おにぎりに「共感」

DSC_0091私の日課の一つ、幼児クラスの子ども達とおやつを食べて、
そのままお当番さんの掃除などを手伝っていることです。
先日いつものように、おやつを食べに保育室に行くと既に配膳が開始しており、
そこには二人の年長の女の子と男性保育士が配膳を行っていました。
今日のおやつは「おにぎり」です。
配膳に来た子どもたちは、
「大きいの!」「小さいの!」と
自分が食べたい大きさのおにぎりを注文するので、
配膳をしていた女の子も、一つのおにぎりを半分にして、
新たに三角にしたり、丸い形にしたりと握り直していました。
衛生上のためゴム手袋をしておにぎりの配膳をしているのですが、
大人用の手袋なので、もちろん子どもにしてみるとブカブカ・・・。
しかも手袋に大量のご飯粒がついて、思うように握れない・・・。
一人の女の子はハートの形を作りたいのに作れず・・・。
しまいには泣いてしまいました。
この状況で皆さんはどういう対応しますか??
①子どもが自分で決めたことだから励まして最後までやらせる
②交代して自分がやる
まぁ他にも色々と対応はあると思いますが、
その場にいた男性保育士はコップに水を入れて女の子のそばに持ってきました。
そうです、手に水をつけて握ればご飯粒が手にくっつかないので、
ストレスなくおにぎりを配れるし、ハートの形も作れるようにしたのです。
私はその場にいて、自分だったらどうするか?と考えたら②でした・・・。
やはり現場の先生判断はスゴイですね。
おそらく交代したら、その女の子がハートを作りたという気持ち、
最後まで配膳したいという気持ちを踏みにじってましたね。
よく藤森先生が言われる「共感」
まさに彼(保育士)は女の子の気持ちに共感し、どうやったら達成感を得られるか。
というのを瞬間に考えて、お水を用意したのでしょうね。
また女の子も水で濡らしてご飯を握れば、
お米がくっつかないで簡単に出来るということ学んだでしょうね。
確かに子どもがやるより、大人がやる方が断然に早く終わりますが、
その数分の差を自分の都合に使うか、子どもの成長に使うか・・・。
冷静によく考えれば答えは出てきますが、どうも日々の保育で追われていると、
つい忘れてしまいそうですね。
まだ続きます・・・。
その男性保育士はリーダーだったので、子どもたちを仕切る必要があるため、
その場を離れる必要があります。
そこに女性の先生が交代するために配膳台に来ました。
その女性の保育士に向けて一言
「すいません!ちょっと・・・こんな感じで汚れてます、あとお願いします!」
と一言。普通はもっと具体的に説明が必要なのかもしれませんが、
その一言と、現場を見て、その保育士は瞬時に理解したようです。
女の子がおにぎりを握りたいために、お水を用意し、
そのため配膳代が汚れてしまった。と・・・。
おそらくリーダーの男性保育士の気持ちと、
配膳をしている女の子の気持ちを瞬時に共感したのでしょうね。
子どもに共感した一人の保育士に、
他の保育士がその二人の気持ちに共感する・・・
そして保育園全体に一つの共感の輪が広がり、
いい雰囲気を生み出すのかもしれません。
こんな素敵な現場を目撃した日でした・・・。
(投稿者 山下)

カエル

学童では4月の初めにオスとメスのヒキガエルを1匹ずつ新宿せいがの近くにある、おとめ山公園にて捕まえてきました。そのカエルがなんと産卵しました!とんでもない量の卵を産み、その卵が孵るのを観察しようということになりました。その卵が無事孵り、おたまじゃくしとなり、6月現在では小さなガマガエルへと成長しました。しかし、全部無事に成長はしませんでした。4月から6月の間に多くのおたまじゃくし、カエルが死んでしまったのです。その背景には環境が大きく関係していました。おたまじゃくしも人間同様に発達具合は各々異なっていることには子どもたちと一緒に気付けたのですが、カエルもおたまじゃくし同様、水の中だけでも生きていけると思っていたのです。おたまじゃくしに用意していた環境を発達の早いカエルへと成長したおたまじゃくしにも同じ環境を用意してしまったのです。その結果多くのカエルの命を犠牲にしてしまいました。お墓を作って弔い、子どもたちと一緒に悲しんでいる中、その中の子どもの1人が「このカエルさんたちのおかげでカエルは水の中だけでは生きていけないことを知ることができたね。」と言いました。大人でもこのことを知らない人は少なくはないのではと思います。現に私がその1人でした…自分の無知さを嘆きましたが、この失敗から子どもたちも私自身も多くの学びを得させてもらえたと実感しています。

以前の塾長の書かれている臥竜塾のブログに「実行意図」という単語が出てきました。「もし…ならば」と自分に問いかけることだそうです。「もし、カエルは両生類だけど水だけでは難しいかもしれないから」と問いかけることができていたら水と陸を2つとも用意し、この悲劇を未然に防げたかもしれません。今回はカエルでしたが、このように生き物は子どもたちに多くの学びを提供してくれる貴重な存在であることを再認識させてくれました。今後とも生き物から得る多くの学びを子どもたちと一緒に共感しながら学んでいけたらと思いました。現在数十匹いるカエルの環境について子どもたちと日々一緒に試行錯誤し、私たち保育者が日々子どもたちを見守っていることと同様にカエルの成長も子どもたちと一緒に見守り、次回は食物連鎖について子どもたちに伝えていけたらなと思っています。(報告者:若林)

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得意なこと

保育園には様々なゾーンが存在し、子どもたちはそれぞれ開いているゾーンを確認してから遊びたいゾーンを自分で決めます。好きなものや得意なゾーンもあるようで、これをする‼︎と決めてゾーンに張り切っていく姿がとても頼もしいです。保育士にも似たように得意な遊びややりたいことがあるのではないでしょうか。幼い頃から習っていたことや、趣味でやっていたことなど様々だと思います。

最近子どもたちの中で流行っているのが伝承遊びゾーンです。伝承遊びゾーンはコマや、けん玉、すごろく、輪投げ、めんこなどの玩具遊びが環境として用意されています。その中でもけん玉が今流行っています。私が幼い頃、けん玉が好きでやっていたことを思い出し、ひょいひょいとやってみると子どもたちが目を丸くして見ていました。その影響からか、少し教えるだけでみるみる上達していく子どもたち。目の前に少し上手な人がいると自分の中で目標が見つかり頑張る姿が見られます。そこで明確な目標を持ってもらいたいと思い、公式のけん玉認定表を用意しました。するとそのルールを守り、次々に級をあげていくので正直とても驚きました!恐ろしいほどの上達ぶり…

ルールは「1日1回しか検定ができない」「10回のうちに規定回数の技をしなければならない」という簡単なルールです。日々検定をしていく中でいつも検定をやりたいやりたいと行ってくる子が来ない時がありました。その子になぜか理由を聞いてみると「この技はまだできないから練習してから検定する!」と自分の実力を理解し、見通しを持って行動をとっていたようです。

更に年長さんがやることで年中さん、年少さんも刺激を受け、どんどん上手になっていく姿も面白いものでした。認定表からこんなことに発展してくのは嬉しいことでした。けん玉が好きだったことでこういったことも活きていくのですね。

もしかめをすることでリズム感がつき、穴に剣を入れる時には動体視力、木の素材も感じられ、重力も感じられるなどと、勝手に良さを感じています。
(投稿者 本多)OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

オケラ様

DSC_0090最近は天候に恵まれ、植物の成長がとても著しいです。
とくに屋上のハーブガーデンがある場所の芝生に関しては、ついこの前種まきをしたと思いきや、
既に10㎝以上も伸びているので、今日は朝から芝刈りと雑草抜きです。

手入れを怠っていたせいか、芝が成長しすぎて地中での根の張りが物凄く、引っこ抜くのもやっとでした。
ちなみに芝生といっても屋上はコンクリートなので、厚さ10cmくらいの芝生専用のマットがあるので、
それを敷き詰めて、芝生にしてあります。

さて、少し前から壁面緑化を意識した建物が多く見られます。
とくに東京の真夏は恐ろしいくらい、暑いです・・・保育園でも、そろそろゴーヤを植えて、
緑のカーテンをする予定です。
芝生にも壁面緑化のように室内の温度を下げる効果があるので、取り入れています。

そんな屋上の芝生ですが、自然がたくさんあります。
例えば、子ども達が公園に行くと必ず見つけてくるダンゴムシ。
そしてミミズです。その中で私が一番、テンションが上がったのが「ケラ」です。
知っている人も多いと思いますが、ケラは土の中に潜り、水中を泳ぎ、そして飛ぶという、
万能な昆虫です。特に潜るスピードは、大きな前足を匠に使って、驚く程早く地中に潜ります。
あと「手のひらを太陽に」の歌詞に出てきますね
「ミミズだっ~て、オケラだっ~て、アメンボだっ~て♫」
案外、子ども達はケラを見たことがないと思ったので、何匹か捕獲して、
虫かごに入れて、保育室に置いておきました。

もちろん、すぐに食いついて「先生、この中に何いるの??」
と何人も聞いてきます。
「ケラっていう虫だよ、図鑑に載っているから、調べてごらん」
と言うと、すぐに調べていました。
基本的にケラは地中で生活する昆虫なので、地上に出てくることはあまりないので、
子ども達も見る機会が少ないのかもしれません。
たまたま幅の狭い虫かごがあったので、実際にケラが潜っている様子を見ることができて、
ずっと食いついて見ていました。

今回のケラに関わらず、おそらく自分の身の回りにある物で、
当たり前過ぎて見過ごしている物でも、子どもにとっては新鮮で、好奇心が湧くものかもしれません。
藤森先生のブログを読んで、色々なところにアンテナを張り巡らして、
ちょっとしたことにも敏感に反応し、保育に還元する。
環境を通して保育し、その環境を保育者が用意するとは、こういうことのような気がします。
(投稿者 山下)