親子遠足の看板制作

先週の17日は、新宿せいが保育園親子遠足でした。16日開催の予定だったのですが、雨のため17日の開催となりました。17日は、快晴で絶好の遠足日和となり、園児、保護者、職員みんなが楽しむことができました。

さて、今回私が書きたいのは、その遠足の内容ではなく、遠足の看板についてです。これまでの行事の看板は、学童さんが作ってくれていたのですが、今年から学童がなくなったため、私とお昼寝をしない3、4、5歳児の子たちで作成することになりました。これまで何度も話題に出てきているとは思いますが、今年の新宿せいが保育園のテーマは『伝統を見直そう』です。そこで、看板もそのテーマに沿って作成しようと思い、色んなアイデアが浮かびましたが、どれもイマイチなものばかりでした。

そして、遠足が週末と迫った臥竜塾で、塾長のお宅でトイレに入って、ふと前を見ると、尾形光琳の『燕子花図屏風』の絵葉書が目に入りました。これは、ブラヘイジで、熱海にあるMOA美術館に行った際、実際に見たことのある絵でした。見た瞬間「これだ!」と思い、作成を始めました。

燕子花図屏風

作成にあたり、どのように子どもたちと作ろうかと悩みました。そこで絵の苦手な私にとって、かきつばたの絵を描くのは、難しかったので、そこを子どもたちに折り紙で作成してもらおうと考えたのです。苦手なところを子どもたちにフォローしてもらう、新宿せいがのチームワークですね。(笑)

さらに、私のこだわりが2つあります。燕子花図屏風の背景を見てみると、正方形の金箔が並べられているのが分かります。このように、背景に金箔や銀箔を用いるのは、琳派の特徴の1つのようですが、これを再現したかったのです。金の折り紙を並べても良かったのですが、それでは味がなく、金箔の感じが再現できませんでした。そこで、様々な色の折り紙に、金のスプレーを吹きかけ、再現しました。すると、スプレーしたおかげで、ムラができ、味がでてきたのです。

そして、私のもう1つのこだわりが、「リズム」でした。燕子花図屏風の特徴として、同型を繰り返して用いることで、リズム感を与えていると言われています。燕子花図屏風を見ていただくと分かりますが、同じような配置のかきつばたを繰り返し、リズム感が出ていることが分かります。それを看板に再現したかったのです。しかし、そこが一番難しいところでした。何度もかきつばたを置いてみたのですが、リズム感を表現することができなかったり、かきつばたが多くなったりしました。悩んでいると塾長が通りかかったので、配置の相談をしました。そして、配置の修正をしていただいたのですが、修正するうちに、どんどんリズム感が生まれてきたのです。塾長との美術センスの差を痛感しました。(笑)

これら2つのこだわりが入った今年の親子遠足の看板がこちらです。

自分で言うのも、おかしいですが、ずっと眺めたくなるくらい、納得のいく看板になりました。(笑)

今後の行事の看板も、伝統にちなんだものを作成していく予定です。その都度、ここで報告ができたらなと思っています。

西村 宗玲

地域?文化?

 

私の働く幼稚園・保育園は大阪にあります。最近いろんな保育園が見学に来ることがありますが、今、見守る保育を進めているというと、よくこういった質問があります。

 

「東京と大阪とでは、環境が大きく違うので同じことはできないのではないですか?」

「保護者の見方も、場所によって違うのでなかなか理解してくれないのではないですか?」

といったような質問がでることがあります。

 

確かに、地域性といいますか、その違いや文化の違いは少なからずあるのは当然なのですが、今回、自園において成長展をしたことで改めて気づいたことがありました。

 

先日、私たちの園で成長展を行いました。といっても、今年度より始まった1歳児・2歳児クラスだけであって、まだ、幼稚園全体での取り組みではないのですが、新宿せいが保育園の資料や手法を真似て、そのまま、取り組んでみました。

 

今回の場合は、1回目ということもあり、シンプルに中心となる部分(自由画・人物画・塗り絵・シルエット)そして、遊びの環境の代わりや子どものたちの関わりの写真、身長・体重、メッセージ、手足型、といったものを行いました。というのも、初めての先生も多く、見るのも初めての先生が半数なので、「成長展とは・・」ということから伝えていきました。なので、あまり、広げすぎず、シンプルにしました。

 

子どもたちの成長を「他児と比較するのではなく、一年の成長を実感し、幼稚園と一緒にそれを喜ぶ」原点をしっかりと見つめて始まった行事です。実際、始めは最初に書いたように「大阪の文化、東京との違い」というものは少なからずあり、この行事が保護者にとって、どう受け取られるか、わくわくしていたのですが、始まってみると、思った以上に大反響があり、クイズを必死にやるお母さん、じっくり考えてクイズを当てるお母さんがほとんどで、全員の保護者が「楽しかった」といっていました。なにより「これほど一年で大きくなっているとは思いませんでした」という最高の褒め言葉をいただいたので、まさに上場でした。

 

ここで思ったのは、やはり地域や文化だけで、子どもの見方は変わらないということです。「親は親であり、どこの地域でも、どんな文化の中でも、子どもたち一人一人の成長を見て、感じる感動や喜びは同じ」ということを改めて強く感じました。そして、自分自身、どこかで、「大阪の保護者は」とか「大阪の文化は」と少なからず思っていたことをとても恥ずかしく思いました。こういったように子どもたちの成長を保護者に「実感や共感」する機会や一緒に成長を喜ぶ機会があまりにも少ないのが一番の偏見や既成概念を作る要因だということに気づきました。そこに気づいたことが私の成長展をしたことにおいて学んだことです。

 

成長展の資料のなかで藤森先生は

「子どもの成長は目標ではなく、課題ではなく、喜びであるような保育を展開する必要があります。また、他の子との比較をするのではなく、その子の成長を喜ぶことが必要です。」

「保育、育児の楽しさは、子どもたちの成長する過程を知識として知ることではなく、その過程を見ることができること、そして、それに関わることが出来る喜びです。」

と書かれています。

 

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IMG_4480 成長展の展示

(投稿者 邨橋智樹)

成長展(学童)

先週末の土曜日に新宿せいが保育園にて成長展が行われました。

学童でも1つブースを設けさせていただき、1年間を通しての子どもたちの姿、成長を主に写真とコメントを用いて展示させていただきました。

その学童ブースの中の展示で核となったものをご紹介させていただきます。

今年度の学童の子どもたちの姿や活動の中で最も濃いものを選びました。

それは、この生臥竜塾ブログに何度かに分けて投稿させていただいた「話し合い」です。

子どもたちは日々の生活の中で、月案会議の最中に「やってみたい」「やりたい」というヒラメキを私たち職員に、そして他の子たちに主張してくれました。

では、その「やってみたい」「やりたい」を実現させるにはどうしたら良いかと振ると、話し合いを行います。

今年度の子どもたちはこの話し合いの姿がとても多く見られました。

その姿を四季に沿って色別に分けて展示したものがこちらです。

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ヒラメキの発展

 各色の付箋は、子どもたちにこの話し合いで思ったこと、感じたことを書いてもらい、学年を色別に分けました。

青:1年生 黄緑:2年生 オレンジ:3年生 ピンク:職員の意図する思いとなっております。

そしてその話し合いが発展し、活動となった展示がそのすぐ右にありました。それがこちらです。

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活動~振り返り

 

そしてその活動を子どもたちと一緒に振り返り、次のヒラメキの誕生に発展したりして次の活動に活かしていきます。

この一連の流れは、職員から子どもたちにおろしていったのではなく、子どもたちの自発的な取り組みです。

これを1年間通して経験してきた子どもたちが単純にすごいなと思ったということと、この経験が今後の子どもたちにとって大きな財産になったと確信できる思いです。

「やってみたい」「やりたい」というヒラメキを実現するために話し合い、活動に移し、振り返りを行って、次に活かす。

それがわかりやすい活動例があります。

それは「先生をやっつけろ」という活動で、先生1人対子ども複数人で行う、マットの上で先生を倒すというイベントです。

そのイベントを行うためにはという話し合いで、先生の誰を呼ぶかを決め、アポをとりにいきます。

そしてイベントを行い、その後に振り返りを行います。

倒せた先生は良しとして、倒せなかった先生に対してはなぜ倒せなかったのかをみんなで考え、作戦を練って次に活かします。

このイベントは昨年度もあり、私も呼ばれたことがありますが小学校低学年の子たちと言えどとても手強く、ハードでした。

この「先生をやっつけろ」は今年度も2回行っていて、1回目は何とか耐えることができたのですが、2回目には倒されてしまいました。

それは振り返りを行った際に新たな作戦として、「足を抑えれば倒しやすい」と1人の子が提案したことによって生まれたことが1番の要因です。

その発案者の子に聞いてみたところ、活動中に考えながら行っていたら思い付いたと言っていました。

もし、振り返りの機会がなかったら、その子は自分の中に留めておいたままだったかもしれません。

ここからも振り返りの大切さを改めて知ることができます。

しかし!

その案を持ってしても勝てない相手がいます。

それは、強く子どもたちの憧れである通称「長男」であり、我らが臥竜塾の塾頭の山下先生です。

そんな山下先生にどうしても勝ちたくて、毎度挑戦するものの勝てていません。

そんな学童の子どもたちの学童での生活も残り1ヶ月を切りました。

現在子どもたちは、「もう1度先生をやっつけろをやりたい」「長男を倒したい」と息巻いています。

今後山下先生のご予定を聞き、最後の「先生をやっつけろ」が催されることでしょう。

(投稿者 若林)

東京の野菜

今年度の新宿せいが保育園の食は「和食」をテーマとして誕生会では、その月の旬となる野菜をベースに考え作ってきました。また、和食とは日本の伝統料理ということから有名な京野菜や加賀野菜といったように、東京にも伝統的な野菜が存在していたことからそれらの野菜も誕生会とは別に紹介をしてきました。

東京周辺で伝統的に作られていた野菜を今では「江戸野菜」や「江戸東京野菜」という名前で作られています。その昔は多くの種類が作られていましたが、農地の転用等で無くなってしまった品種も数多くあるそうです。現在作られているものの中で有名なのは、練馬大根や谷中生姜等ありますが、昨年度に江戸野菜を出していくという事で、ブラヘイジで練馬区の石神井公園の中にある「ふるさと文化館」というところへ行きました。

 

そこでは、練馬大根に関する様々な資料があり中でも驚いたのが、たくあん作りの工程でした。大人が20~30人くらい入れそうな大きな樽が展示してあり、その中に干した大根を敷き詰めて作っていたそうです。そして昔の人たちは、出来たたくあんを江戸で売るために、新宿せいがの近くを通っている目白通りを使っていたというつながりもありました。

 

話しが少しズレてしまいましたが、今年度保育園で紹介してきた江戸野菜は、4月「東京独うど」5月「芯取菜」6月「三河島枝豆」7月「寺島なす」8月「内藤かぼちゃ」9月「早稲田みょうが」10月「馬込三寸人参」11月「三河島菜」12月「山下白菜」1月「金町小かぶ」2月「伝統小松菜」を各月ごとに、素材の味がわかりやすいように調理をして3、4、5歳の子たちを中心に試食をしてもらいました。とても美味しく食感の良いものや、想像とは違う味がするものなど様々でした。

 

自分たちの住んでいる地域や、地産地消という意味も含め、生産量が少なくあまり市場に出ないこともあり、初めて知った食材が多かったので私自身とても勉強になったテーマになりました。

今年度も残すところもうすぐあと一月となり、来月はどんな江戸野菜と出会えるのか楽しみです。(投稿者 柿崎)

ふるさと文化館にて当時のたくあん作りの展示

ふるさと文化館にて当時のたくあん作りの展示

たくあんを漬け込むための大きな樽

たくあんを漬け込むための大きな樽

 

大人も模倣

来月私の働く園で、成長展をしようと思っています。そのために、今、自園での話合いがいよいよ始まり、成長展に向けての取り組みが進み始めました。今回は幼稚園での初めての取り組みということもありますし、こういった「発達」といったものを焦点にクローズアップするという取り組みも今までなかったので、みな四苦八苦しながらも、なんとか実現させようと頑張ってくれています。ただ、全員のイメージがわかないので、今回の場合は、自分が新宿せいが保育園にいた頃の写真や今までせいがで実践していたことを基に、一度すべてを「模倣」してみようということにしました。

 

そこで、ここ最近の自分の中での考え方の変化について、きょうは書いていこうと思います。というのも、自分はあまり人の真似をするということが好きではなかったです。というのも、どこかで変な負けず嫌いがあって、真似をすることがどこかで「情けない」というか、それで良いのかと思う自分がいました。今思えば、変なプライドですね。

 

しかし、特に大阪に帰ってきてからはそこがどこか吹っ切れた気がします。というのも、「模倣」ということにたいして、藤森先生に言われたことがありました。ある例を出して、言われたのが「ある人がゴルフを始めました。Aさんは始めるに当たってタイガーウッズの教則本を読みました。Bさんはそんなのより我流で自分にあったフォームを見つけるといって始めました。では、どちらのほうが上達したと思う?正解は当然Aさんだね。まずはしっかりと基礎を身につけるためにモデルを真似ることはとても大切なことだよ。そして、その基本があるからより先に発展できるんだよ。」と言われました。なんとも今までの自分の虚勢が馬鹿のように思えました。そして、その発展へのプロセスは子どもと同じことですね。

 

この言葉もあり、しっかりとまず「模倣」をしていくことが大切だということを改めて感じ、新宿せいが保育園の協力してもらい、成長展を「そのまま」やってみることにしました。「良いものはいい」当然のことですが、それがなかなか認められない自分を見て、恥ずかしくなるばかりです。つい分かった気になって、独自でなにかしようとするときっと主軸から外れてしまうことに繋がったのではないかと今は思います。また、我流でするために考えることをするよりも、模倣をするにあたって「なぜ?この方法なのだろうか?」と考える方がとても学びがありました。そして、活動をするために説明していくことがあるので、そこでまた二度目の学びがありました。これほどまでに「模倣」というものには学びがたくさん隠れているということが実体験をもとにとても実感しました。

 

子どもたちの中にある「模倣からの学び」の瞬間も、きっと似たようなことなのだと思います。ただ、大人と違い、子どもたちはもっと模倣することに純粋で、すぐに取り入れようとします。その姿勢は生きていく中での基礎をその瞬間に作っていく過程だからこそ、純粋にそして、積極的に真似ることをしていくのだとおもいます。大人になるとそこに利害やプライドなどが入り邪魔をするのかもしれません。自分の実体験と子どもたちの真似ることの純粋さを比べると、この小さい時期だからこそ、「真似る」ということが幼少期にいかに大切なのかを改めて感じました。

(投稿者 邨橋智樹)

節分のあれこれ

先週の2月3日は節分でしたね。皆さんの保育園やご自宅では「豆まき」をしましたか?

もちろん新宿せいがでも毎年その行事は行われています。
ところで、なぜ節分に豆をまくのだろうと思ったことはありませんか?そして、そもそも「節分」とは何かご存知でしょうか?私自身も以前に調べたことがあったので今回は「節分」ついて紹介したいと思います!
「節分」とは本来、「季節を分ける」つまり季節が移り変わる節日を指し、立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前日に、1年に4回あったものだったそうです。ところが、日本では立春は1年のはじまりとして、特に大切と考えられていたため、次第に節分といえば春の節分のみを指すようになっていったようです。
立春を1年のはじまりである新年と考えれば、節分は大晦日(おおみそか)にあたります。平安時代の宮中では、大晦日に陰陽師らによって旧年の厄や災難を祓い清める「追儺(ついな)」の行事が行われていたそうです。室町時代以降は豆をまいて悪鬼を追い出す行事へと発展し、民間にも定着していき現在に至ったそうです。
「豆まき」とは、一年の災いを払うための厄落としとして「豆まき」が行事として行われています。つまり、豆とは「魔滅(まめ)」という意味でまかれていたそうです。
そして、豆まきはその年の歳男、又は一家の主人が「福は内、鬼は外」と言いながら煎った大豆をまき、みんな自分の年の数だけ豆を食べるとこれから1年病気にならないと言われています。しかし、場所によっては「鬼は外」と言わないことがあるそうです。
・川崎市の千蔵寺では本尊が厄神鬼王(やくじんきおう)という鬼面の神様なので「鬼は内」と鬼を暗くした堂内に呼び込み、住職が鬼たちに説教をして、悪い鬼は改心させ社会復帰させるという言われがあるそうです。 ・埼玉県の武蔵嵐山の鬼鎮神社(きじんじんじゃ)でも平安末期に畠山重忠の館・菅谷館の鬼門を守るために作られた神社で、鬼が御祭神であるため鬼が邪気から人々を守ってくれるということになっており、江戸時代ころから鬼が豆をまいて厄払いをするようになったそうです。口上は「鬼は内、福も内、悪魔外」と言うそうです。 地方や、鬼との関係で必ずしも「福は内・鬼は外」ではないところもあるみたいです。
 
さて家庭で豆まきをする時は誰が鬼役をしてますか?
だいたいは父親が鬼役をして子どもが豆をまくと思いますが、実は父親は鬼役をしてはいけないそうです。
これは塾長の講演でもよく出る話しですが、テレビでこんな実験をしていました。
豆まきをする前に子ども達に世界で一番強いのは誰か?という質問をすると、だいたいの子どもは
「ウルトラマン」「仮面ライダー」と答えるそうです。
そして、いざ節分が始まり目の前に鬼が現れたとき、子どもはどういう行動をするかと言うと、
逃げて父親、母親にしがみつくと思います。実際に保育園でも先生にしがみついている子どもがたくさんいました(笑)
その時に父親が鬼に向かって豆を撒いて鬼を退治したあとに、
もう一度子どもに「世界で一番強いのは??」と同じ質問をすると・・・。
ほとんど子どもが「お父さん」と答える結果になったのです。
確かに子ども達はテレビの影響で戦隊ものやウルトラマン、仮面ライダーなどが一番強いと思っていても、
いざ自分に危機に迫った時に目の前で助けてくれる存在を実際に見ることで考えが急に変わります。
そんな実験を踏まえた上で鬼役は父親がやってはいけないのです。
 
新宿せいが保育園でも鬼が来て、先ほども書きましたが先生にしがみついて泣いている子どもがたくさんいました。
ただ鬼役はもちろん外部の人に頼んでいます。子ども達も「○○先生でしょ?」と疑っているので、
毎年、近くのGT園の園長先生にお願いをし、その保育園の男性保育士にお願いしています。
ですので、保育園の男性職員は鬼をやらないようにしています。
ちなみにクリスマスのサンクロースも同様で、外部の人に頼んでいます。
 
さて、リアル豆まきの話しに戻りましょう。
子ども達が鬼の登場で部屋中が泣き叫び、豆が部屋中に散らかってカオスな状態・・・
そんな時に保育園で一番強い人と言えば・・・そうです「園長先生」です!!
塾長がお部屋に登場し、鬼に豆をぶつけて鬼を退治したのです!!
すると子ども達からでた言葉は
「園長先生!すげぇ!」
「園長先生、カッコいい!」
「園長先生が保育園で一番強いんだっ!!」
とほとんどの子どもが口を揃えて言っていました・・・。
 
よく「子ども達が戦いごっこをしてしまう・・・」という質問を多く受けます。
それに対して塾長が言うには
「一日の大半を保育園で過ごしているのに30分のテレビに影響されてしまうのは、
もっと保育園で遊びを提案しないからではないですか?
子どもは細い棒を作るという発達があります。それを釣竿にしたり、魔法の杖にしたり戦いごっこではない遊びにつなげる言葉がけや提案をしたらいいのでは」
確かにそうですね。そういう意味で節分は子ども達の頭の中の「強い人」というイメージを変えるには、
とてもいい機会かもしれません。
節分は行事なので、毎年行事食を作っています。何年も続けて同じメニューになっていますが、子どもたちも毎年良く食べてくれていますし、秘かに味も年々向上していっています!笑
あと節分を見ていて思ったことは、この日だけは職員のミラーニューロンは萎縮しているのかもしれません。
子どもをわざと鬼に近づけ、怖がらせ、泣かせています・・・。
これは・・・どう捉えたらいいのでしょうか(笑) (投稿者 柿崎)
鬼ライス、スープ、大根と白菜のゆかり和え、大豆の揚げ煮、オレンジ

鬼ライス、スープ、大根と白菜のゆかり和え、大豆の揚げ煮、オレンジ

餅つき

先日新宿せいが保育園で餅つき会が行われました。

今回の餅つき会も例年同様に保護者の方々から多くのご参加のお声をいただき、天候にも恵まれ、とても良き会となりました。

基本的な役割分担は、お父様方にはつき手を、お母様方にはトッピング作りや豚汁作りを一任させていただきました。

中でもお父様方の参加の声を多くいただき、つき手に困ることなくとても頼もしい限りでした。

見学をしている子どもたちからも「パパかっこいい~」など黄色い声援が飛び交っていました。

子どもたちは、0・1歳児クラスは大人がついている様子を見学し、2~5歳児クラスは大人のついている様子を見学した後に職員と一緒につきます。

やはりここでの醍醐味は、大人のついている様子を見た後に真似て行うことができることだと思いました。

現代は、家庭での餅つきが年々減少傾向にあるそうです。

その背景にはもちつき機などの登場により、つく手間が省け、便利になったことが考えられますが、もちつきは日本の伝統文化です。

これらからも餅つきを保育園で行う意義があると思っています。

塾長の2005年12月20日「餅つき」というタイトルのブログにも餅つきは「地域の文化を伝承する」という行事の目的があると書かれてあります。

この目的は今回の餅つき会でも同様に強く感じることができました。

お父様方が餅をついている様子を見学することはもちろんですが、お母様方のトッピング作りや豚汁作りも同じく見学することができるのです。

自分のお母さんとお友達のお母さんがチームとして連携している姿に子どもたちは食い入るように見ている姿もありました。

餅つき行事の後日、私は今年度学童職員ですが、シフト上3・4・5歳児クラスの夕方保育にはいりました。

その際に製作ゾーンで子どもたちがお絵描きをしていて、その絵にはお父さんやお母さんが餅をついている姿などが描かれていました。

このような体験をした子どもたちは大きくなり、子どもができ、子どもを預けている保育園で餅つきのような行事があった際には積極的に参加し、子どもたちの良き手本となってくれることでしょう。

これからも「地域の文化を伝承する」という目的の基、このような行事を大切にしていきたいと思いました。

ただ、このように良き会となったものの、1点だけ悔いているのは祖父母世代の参加が疎かったことです。

塾長の言う「地域の文化を伝承する」ことには欠かすことができない存在であり、大人から子どもへという伝承ルートの他に、祖父母世代から親世代への伝承もこの行事の醍醐味であると思うのです。

核家族化が進行している現代では難しいことかもしれませんが、三世代が交流できる貴重な機会を活かしていくためにも、事前にお声掛けをさせていただき、より多くの祖父母の方々に参加していただき、この餅つき会をより良い行事にしていけたらと思った今回の餅つき会でした。

そして私たち職員もこの伝承対象として、餅つき会という行事を通して多くのことを学んでいけたらと思いました。

(投稿者 若林)

仕事・職場・遊び心

私の保育園では12月の終わりに生活発表会があります。今年から実際に保育が変わり、その一年目の発表会です。そして、今年から新宿せいが保育園の発表会を参考にして、できるだけ子どもたちの発達に近いことをしていきたいと思っています。

 

その中で、いかに先生たちにその趣旨を伝えていくか、考えていくかを伝えることはとても難しいことです。以前からの保育の様式があればあるほど、その趣旨からずれることもしばしばあります。そのズレをどう考えるか、伝えるかは毎回悩むことがあります。

 

あまり、積極的に言い過ぎると、周りの先生方は考えるのをやめて、言われるがままやってしまうことなります。その反面、言わないでいるとドンドン理念や目的からずれてきます。そんな中、新宿せいが保育園の発表会を見に行くことになり、その中で一つのキーワードを見つけることになりました。それが先日柿崎先生のアップした内容「先輩のフォロー力」でした。そして、その事柄はいわゆる「保育園の文化」であり、「雰囲気」に繋がっているように思います。藤森園長先生始め、ベテランの先生方の雰囲気が保育園の文化そのものに影響があるということが行事を見ている中で見えてきました。そして、それらはその園の文化の中で育つ新人職員やそのほかの職員に伝染していきます。チーム力が高まると、それぞれの立ち回り、役割を自分の中で解釈し動き始めます。チームワークを作る中でどういった役割を担い、チームがいかに円滑かつ、効率よく動くことができるかをそれぞれの先生方が考えている姿から見て学ぶことは多くありました。

 

実際、自園に帰り、園内で発表会のビデオを見て、あるベテランの先生と話す機会がありました。その先生の感想は「みんなが楽しそうにやっている姿が印象的ですね。そして、普段の保育がどうやっているかがとてもよく分かる」と言っていました。最近、よく思うのですが、「行事の為に保育をするのではなく、保育を進めていく上で行事がある」ということを思うことがあります。新宿せいが保育園の発表会の始めに藤森先生は散歩でそのことを例えていました。そこでは「散歩も目的地にいくことが大切なのではなく、散歩に行く過程が大切です。だから、行事でも行事ではなく、普段の保育が大事です」ということをおっしゃられていました。それを踏まえ自園の予行を見ているとたくさんのことが見えてきます。いくら発表会の為にとはいえ、私たちの仕事は「保育」であり、「保育の業務」をこなすことが仕事ではない。ということを最近は常々思うことが多いです。

 

そのベテランの先生はこうも言っていました。「私たちはまじめに取り組み過ぎて、楽しむことを忘れていたかもしれないですね。新宿せいが保育園のように遊び心は必要ですね。」とも言っていました。まじめに取り組むことはとても大切なことです。しかし、仏頂面ではやはり子どもたちは楽しむことができません。先生も一緒になって楽しむことももっと追求してもいいのではないでしょうか。それは結果として、子どもたちも楽しく取り組むだけでなく、自然な形でいろんなことを学んでいきます。この言葉が自園の先生が言い始めたことに何とも言えないうれしさを感じながら、思えば新宿せいが保育園でもこの「遊び心」というものはとても大切にしているのを思い出しました。しかも、それが行事の中で見えていることにその奥深さや大切さ、普段の保育から遊び心をもって取り組んでいるからこそ、行事でにじみ出ているということも分かります。

 

そう考えると「遊び心」というのは「保育士の専門性」の一つなのかもしれません。

それぞれの先生の持てる能力を出せる環境や「遊び心」が出せる保育園環境を目指していくことは大切ですね。

(投稿者 邨橋智樹)

ダンス

10月になり、運動会を控えて、少し忙しくなる時期だと思います。

私がお手伝いをしていた保育園でも、ちょうど昨日、運動会がありました。

当日を迎えるまでは、準備やハプニングなど色々ありましたが、やはり本番で子どもたちの頑張る姿や、子ども同士や保護者や職員など笑顔や応援する姿を見ると、みんなで1つのことをやり遂げた感があり、本当にうれしい気持ちになります。

運動会というと準備体操や整理体操がつきものですね。

運動会がまだの園は、夏のプールでやっていた体操や、日常の中でやってきたダンスなどを、楽しみながら振り返っている頃ではないかと思います。

ダンスといえば、少し前に小中学校で「リズムダンス」が必須科目となるということで話題になりました。小学校で取り上げられるというは、保育園にとっても関わりが深いものになると思います。

学童に通っている卒園児に、どんな感じか聞いてみたのですが、小学校ではもともとフォークダンスやよさこいなど取り入れていたのでそれほど、変化は感じないそうです。

ダンスを取り入れた目的は何なのでしょうか。

ダンスには以下の能力が必要といわれています。

  1. 動きをほかの人と合わせることによる周りをよく観察しないといけない能力。
  2. 音に合わせて動く、止まる(なので、幼少期のリトミックが推奨される)自分の体のコントロールを自分が思っている通りに行える能力

 

我が子もダンスが大好きで、毎日いろんなダンスを踊っているのですが、個人的には、一緒に楽しむという所がブームで、うまく踊れなくともお互いに笑ったり、頑張っているところを見るだけで大きな効果がある気がします。

 

色んな事を経験し、また楽しむことを子どもたちにしっかりと伝えていきたいと思います。

 

(報告者 西田泰幸)

マネジメント

土曜日に夕涼み会がありました。
今年のテーマは去年に引き続き「季節」がテーマでしたので、
そのテーマに沿って企画をしました。

今年も去年同様、フロアごとに季節を感じられるように装飾をしました。
1階は夏、中2階は秋、2階は冬、3階は春です。

今回の私の持ち場は調理とプラネタリウムでした。
調理といってもヘルプ要員ですので、
調理場が大変だったら、ヘルプに入るといった感じなので、
メインはプラネタリウムです。

プラネタリウムは春のブースで行うので、
春の星座をメインに解説させていただきました。
塾長が星座にとても詳しいので、
春の星座は何を話せばいいですかね??と聞くと
おおぐま座の話しはどうかな?ということで、
当日は、おおぐま座のギリシャ神話をペープサートを使って解説をしたあとに、
天井に星空を投影して、おおぐま座を解説する・・・といった流れです。

ただギリシャ神話に詳しい人は知っているかと思いますが、
昼ドラのように話の内容がゼウスの浮気や、奥さんのへーラーの嫉妬心が強すぎるなど、子ども向けではないので、子どもでも分かりやすいような内容にアレンジしました。

さて毎年、行事の準備をしているわけですが、
職員、全員が楽しそうにプログラム、細かい作り物、装飾などに取り組んでいる姿が見られます。
見学者の質問で多いのが行事の質問で、準備はどういうふうにしているのか?です。
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おそらく私たちがやっている事はどこの保育園とそこまで変わらないと思うのですが、
この違いは何なのか?と随分長い間考えてきましたが、
今年になって少し自分なりに分かったような気がします。
それは後輩が教えてくれました。
夕涼み会が終わり、片付けも終わると職員室に全員が集まり、軽い反省会を行います。
その反省会での恒例は、新人一人ひとりに感想を言ってもらうことです。
前にも言いましたが、今年の新人で初めて私に後輩ができました。
その彼が言ったのは
「遠足ではそこまで自分の役割がなく、具体的に行事の準備に参加できませんでしたが、今回は初めて、自分に役割を与えてもらって、とても嬉しかった」
と言いました。
また違う新人は
「自分たちのアイディアを100%叶えてくれて、決して『無理』という事は先輩が言わない」
の二つを聞いて、気づきました。
8年前に新宿せいが保育園に就職し、行事の準備をしている時に、
自分のアイディアを今まで『無理』と言われた事がなく、
まず「いいね!」と言ってくれた先輩方がいました。
それが嬉しくて、行事の準備が大変でも楽しくできたのかもしれません。
また、こんな言葉があります。
「人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。(中略)
 組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある」
「人は最大の資産である」
この二つの言葉はドラッガーの言葉です。
数年前に大ヒットした「もしドラ」を読んだ時に文中に書いてあったドラッガーの言葉です。
当時はまだまだ人をマネジメントするという立場ではなかったので、
あまりピンときませんでしたが、後輩の言葉を聞いて思い出しました。
人の強みを発揮させる・・・。
私がそれを出来ているのかどうか分かりませんが、
仕事にやりがいを持っているようなので、ひとまず安心しました。
おそらく行事に負担を抱えている園は、ベテランが主導となっているように感じます。
確かに新人職員はベテランに比べて経験も技量がないのは当たり前ですが、
何も出来ないと決めつけ、何もさせないのは・・・なんか変ですね。
またドラッガーの言葉で
「働きがいを与えるには、仕事そのものに責任をもたせなければならない」
新人だから何もさせない、不器用だから何もさせない。
そうではなく、新人が働きがい、「やる気」が出るような環境を先輩が用意する必要があると思います。
そうするには、先に書いた「人の強みを発揮させる」ことです。
ただドラッガーが言ったこれらの言葉は、本を読む前に実際に自分で体験していたのです。
と言うのも塾長がそもそも、人の強みを発揮させる事に長けているからです。
そして適材適所、それぞれが発揮でできるような仕事を与えてくれます。
そんな姿を先輩方は間近で見てきたので、自然と後輩にも同じような関わり方ができるのかもしれません。
異年齢保育は伝承が大きな強みですが、
職場の人間関係も良くも悪くも伝承が鍵を握っていると思いました。(投稿者 山下)