会話の質

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最近、保育園における「騒音」が問題になっています。子どもの声がうるさいから保育園を建設しないでほしいという住民の声が…などの問題が報道されますが、本当に保育園はうるさい施設なのでしょうか。イメージとして「保育園はうるさい」と刷り込まれているということもあるのかもしれません。
しかし、子どもの声がうるさい保育園が存在するのも確かなのもしれませんね。それはその施設で行われている保育に問題があるのではないか、日本は子どものテンションを上げることばかりに意識があるために騒がしい保育園になってしまっているのではないかと以前、塾長が言われていました。
では逆に静かに、テンションを上げずに遊んでいるというのはどういう状況なのでしょうか。そのヒントは「会話の質」にあるのではないかと塾長は言われます。子どもたち同士が関わり、提案や受け入れを繰り返していれば大きな声にはならないのかもしれません。

そこで、園での子どもたちがどんな会話をしているのか調べてみることにしました。
短い時間ではあったのですが、今回はブロックゾーンでの子どもたちの会話を聞いてみることにしました。
まず「さあ聞いてみよう」と思いブロックゾーンにやってきたのですが、子どもたちの会話が聞こえないのです笑
あんまり接近しても不自然かなと思ったのですが、もう振り向くと私がそこにいるくらいまで接近してやっと聞こえるような声でした。この時点で、子どもたちがテンションを上げて大きな声で話しをしていないということを感じることができました。
次に、感じたのが、4つほどの島に子どもたちが分かれてブロック遊びをしていました。1つの島に2〜3人という人数でした。
それぞれの島では、動物園作り、列車を含めた街つくりなどが行われていたのですが、そこで行われていた会話の一部を紹介します。

「これいる?」

と男の子が動物園つくりをしている女の子2人組の所にブロックを持ってきました。男の子としては遊びの中に入りので、そういったアプローチをしたという感じでした。
そんな男の子の提案に1人の女の子が反応します。

「どれ?」

と言って、一瞬、男の子のブロックを見た女の子は続けて、

「いらない」

と一言。
無念にも女の子に男の提案は受け入れてもらえませんでした。
しかし、男の子は諦めません。
すぐさま。

「お届けもので〜す」

と言って、また違うブロックを持ってやってきました。
なんとか遊びの中に入ろうとしていました。
しかし、変わらず、女の子は…

「いりません」

ここで、男の子はアプローチの変えます。
「サンタクロースさんからですよ〜」と相手が気をひくような言い方に。

それを受けて、女の子は、

「サンタクロースさんにいらないって言ってください」

どうやっても男の子は遊びの中に入れません。
しかし、男の子も諦めません。

「おかしやエンピツはいりませんか?」

ブロックをおかしや鉛筆に見立て、遊びの中に入ろうと試みました。
それを受けて女の子が返した言葉は…

「動物園にはいりません」

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ついに男の子は諦めて、女の子たちの遊びの中に入ることはやめていました。
しかし、男の子はその事に対して落ち込むということはなく、まして、女の子も意地悪だから入れてあげないということではなく、こういったことは、子どもたちの中ではよくある関わりだと思います。

私がブロックゾーンで子どもたちの様子を見ていたのはほんの5分ほどでした。
その中での一部のやりとりなので、まだまだ参考にはならないかもしれませんが、
このような会話を子どもたちが繰り広げていました。
今回は「提案とお断り」という感じの会話といえばいいのでしょうか。
こういった会話をしている子どもたちというのは決して大きな声をあげてはいませんでした。
本当に囁くように声を出しています。それは目の前にいる相手に伝わればいいからなのかもしれません。逆に近くにいる相手に話しかけるような遊びをしていれば大きな声を出す必要はないのかもしれません。人数が増えればその分の子に伝えなければいけないので、多少声は大きくなるかもしれませんが、それでも伝えたい相手ははっきりしています。ですので、部屋中に聞こえるような大きな声を出す必要はなくなりそうです。

「会話の質」ということに注目したことがなかったので、こういった見方で保育をみることもできるんだ!と新しい視点を塾長に教えていただきました!

もう少し保育園での子どもたちの会話を丁寧に調べてみたいと思います。

報告者 森口達也

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