以前に新入園児が入ってきた話をしましたが、もう一人年中さん私の保育園に入ってきてくれました。非常に可愛らしく、新しく入ってきた子とは思えないほどしっかりしている様子でした。
日常生活でもすぐ慣れ始め、友だちも増えてきていました。
ただ、3日くらいたったときお母さんからこんなことを言われました。「うちの子、給食全部食べなきゃダメなのかなー。と不安になっています。」と言われました。
私ははっきりと「大丈夫です。」と答えました。
なぜかというとうちの保育園は給食を貰うときは自分で自分が食べられる量を意思表示ます。「いっぱい?ちょっと?」と聞き、好きなものであればいっぱいですし、あまり好きなものでなければちょっと答えられます。もっと言えばこの食材が嫌いならば、それを指定してこれはいらないという事もできます。自分が食べられる量を理解してもらうという意図もあります。
嫌いなものを強制されて食べるよりも、一緒に食べているお友だちが自分の嫌いな物を美味しそうに食べているのを見る姿を見て食べてみようかなと思える方がよっぽど自主的にその食材へと働きかけていると思います。
ですので、「安心してください。」と伝えると安心してもらい、その場は終わりました。
改めてセミバイキングをすることで子どもたちの自主性が育まれていることに気づきます。
更に、おかずはお当番である子どもがよそいます。子ども同士が必然と関われ、ご飯を貰い意思表示をすることで1日1回は必ず自分の意見を言える環境にあります。その中で上手く伝わらないことも少なくはありません。
最近年長の女の子が珍しく残していました。「どうしたの?」と尋ねると
「だっていらないって言ったのに聞いてもらえなかったんだもん」と言っていました。年長になってもそういったことがあります。
人に思いを伝えることは簡単ではありませんが、このセミバイキングは自分の意思を伝える良い練習であると思っています。新入園児が来ると当たり前のようにやっていることについて考えさせてもらえる良い機会ともなります。
余談ですが、私はバイキングに行くと最後には食べられなくなり残してしまうか、気持ち悪くなるほど食べて後悔するかです。きっと私も幼い頃セミバイキングをしていたら自分の食べる量を知れていたかもしれないと思ってしまいます…
(報告者 本多悠里)
バイキングでの後悔は私も同じです。ただ、私の場合は食べられなくなることはあまりありません…そうです。とにかくお腹には入れるので、こんな体になってしまいました…(それだけではないですが)。日野原重明さんがよく「腹八分」がいいと仰られているのですが、私はどうもこれが実践できません。お腹いっぱい食べたくなってしまいます。たまには胃を休めてあげたいのですが。意思表示をすること、自己評価をすることという取り組みにはまだまだ課題があります。形だけではなく、その部分がしっかり子どもたちに浸透するような取り組みをしていきたいなと思っています。なんとか周りを巻き込んで実践していこうと思います。
最後にはオチがついていて思わず笑ってしまいました(笑い)
お母さんの安心と共に、その子もとても安心したことでしょうね。嫌いなものを無理矢理食べさせることが当たり前になっている保育園や、食べ終わるまで次の行動が許されない保育園など聞いたことがあります。歪んだ常識がまかり通ってしまっています。食べられなくて吐いた物を食べさせるなど保育うんぬんよりも人間としての倫理観が疑われる行為であると思います。食育以前の問題であり、是正するよう声を大にしていきたいです。
セミバイキングので培われたものは大きくなって色々なことの礎になっていくと思います。食事の時間を大いに楽しんでもらたいですね。