やさしい気持ち〜この手を胸を焦がすようなあなたのその存在〜

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ブロックゾーンにおける子ども集団について報告をしてきました。

今回は、給食時における子ども集団について、とても興味深い出来事があったので報告します。

写真中央わいわい組(3歳児クラス)の男の子 (緑色の服の子、以下ミドリ君)が写真左手わいわい組(3歳児クラス)の女の子(チェック柄の子、以下チェックちゃん)。

写真中央わいわい組(3歳児クラス)の男の子 (緑色の服の子、以下ミドリ君)と、写真左手わいわい組(3歳児クラス)の女の子(チェック柄の子、以下チェックちゃん)。

 「いただきます」後、食べ始める他のテーブルの子どもたちをよそに、ミドリ君は泣きながらチェックちゃんに言います。

「もう僕のお家に来ちゃダメだからね!」

何がきっかけでこの二人のやりとりが始まったかはわかりませんが、二人はどうやら口論になった模様。口論になった問題についてのやりとりではないところでの言い合いになるあたり、いよいよ喧嘩が幼いだけに、その問題解決は多少の困難さが伴うものですね。

チェックちゃん「私のお家にも来ちゃダメだからね。」言い合いは平行線。

写真左下わいわい組(3歳児クラス)の男の子(赤い服なので以下レッド君)も給食に手をつけずに、その様子を見守っていますね。

チェックちゃん「私のお家にも来ちゃダメだからね。」言い合いは平行線。

しかしこの喧嘩、すぐに解決に至ります。

「もーさー、握手しなよ。握手。」

給食を食べずにその様子を見守っていたレッド君が一言。

次の瞬間

ミドリ君「じゃ、はい!」

ミドリ君「じゃ、はい!」

ゆっくり手を出すチェックちゃん。

10秒程の長い握手。それを見て食べ始めるレッド君。

10秒程の長い握手。それを見て食べ始めるレッド君。

写真左手白い服の男の子「ちゃんといただきますしてから食べなよ〜。」

そうして「いただきます」をして食べ始める二人。給食を口に運ぶとしばらくして、週末お互いの家に行く予定を立て始めました(笑)

12年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2017年1月14日『社会的な発達』の中でこう書かれています。(太字をクリックすると藤森先生のブログ『臥竜塾』にとび、この回のブログの全文を読むことができます。)

〈園では、子ども集団があり、子どもたちはその集団の中の一員として存在しています。(中略)近くに他の子がいる場合と、一人で遊んでいるときとは、その行為が違うだけでなく、発達にたいしての刺激が違う気がします。

 それ以上に大きく違うのは、人との関わりにおいてです。幼児期における学びの基礎力の育成において重要であるものとして、幼児が人やものに興味をもち、かかわる中で様々なことに気付くとともに、それらを深め、広げていく過程の中で、自己発揮と自己抑制を調整する力を育むことであり、それらを通じて、個人として、また社会の構成員としての自立への基礎を養うこととあります。ということで、環境として大切なものが、興味を持ち、関わることのできるもの、人が必要なのです。〉

この回の藤森先生のブログがこの場面にとても相応しいと思ったのは、よく見るとこのテーブルの子どもたち、にこにこ組(2歳児クラス)から入園して来た子どもたちです。(ミドリ君だけは今年度わいわい組(3歳児クラス)の入園の子です)

子ども集団の力によってこの育みが成されたのではないか、とは子どもたちそれぞれの資質についての考察の欠けた、極端な表現となってしまいますでしょうか。

このようなやりとりが給食や配膳をきっかけとした中で多く見受けられました。

次回も給食時における子ども集団について報告します。

(報告者 加藤恭平)

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