そんなブロックゾーンでは子どもたちが思い思いのものを作り、楽しんでいます。
「動物園作った」「だれだれちゃんのおうちだよ!」「スカイツリー!」など様々です。
時に先生が一緒に入ってやることで遊びを発展させていくこともありますが、今では子どもたちの
アイディアだけでも素晴らしい作品が次々と出来上がっていきます。
そこには発達ごとに違う作品になっていき発達過程のようなものが見えてくることもありとても面白いです。
ここで異年齢保育の良さも生まれます。
それはほとんどのクラスの子が共同で作る時です。そんなときは上の子が丁寧に教える、
下の子は上手な作り方を見て学ぶということです。また大勢で作ることで大作が生まれます。
当たり前のことではありますがお互いに大きな刺激を与え合っているように感じます。
そして、ここからがポイントになってきます。異年齢で作られた大作をどう残し、次に繋げていくかです。
大作を作ってはい、終わりというのではなく伝承していく必要があると思っています。
異年齢で作られた物以外にも仲の良いお友だちで作られた大作も同じです。
どう伝承していくかというと、私たちはその大作を写真に撮り、ブロックゾーンの棚に貼っています。
今年は4月5月6月とその月ごとに大作ができたときの写真を撮り貼っています。子どもたちがいつでも
見られる場所に貼り、その作品達をお見本に
「これを作ってみよう!!」と張り切って作る姿も見られます。
その写真の刺激は大きく、先月こんな物を作ったのなら、今月はもっとすごい物を作ろうという意欲が
湧いてきます。子どもたちが自ら環境に働きかける姿を見られました。
こういった環境のおかげでどんどんとブロックゾーンの作品が生まれていっています。
今ではクーゲルバーンといってビー玉を転がして作る積み木が流行っていて複雑なビー玉の落ち方を作り出しています。積み木を立体に捉えているので空間認知力も自然とついてきているのではないかと感じます。
そんなクーゲルバーンの作品も写真を貼ることでどんどん発展していっています。
最初のお見本写真からどんどん発展を遂げて行くブロックゾーンは毎日子どもたちの作品であふれています。
(報告者 本多悠里)
「異年齢で作られた大作をどう残し、次に繋げていくかです」ということをしっかり考えて行動するという大人のアプローチの仕方は本当に大切ですね。そんな姿勢から私も刺激とやる気を頂けます!子どものが自ら環境に働きかけたくなるように大人がどう工夫をするかということが大切ですね。そんな工夫が「こうしてみたらいいかも」、「こういうのはどうかな」と、どんどんアイデアが生まれてくる大人の職場の関係も大切ですね。やってみないと分からないことはたくさんありますよね。
本当に素晴らしい取り組みだと思います。金曜日に片付けると月曜日にまた作品の続きをやりたい子の気持ちはどうなるのだろうと、思ったことがあったのですが、子ども達はむしろ金曜日には片付けるからとそこをある程度の目安にしてブロックゾーンを楽しんでいるようでした。これこそまさに〝見通し〟ではないかと思います。
ある金曜日の夕方、きれいに片付いたブロックゾーンで遅番の先生が皆に絵本を読んであげていました。いつもと違う場所で読む絵本はなんだか格別なようで、片付けることでそんな気持ちも子ども達は味わっているようです。