数年前に塾長からふと『「食育インストラクター」っていう資格があるみたいで面白そうだから、かっきーも取ってみたら』と言われたことがありました。塾長とネットで資料請求をし、どんなものかと調べ始めてみることにしました。
DVDとテキストを見ながら、問題に答えを書いて郵送するという通信教育で、初級だったこともあり割と簡単に解いていき、3回目かの回答を送りその答案が何と100点満点でした!小学生ぶりに取った100点は簡単な問題でしたがとても嬉しかったです!笑
そんなこんなで晴れて食育インストラクターの資格は取れた訳なのですが、そのテキストに書かれていた食に関する教えを紹介していきたいと思います。
先ずは、「社会情勢の変化が食卓を変える」という事です。
日本が先進国の仲間入りをし、経済成長を遂げるのと並行して、家族の在り方が変わってきています。親子3世代で同じ家に住む大家族から徐々に核家族化していき、今ではそれが一般的になっています。そして現在でも少しずつ見られるところはありますがこれからの傾向としては、夫婦と子どもの核家族は少しずつ減っていき、夫婦のみの世帯や高齢者の一人暮らしを含む単独世帯が増加していくと予想されています。
現在の慌ただしいライフスタイルの中では核家族の家庭でも例えば、父親が朝早く出勤し帰宅が遅かったり、子どもが塾通いをしていたり、さらに働く女性も増えているということで、家族そろって食卓につくことが少なくなってきています。親もこどももますます忙しくなっているため家族のなかでも、一人で食事を摂る「孤食」が増えてしまっています。
他にも、同じ食卓にいながら家族がそれぞれ自分好みの違ったメニュー食べる「個食」、好き嫌いが多くていつも同じものばかり食べている「固食」、パンや、パスタなどの粉を使った主食を好んで食べる「粉食」、食事の量が少ない「小食」、味付けの濃い料理を好んで食べる「濃食」、と、6つの「こ食」が今大きな問題となっています。
これら6つの「こ食」はある研究から、少年犯罪を犯してしまった子どもたちの食生活を調査したところ、何かしらの「こ食」が当てはまるっているという結果があるそうです。
この結果から、保育園という大家族の中で色々な子ども達や大人と関わり合いながら食事をするという事は将来的にも大切な事なのだなと実感しました。
引き続きこのテキストから紹介していきたいと思います。(投稿者 柿崎)
懐石料理は一汁三菜が基本とされていています。先ず初めに、亭主自ら運び客に手渡します。客側から見て膳の手前左に飯碗、手前右に汁碗、奥に一菜目の向付(むこうづけ:お造り)が置かれ食べ始めます。徐々に二菜目の煮物椀(にものわん:煮物)が出されます。これは懐石のうちで一番の御馳走で、材料の取り合わせ、季節感、味付けに亭主がもっとも心を込める一品になるそうです。三菜目の引重(ひきじゅう:焼き物と香の物)という一汁三菜に八寸(はっすん:海の幸と山の幸の取り合わせ)、強肴(しいざかな:塩辛などの酒盗類)を加えてフルコースになりましたが、その後の茶事の都合で変化させていくのですが、要は客と亭主の心のつながりをスムーズに運べればいいのです。
客が最後のお茶をもっとも美味しく飲めるように、亭主は品数や量を調整させていきます。
また懐石の中で正客が亭主に「どうぞお持ち出しを」と挨拶する場面があるそうですが、これは亭主も一緒に御相伴しましょうという思いやりの心だそうです。
話しは少しずれますが、先日テレビを見ていた時に「女性の浴衣」についての話をしていました。「女性が着る浴衣はきちんと着るとやはり暑いものなのですが、それを涼しげに着て歩き、浴衣に描かれている絵柄も涼しげなものが多いのは、すべては他人がその姿を見たときに涼しさを感じられるように」と言っていました。
また、日本のモノを作る技術が海外から高く評価されるのも職人が、使う人に対して「使いやすいように」や「壊れにくいものを」といった思いやりがあるからだと思います。日本人の「おもてなし」や「他人を思いやる」という気持ちは本当に素晴らしく感じます。
懐石料理も『利休七則の「冬は温かに、夏は涼しく」を基本に、一つずつの持ち味を大切に楽しみ、季節感を意識することが大切で、自然の教えるままにさからわずに順応し、体で一つずつを体得していくことが大事です。知識だけではおいしさは出ませんし、心の豊かさも出ないのです。』とありました。
人と人とのつながりや感謝の気持ち、他を思いやる心が懐石料理から感じ取れました。(投稿者 柿崎)
現在、新宿せいが保育園での年間テーマとして「季節を感じよう」という事で、年間の様々な行事で「季節」を大切にしています。その中で、誕生会の食事でも「季節」を感じられるように「旬の野菜」を毎月取り入れるようにしています。
先日、出張先のホテルに隣接した茶室が国宝指定されていました。そこを塾長と見学をした際に受付の横に「やさしい懐石料理」という本が売られていました。私は、調理師の学校を出て先ずホテルのコックとなり、自分の料理の基本がずっと「西洋料理」だったので少しだけ「日本料理」というものに苦手意識を抱いていました。今の保育園のテーマも季節なので、いつまでも苦手意識のままではいられないということもあり、「懐石」の本ですが勉強中です。
私もちゃんと違いが分かったのは最近なのですが、「懐石」と「会席」の違いをご存知ですか?簡単に言うと、「懐石」は最後にお茶を美味しく飲むための料理、「会席」は酒を楽しむための料理という事だそうです。それを踏まえて「懐石料理」の特徴を説明できたらと思います。
「懐石料理はフルコースではありますが、量は腹八分目になるよう、一つずつの料理が特に目立たないように、しかもリズミカルな味の起伏がなければならないのです。品格を保ちながら強い味と香りは避けつつ、しかも栄養を外れないように季節と茶会の目的に合ったものを調理することが大切です。器は料理との調和を考えて選び、さらっと、器の余白が生きるように盛り付けていきます。また、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく出せるような間のとり方を心得ておかなければなりません。これらの季と器と機のいわゆる
三(・)キ(・)を中心に献立を考え、客のために走り回って材料を調理してもてなすこと(御馳走、御奔走)を料理の真髄とします。これが茶の心でもあります」とありました。上記で「懐石料理は最後にお茶を美味しく飲むための料理」と書きましたが、最後のお茶を飲む頃にはとても心地よい幸福を感じる料理ということでした。また、「すみずみまで行き届いた温かいもてなしの数々が、瞬時に口福、眼福をもたらしてくれるのです。この後で頂く濃茶ほど美味しく感じられるものはありません」ともありました。それは全て、料理を出す側の亭主から客への「もてなしの心」と、客から亭主への「感謝の念」が通った瞬間なのだと思います。
そんな料理人に憧れつつ、この本を読み進めたいと思います。(投稿者 柿崎)
園では、毎日展示食と同時に献立表を掲示します。
今年は食事のテーマが「和食」なので、献立表をお品書きのようにして毎日展示しています。