「信用できない大人の元で育てられると我慢ができない。」
親の支配的な態度での子育て、気分で愛したり愛さなかったりするような親の元で育つ子どもは先が読めないために今を選んでしまう、と藤森先生は仰いました。
例えば会社の社長が信用できない人だとします。その人に、目の前に今月分のお給料を出され、「来月まで待てたら3倍あげるよ」と言われても、信用できないので目の前のお給料を貰って帰ると思います。
信用できない→先が読めない→見通しが持てない→我慢ができない
このサイクルの中に日々晒された子どもに我慢をする力が育まれないのは、当然のことのようにも思えてきます。
また、〝支配的な態度での子育て〟にはこういった弊害があることも、12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2016年10月7日『「自分」と「他人」』の中に紹介されています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)
さらに『臥竜塾』ブログ2016年3月30日『イフ・ゼン』の中には、
とも書かれており、〝子どもたちの選択と、自由意志があるという感覚を後押しすること〟の重要性を改めて感じます。
藤森先生は、三つの方法を示して下さいました。
①家庭で栽培をしてみる
→食育三本柱。〝栽培〟種を植え、その育ちを楽しみにしながら親子で共にそれを待つ。収穫し、〝調理〟をし、そして〝共食〟共に食べる。韓国の保育園へ訪れた際に〝樽柿〟があり、干してあう柿一つ一つに名前が書いてあった。皆で食べるまでに、〝もう少し待っていたら甘くなるよ〟というような言葉がきっとあるだろう。料理で言えば、例えばご飯を炊くということもそうで、〝もう少ししたら炊けるよ〟という、〝楽しみにしながら待つ〟という体験は、子どもの心に自制心を育む。
②気を逸らす術を伝える
→セサミストリートのクッキーモンスター、ウェイティングゲームの話が挙げられていました。(『臥竜塾』ブログ2016年7月4日『クッキーモンスター』、『臥竜塾』ブログ2016年7月5日『自己制御のレッスン』の中で紹介されています。)
〝気を逸らす〟目の前の報酬、欲の対象に捉われないよう、他のことを考えるよう促す。例えば給食時、全員で〝いただきます〟をするまで絵本を読んで待つ、などのことはとても効果的である。このようなことを積み重ねていくことで、最後には自分で我慢する方法、気を逸らす方法を身につけることができる。
③物でつる
→〝我慢できたらこれをあげるよ〟など。
③は実に意外でしたが、最近の研究ではこれも自制心を育む上で有用な手立てなのだそうです。
具体例を通して、実際に取り組める段階にまで落とし込まれた内容で、とても勉強になります。〝「100ページ以上のスライドの中からほんの15ページ」〟の折り返し地点にそろそろ到達できそうです。
(報告者 加藤恭平)