新宿せいが学童クラブでは登所すると、必ず連絡帳を出すことになっています。
保育園と違い、子どもたちだけで来て、子どもたちだけで帰るので、帰宅時間の変更などがあった場合は、この連絡帳に書かれることになっています。
ほとんどの子が来ると同時に出してくれるのですが、学童で友達に会えたことが嬉しかったり、何をして遊ぼうか考えていたり、はたまた宿題のことを考えていたりと忘れてしまうことも時々。そんな時は職員が声をかけて、出してもらったりもしています。
先週、そんな連絡帳を何日も出し忘れてしまっている子がいました。
当然、その度に、「連絡帳忘れてないかい?」などと声をかけられているのですが、正直、声をかける方も、かけられる方もいい気分ではありません。
そんな思いがお互いに通じたのか、ある日、学童の入り口をくぐるなり、連絡帳を職員に渡していました。そんな様子に、私も、その子も思わず微笑んでしまいました。
その日のおやつ後、みんなで話をするタイミングで、当番の子どもたちが「先生からなにか伝えることはありますか?」と聞かれ、思わずこういってしまいました。
「最近、連絡帳を出し忘れている人がとても多くなってます。もしかしたら、よく言われているなと思っている人もいるかもしれません。でも、今日はそんな中、誰よりも早く連絡帳を出してくれた人がいます。それは○○くんです」と、その子の名前を言うと、照れくさそうにしながらも、嬉しそうでした。
それ以来、、、といってもまだ3日ほどですが、その子は学童に来て、連絡帳を出し忘れることはなくなりました。そして連絡帳を出した後、ハイタッチをするというちょっとした楽しみもできました。
口うるさくなってしまいそうな時は、褒めることを忘れずに、伝えたいことが、お互いにうれしく思えることは一番の伝え方のような気がします。
(報告者 西田 泰幸)
何度も何度も繰り返し、しつこいくらいに声をかけて…というやり方は私もあまり気持ちがいいものではないなと思います。それがエスカレートしていくと、できていないこと非難するような関わり方になってしまうことにもなりかねないように思います。そうではなく、西田さんの今回の関わりのように、子どもの変化に気づき、その部分を見ていることを伝え、自分からやる気をもってもらえるような関わりは素晴らしいです。言った後にお互いに嫌な空気が漂うというのは気持ちよくありませんね。そうならない関わり方を考えるということがまず一番に思い浮かぶように、そして、実際に行動できるようになりたいなと思います。
連絡帳を渡した後のハイタッチ、何ともフランクで気持ちの良いものですね。「何回言ってもわからないんだから」と口癖のように怒る人を見たことがありますが、タイトルの通り、その伝え方ではこの先何回言っても伝わらないだろうなと思ってしまいます。変わるべきは伝える側であることを忘れてしまいそうになる時があります。伝える側は工夫をして相手の意欲を引き出すようにしていくことが大切ですね。勉強になります。