先日園に、おもちゃ業者さんがいらした時に、面白いおもちゃを教えてもらったので紹介したいと思います。
それはこれです。
柿にも見えるこのおもちゃ。なんとなくの形と紐があるところから、独楽だろうなということがわかると思いますが、、、肝心の紐をかけるところがありません。
「独楽であってるんだけど、回し方わかる?」といわれ、何とかやってみたのですが、私は教えてもらわないと回せませんでした。
「つり独楽」という独楽らしいのですが、別名は「いじわる独楽」というそうです。
なぜいじわる独楽というかというと、何も知らないと回せない人が多く、それを見て喜ぶからだそうです。とまあ、まさに別名の通りおじさんを楽しませてしまいました。
回し方は
紐を半分に折り、折った紐を独楽の上のでっぱりにかけ、初めは手で独楽を回し、その後はぶんぶんゴマの様に紐のねじれを利用して回そうです。
実際にやってみると、やり方を知ってしまえば、とても簡単でよくある紐独楽よりも簡単で楽しく思えました。
なぜこんな簡単で楽しいものが、もっと出回っていないのかと尋ねたところ、こう教えてくれました。
この独楽は江戸独楽の一つで、作るのにとても技術が必要で、それを作る職人さんもとても少なくなってきているということでした。今回の独楽もなかなか手に入らず、職人さんのお弟子さんに無理を言って作ってもらったということでした。
調べてみたところ、独楽の歴史は古くその発祥は諸説ありますが、現存して残っているの最古独楽はエジプトで発掘された紀元前2000年から紀元前1400年頃の独楽といわれています。日本においては平安遷都の頃の7世紀の頃といわれているそうです。
今回の江戸独楽の由来は。
独楽はもともと貴族階級の楽しみであったのですが、江戸時代に入り、大衆向けになり、独楽を扇子に乗せたり、綱渡りをさせるといった、様々な曲芸を披露する寄席演芸が流行ったそうです。その頃に様々な技術や形の独楽が作られ、「江戸独楽」となったようです。
しかし、その後、徐々に衰退して、伝統的技術を伝承してきた職人たちも今では数えるくらいにしか残っていないということです。
古き良きものがなくなってしまうのはとても悲しく、また今あるものよりも楽しめそうな魅力を秘めているものもたくさんあると思います。
その中でも1つのこの「つり独楽」。こういったものを子どもたちに体験させてあげ、古き時代の伝統や技術を守っていくのも私たちの役目なのかなと感じました。
まだ、実際に子ども達には遊ばせてあげていないので、遊ばせてあげる日を楽しみに、、、やり方を教えずに、にやにやしたいと思います(笑)
(報告者 西田泰幸)
最古の独楽がエジプトで発掘されたとありましたが、独楽は日本が発祥だとばかり思っていたので、驚きました。別名、いじわる独楽ですか。なんだかいいですね。人の思惑が感じられていいですね。独楽がどのように作られるのかは分からないのですが、うまく回せた時にとてもバランスの良い、美しい姿を見せてくれるので、そんな姿を生み出すためにはしっかりとした技術が必要になるのかもしれませんね。人の手で、試行錯誤して作られた物を子どもたちにも感じてほしいですね。作り手の方を想像することで、物を大切に使おうということにも繋がっていくのかもしれません。私もまた、身近な物を大切に使える大人になりたいです。
江戸独楽、初めて見ました。とても面白い形をしていますね。一見して回し方は想像できなかったのですが、西田先生の報告のおかげで僕は1回目から回せそうです(笑)
独楽の起源がエジプトにあるということも初めて知り、大変勉強になりました。日本の伝承あそびの中にあるものというイメージが強かったもので、日本古来のものか中国から伝来したものだと思っていました。いつの時代も世界の文化は日本に楽しみをもたらしてくれているのですね。