先日、家族で上野動物園に行った時に面白いものを見つけました。
それは、これです。
東京ユビキタス計画と書かれたこの看板。
よく見てみると子どもたちが小さな機械を持って、このUcodeと書かれている場所にその機械をかざしています。
すると、機械の画面にその動物の写真や説明みることができ、鳴き声までも聞くことができる様でした。よく美術館などで、こういった機械を貸し出しているを見たことがあったのですが、貸し出しをしている窓口に行ってみると、もっと大規模なもののようでした。
調べてみると、東京全体で何年前から試験的に導入され、今では銀座や、東京ミッドタウン等と言ったところでも使われているようです。銀座や東京ミッドタウンの場合は、動物園とは違い、大人向けで、商品の説明だったり、野菜の産地、作っている人の情報を知ることができるらしいのですが、これまで生活をしてきて全く気付かなかったので少し驚きでした。
この「ユビキタス」(ubiquitous)は、元々は英語で「神様が遍在する」という意味だったらしいのですが、ラテン語のUbiqueの「いつでも、どこでも」の意味で最近では使われているようです。また、欧米で神様が「唯一神」なのに対し、日本では「八百万の神」ということもあり、日本的ユビキタスとして、やおよろずプロジェクトとしてたちあげているところもあるそうです。
と、ユビキタスについて長々と書いてしまいましたが、私が動物園で感じたのは、「これなのだろうか?」という疑問でした。
私が、子どもの頃などは、動物園の看板をわくわくしながらで読んだり、読めない字がある時、親に聞いたり、うまくいけば飼育員さんに聞いたりした記憶があります。
もちろん今も看板はあり、ガイドさんによるツアーもあるのですが、機械を持って子どもたちが嬉しそうに走り回り、色んな情報を得る。
確かに手軽で、分かりやすいのですが、すぐに答えを知ることができるというのは科学の発展ともいえるのかもしれませんが、子どもたちの科学発見という意味では少しもったいなさも感じてしまいます。子どもたちの興味をうまく引き出し、それをうまくつなげるのは難しいものですね。
(報告者 西田泰幸)
参照 上野動物園ユビキタス http://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno/uc/index.html
ユビキタスシステム http://ts.uctec.com/uctec/jp/system/s_01.php
昨年の12月に上野動物園を訪れたのですが、「あれ?こんなのあったかな?」と思ってしまいました。きっと見逃していたんだと思います。体験してみたかったので惜しいことをしてしまいました。確かに難しいところですね。動物の写真や説明が見れるとありましたが、目の前に実物の動物がいるのに、画面の方を見ているということがあればなんだか不思議な光景かもしれません。しかし、檻の前にいけば必ず動物がいるということばかりではないので、画面を通して写真を見るだけでも違うのかもしれませんが、実際を見ないで、画面ばかり見てしまうことがあるとちょっとどうなのかなとは思ってしまいますね。取り組みはとてもおもしろそうなのです。私だったら、その動物を担当している飼育員さんのことが知りたいなと思ってしまいました。
東京ユビキタス計画、とても面白い企画ですね。僕は西田先生と同じで何かわからないことがあればすぐに調べたくなってしまう方なので、この企画はありがたいです。うちの息子はスマートフォンをやたらと触りたがるので、喜ぶなぁと思いました。
僕らが子どもだった頃と環境が変わっていて、本当に時代が進んだことをこのようなことからも考えさせられますね。ゲームやインターネットの普及が時代の流れの中で何かを伝えているのかもしれません。僕たちが子どもの頃からもっている好奇心というものは子ども達の中にももちろんあって、その好奇心を消化させる対象が、僕たちの時代にあったものよりもっと先の段階にきているということなのかもしれません。色んな角度からものを考えるには、西田先生のように色んな場所へ足を運ぶことが大切ですね。