ちょっと変わった職員が考えるリーダー論2 〝笑い声の魔法〟

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その笑い声は一際大きく、その場の雰囲気、景色をがらりと変える。

その笑い声が聞きたくて僕らは子どもの面白い姿を一生懸命探すのです。

藤森先生が毎日欠かさず更新されている、『臥竜塾ブログ』の2013年3月6日『笑い声』の中で、〝明るい雰囲気は、職場における協調体制や公平性や能率を向上させる〟とあり、笑顔や笑い声の重要性について書かれています。その中で、「EQ~こころの知能指数」を書いたダニエル・ゴールマン氏の〝笑い声を聞くと、私たちは自然に笑顔になったり笑い声をあげたりする。そして、それが連鎖反応のようにグループ全体に広がっていく。笑いが伝染しやすいのは、人間の脳に笑顔や笑い声を感知する開回路が特別に組み込まれているからだ。その結果、いい意味での感情のハイジャックが起こる。〟と紹介されています。

その先生はとにかく面白いことを見つけることが速く、それを周囲と共有するかのように、大きな声で笑います。新宿せいが保育園開園の立ち上げだけでなく、その前身となる『せいがの森保育園』の立ち上げからいらっしゃる、いわゆる〝大〟ベテランの先生です。

僕はその先生とチームを組んで幸運にも今年で2年目となります。その先生の寛大さ、笑い声の力に幾度となく助けていただいてきました。

例えばなのですが、

自分の目の前で子どもが転んだ時。子どもが園庭の砂を食べてしまった時。散歩に出るドタバタの中で、ある職員が上履きのまま散歩に出てきてしまった時。おしっこだと思って替えようとしたオムツから大きい方のものが出てきてしまった時。食べないと言ったオヤツをやっぱり食べると子どもが言った時。まだまだあります、日常のちょっとした心穏やかでいられなくなるかもしれない瞬間(笑)忙しかったりすると、尚更のように思います。

ところが、それら全てをその先生は笑ってしまいます。〝笑い飛ばす〟を辞書で引くと「大した問題ではないと笑って取り合わない」と出てきますが、そんな無責任な態度でなく、深い思いやりの中からくる本物の笑いで、笑い〝翔〟ばしてくれるのです。

ブログの中には、〝笑い声は、友好関係を確信させる唯一無二の信号だ。他の感情を表わす信号と違って(笑顔は演技で作れる)、声をあげて笑うことは高度に複雑な神経回路の働きを伴い、演技が難しい。したがって、見せかけの笑顔で人をだますことはできても、無理な笑い声は空虚に響く。〟とも書かれています。その先生の笑い声は、とにかく温かく響き渡ります。

また、ゴールマン氏は、職場における笑い声について、「職場に笑い声があれば、それは従業員たちが頭だけでなく、心も集中している兆候と言える。しかも、職場での笑い声は、陳腐な冗談とは無関係だ。笑い声は、自分たちは波長が合っている、自分たちはうまくやっている、ということを再確認するメッセージだ。それは、信頼、気安さ、世界観の共有を示す。今のところ何もかもうまくいっている、という信号なのだ。」とも言っています。

そう、つまり笑い声は人を動かします。その笑い声についていきたくなるのです。

もし、職場で部下や、後輩がいる方、その人たちが自分の言うことや意見を尊重してくれずに困っていましたら、ぜひ笑ってみてください。効果は絶大です。

デール・カーネギーの名著『人を動かす』の中で、英国の偉大な文学者ドクター・ジョンソンの言葉が紹介されています。〝「神様でさえ、人を裁くには、その人の死後までお待ちになる」。まして、われわれが、それまで待てないはずはない。〟

批判よりも笑顔を。非難よりも笑い声を。魅力的で、一際大きな笑い声をもった人が、僕らのリーダーです。

IMG_1080(報告者 加藤恭平)

ちょっと変わった職員が考えるリーダー論2 〝笑い声の魔法〟」への3件のフィードバック

  1. 「自分たちはうまくやっているということを再確認するメッセージだ」ということを思い浮かべた時に、なるほど!そうかもしれないと思い当たりました。笑顔、笑いというのは共有でもあるのですね。それはおもしろいことを共有するというより、おもしろいと思える物の捉え方をみんなが共有しているから楽しくなる、嬉しくなるという感情もあるのかもしれません。職場での笑いはそんな部分も確かに影響しているのかなと思うことができました。笑い合えるというのはギスギスした職員関係ではまず生まれることはないかもしれませんね。よく作り笑いでも広角をあげることで、体にはいい影響を与えるということを聞きます。職場での作り笑いはちょっと違うかもしれませんが、何かあったときにそれを笑顔や笑いに転換させることで、場が和み、いい環境、雰囲気を作り上げていくきかっけになっていくかもしれませんね。昨日メモした言葉に「疑い深い人に対して、他人は疑い深く接するし、こころ開く人には、こころを開こうとするものだ。こんな単純なことだけれど、わからない人は、それをわかろうとはしない」という言葉がありました。私自身から笑いを生んでいけるそんな存在になりたいなと思います。

  2. その方の笑顔と笑い声は、本当に魅力的ですよね。私の周りにいる職員が困っていると、必ずその先生の名前を出して「◯◯先生に相談してみよう」と言っているのをよく見かけます。他の職員からの人望が厚く、まさに中核を担う存在です。先日、親子遠足が終わり、職員の半分くらいは園に戻ってきて昼食をとったのですが、その時も、ある人をいじって大声で笑ったりなど、実に楽しい時間を提供してくれました。しかし、食事を終え、遠足で使用した備品の片付けになると、誰よりも先に動き、素早く、そして黙々とこなしていました。そういったメリハリが、人望を厚くしている由縁の一つになるのかもと感じています。

  3. コメントありがとうございます!

    もりぐちさんへ
    〝何かあったときにそれを笑顔や笑いに転換させることで、場が和み、いい環境、雰囲気を作り上げていくきかっけになっていく〟とあり、まさにその通りだと思います。今日本は闇夜の中にいるようで、ロウソクのような少しの灯りでもその光に人は安心したり、希望をもったりするということを聞いたことがあります。灯りとは笑顔だと思います。もりぐちさんの笑顔に多くの人が支えられているということを感じます。

    k.takaさんへ
    親子遠足後のその光景、僕も見て、〝ある人〟とはすごい人のことでそんなことを言えるのはその先生しかいないよなぁと思いながら僕も笑ってしまっていました(笑)そしてその後のメリハリ。お弁当を食べる時など、そこにいる職員がコミュニケーションをとりやすいように、配慮してくださったりなど、本当に素晴らしいなと思います。

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