先週末に久しぶりに他園の園内研修に参加させていただきました。
今回の園内研修は世田谷にある保育園さんで、もともとGT園だった園さんが新たに姉妹園を開園されたという事で参加させて頂きました。
今回の園内研修は、午前中が保護者講演、午後が園内研修でした。
保護者講演では、子育てのアドバイスや、子どもたちが将来どのような力が求められていくのか、という事を話されていました。
「今の「家庭」とは、母と子が1対1の関係になってしまいやすい。昔は兄弟関係の中でも様々な年齢、性別などがありそこからも社会を学んでいた。例えば、おやつの取り分を人数によって計算したり、1つしかない物をどちらかが我慢をしたり。という事を家族の中から学べたが、今の家庭では兄弟関係がないからこそ、保育園で子ども集団、そして複数の大人がいる環境を小さいうちから体験しておく必要がある」とおっしゃっていました。また、子どもを育てる環境として「子どもにとって危ないものは排除すれば大丈夫!というのではなく危険から回避できる能力を子ども自身に付けさせないと、将来社会に出た時に危ない目にあってしまう。」「菌なども、全ての菌が悪いのではなく、人間にとって大事な菌もいる中で、これも全て排除してしまうと、もともと菌に対抗できる能力を持っているのにその能力が消えてしまう。」というお話があり、排除することから共生することによって危険に対処できたり、菌に対抗できることが大切とおっしゃっていました。そして、「2045年になると人工知能が発達し、60%の仕事をロボットができるようになってしまう中で、子ども達に必要になってくる能力は、「社会的知性」という、「対人知性(他人を理解する能力)」、「心内知性(自分自身に目を向けられる能力)」が大切という事もおっしゃっていました。
午後は、一緒に同行していた西村君による「ベテランとしての役割」という話から始まりました。というのも、当初その予定ではなかったのですが、昼食中に塾長からの一言で急遽発表することになりました。その理由として、7月6日に開かれた「GT環境セミナー」の見学園紹介の発表もかねてのプレ発表だったのですが、昨年末から助手として塾長と全国を回っていることだけあり、急だったのにもかかわらず、とても冷静に「はい、わかりました」と言い午後一で挑んでいました。
塾長からは、赤ちゃんが生まれながらに持っている能力、また、それを失わせないためにという事で、ドイツでの実践と画像をもとに話されていました。
そして最後に、Q&Aの時間があり答えられていたので、いくつか紹介したいと思います。
Q,0~1歳児の月齢がバラバラなのですが、どこに合わせればいいのですか?
A,月齢と言っても早産の子もいる中で、同じ1歳児クラスでも発達が違うので、目的に応じて同じ発達の子をその時間だけピックアップすれば、全員同じで行える。また、異年齢にすれば、年長さんに子どもを見ておいてもらうこともできる。
Q,子どもをどこまで見守っていいか、ラインはありますか?
A,それは、その子の発達によって違う。最終的には、自分でできる部分と、出来なことで友達や大人に頼めるところを見極め、自立できるようにしなくてはならない。
Q,1歳児で噛みつきが多いのですが対応の仕方について
A,突発的にやってしまう子もいるので、一回やってしまった子をマークして、再発に気を付ける。また子がやりそうな表情を気にしたり、時間や相手などの原因に気を付けることが大事。
といった質問に答えていました。
久しぶりの保護者講演と園内研修だったので、つい昨年まで行っていた出張を思い出し少し懐かしく感じてしまいました。
調理師や保育士など関係なく、保育者としてまた新たな学びを得ることができたような気がします。(報告者 柿崎敬史)
柿崎氏の最後の言葉でもあったように、塾長の話は全てに通じるものであるといった部分がほとんどで、様々な職種の方々が聞いても参考にできるものばかりである印象を受けます。子どもに通じることは、社会に通じるものなのですね。「家庭」「危険を排除」「2045年問題」など多岐に渡った部分の考察は、社会の中で生きる子どもたちの未来を、よりよくするための考察であり、時代を見通した見解であるよう感じて感動します。
現代の社会情勢、これからの社会を踏まえて保育園としての役割はなんであるのか、どうあるべきなのかという視点で保育を考えていかなければいけませんね。目の前の子どもたちを見ながら、先の未来のことも視野に入れておかなければいけませんね。改めて教えていただきました!新たに開園した園での園内研修とありましたが、新しい園のスタートとはわくわくしますね!これからどのような保育が展開されていくのか、なんだか一緒に考えているつもりになって少し楽しくなるそんな気分がします。新しい保育園の文化を作る担い手になるみなさんの思いを感じるようでもあります。
報告を読んで改めて驚くのは、保護者が集まるところへ行って藤森先生は、今まで何度も講演をされてきたということです。今更こんなことに驚いて(笑)という話なのですが、様々な目をもった人たちの前で話す、ということを日々の仕事にされています。改めて藤森先生の偉大さを感じます。
また、西村先生が〝急だったのにもかかわらず、とても冷静に「はい、わかりました」と言い午後一で挑んでいました。〟という、気持ちの良い態度はとても勉強になります。与えられた椅子に座ることは、時にとても勇気のいることですし、大切なことだと思いました。