先日、ある研修会でチームワークについて、話をさせていただく機会をいただきました。
その内容は基本的に見守る保育のチームワークの考え方を伝えることが中心で行わせていただいたのですが、その内容を作っているときにあるものが目につくことがありました。
それは「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」という賞です。もしかしたら、ニュースなどで見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、「ニッポンのチーム力が世界を変える」考えのもとに、その年に最もチームワークを発揮し、顕著な実績を残したチームを毎年「いいチーム(11/26)の日」に表彰するアワードで、2008年に始まりまった賞です。過去に最優秀賞をとったチームは2010年は小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトチーム、2011年京速コンピュータ「京」開発プロジェクトチーム、2012年は東京スカイツリー運営チーム、2013年は2020年の東京オリンピック・パラリンピック招致委員会チーム、2014年は「妖怪ウォッチ」プロジェクトチームとそれぞれのチームが受賞しています。
そして、ここでの「チームの定義」というものがまた、面白い内容です。それは「チームとは、ある目標に向かって集まった組織体のことを指しています。そして、チームワークとは、目標を達成するために、チームメンバーで役割を分担して協働することです。」とありました。なによりもここで「協働」という最近藤森先生のブログのなかでもたびたび出てくるキーワードが出てきたことでより興味がわいたのですが、藤森先生が見守る保育の説明の中で説明しているように、「いい集団」というのはみんなが同じことをする集団、オールマイティの力のある人がいる集団ではなく、それぞれが役割をもって、自分の役割を発揮できる集団が「いい集団」であるということと同じことですね。そして、「ある目標に向かって集まった組織体」というのは保育園や幼稚園でいう「共通の理念」のことと同じことであると思います。どの職種や業種にしても、今の社会で一番求められるチームというものはこういった理念や目標を共通理解し、それぞれの役割を自分の能力を発揮していくことが求められるのですね。
また、ここでは「チームに必要な5つのポイントとチームワークの効果」というものも紹介されていました。
まず、「チームに必要な5つのポイント」ですが、「1、明確な目標・・・ゴールは何か」「2、メンバーはそれぞれなにをするのか」「3、自律・・・一人ひとりが積極的に参加しているか」「4、情報共有・・・全員が同じ情報を共有できているか」「4、実行力・・・議論して結論を一つにまとめられるか」というのがポイントだそうです。
次に「チームワークの効果」ですが、ここではドイツの学者の研究結果を参考にして考えられていますが、チームのアウトプットには「効果」「効率」「満足」「学習」の4つがあると言われているそうです。目に見えやすい「効果」「効率」だけでなく、メンバーの「満足」「学習」もチームワークのアウトプットだといわれている点が特徴ですあり、良いチームで仕事をしたときの自分の満足感や学んだ気持ちは、アウトプットの1つといえるでしょう。そして、この「チームワークの4つのアウトプット」に注目して、ベストチーム・オブ・ザ・イヤーでは、毎年のベストチームを選考していまるそうです。
もちろん、これらのことの全部が保育園や幼稚園において、明確にできるものであるかといわれるとそうではないのかもしれませんが、チームワークによって効果を受ける側だけでなく、チームワークをとる側においても、評価や考えがあるというのはとても面白いですね。
そして、2012年にこの賞の表彰式で総合プロデューサーのおちまさとさんが「日本は近い将来、世界中でどの国も未体験の少子高齢化社会に突入します。また、15年連続で3万人以上が自殺するという国でもあります。自殺の原因の第一位が人間関係です。そんな苦境に立たされている今、もう一度ここで踏ん張ってやろうじゃないかというきっかけを与えてくれたベストチームを、審査員一同で選りすぐりました。」とおっしゃられていました。この団体を見ていてもやはりその根底には「社会問題」や「人間関係」といったものに焦点をあて、それに対してどうアプローチしていくことができるだろうかととても考えられているように感じます。経済機構がこういったことを改めて考えるのは直接影響があるからなのかもしれませんが、保育園や幼稚園など乳幼児を預かる機関やその他の教育機関ももっとこういった「社会」や「時代」をしっかりと見据えていかなければいけないですね。そして、保育園や幼稚園がいい集団であれば、やはり子どもの集団もよくなっていくと思います。今回のチームワークというのを考えるにあたって、では、自分はどういった役割があるのだろうか。改めて考える機会になりました。
(投稿者 邨橋智樹)
「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」のチームワークの考え方について、日本が「15年連続で3万人以上が自殺するという国でもあります。自殺の原因の第一位が人間関係です。」といった問題提起をしていることから、まず、人間関係とチームワークはつながりが存在する事が理解できます。つまり、自分はチームではないと思っている普段の生活の一部を共有している人であっても、人間関係がうまくいっているなら、そこには少なくとも「チームワーク」に必要な要素が含まれているということになると思います。そんな要差が、今の日本には必要なのですね。
集団の中でどう振る舞うのかという問題と、一つのチームとしてどう作り上げていくのかという二つの問題がうまく絡み合うことが大切なのかなとそんなことを読んでいて感じました。二つの問題のようで、これは繋がっている、同じことでもあるかもしれませんね。いい個人が集まるからではなく、いいチームとしての方向性が個人を高めていくのかもしれません。そう考えるとチームワークを高めていくことの大切さを感じます。「1、明確な目標・・・ゴールは何か」が1番に挙げられていました。たまたまかもしれませんが、やはり同じ目標、理念をただ持つのではなく、チームないのみんなが共有できることが重要になってきますね。
〝それぞれが役割をもって、自分の役割を発揮できる集団が「いい集団」〟本当にそうですね。〝「チームに必要な5つのポイント」ですが、「1、明確な目標・・・ゴールは何か」「2、メンバーはそれぞれなにをするのか」「3、自律・・・一人ひとりが積極的に参加しているか」「4、情報共有・・・全員が同じ情報を共有できているか」「5、実行力・・・議論して結論を一つにまとめられるか」〟というのもとても興味深く読みました。一人一人の積極性というものが、とても大切になってくるように感じています。チームが活性化され、フランクに何でもやりとりし合える環境、それを楽しくやれる雰囲気を、地道に、あまり飛ばしすぎず(笑)培っていきたいと思います。