完結編です。
いいと思ったことは即実行。行動こそこの地球に生きる者の原理とでも言わんばかりの速さで、
塾頭が動きます。
そして、イス置き場まで置いていくその過程を子ども達と一緒に見守って下さっていました。
さて、いよいよ記念すべきわいらんすい(3・4・5歳児クラス)第一号のイスが置かれる時がやってきました。
一番最初に置きにきてくれたのは、わいわい組(3歳児クラス)の女の子(桃色の服を着ているので以下桃ちゃん)でした。しかし、そこでもドラマがあり、そのことを塾頭が教えてくれました。
「実は桃ちゃん、イスを忘れて、行こうとしたんだけど、その時にすいすい(5歳児クラス)の子が気付いてくれて、〝イス片付けるんだよ〟って教えてあげてたんだ。」
「だから、記念すべき最初のイスはすいすいが気付いてくれたイスってこと。」
なんだか、感動してしまいます。
11年目に入られました藤森先生が毎日欠かさず更新されています『臥竜塾』ブログ2010年3月11日『協働』はこのような文章で締めくくられています。
〝フィンランドの子供は、競争で人に勝つといったことに余計なエネルギーを使いません。「3か月前と比べてここは伸びてきた」「ここは持ち味だから頑張ろう」「ここは苦手だけど先生が応援してくれるから頑張ろう」。それぞれが自分の人生を豊かにするために学んでいるのです。(中略)
フィンランドの子どもたちは、失敗しても、その子を責めることはせず、つまずいても失敗しても、それが人間の生きる姿だとおおらかに認めながら、人と人が頭を寄せ合って事を解決していきます。日本では、今、学力レベルは低く、いじめ、不登校も多いなかで根本的な改革が求められています。〟
イスを片付けることを忘れたって構わないんです。それは気付いた人がやればいいこと。人間は完璧ではありません。だからこそ手を取り合って、教え合って、学び合うのですね。
知っていることを惜しみなく優しく教えてあげられる子ども達の姿に、また、その姿を楽しく温かく見守る職員の姿に、これからの日本の教育の在り方が見えてくるような気がします。
そして、
ベンチを動かして、子ども達が運びやすいように環境を設定する塾頭の何気ない、さりげない優しさ、かける言葉の温かさに、こうして僕らは魅了されてしまうのです。
(環境マイスター:塾頭山下祐 報告者:加藤恭平)
「イスを片付けることを忘れたって構わないんです。それは気付いた人がやればいいこと。人間は完璧ではありません。だからこそ手を取り合って、教え合って、学び合うのですね」とありました。気づいた人がやればいい、人間は完璧ではありません。というのはなんだか私自身が救われるようなそんな言葉です。だからこそ人は補い合って、助け合っていきていくのですね。そして、山下さんの優しそうな眼差しもまた印象的でした。