ぬか漬け

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私は幼い頃から漬け物が大好物です。
漬け物が嫌いな人からは速頂くというスタンスでいつもやらせて頂いています。そんな漬け物好きの私ですが、ぬか漬けというものは食べたことはありますが漬けたことはありません。もちろんぬか漬けも大好物です。そんな大好物な物を漬けたことがないということに恥ずかしさを覚え、漬けてみることにしました。
それも自分の家ではなく保育園で…
やってみたい!と思ったらすぐに実行に移してみようと思っている最近です。
そのすぐに実行に移すというのはここ新宿せいが保育園で学んだことでもあります。
そんなこんなで準備したのが本格的な壷です。
まずは形から…笑
汚いのは終わった直後のため…いつもこんな感じです。

汚いのは終わった直後のため…いつもこんな感じです。

糠から用意しようと思ったのですが、なかなか手に入れるのが難しいようなので市販で売られている糠を購入してみました。
保育園で玄米を精米しているので、いずれその糠を使ってつけてみようと思っています。
早速、子どもたちに、
「ぬか床を作るけどやりたい子はいる?」
と聞くとぱらぱらと、
「やりたーい!」
と言ってくれました。ぬか床の意味もわからないままやりたいと言っている子も多数いましたがやってみて肌で感じてほしいと思っていたのでちょうどいいですね。
市販の糠を壺に入れ、水を加えてコネコネ…
子どもたちはこのコネコネを砂遊び感覚で楽しんでいるようでした。さらに年少の子から年長の子まで興味を示し積極的にやる姿が見られます。
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この作業をしたら調理さんに届け、冷蔵庫に保管してもらいます。
そして、毎日やりたい子だけで調理さんと一緒にぬか床をかき混ぜに行きます。
ここも自主的に行きたい子がいきますが定員オーバーなほどやりたい子が多くいることに驚いています。糠をかき混ぜることが得意な子は、もはや「ぬか漬けのプロ」と呼ばれています。笑
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ここ1ヶ月、飽きもせず繰り返してくれています。
漬けているのは、きゅうり、なす、だいこん、にんじんとスタンダードな物を漬けていましたが、最近ではどんなものが美味しいのか試してみようということになり、オクラ、ブロッコリー、とうもろこし、みょうが、ピーマンなどに挑戦していこうと思っています。
新宿せいが保育園での現在のテーマは
「伝統」です。
実は子どもたちとなにか伝統的なものを継続してやってみたいと思い、考えついたのがぬか漬けです。もちろん漬け物が好きだという理由もありますが、本当の理由はこちらです。
伝統というのは、伝統の建物自体が伝統というのではなく、作っていく過程で、昔の人がどんなように作ってきたのかが重要であり、建物であれば伝統の木の組み方を熟知している人こそが伝統を引き継いできたことになります。
そうなるとぬか漬け自体も伝統ではありますが、その作り方が1番伝統的なのではないかと思えます。
その過程を子どもたちと行うことで自然と子どもたちも伝統を体験できます。
伝統…パッと思いつきそうですが深い意味がたくさん込められている言葉でありますね。
できたぬか漬けはお昼ご飯やおやつのときに一緒に食します。
独特な味に好き嫌いはありますが好きな子はどんどん食べています。
また、あるお子さんが保育園でぬか漬けを作って食べたことを親御さんに話したようで連絡帳に…
「ぬか漬けを保育園でしているなんて感動しました。美味しいというので、うちも急いでぬか床を用意して始めます!」
と書いてありました。
こんな繋がりを持てることは幸せなことですね。
こういった取り組みを継続していけたらと思いながら日々ぬか床いじりをしています。
(報告者 本多悠里)

ぬか漬け」への3件のフィードバック

  1. 私の勤めている保育園でも少し前からぬか漬けを始めていて、お昼にそこで漬けられたものが出てきます。その日によって味に違いがあるので、おもしろいですね。本多さんの報告のように興味のある子どもたちが自分の手でぬか床をかき混ぜるというのはいいですね!やっぱり体験するのが一番ですね。体験することで様々な部分での繋がりが生まれてくると思うので、体験するということは大切にしたいなと思いました。また「作っていく過程で、昔の人がどんなように作ってきたのかが重要であり」という伝統についての考え方もありました。ただ昔からあるものということではなく、伝統的なものには人々の思いやそれを受け継ぐ人の姿、当時の人がどんなふうに使っていたのか、どんな生活をしていたのかということが表れているように感じます。まさにぬか漬けもそうですね。食品を余らさず、長く食べるというそんなかつての人の思いがあったのかと思うと、当時の生活も感じれるようでもあります。伝統を意識することでそんな思いも伝わっていってくれるといいですね。私もまたそんな部分に意識して取り組んでいきたいと思います。

  2. 保護者からの反応があったというのは、とても刺激的で嬉しいことですね。園での取り組みがきっかけとなって、家庭での生活に潤いを与える素晴らしい事例であると感じました。以前、TV番組で糠漬けの奥深さを知る機会がありました。“糠は生き物”という名言も飛び出しており、手入れをしている糠漬けと、ほとんどしない糠漬けの違いなど、そんな比較が出来ても面白いですね。このような日本人が大切にしてきた伝統を、子どもたちが遊びの中で経験していくところがいいのですね。

  3.  最高の取り組みですね。好きこそものの上手なれとはまさにこのことで、しかも、〝本当の理由〟ということで〝伝統というのは、伝統の建物自体が伝統というのではなく、作っていく過程で、昔の人がどんなように作ってきたのかが重要であり、建物であれば伝統の木の組み方を熟知している人こそが伝統を引き継いできたことになります。〟としっかりと、意味づけ、その取り組みの本質を理解して行われている、取り組みの奥深さというものを感じます。
     また、〝汚いのは終わった直後のため…いつもこんな感じです。〟とぬか床の写真に添えられたコメントもいいですね(笑)保育者は多少の散らかりを覚悟する必要がある、とはもう何度も耳にした言葉ではありますが、最早説明する必要もないくらいに、このようなラフなスタイルが日本全国どの保育園さんでもスタンダードになるといいのになぁ、と思ったりします。

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