チーム保育」を見てきたからかもしれません。
「子は親の映し鏡」という言葉同様に子どもたちは保育者のことを見て、真似ようと実践に移し、学んでいる。
言葉で伝えることも重要ですが、伝わり方として行動からの方が伝わりやすいこともあるのではと思わせてくれた出来事でした。
今週の13日金曜日にワールドカップが開幕し、15日日曜日にはついに我らがサッカー日本代表の初戦ですね!
国を背負ってのチーム活動とも呼べるワールドカップに挑む日本代表を一生懸命応援しましょう!
各国のプレイヤーの姿、またはそれを応援する我々の姿からも子どもたちは真似たりして、学んだりするかもしれませんね。
(投稿者 若林)