「草莽崛起⑥」

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急遽、6を書かせて頂いたのは、後日野見山さんからご指導を受けたのです。

奇兵隊を結成した際のエピソードです。高杉晋作が2度目の奇兵隊を結成した際に、一人一人に声をかけて歩いた…と書きましたが、本当は一回目の奇兵隊を結成した時に高杉晋作が民の人達に声をかけて歩き、そして一人一人の長所を見抜き結成したのが最初の奇兵隊です。 そして2回目が功山寺で一人待っているところに志士たちが集まりました。ドラマでは前原一誠、伊藤利助(後の伊藤博文)が志士たちを集い、晋作のもとに集まっていましたね。

その後、幕府との戦いは坂本龍馬によって薩長同盟が結ばれ、強力な戦力を得た長州は幕府との戦いに勝利に終わり、徳川の時代に終止符を打ち、大政奉還へとすすむのです。

既に高杉晋作は結核を患い、闘病生活を送っていましたが、当時の医療では治すこともできず27歳という若さでこの世を去りました。その時に詠んだ句があります。

 

「おもしろき こともなき世を おもしろく」

 

『面白くないこの世の中を面白くしてやる!』という晋作のらしい強い気持ちがこもった句ですね。

しかし色々と調べてみると・・・

 

「おもしろき こともなき世に おもしろく」

 

というパターンもあるそうです。違いが分かりますか??「を」と「に」の違いです。たった一文字ですが、この一文字によってかなりニュアンスが違ってくるのです。

『面白くないこの世の中をどうしたら面白く生きることができるのだろう・・・』という意味です。当時、豪快と思われていた高杉晋作の意外な一面が句から読み取れますね。そして、この句には下の句があります。それは高杉晋作自身が作ったのではなく、長州から逃げた高杉晋作を福岡でかくまった野村望東尼(のむらぼうとうに)が作ったのです。

 

「すみなすものは 心なりけり」

 

「心の持ち方しだいで、面白くもつまらなくもなるものだ」という意味です。いい下の句ですね。確か大河ドラマでも久坂玄瑞が高杉晋作に「お前の人生がつまらんのは、お前がつまらんからじゃ!」と言った言葉を思い出しました。もしかしたら、その時の言葉が高杉晋作の心境を大きく変えたのかもしれませんね。

野見山さんに聞くと、東行庵に記されているのは「を」の方でしたし、個人的にも「を」を使っているそうです。どちらにしても「面白く生きたぞ」という言葉が最後の言霊だったということになります。野見山さん自身も「今回の人生は愉しかった」と言って死にたいというのがあり、毎日は他愛もなく当たり前のように過ぎていきますが、本来の人生は一期一会、悔いのないように自分らしく生き切っていきたいとおっしゃいました。

高杉晋作が詠んだ辞世の句。どちらが本当なのか私には分かりませんし、正直どちらでも素敵な句だと思います。その後の下の句である、自分の心持ちしだいで、面白くも、つまらなくもなる。という意味が胸に染みます。

よく塾長が講演などの最後に言われる言葉

 

「人生の半分は職場にいるのですから、その職場がつまらなかったら人生の半分がつまらないことです。それならば、楽しく保育をした方が絶対にいいですよ!」

 

この言葉を思い出します。それこそ「心の持ち方次第」ですね。

 

ちょうど大河ドラマも明治時代になり私の大の苦手な時代に差し掛かりました。しかし、今は本当に楽しく学べています。これも「臥竜塾」のお陰ですね・・・。

先週の土曜日に久しぶりの「ブラヘイジ」があり、世田谷にある松陰神社に行かれたそうで、松陰が二度入れられた牢獄跡、終焉の地と辞世の句など、松陰ツアーだったそうです。

ちょうど土曜出勤と所用のために参加が出来ずに、塾長から送られてくる写メールを羨ましながら見ていました。(報告者 山下祐)

「草莽崛起⑥」」への2件のフィードバック

  1. 高杉晋作の辞世の句はいいですね。下の句もまたいいですね。様々な解釈があるかもしれませんが、私もやはりいい意味で自分にとって都合のいい解釈で受け取らせてもらっています。自分の心の持ち方次第でいくらでもおもしろくなるという考え方は実践していきたいです。そうなってしまったことを嘆いていても始まりませんね。変わらないことを嘆くくらいだったらそのことを少しでも楽しめるように考え方を変えるほうがよっぽどいいですね。所ジョージさんの曲にも「幸せは自分次第でどうにもなるさ 思い出して」という詞があります。仕事や人生をおもしろくするもしないも心持ち次第ですね。「人生の半分は職場にいるのですから、その職場がつまらなかったら人生の半分がつまらないことです。それならば、楽しく保育をした方が絶対にいいですよ!」という藤森先生の言葉もぐっときました。楽しい保育を心がけます!

  2. 辞世の句には、心が揺さぶられますね。そのような偉人と文字での出会いによって、自分がどのようにこれから生きていくかという問いが浮かんできます。多くの偉人たちのおかげで、今では面白い世の中になっていると思いますが、時代によって変化する「面白さ」をキャッチして柔軟に変化し、さらに面白い世の中にしていきたいという思いを句にすると…

    「おもしろき ことある世をも おもしろく」

    という感じでしょうか。これから、どんな時代になっていくのかが楽しみになってきました。

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