私の保育園では12月の終わりに生活発表会があります。今年から実際に保育が変わり、その一年目の発表会です。そして、今年から新宿せいが保育園の発表会を参考にして、できるだけ子どもたちの発達に近いことをしていきたいと思っています。
その中で、いかに先生たちにその趣旨を伝えていくか、考えていくかを伝えることはとても難しいことです。以前からの保育の様式があればあるほど、その趣旨からずれることもしばしばあります。そのズレをどう考えるか、伝えるかは毎回悩むことがあります。
あまり、積極的に言い過ぎると、周りの先生方は考えるのをやめて、言われるがままやってしまうことなります。その反面、言わないでいるとドンドン理念や目的からずれてきます。そんな中、新宿せいが保育園の発表会を見に行くことになり、その中で一つのキーワードを見つけることになりました。それが先日柿崎先生のアップした内容「先輩のフォロー力」でした。そして、その事柄はいわゆる「保育園の文化」であり、「雰囲気」に繋がっているように思います。藤森園長先生始め、ベテランの先生方の雰囲気が保育園の文化そのものに影響があるということが行事を見ている中で見えてきました。そして、それらはその園の文化の中で育つ新人職員やそのほかの職員に伝染していきます。チーム力が高まると、それぞれの立ち回り、役割を自分の中で解釈し動き始めます。チームワークを作る中でどういった役割を担い、チームがいかに円滑かつ、効率よく動くことができるかをそれぞれの先生方が考えている姿から見て学ぶことは多くありました。
実際、自園に帰り、園内で発表会のビデオを見て、あるベテランの先生と話す機会がありました。その先生の感想は「みんなが楽しそうにやっている姿が印象的ですね。そして、普段の保育がどうやっているかがとてもよく分かる」と言っていました。最近、よく思うのですが、「行事の為に保育をするのではなく、保育を進めていく上で行事がある」ということを思うことがあります。新宿せいが保育園の発表会の始めに藤森先生は散歩でそのことを例えていました。そこでは「散歩も目的地にいくことが大切なのではなく、散歩に行く過程が大切です。だから、行事でも行事ではなく、普段の保育が大事です」ということをおっしゃられていました。それを踏まえ自園の予行を見ているとたくさんのことが見えてきます。いくら発表会の為にとはいえ、私たちの仕事は「保育」であり、「保育の業務」をこなすことが仕事ではない。ということを最近は常々思うことが多いです。
そのベテランの先生はこうも言っていました。「私たちはまじめに取り組み過ぎて、楽しむことを忘れていたかもしれないですね。新宿せいが保育園のように遊び心は必要ですね。」とも言っていました。まじめに取り組むことはとても大切なことです。しかし、仏頂面ではやはり子どもたちは楽しむことができません。先生も一緒になって楽しむことももっと追求してもいいのではないでしょうか。それは結果として、子どもたちも楽しく取り組むだけでなく、自然な形でいろんなことを学んでいきます。この言葉が自園の先生が言い始めたことに何とも言えないうれしさを感じながら、思えば新宿せいが保育園でもこの「遊び心」というものはとても大切にしているのを思い出しました。しかも、それが行事の中で見えていることにその奥深さや大切さ、普段の保育から遊び心をもって取り組んでいるからこそ、行事でにじみ出ているということも分かります。
そう考えると「遊び心」というのは「保育士の専門性」の一つなのかもしれません。
それぞれの先生の持てる能力を出せる環境や「遊び心」が出せる保育園環境を目指していくことは大切ですね。
(投稿者 邨橋智樹)
新宿せいが保育園の職員の方々を見ていると、子どもを中心に保育をするということを肌で感じます。常に中心は子どもにある。言葉では分かっているつもりでも、実際にはまだまだそれができていないなと先日、痛感させられました。そして、子ども中心の保育ができるのは新宿せいがの保育園の文化、雰囲気があってこそですね。全体が子ども中心にという雰囲気があるからこそ、他の職員のことを気にするというような必要がなくなり、子どもを中心とした様々な取り組みができるのだと思います。「こうさせたい」、「こうあるべき」という考えがあると、どうしてもそこを目指して子どもたちを動かしてしまうような関わりになります。それはきっと子ども中心ではないですね。日々の成果が各行事につながっているせいがの姿は、決して、日々練習を繰り返したからの成果ではありませんね。
〝遊び心〟とは素晴らしい言葉ですね。改めて感じました。
遊び心を幾つかのサイトで調べると『1 遊びたがる気持ち。2 ゆとりやしゃれけのある心。3 音楽をたしなむ心。』と出てきます。音楽がこの言葉に関連してくることが、なんだか不思議なのですが素敵だと思います。あそびたがる気持ちというのは、好奇心や探究心とも通じるものであると思い、昨今の藤森先生のブログにも関連してくるように感じました。
楽しい気持ちや遊び心を職員間で共有できると、とても毎日が楽しいです。遊び心のある保育や、遊び心のある保育者がどんどん増えていくといいですね。