先週の17日は、新宿せいが保育園親子遠足でした。16日開催の予定だったのですが、雨のため17日の開催となりました。17日は、快晴で絶好の遠足日和となり、園児、保護者、職員みんなが楽しむことができました。
さて、今回私が書きたいのは、その遠足の内容ではなく、遠足の看板についてです。これまでの行事の看板は、学童さんが作ってくれていたのですが、今年から学童がなくなったため、私とお昼寝をしない3、4、5歳児の子たちで作成することになりました。これまで何度も話題に出てきているとは思いますが、今年の新宿せいが保育園のテーマは『伝統を見直そう』です。そこで、看板もそのテーマに沿って作成しようと思い、色んなアイデアが浮かびましたが、どれもイマイチなものばかりでした。
そして、遠足が週末と迫った臥竜塾で、塾長のお宅でトイレに入って、ふと前を見ると、尾形光琳の『燕子花図屏風』の絵葉書が目に入りました。これは、ブラヘイジで、熱海にあるMOA美術館に行った際、実際に見たことのある絵でした。見た瞬間「これだ!」と思い、作成を始めました。
作成にあたり、どのように子どもたちと作ろうかと悩みました。そこで絵の苦手な私にとって、かきつばたの絵を描くのは、難しかったので、そこを子どもたちに折り紙で作成してもらおうと考えたのです。苦手なところを子どもたちにフォローしてもらう、新宿せいがのチームワークですね。(笑)
さらに、私のこだわりが2つあります。燕子花図屏風の背景を見てみると、正方形の金箔が並べられているのが分かります。このように、背景に金箔や銀箔を用いるのは、琳派の特徴の1つのようですが、これを再現したかったのです。金の折り紙を並べても良かったのですが、それでは味がなく、金箔の感じが再現できませんでした。そこで、様々な色の折り紙に、金のスプレーを吹きかけ、再現しました。すると、スプレーしたおかげで、ムラができ、味がでてきたのです。
そして、私のもう1つのこだわりが、「リズム」でした。燕子花図屏風の特徴として、同型を繰り返して用いることで、リズム感を与えていると言われています。燕子花図屏風を見ていただくと分かりますが、同じような配置のかきつばたを繰り返し、リズム感が出ていることが分かります。それを看板に再現したかったのです。しかし、そこが一番難しいところでした。何度もかきつばたを置いてみたのですが、リズム感を表現することができなかったり、かきつばたが多くなったりしました。悩んでいると塾長が通りかかったので、配置の相談をしました。そして、配置の修正をしていただいたのですが、修正するうちに、どんどんリズム感が生まれてきたのです。塾長との美術センスの差を痛感しました。(笑)
これら2つのこだわりが入った今年の親子遠足の看板がこちらです。
自分で言うのも、おかしいですが、ずっと眺めたくなるくらい、納得のいく看板になりました。(笑)
今後の行事の看板も、伝統にちなんだものを作成していく予定です。その都度、ここで報告ができたらなと思っています。
西村 宗玲