その時、僕の中で一際輝きを放っていたのが、塾頭その人でした。
その会は、夏の妖精(?笑)役ということで、麦わら帽子を被っていました。白いタンクトップに、首には赤いタオルです。
幕間はその年のテーマでもあった〝四季〟を通じて展開され、お客さんである保護者を笑いの渦へと誘って(いざなって)いました。
そして、登場した塾頭は、そこでアントニオ猪木氏の『道』を、お客さんへ向かって述べたのです。
その場にいた人たちなら、どうしても笑ってしまう絶妙なタイミングでの『道』。そして、起きる笑い。
なんと計算されたシナリオなのだろうと、笑いながら深い感動に包まれたことを覚えています。
その日に勇気を出して話かけてみました。すると、「いや、ついさっき携帯見て覚えたんだよ(笑)」と。
「本番直前まで、やるかやらないか迷ってたんだけど(笑)」と。
この人、すごい。すごい人がいる。
その時感じた凄さは、今思うと、塾頭の醸し出す『頼もしさ』であったことを感じます。
行事があれば当たり前のように係を担当します。蛍光灯が切れれば、取り替えます。水槽が汚れれば、きれいにします。
ささいな仕事の積み重ねが、結果膨大な仕事量となるのは、想像にたやすいところです。
様々な総務的業務を日々の仕事にしながら、そして、臥竜塾。
仲間を激励しながら、前へ前へと進めていくプレッシャーと常に隣り合わせにいます。
冷静さを失わず、そして、大きな目標を失わない。
NHK大河ドラマ『花燃ゆ』が毎週放送されています。それを見て熱い気持ちになるのは、
いい時代を築き上げ、それに貢献したいと奮闘した人たちの物語と、
保育をもっとよくしたい、見守る保育を日本中に普及させたいと願う自分達が重なるからです。
〝人々は良いときも悪いときもリーダーについていくようになると言います。共鳴は、仕事や仲間に対する信頼を基礎にして、目には見えなくとも、絆は強力なものになっていくのです。これを実現するためには、職場でリアルタイムの人間関係を育てる必要があります。このリアルタイムの人間関係は、仕事中だけでなく、オフタイムの時にも共に語り合い、笑い、話を共有し、夢を育てていくことが大切であるとゴールマンは言います。〟
改めて臥竜塾という環境に感謝しながら、そのムードを一身に背負って、笑いながら楽しく、明るく前に進もうとする、塾頭の熱い思いに、僕はどうしても惹かれてしまうのです。
そんな塾頭が、毎日の日課のように、必ず行われていることがあります。
それは、〝部屋の掃除〟です。
毎日給食が終わると、わいらんすい(3・4・5歳児クラス)の食事ゾーンへきて、一緒に掃除を行っています。
その時間帯は大体にこにこ(2歳児クラス)は午睡の時間に当たるので、僕はノートを書いたり、子ども達と布団の上にいたりと、その様子を直接目で見ることはあまりなかったのです。
どうしても気になって先日覗いてみました。すると、とても心が温かくなるような場面と出会うことができました。
掃除後の風景です
一人一人と握手をし、シールを渡し、その日の掃除ぶりを称えています
シールは、子ども達は、自分の表に貼って貯めています。それも、子ども達に掃除への意欲を湧かせるものですね。
〝触媒とは「化学反応の前後でそれ自身は変化しないが、反応の速度を変化させる物質」という意味ですが、英語の「catalyst」とは、時代の流れなどを,加速する働きをするものを指します。(中略)
現在、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」という吉田松陰の末妹で、後に久坂玄瑞の妻となる杉文が主人公ですが、私は、この吉田松陰は「触媒」の役割をした代表的な人物だと思っています。ウィキペディアによると、触媒とは、「自発的に起こり得る反応の反応速度を増加させる」とあるように、自発的に学習しようとする子どもたちに対して、触媒としての教師は、相手の学習速度を高める存在になるということです。〟
ここには、学びたくなる環境があります。子ども達が塾頭との握手を望むように、僕も塾頭と手を取り合って前に進めることに大きな感動を覚えています。
渦には必ず中心があります。日本の保育の夜明けを目指して、塾頭を中心に、大きな渦をつくっていきたいと考えています。
(報告者 加藤 恭平)
写真の後ろ姿、横のお姿がなんとも言えませんね。まさに背中で語る山下さんの姿を象徴しているのかなと想像してしまいます。言葉は多くなくても、直接の言葉ではなくてもその人の行動、ちょっとした発言、さりげない動作からその人の思いを感じ、自然と尊敬してしまうというそんな存在の方がおられます。まさに山下さんはそんな存在なのかもしれませんね。子どもに対して、「子どもだから」というような態度ではなく、子どもでも大人でもどんな人にでも敬意を持って接している人の側にいると自分自身もそうありたいと思いますし、なによりそんな人の側にいれることが嬉しくなります。ですので、そうではない人の側にいるととても苦しいなという思いも感じてしまいますね。写真からではありますが、そんな相手への敬意の念を山下さんからは感じるようであります。一緒に働ける、側にいれるだけで嬉しい人がいるというのはたまりませんね。
目指すは「臥竜渦」ですね!
掃除を終えた後、子どもたち一人一人と握手をする塾頭の姿からは、一人の人間が、一人の人間と対等に関わり合っている様子がうかがえます。子どもたちが手にするシールも、掃除の「ご褒美・プレゼント」ではなく、子どもたち自身で何を頑張ったのかを振り返り、その項目に合う色のシールを自分で伝え、それを聞いた塾頭がその色のシールを渡しています。このように、「自己評価」を行う子どもたちのモデルとして、塾頭は日々、塾生の頭としてもそのモデルを示してくれているのだと思います。
加藤先生、丁寧に書いて頂き本当にありがとうございます。そしてコメントを書いて下さった、もりぐちさん、k.takaさんもありがとうございます。とは言っても私はまだまだ多くの事を学ばないといけない立場です。よく塾長は私に言ってくれました。「私は研修に行くと色々な人にたてられますが、本当は好みではありません。しかしそれは、せっかく言って下さる人に申し訳がたたないから、ちゃんと真摯な態度で接するようにしています。そして心の中で必ず偉ぶってはいけない…と思っている」と言われます。私も心掛けていることです。でも誉められると少し嬉しくなる自分がいます(笑)一応、形としては塾頭として役割を頂いていますが、私は塾生全員が色々な場所でリーダーとして動く時が来ると思います。それは今の大河ドラマ「花燃ゆ」を見てとても似ているからです。それこそ「臥竜渦」で大きな事を成したいです…これからもよろしくお願いします。
もりぐちさんへ
コメントありがとうございます!
本当に、尊敬する人の傍で働けるというのは、幸せなことです。塾頭の写真の背中から、感じてもらえるものがあったということで、とても嬉しく感じます。書き手の表現力はとても未熟なものですが、コメンテーターの皆さんを始め、読み手の方々の感受性がとても豊かで、本当に書いた甲斐があるなぁ、といつもしみじみ嬉しくなります。今後とも宜しくお願いします!
k.takaさんへ
コメントありがとうございます!
すかさず足りないところを補ってくれるk.takaさんのフォロー力。多くの職員が、先生に信頼を寄せる所以だと思います。渦の中心は、このブログを読んで下さっている方々と僕らです。順調にどんどん大きくなっていっていますね!
Sasukeさんへ
コメントありがとうございます!
偉ぶってはいけない。本当に大切なことだと思います。ですが、喜んでくれる塾頭のあのちょっとはにかんだような、ちょっと照れたような笑顔、僕大好きなんです。これからもよろしくお願いします!