おめでとう 今月生まれのあなたの為におめでとう♪

先日、皆が大好きな我らが誇るベテランの先生(以下 大先生)のお誕生日がありました。

いつもはケーキでお祝いする職員のお誕生日ですが、昨年から引き続いて、大先生の大好きなハンバーガーでお祝いをしました。

 

この日、運良く大先生は職員室で係りのお仕事中。午睡中の時間を使っていざ準備開始!クラスの先生にハンバーガーの買い出しに行っていただき、残った職員でその日の連絡帳、装飾の準備、と分担をしました。この辺りのチームプレーは、さすが見守る保育で培われた〝チーム保育〟のチーム感、そのものだと思います。

 

生臥竜塾セミナーにて、ドイツのおもてなしを模したテーブルがとても素敵だったので、真似てみようとチャレンジ。すると、

 

「そんなに面白いことやるなら、早く言ってよ(笑)」

 

と、塾頭山下先生が装飾をしてくれることに!感謝です!!!

そして、このセンス!

そして、このセンス!

そして、このセンス!短い時間で、どんどん仕上がっていきます。

さらに、このセンス!短い時間で、どんどん仕上がっていきます。

西村先生も駆け付けてくれました。

西村先生も花を添えてくれます。

見事完成!素晴らしい仕上がり!!!

見事完成!素晴らしい仕上がり!!!

そして、ハンバーガーが盛り付けられました。(奥にいるのは実習生さんです。真剣に日誌を書かれています。)

そして、ハンバーガーが盛り付けられました。(奥にいるのは実習生さんです。真剣に日誌を書かれています。)

 

西村先生に協力してもらい、いよいよ大先生を呼んできてもらうことに。

僕らは、おままごとゾーン、ロフトにそれぞれ隠れて、大先生が来るのを待ちます。

「にこにこの部屋にクラスの先生が誰もいません。」

西村先生の誘いが上手すぎて(笑)慌てた様子で階段を駆け上がってこられました。

「本当だ誰もいない…え、なんで…あ!すごい!だましたな!(笑)」

と最高のリアクションで答えて下さいました(笑)

誕生日の歌を歌って、僕らも登場。

喜んでもらえて本当によかったです。

喜んでもらえて本当によかったです。

恒例の記念撮影!

恒例の記念撮影!

そして、実食!

毎日がんばっておられる実習生さんにも幸せのお裾わけ♪

毎日がんばっておられる実習生さんにも幸せのお裾わけ♪

 

皆で美味しくいただきました。

各クラス共に、それぞれの誕生日のお祝いを、こうして楽しくやっています。

 

見守る保育の織りなす〝チーム保育〟に必要不可欠な結束力、そして日々のコミニュケーションをより楽しいものに、より円滑なものにと育んでいく、大切なイベントだと思っています。

 

11年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新しています『臥竜塾』ブログ2013年4月12日『組織のEQ』の中で、こう投げ掛けられています。

〝その会社は社会奉仕と教育を社訓としていたにもかかわらず、社長は目の前の利益にしか関心がなかった。ライバル社がほとんどなかったので、社長は多少質を下げても顧客を失う心配はないと考えていた。さらに、この社長は社員の福利厚生を軽視する態度を隠そうともしなかった。「どんどん雇って使い捨てればいい」というのが決まり文句だった。もっと悪いことに、この社長は他者を尊重する気持ちのかけらもない男だった。ある日、若い社員が社長を含む数人に、「今日は私のバースデーなの」と言ってケーキを配った。みんなは笑顔で「おめでとう」と声をかけたのに、この社長は近くにいたマネージャーに向かって大声で、「何だ、このバカ騒ぎは。君は部下をまともに働かせることもできないのか」と言った。そして、ケーキを配った社員の方へ向き直り、彼女を頭のてっぺんから足の先まで眺めて、「おまえも、こんなカロリーの高いケーキを食べてる場合じゃないだろう」と言ったのだ。

 

こんな組織はどうなっていくのでしょうか?〟

その答えを、2010年4月1日『遊び心』の中に見つけることができるように思います。

〝ある人から、私の園の質の高さは、「遊び心」にあると言われました。その理由のひとつに男性職員が多いことがある気がします。男性は、いつまでも赤ちゃんのようなところがありますが、それは、私の園の男性にそういう人が多いのかもしれません。しかし、その発想を「馬鹿みたい!」と言わないで、一緒に遊び心に乗ってしまう女性の職員がいるからということも理由でしょう。しかし、その遊び心は、もしかしたら最近の日本の特徴なのかもしれませんし、その心が日本を救うかもしれません。〟

 

皆で大好きな先生の誕生日をお祝いすることは、ひいては日本を救うことになります。そういう思いで、1年に1度のそれぞれの大切な日を、皆で楽しんでいます。

午睡明け、子ども達が起きてきました。お皿以外はそのままにして、どんな反応をするか見てみることに。

(触っていいものなのかな…チョン)

(触っていいものなのかな…チョン)

(チョン)(チョン)

(チョン)(チョン)

「これね、触っちゃいけないやつなんだよ。」(さっき触ってた本人が笑)

「これね、触っちゃいけないやつなんだよ。」(さっき触ってた本人が笑)

(わかっちゃいるけど…チョン)

(わかっちゃいるけど…チョン)

 

興味津々の様子ですね。そんな子ども達を見ていたら、いいことを思いつきました。

新宿せいが保育園では、17時までを通常番として、それ以降を遅番やにこにこ番(にこにこ組の担任だけでなく、各クラスからも職員が入ってくる体制となり、18時頃までにこにこの部屋で過ごします)、などの体制を組んで、保育にあたっています。

そのにこにこ番の時間で、大先生の為に皆でプレゼントをつくろう!と提案をしてみました。

塾頭山下先生をお手本に、見様見真似で環境を設定。

塾頭山下先生をお手本に、見様見真似で環境を設定。

製作開始!粘土でプレゼントを作ります。

製作開始!粘土でプレゼントを作ります。

「これお団子—!」

「これお団子—!」

「お団子ー!」プレゼントの8割はお団子と蛇!

「お団子ー!」プレゼントの8割はお団子とヘビ!

「これ車のハンドルー!」プレゼントにハンドルはハイセンス!

「これ車のハンドルー!」プレゼントにハンドルはハイセンス!

「これハンバーガー♪」メガ!

「これハンバーガー♪」メガ!

たくさんできたところで、この日一緒に保育にあたっていた職員に大先生を呼んできてもらうことに。

「大変です。クラスにきてください。」

またまた誘い方が上手すぎて(笑)慌てた様子で階段を駆け上がってきてくれました。

「たはは(笑)嬉しいー!ありがとー!でもこの誘い方はもうやめて(笑)」

「たはは(笑)嬉しいー!ありがとー!でもこの誘い方はもうやめて(笑)」

「食べてもいいの?」「いいよー!」

「食べてもいいの?」「いいよー!」

「あむあむあむあむ。美味しー!」

「あむあむあむあむ。美味しー!」

 

子ども達も大喜びで、その後、皆で藤森先生作詞・作曲のお誕生日の歌を歌ってお祝いしました。

祝っても祝い足りない程の御恩を大先生に誰もが感じています。子ども達もまた然りで、日々を重ねれば重ねるほど魅力的になり、皆から慕われて、喜ばれるような、大先生のような存在になりたいと心から思います。

大先生、本当におめでとうございます。この1年も、素晴らしい1年になりますように!!!

 

(テーブルデザイン:塾頭山下祐 西村宗玲 報告者:加藤恭平)

研修旅行 IN福岡

10月10日~11日は新宿せいが保育園の研修旅行、今年の研修先は福岡県です。
なかなか他の保育園に見学に行く機会がないので職員全員とても楽しみにしている研修です。

福岡にはもちろんGT園も多く、GT福岡も立ち上げて、公開保育や独自に研修を行ったりと熱心に勉強をされています。毎年、見学先は多くて2園ですが、福岡には先ほど書いたように、GT園も多く、見学先ももちろん多いので、なんと!8園も見学を受け入れていただくことになりました。本当に感謝です。

事前に8園の保育園さんから各園の概要やPRを書いた紙を頂き、職員がそれを読んで見学先を各自決めました。本当は全て見学をしたいのですが…さすがに時間に限りがあるため選択制です(笑)

午前中は見学で、午後は1つの園に集まり、そしてクラスごとに別れての意見交換です。私は特にクラスのも所属していないので…せっかくなので園長先生のお部屋に(笑)そこでは塾長のミニ講演会でしたので、久しぶりに塾長の講演を聞けてとても勉強になりました。
途中、各クラスでの話し合いの様子を見に行こうと思っていましたが、あっという間に時間が過ぎ、午後の研修も終了の時間に…。

新宿せいがのメンバーは一度ホテルにチェックインをして、夜の部へ…。
夜はもちろん福岡の先生方と2回目の話し合いです!お酒有りの(笑)
やはり九州の先生方はパワーがスゴイですね!夜はクラスも関係なく、ランダムで座りましたが、それでも保育の話で盛り上がっているようでした!

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保育園という施設は言ってしまえば外部と関わらなくても成り立つ機関です。しかし国の補助金で運営をしているという事と日本の将来を担っていく人材を育てる機関でもあります。そう考えると、やはり中途半端な考え方で保育をするのでなく、やはり子ども達のことを考えて保育をしていく必要があります。
「見守る保育」は今後、日本のスタンダードになると信じています。そして全国の実践している保育園の先生方もそう信じて実践していると思います。同じ理念の基で保育をしている仲間が全国にたくさんいることで勇気にもなりますし、同じ理念だからこそ話し合いが盛り上がるのだと思います。

先輩保育士がよく言われる言葉で
「美味しい食事を一緒になって『美味しいね』と言って食事をする事が大切だし、そこに上下関係はないから、同じ目線になって話ができる」
おそらく福岡での夜の懇親会では各テーブルは年齢も様々でなかにはベテランの先生もいたのかもしれません。しかし、同じ目線になって保育の話や悩み、様々な話が展開されていたのではないでしょうか…。
本当に有意義な一日なったのでした・・・。

そして次の日の午前中は福岡で有名な太宰府天満宮を観光しました。
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そして午後は最近、糸島市が注目を浴びているようで、私の妻が福岡出身ということでプランを組んでくれましたが、
とても素敵な場所でした。糸島市には有名なGT園があり、そこで休憩をさせていただき、二日目の観光も無事に終わり新宿せいが保育園の研修旅行が終了しました・・・。
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行事と匹敵するほど一大イベントが終了し、思い出に浸りながら報告を書かせていただきました。(報告者 山下祐)

ちょっと変わった職員が考えるリーダー論 6  〝健やかなる育ちはこうして保たれる〟

ある時は現場に またある時は調理室に

チーム保育の要、〝臨機応変〟を、この人は今日も体現する

 

突然ですが、新宿せいがの保健の先生をご存じでしょうか?

「せーの。ふー♡」

「せーの。ふー♡」

毎日職員室から出ては、保護者からの連絡帳を読み、その日の子ども達を把握し、体調を見て回ります。それだけでなく、こうして遊びの中にも入り、子ども達の笑顔にも貢献するのです。

 

新宿せいがの保健の先生をご存じでしょうか?

とても暑い日でした

とても暑い日でした

「今日は暑いから」と、タライを外に出して、子ども達に水遊びをセッティングしてくれました。6月下旬の土曜日の出来事です。はしゃぐ水しぶきに顔を弾ませる子ども達がとても印象的でした。

 

新宿せいがの保健の先生をご存じでしょうか?

「掃除と塩素、やっておきました。」  スピーディかつさりげない優しさ。プールの水も喜んでいます。

「掃除と塩素、やっておきました。」
 スピーディかつさりげない優しさが現場の保育者をどれだけ助けることか。プールの水も喜んでいます。

プール係に名を置き、プールと言えばこの先生、と誰かが言います。こうして子ども達の夏のとっておきの楽しみが、今年もスムーズにスタートを切ったのでした。

新宿せいがの保健の先生をご存じでしょうか?

「俺のエビフライがない…」先生のお陰で、そんなトラブルとはもうオサラバ!

「俺のエビフライ弁当がない…」先生のお陰で、そんなこととはもうオサラバ!

 

7月に行われました夕涼み会当日。打ち合わせを兼ねてのお昼ご飯のお弁当をこうしてセッティングしてくれました。自分の希望した通りのお弁当が職員の手に渡り、和気あいあいとしたお昼の時間を演出してくれました。

 

新宿せいがの保健の先生をご存じでしょうか?

右は我らが柿崎先生です。

右は我らが柿崎先生です。

これは、美味しかった!

これは、美味しかった!

試作を重ね、つい先日、〝豆腐ドーナツ〟がおやつの時間に子ども達に提供されました。アレルギーの子達に見事に対応された調理内容で、それもこの先生の発案、創意工夫の元で行われました。その美味しいことといったら!子ども達がおかわりに来るスピードで、その美味しさが証明されていたように思います。

 

他にも、行事で使うものを裁縫などで修理・作成してくれ、先日は2歳児クラスにお手製のワンピースをプレゼントしてくれました。少し渋目の柄で(笑)特定の子ども達に人気の変身グッズの一つです。

 

先日11年目に入られました藤森先生が毎日更新されているブログ『臥竜塾』の2013年3月9日『不協和』にはこう書かれています。

 

〝チームワークが良い場合は、メンバーがあうんの呼吸で動き、その動きが全体で美しい音色を響かせるように、お互いの音を聞きながら、美しい和音を奏でます。そして、その音が反響しあい、増幅します。それを「共鳴」とい〟います。

〝(中略)「共鳴」は、感情の波長が一致した時に起きます。そして、それは、前向きの感情をより長引かせる効果があると言われています。職場において、共鳴が起きているかどうかは、リーダーの明るく熱意に満ちたエネルギーに共振する集団であるかです。共鳴が大きいほど、人と人との相互作用が活発になります。共鳴は、システム内の雑音を最小化します。そうなると、チームは一つにまとまり、組織のために人々が結束するとき、そこに働いている人々を結びつけるのは、全員が共有する感情なのです。メンバーは、互いに心を許しあってアイデアを共有し、学びあい、協調して決断を下し、仕事を成し遂げていきます。感情のレベルで絆が形成されているので、大きな変化や不安定要素に直面しても、浮足立つことがありません。何よりも重要なのは、メンバー同士が感情レベルで結ばれていると、仕事がより意味のある目標になります。仕事がうまくいった時の高揚した瞬間を共有しあう歓びは、何にも代えがたいものです。こういう気持ちに後押しされて、集団は一人では到底不可能な目標を達成することができるのです。そうした集団をリーダーがつくり上げるかです。〟

 

素晴らしい文章に、感動を覚えます。

 

新宿せいが保育園のリーダーは大きく言えば藤森平司先生です。して、新宿せいが保育園には、ご存知の通り、主任の先生がいません。それでは、クラスのリーダーは誰でしょうか。職員室のリーダーは誰でしょうか。

 

〝職場において、共鳴が起きているかどうかは、リーダーの明るく熱意に満ちたエネルギーに共振する集団であるかです。〟各場所において、そのリーダーとは、誰でしょうか。

 

僕はそれを、〝その場所において最も信頼を集める人〟、と考えます。それがクラスによっては、ベテランの先生であったり、また、臥竜塾生の面々であったり、職員の誰かであったりする、と思うのです。

 

時間があれば子ども達とシャボン玉を吹き、暑ければタライに水を汲み、職員の笑顔の為に昼食の準備をし、行事や日々の遊びに積極的に手を施してくれ、子ども達の健康を願う気持ちから、安全で美味しい料理を考え、提供する。〝働く〟の語源は『〝はた(他人)〟を〝楽〟にすること』とは有名な言葉ですが、この先生の行っている日々のそれは、〝保健〟という枠組を超えた、まさにリーダーの行う仕事です。また、先日から参加させていただいています、保育環境セミナーの、『子どものためのチーム保育』という項目の中にあった、〝看護師も「保育者」である。看護を通じて保育する〟ということを体現されていることを感じます。

 

藤森先生は言います。〝共鳴は、システム内の雑音を最小化します。そうなると、チームは一つにまとまり、組織のために人々が結束するとき、そこに働いている人々を結びつけるのは、全員が共有する感情なのです。〟

 

その先生は今日も明日も職員室を出られることでしょう。その度、僕らは、その仕事ぶり、その先生の魅力に、共鳴の音を止めることができません。

 

 子ども達の健やかな育ちは、こうして今日も保たれていきます。

先日の朝会の風景です。その日は先生以外皆男性職員でした(笑)

先日の朝会の風景です。その日の町会は先生以外皆男性職員でした(笑)

シャッターを切ろうとすると塾頭の後ろに隠れてしまいました。本当に可愛らしさ溢れるお茶目な先生です。

シャッターを切ろうとすると塾頭の後ろに隠れてしまいました。本当に可愛らしさ溢れるお茶目な先生です。

(報告者 加藤恭平)

自分もやらなきゃ

ご存知だとは思いますが、私は小さい頃からサッカーをしていました。高校3年生までサッカー三昧の日々。高校3年生、最後の大会!さぁ、頑張るぞ!…でも私はベンチにも入っていません!そしてそこは男子校!マネージャーなんているわけはありません!

と、いうことでチームのために私が志願して務めました。笑
そんな話はさておいて、サッカーが好きなのでよくサッカー番組を見ます。
最近あるサッカー番組で中村俊輔選手と槙野智章選手が対談しているところを見ました。
中村俊輔選手といえば日本代表の10番(エースナンバー)を背負っていた選手です。しかし、南アフリカW杯の時にまさかのスタメンから外れるという時期がありました。そんな辛さを味わっている選手でもあります。
その対談で槙野選手は中村選手にこんな質問をしました。
「あの時はどんな気持ちだったんですか?」
と…
中村俊輔選手は、
「あの時はメンタルが崩壊しそうだった」
と答えています。
そこからは続けてこんなことを言っていました。
「でも、僕が違う大会に出ている時、ベンチにいる先輩たちが冷たいタオルを持ってきてくれたり話しかけてくれたり、雑用みたいなこともずっとやっていて、そういう先輩の姿を見て自分がその立場になったら自分もやらなきゃと思った。」
と言っていました。
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その大会では闘莉王選手も代表にいて、
「出てないオッさんも頑張ってるんだから俺らも頑張ろうよ!」
とチームを盛り上げていたそうです。
その話に槙野選手は
「それがチームですよね。」
と答えています。
確かにそれがチームだと思います。
なんだかこの話を見ていて少し違うかもしれませんがチーム保育を思い出します。
よく塾長はリーダーや先輩が偉そうにしていてはならないと言います。いじられるくらいが大きな器があり、チームが上手くいくと私も思います。最近は中堅になってきてそんなことをよく思います。
私たちは保育を勝つためにやっているわけではありません。ただ、日本代表と根本は同じでチームのためにどう動くかを考えれば自然とそうなるのではないかと思えます。サッカーはチームの人が疲れていれば冷たいタオルも持ってきますし、水も持っていきます。
保育も出来ないところがあれば助け合うといったところは同じですね。
中村俊輔選手はその先輩の背中を見て同じようにやなければと奮闘します。
私たちも同じで先輩保育士がどんなことも率先してやる背中を見て育っています。
偉ぶることもなく私たちと対等に話し、保育をしてくれる先輩に感謝しています。
そう考えると日本代表と同じことを私たちはしているということになるのでしょうか。笑
私は勝手にそんなことを思って嬉しくなりましたが、それはどこのスポーツチームにもよくある話かもしれませんね。
チームのためになにをすべきかを考える。
それがチームなのですね。
よく塾長はチーム保育をサッカー型と例えてくれます。
ポジションは決まってはいるけれども臨機応変にポジションを変えられるそのチームワーク。まさにチーム保育です。
この対談を聞いてグラウンドの外でもチームワークが成り立っているように思えます。そんな意味も含めてサッカー型の保育に強く共感します。そして、この繋がりに勝手に感動していました。笑
ですので、そんなチームワークで子どもたちの良いところを目一杯引き出していけたらよいと思います。
んー、合っているのかはわかりませんがそんなことを思います。
(報告者 本多悠里)

チームワーク

先日、ある研修会でチームワークについて、話をさせていただく機会をいただきました。

その内容は基本的に見守る保育のチームワークの考え方を伝えることが中心で行わせていただいたのですが、その内容を作っているときにあるものが目につくことがありました。

それは「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」という賞です。もしかしたら、ニュースなどで見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、「ニッポンのチーム力が世界を変える」考えのもとに、その年に最もチームワークを発揮し、顕著な実績を残したチームを毎年「いいチーム(11/26)の日」に表彰するアワードで、2008年に始まりまった賞です。過去に最優秀賞をとったチームは2010年は小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトチーム、2011年京速コンピュータ「京」開発プロジェクトチーム、2012年は東京スカイツリー運営チーム、2013年は2020年の東京オリンピック・パラリンピック招致委員会チーム、2014年は「妖怪ウォッチ」プロジェクトチームとそれぞれのチームが受賞しています。

そして、ここでの「チームの定義」というものがまた、面白い内容です。それは「チームとは、ある目標に向かって集まった組織体のことを指しています。そして、チームワークとは、目標を達成するために、チームメンバーで役割を分担して協働することです。」とありました。なによりもここで「協働」という最近藤森先生のブログのなかでもたびたび出てくるキーワードが出てきたことでより興味がわいたのですが、藤森先生が見守る保育の説明の中で説明しているように、「いい集団」というのはみんなが同じことをする集団、オールマイティの力のある人がいる集団ではなく、それぞれが役割をもって、自分の役割を発揮できる集団が「いい集団」であるということと同じことですね。そして、「ある目標に向かって集まった組織体」というのは保育園や幼稚園でいう「共通の理念」のことと同じことであると思います。どの職種や業種にしても、今の社会で一番求められるチームというものはこういった理念や目標を共通理解し、それぞれの役割を自分の能力を発揮していくことが求められるのですね。

また、ここでは「チームに必要な5つのポイントとチームワークの効果」というものも紹介されていました。

まず、「チームに必要な5つのポイント」ですが、「1、明確な目標・・・ゴールは何か」「2、メンバーはそれぞれなにをするのか」「3、自律・・・一人ひとりが積極的に参加しているか」「4、情報共有・・・全員が同じ情報を共有できているか」「4、実行力・・・議論して結論を一つにまとめられるか」というのがポイントだそうです。

次に「チームワークの効果」ですが、ここではドイツの学者の研究結果を参考にして考えられていますが、チームのアウトプットには「効果」「効率」「満足」「学習」の4つがあると言われているそうです。目に見えやすい「効果」「効率」だけでなく、メンバーの「満足」「学習」もチームワークのアウトプットだといわれている点が特徴ですあり、良いチームで仕事をしたときの自分の満足感や学んだ気持ちは、アウトプットの1つといえるでしょう。そして、この「チームワークの4つのアウトプット」に注目して、ベストチーム・オブ・ザ・イヤーでは、毎年のベストチームを選考していまるそうです。

もちろん、これらのことの全部が保育園や幼稚園において、明確にできるものであるかといわれるとそうではないのかもしれませんが、チームワークによって効果を受ける側だけでなく、チームワークをとる側においても、評価や考えがあるというのはとても面白いですね。

そして、2012年にこの賞の表彰式で総合プロデューサーのおちまさとさんが「日本は近い将来、世界中でどの国も未体験の少子高齢化社会に突入します。また、15年連続で3万人以上が自殺するという国でもあります。自殺の原因の第一位が人間関係です。そんな苦境に立たされている今、もう一度ここで踏ん張ってやろうじゃないかというきっかけを与えてくれたベストチームを、審査員一同で選りすぐりました。」とおっしゃられていました。この団体を見ていてもやはりその根底には「社会問題」や「人間関係」といったものに焦点をあて、それに対してどうアプローチしていくことができるだろうかととても考えられているように感じます。経済機構がこういったことを改めて考えるのは直接影響があるからなのかもしれませんが、保育園や幼稚園など乳幼児を預かる機関やその他の教育機関ももっとこういった「社会」や「時代」をしっかりと見据えていかなければいけないですね。そして、保育園や幼稚園がいい集団であれば、やはり子どもの集団もよくなっていくと思います。今回のチームワークというのを考えるにあたって、では、自分はどういった役割があるのだろうか。改めて考える機会になりました。

(投稿者 邨橋智樹)

ちょっと変わった職員が考えるリーダー論 5 〝触媒というリーダー像〟

 〝触媒とは「化学反応の前後でそれ自身は変化しないが、反応の速度を変化させる物質」という意味ですが、英語の「catalyst」とは、時代の流れなどを,加速する働きをするものを指します。(中略)

現在、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」という吉田松陰の末妹で、後に久坂玄瑞の妻となる杉文が主人公ですが、私は、この吉田松陰は「触媒」の役割をした代表的な人物だと思っています。ウィキペディアによると、触媒とは、「自発的に起こり得る反応の反応速度を増加させる」とあるように、自発的に学習しようとする子どもたちに対して、触媒としての教師は、相手の学習速度を高める存在になるということです。〟

ここには、学びたくなる環境があります。子ども達が塾頭との握手を望むように、僕も塾頭と手を取り合って前に進めることに大きな感動を覚えています。

渦には必ず中心があります。日本の保育の夜明けを目指して、塾頭を中心に、大きな渦をつくっていきたいと考えています。

(報告者 加藤 恭平)

ちょっと変わった職員が考えるリーダー論 4  〝人の器量〟

 その優しさが教えてくれる。〝子どもを育てることは信じることと、許すこと〟

 母なる優しさに包まれて、見守る保育は育くまれていく

 

 藤森先生が10年間毎日欠かさず更新されている『臥竜塾ブログ』の2010年5月25日『器』の中で、

大きな器量をもった人を、大きな器をもった人と言います。そのような人は人の話をよく聞き、人を受容し、共感する力をもっています。〟と書かれています。

 このブログを読んで、すぐに頭に浮かぶ、新宿せいが保育園が誇る我らがベテランの先生がいます。
 僕が新宿せいが保育園で勤めることができるようになったのも、この先生のお陰です。
 当時その先生は縁があって僕の妻と知り合いでありました。半ば強引にその先生のお力を(正確にはお名前を)お借りして、
新宿せいが保育園とコンタクトを取られていただきました。
 藤森先生は、てっきりその先生と僕が直接の知り合いと思って下さっていたようで、
藤森先生の前で、その先生と「初めまして」と挨拶をした時にすごく驚かれたことを思い出します(笑)
 今となってはいい笑い話だと思っています。
 
 住んでいた場所がとても近かったこともあり、勤めてすぐの頃から、帰り道、電車の中でもたくさん話をさせていただきました。
 仕事のこと、プライベートのこと、なんでも話したくなってしまうのは、
3人の立派な男の子を育てられたお母さんの織り成せる懐の大きさによるものなのでしょうか。
 同じような気持ちを、僕だけでなく多くの職員も感じられていることを感じます。
その先生が、話す僕に対して、〝うんうん〟〝そうだよね〟〝わかるよ〟と、
言葉少なに、最高のタイミングで入れて下さる合いの手が、話し手に、最高の信頼感を与えるのですね。
 〝大きな器量をもった人を、大きな器をもった人と言います。そのような人は人の話をよく聞き、人を受容し、共感する力をもっています。〟
 その先生が、本当に親身になって話を聞いて下さることが、目でも耳でもわかることが、その先生の共感する力をすごいと話し手に感じさせ、
また、その人の器の大きさを感じさせるのだと思います。
 その先生が差し伸べてくれる、合いの手とは、まさに〝愛の手〟とも言えるかもしれません。
 先日から、その先生は声が本調子でなくなっています。
 マスクをして、それでも子ども達の前に出る姿に、胸が熱くなります。
 その姿を見て、思い出すことがあります。少し長くなってしまうのですが、そのまま抜粋させていただきます。
 『臥竜塾ブログ』2006年1月14日『無記』より
〝私の園に、実習生が来たときです。彼女は、実習の途中で、風邪をひいてしまいました。そこで、しばらく休んでいたのですが、ほぼ治ったので出てきました。しかし、声が出ません。出そうと思っても、息が出るだけです。しかし、実習期間が終わってしまうので、まあ、2歳児の担当でしたので、声が出なくても大丈夫だろうとそのまま保育をしてもらいました。ところがとても面白い経験をしました。まず、朝、登園してくる子に声がかけられません。「おはよう」と、部屋に入ってくる子に「おはよう」と声がかけられないので、そばに行って、にっこりうなずくしかないのです。そのあと、子どもを呼ぶときも、子どもに何かを指示するときでも、何かを表現しようとすると、声が出ないので困ってしまいました。本当は、言葉とは、声だけではないはずです。ボディーラングェッジという、体での表現もあります。アイコンタクトという、目での表現もあります。絵で表したり、文字で表すこともできます。人の体は、いろいろな機能を持っています。しかし、その中で、多くの人は、声に頼っていないでしょうか。特に、言葉を使って保育をしていることが多いのではないでしょうか。声で、子どもを動かそうとしていることが多いのではないでしょうか。昔、電車の車内販売の売り上げのトップの人は、声で売り歩くのでなく、乗客の目を見ているのだということを聞いたことがあります。声での掛け声で止まる売り子に、私も思わず言いそびれてしまうことがあります。しかも、どうしようかと迷っているときに素通ってしまうと、「まあ、いいか。」と思ってしまいます。それを、乗客の目を見て歩くと、買いたそうな人がわかります。声をかけようとした人がわかります。子どもにも、「だめ!」と叱るよりも、とても悲しい顔をすることで、大切な人を悲しませたくないという思いからやめることがあります。登園をしてきた子どもに、よく来たねという気持ちは、声をかけても、他を向いていたり、いやそうな顔をしていたら、子どもには伝わりません。〟
(この日のブログは、「瀬戸内寂聴」著の「釈迦」の中の一節を紹介されて締めくくられています。興味のある方は、『臥竜塾ブログ』の検索スペースに『無記』と
入れて、検索をしてみてください。)
 その先生がとった方法は、〝筆記〟でした。
子ども達の話し声は自然と静かになっていきました

子ども達の話し声は自然と静かになっていきました

 自然と静かになっていく子ども達。ゆっくりと字が書かれていきます。
一文字ずつ子ども達が読んでいくのです。「し」「ず」「か」「に」…

一文字ずつ子ども達が読んでいくのです。「し」「ず」「か」「に」…

 「し」「ず」「か」「に」…書かれている間にも、「しーだよ!」「しーして!」と、子ども達から声が挙がっていました。
「しずかにしてくれてありがとう。ゆうがたのゾーンをきめよう。てをあげてね」

「しずかにしてくれてありがとう。ゆうがたのゾーンをきめよう。てをあげてね」

 

思わず、目頭が熱くなります。

幼稚園の先生を経験され、新宿せいが保育園の前身である『せいがの森保育園』での勤務を経験され、新宿せいが保育園の立ち上げ、3人の息子さんを育て上げられたその功績は計り知れないものがあります。

その先生が、僕の話を聞いてくれ、「いい話ができてよかった。ありがとう。」と恐縮にも感謝をしてくれることさえあるのです。

臥竜塾ブログにて、『器量』と検索していただけると、2010年5月12日『教思』というブログに出会います。

そこにはこう書かれています。

〝組織を保つために、リーダーは技や力を他と競う必要はない。力のないリーダーであるからこそ、多くの人の能力を発揮させることができる。それが「大中」。これは大いに中庸を心得る者をいう。「大中にして上下これに応ずる」とは、ろうそくの芯に火が灯るような様をいう。ろうそくの火を思い描いてほしい。芯の部分は暗く、芯自体は光を発しないが、ひとたび火がつけば、芯を中心にまわりが明るく燃え上がる。」

そして、この素晴らしい時期を保つためには、「本来、能力があってもそれを覆い隠し、立場をわきまえ、自らの中に陰を生み出して、後継を育てるからである」というように、自分が光り輝くよりも、周りの能力を引き出してこそリーダーなのです。〟

この先生をリーダーと呼ばずして、なんと呼ぶのでしょうか。子ども達へ向ける眼差しの優しさ、職員へ向ける眼差しのその優しさに僕らは魅了されてしまうのです。

(報告者 加藤 恭平)

 

ちょっと変わった職員が考えるリーダー論3 〝背中は語る〟

人はその背中に憧れて、見守る保育のドアを叩く

初めてその先生と出会ったのは、藤森先生の名著『0・1・2歳の「保育」』の中でした。正確に言うと実際にお会いしたわけでなく、その本を読んで勝手に憧れていただけなのですが(笑)その、写真がこちらです。

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掻き鳴らすギター、テーブルに乗った足、集中を通り越して熱狂しているようにも、呆然としているようにもとれる子ども達。今にも音が聴こえてきそうな臨場感あるこの写真の男性に一目見て恋をしました。

その先生もまた、新宿せいが保育園の前身である『せいがの森保育園』から見守る保育を支える重鎮の一人です。新宿せいが保育園を最前線で牽引する男性保育士の筆頭であります。先日の本多先生の報告にも登場されています。(http://namagaryujuku.com/?activity=歩き方)

藤森先生が10年間毎日欠かさず更新されているブログ『臥竜塾』の2013年3月8日『ユーモア』(http://www.caguya.co.jp/blog_hoiku/archives/2013/03/ユーモア.html)の中で、〝タイミングの良いジョークや陽気な笑いは、創造性を刺激し、コミュニケーションの端緒を開き、一体感や信頼感を強め、仕事をより楽しくしてくれる〟と書かれています。

憧れの人と同じ職場にいるというのは、例えばがんばってバンドで売れて、憧れていたミュージシャンの方々と紅白歌合戦に出るような、そんな感覚です。気さくなその先生のお人柄に調子づいた僕に、ついにこの写真のことを話す機会が訪れました。種明かしのようで嬉しかったのですが、聞くと、「カメラを向けられたから、ついね(笑)」とのことで(笑)これこそ上記されているユーモアそのもの。また、それを著書の中に掲載された藤森先生の度量、意図を感じさせます。

その先生の放つ光は、お集まりの時間ににわかに輝きを増します。その先生の読む紙芝居、絵本の面白さに子ども達はもちろんのこと、職員も、ついには保護者までも集まってしまうのです。いつの日かは、気付いたらそこにいた人達はとっくに就業時間を過ぎていました。ザリガニなどの生き物を題材にした写真の紙芝居や、部屋に置いてあるいつもの絵本がその先生の力によって、命が吹き込まれるかのようです。また、ラジカセ、マラカス、カホン、ギター、そして、自転車の鈴(笑)など、挙げればキリがないのですが、それら全てが先生の武器です。

また、2013年3月7日『雰囲気』の中で〞リーダーは、みんなから注目されているために、他の人以上に、その表情が人に与えるインパクトは、わずかな表現でも伝わりやすいのです。ですから、大げさに自分をアピールする必要はありませんし、目立つ表現をする必要はなく、自分に率直に気持ちを表現すればいいのです。〟

その先生の影響で、お集まりの時間に何か面白いことをしたいという気持ちが強くなっていました。積極的に自分からそういう機会を得ようとガツガツしていた時に、「今日の遅番(お集まりの主導をとる先生)って加藤先生なの?」と一言。たった一言いただき、自分が周囲の先生からそのような機会を奪っていたかもわからないことを、そっと教えていただきました。

「もう加藤くんも教える立場だからね。」

言葉としては、なんと少ない言葉なのですが、とても胸に響きました。その先生を始め多くの先生に見守られて自分があることを確認させていただいたような、また、自分を認めてもらえているような、そんな気持ちになりました。

2013年3月8日『ユーモア』のブログはこのような言葉で締めくくられ、次のテーマへと、発信されています。〝人は、それぞれ経験も、育った環境も違いますので、考え方も違います。考え方が違う人と同じ目標にむかって一緒に仕事をしなければなりません。そのために、その違いを受け入れる寛容さ、その違いまでも自分の中に取り込む度量の広さが必要になります。〟

相手を傷つけることなく、相手の意欲を削ぐことなく、相手に気付かせてあげる。僕も新しく入った人達を迎えて、実感として感じていることがあります。その先生が言って下さったそれは度量ある人の言葉であり、藤森先生が保育を〝保育道〟であると仰るように、保育とは人を高めていく仕事であるということを、改めて感じる出来事でした。

僕は、この背中を追いかけていこうと思います。いつの日かその先生のように、憧れられる存在を目指して。

(報告者 加藤恭平)P3250052

ちょっと変わった職員が考えるリーダー論2 〝笑い声の魔法〟

その笑い声は一際大きく、その場の雰囲気、景色をがらりと変える。

その笑い声が聞きたくて僕らは子どもの面白い姿を一生懸命探すのです。

藤森先生が毎日欠かさず更新されている、『臥竜塾ブログ』の2013年3月6日『笑い声』の中で、〝明るい雰囲気は、職場における協調体制や公平性や能率を向上させる〟とあり、笑顔や笑い声の重要性について書かれています。その中で、「EQ~こころの知能指数」を書いたダニエル・ゴールマン氏の〝笑い声を聞くと、私たちは自然に笑顔になったり笑い声をあげたりする。そして、それが連鎖反応のようにグループ全体に広がっていく。笑いが伝染しやすいのは、人間の脳に笑顔や笑い声を感知する開回路が特別に組み込まれているからだ。その結果、いい意味での感情のハイジャックが起こる。〟と紹介されています。

その先生はとにかく面白いことを見つけることが速く、それを周囲と共有するかのように、大きな声で笑います。新宿せいが保育園開園の立ち上げだけでなく、その前身となる『せいがの森保育園』の立ち上げからいらっしゃる、いわゆる〝大〟ベテランの先生です。

僕はその先生とチームを組んで幸運にも今年で2年目となります。その先生の寛大さ、笑い声の力に幾度となく助けていただいてきました。

例えばなのですが、

自分の目の前で子どもが転んだ時。子どもが園庭の砂を食べてしまった時。散歩に出るドタバタの中で、ある職員が上履きのまま散歩に出てきてしまった時。おしっこだと思って替えようとしたオムツから大きい方のものが出てきてしまった時。食べないと言ったオヤツをやっぱり食べると子どもが言った時。まだまだあります、日常のちょっとした心穏やかでいられなくなるかもしれない瞬間(笑)忙しかったりすると、尚更のように思います。

ところが、それら全てをその先生は笑ってしまいます。〝笑い飛ばす〟を辞書で引くと「大した問題ではないと笑って取り合わない」と出てきますが、そんな無責任な態度でなく、深い思いやりの中からくる本物の笑いで、笑い〝翔〟ばしてくれるのです。

ブログの中には、〝笑い声は、友好関係を確信させる唯一無二の信号だ。他の感情を表わす信号と違って(笑顔は演技で作れる)、声をあげて笑うことは高度に複雑な神経回路の働きを伴い、演技が難しい。したがって、見せかけの笑顔で人をだますことはできても、無理な笑い声は空虚に響く。〟とも書かれています。その先生の笑い声は、とにかく温かく響き渡ります。

また、ゴールマン氏は、職場における笑い声について、「職場に笑い声があれば、それは従業員たちが頭だけでなく、心も集中している兆候と言える。しかも、職場での笑い声は、陳腐な冗談とは無関係だ。笑い声は、自分たちは波長が合っている、自分たちはうまくやっている、ということを再確認するメッセージだ。それは、信頼、気安さ、世界観の共有を示す。今のところ何もかもうまくいっている、という信号なのだ。」とも言っています。

そう、つまり笑い声は人を動かします。その笑い声についていきたくなるのです。

もし、職場で部下や、後輩がいる方、その人たちが自分の言うことや意見を尊重してくれずに困っていましたら、ぜひ笑ってみてください。効果は絶大です。

デール・カーネギーの名著『人を動かす』の中で、英国の偉大な文学者ドクター・ジョンソンの言葉が紹介されています。〝「神様でさえ、人を裁くには、その人の死後までお待ちになる」。まして、われわれが、それまで待てないはずはない。〟

批判よりも笑顔を。非難よりも笑い声を。魅力的で、一際大きな笑い声をもった人が、僕らのリーダーです。

IMG_1080(報告者 加藤恭平)

ちょっと変わった職員が考えるリーダー論

初めて報告をさせていただきます。

5月より生臥龍塾の一員となることができました。ここまで多くの方々の支えがあり、またこれからも多くの方々の支えの元、藤森先生の傍で学ぶことができることを思うと、支えて下さっている皆様に、改めて感謝の気持ちでいっぱいになります。本当に、ありがとうございます。

そして、塾生のみんなと同じように報告を書く機会をいただきました。報告を書きたいと思っていた時から少しずつ温めていたことがありました。それは〝リーダー〟についてのことです。

我らが新宿せいが保育園中山副園長先生から「加藤くん。将来園長先生になりたいのだったら、これを読むといいよ」そう言われて勧められたのは、藤森先生の〝臥竜塾ブログ〟(http://www.caguya.co.jp/blog_hoiku/)の中の〝リーダー論〟という連載でした。保育園の園長先生になりたいと思っても何から勉強していいものか、設置スペースや、お金のこと、経営のことなどを真っ先に学ぶ必要があると漠然と思っていた僕には、とても衝撃的でした。

新宿せいが保育園で働き始めてからというもの、保育士の方々と交流をもつ機会に多く恵まれるようになりました。新宿せいが保育園に初めて来た時に感じた、風通しの良さ、職員間の気さくな楽しそうな雰囲気。他園の先生方と話していると、これは一体どこから生まれるものなのだろう、という思いを感じられるようです。実際に僕も他園に勤務経験があり、その秘密を知りたいと思っていました。

リーダー論を読み進めていった中で、また日々新宿せいが保育園で見守る保育を学ぶ中で、中山先生がなぜリーダー論を読むことを進められたのか、そして、この新宿せいが保育園の風通しの良さ、職員間の気さくな楽しそうな雰囲気はどこからくるものなのか、そのことを自分なりに理解できるようになっていきました。

様々な要素がある中で、その中でも最も大きいと感じているのが、藤森園長先生を始めとする〝リーダーの存在〟ではないか〟ということです。藤森先生は2013年3月2日『リーダーのSQ』(http://www.caguya.co.jp/blog_hoiku/archives/2013/03/リーダーのsq.html)の中で、〞ミラー・ニューロンは、組織にとってとても大きな意味を持っています。それは、組織は、一つの社会だからです。その社会の中では、お互いに心の交換の有無によって善し悪しが決まるのです。たとえば、無愛想でユーモアに欠ける上司の下では、メンバーのミラー・ニューロンは刺激を受けません。一方、よく笑い、おおらかな雰囲気づくりができる上司の下では、この細胞が活性化するため、メンバーたちも笑顔を見せることが多く、チームの一体感も高まるといわれています。これが、私が提案する「楽しい職場」の意味なのです。〟と仰っています。

新宿せいが保育園に来た初めての日、朝会に参加しました。初めての職員室。緊張しながら椅子に座っていると、藤森先生が入ってこられました。ひとりでに増す緊張感。藤森先生は眉間にシワを寄せた険しい表情をされています。

その時です。ある男性職員が、なんとラジコンのヘリコプターを飛ばし始めたのです!確かに、「今日これを散歩先で飛ばすんだ♪」と嬉しそうに言っていたのは、耳に入ってはいました。—ラジコンをもって散歩に!?なんだその素晴らしい環境は!と驚き、朝会が始まっても和やかで楽しそうな雰囲気に驚き、と頭の中で忙しくしていた矢先、なんと大胆にも、そう、飛ばし始めたのです。朝会が始まった直後、しかも藤森先生の目の前で!僕がやったわけではないのに、なぜか僕の緊張はピークに達していました。

終わった。この先生は確実に怒られる…。そう思っていた時に藤森先生から出た言葉です。

「ちょっと充電が足りないんじゃない?」

衝撃でした。そして、瞬時に理解できました。この職員室の中で緊張していたのは僕だけだったこと。藤森先生の険しい表情は、生まれつきのものであるということ。そして、この保育園がこんなにも明るく和気あいあいであること。その理由が、わかった気がしました。

読んでいただいている皆様と同じように、今いる職場以外に、多くの組織に所属されてきた経験があると思います。僕は、その組織の魅力はリーダーがいかに魅力的であるかということは無視できない、という経験を多くしてきました。新宿せいが保育園には藤森先生、中山先生を筆頭に、経験年数の多い、いわゆる〝ベテラン〟と呼ばれる先生が、その核を担って下さっています。

この先生方は本当に素晴らしい方々です。その魅力を、藤森先生のリーダー論の連載とリンクさせながら、お伝えしていきたいと思っています。

(報告者 加藤恭平)