懐石料理1

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現在、新宿せいが保育園での年間テーマとして「季節を感じよう」という事で、年間の様々な行事で「季節」を大切にしています。その中で、誕生会の食事でも「季節」を感じられるように「旬の野菜」を毎月取り入れるようにしています。

 

先日、出張先のホテルに隣接した茶室が国宝指定されていました。そこを塾長と見学をした際に受付の横に「やさしい懐石料理」という本が売られていました。私は、調理師の学校を出て先ずホテルのコックとなり、自分の料理の基本がずっと「西洋料理」だったので少しだけ「日本料理」というものに苦手意識を抱いていました。今の保育園のテーマも季節なので、いつまでも苦手意識のままではいられないということもあり、「懐石」の本ですが勉強中です。

私もちゃんと違いが分かったのは最近なのですが、「懐石」と「会席」の違いをご存知ですか?簡単に言うと、「懐石」は最後にお茶を美味しく飲むための料理、「会席」は酒を楽しむための料理という事だそうです。それを踏まえて「懐石料理」の特徴を説明できたらと思います。

 

「懐石料理はフルコースではありますが、量は腹八分目になるよう、一つずつの料理が特に目立たないように、しかもリズミカルな味の起伏がなければならないのです。品格を保ちながら強い味と香りは避けつつ、しかも栄養を外れないように季節と茶会の目的に合ったものを調理することが大切です。器は料理との調和を考えて選び、さらっと、器の余白が生きるように盛り付けていきます。また、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく出せるような間のとり方を心得ておかなければなりません。これらの季と器と機のいわゆる

三(・)キ(・)を中心に献立を考え、客のために走り回って材料を調理してもてなすこと(御馳走、御奔走)を料理の真髄とします。これが茶の心でもあります」とありました。上記で「懐石料理は最後にお茶を美味しく飲むための料理」と書きましたが、最後のお茶を飲む頃にはとても心地よい幸福を感じる料理ということでした。また、「すみずみまで行き届いた温かいもてなしの数々が、瞬時に口福、眼福をもたらしてくれるのです。この後で頂く濃茶ほど美味しく感じられるものはありません」ともありました。それは全て、料理を出す側の亭主から客への「もてなしの心」と、客から亭主への「感謝の念」が通った瞬間なのだと思います。

そんな料理人に憧れつつ、この本を読み進めたいと思います。(投稿者 柿崎)

懐石料理1」への1件のフィードバック

  1.  「懐石」と「会席」の違いを初めて知り、大変勉強になりました。確かに会席という字をみると〝宴会〟のようなニュアンスを感じていました。このような明白な違いがあったのですね。勉強になりました。
     今日のお昼は家族で外食をしてきました。自分のメニューに加えて家族の残した分まで平らげお腹いっぱいになっている今、〝腹八分目〟になるという工夫はそれだけでおもてなしであるように感じてしまいます。食べ物がとても豊かにあるお陰で、食べない方が健康的というようなことも頭の片隅におかなくてはというような毎日です。お腹いっぱいで苦しくなって「もう入らない」「こんなに食べなきゃよかった、、、」と思う食後というのは、食べ物にも、料理にも、その料理を作ってくれた人にも失礼なことです。口福、眼福を味わった後に頂く濃茶を美味しく味わえるように、食べる側も気持ちを整えて食事に臨む必要があるように思いました。

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