カエル

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学童では4月の初めにオスとメスのヒキガエルを1匹ずつ新宿せいがの近くにある、おとめ山公園にて捕まえてきました。そのカエルがなんと産卵しました!とんでもない量の卵を産み、その卵が孵るのを観察しようということになりました。その卵が無事孵り、おたまじゃくしとなり、6月現在では小さなガマガエルへと成長しました。しかし、全部無事に成長はしませんでした。4月から6月の間に多くのおたまじゃくし、カエルが死んでしまったのです。その背景には環境が大きく関係していました。おたまじゃくしも人間同様に発達具合は各々異なっていることには子どもたちと一緒に気付けたのですが、カエルもおたまじゃくし同様、水の中だけでも生きていけると思っていたのです。おたまじゃくしに用意していた環境を発達の早いカエルへと成長したおたまじゃくしにも同じ環境を用意してしまったのです。その結果多くのカエルの命を犠牲にしてしまいました。お墓を作って弔い、子どもたちと一緒に悲しんでいる中、その中の子どもの1人が「このカエルさんたちのおかげでカエルは水の中だけでは生きていけないことを知ることができたね。」と言いました。大人でもこのことを知らない人は少なくはないのではと思います。現に私がその1人でした…自分の無知さを嘆きましたが、この失敗から子どもたちも私自身も多くの学びを得させてもらえたと実感しています。

以前の塾長の書かれている臥竜塾のブログに「実行意図」という単語が出てきました。「もし…ならば」と自分に問いかけることだそうです。「もし、カエルは両生類だけど水だけでは難しいかもしれないから」と問いかけることができていたら水と陸を2つとも用意し、この悲劇を未然に防げたかもしれません。今回はカエルでしたが、このように生き物は子どもたちに多くの学びを提供してくれる貴重な存在であることを再認識させてくれました。今後とも生き物から得る多くの学びを子どもたちと一緒に共感しながら学んでいけたらと思いました。現在数十匹いるカエルの環境について子どもたちと日々一緒に試行錯誤し、私たち保育者が日々子どもたちを見守っていることと同様にカエルの成長も子どもたちと一緒に見守り、次回は食物連鎖について子どもたちに伝えていけたらなと思っています。(報告者:若林)

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カエル」への2件のフィードバック

  1. 生き物は人もそうですが、「こうだからこうなる」という絶対はないのかもしれませんね。言葉が話せる訳ではないので、些細な変化になかなか気がつけないこともありますね。カエルが死んでしまったことは残念ですが、そこから子どもたちが気づく事があったことは素晴らしいですね。子どもたちと一緒に悲しんだ、私自身多くの学びを得られたと若林さんが仰られていますが、そのような気持ちになれる先生が側にいて、きっと子どもたちも幸せなんじゃないかなと勝手に想像してしまいました。

  2. 「このカエルさんたちのおかげでカエルは水の中だけでは生きていけないことを知ることができたね。」なんて切なくも前向きな子どもの言葉なのだろうと思います。生き物の死を真剣に受け止め、子ども達と共感し合える雰囲気を若林先生がつくるからこそ、子ども達もまた素直に、真剣にその死について深く向き合うことができたように感じます。
    僕もまた、蛙の生態について無知な人間の一人です。今回の先生の実践のように生き物を通して真剣に子ども達と向き合うことの大切さを改めて感じました。
    この学びを真剣に受け止めた子こそ、飼えなくなったからといって自分のペットを捨てててしまうような大人にはならないはずですね。

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