さっそくですが、何が隠れているでしょうか…?
正解は…
①アマガエル
②ニホンカナヘビ
この写真は、子どもたちと近くの公園で撮影した写真です。ある5歳児が、その生き物を見つけ、とても可愛がっていました。そこで、敵に見つからない場所にかえそうと、ある子どもが、その生き物の柄に似た場所を探し始めたので、それを追いました。「ここだったら見つからないんじゃない?」「大丈夫かな…」などと言いながら、自然にかえして帰路につきました。そこで、その写真を現像してみんなにも共有してみようと掲示してみると、その子どもを中心に「どこに隠れているかなゲーム」が始まりました。「この中に何かが隠れているよ!」「見つけてみて!」と、他児だけではなく、迎えに来た保護者にもクイズを出していました。
そこで、保育所保育指針には自然環境についてどのようなことが書かれているのか気になりました。それは、以前、西村氏による“茶道を保育所保育指針に当てはめてみたら…”が、面白くてスマートだなぁと感じたからです。調べてみると、このように書かれていました。
環境
◯周囲の様々な環境に好奇心や探究心を持って関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う。
・身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心を持つ。
子どもたちはこれを機に、物事を細部まで観察する力を養っていくかもしれません。また、細部まで観察することで、生活を豊かにして活用することをしようとするかもしれません。そう思うのと同時に、そのような環境を整えていくという道筋が見えてきます。
数日後、ある保護者からこんな事を言われました。
「休日、子どもと公園に行った時にこんな写真が撮れました。分かります?」と、携帯電話の画面から、落ち葉や木々の写真を見せてくれました。…そうです。「何が隠れているかなクイズ」を出してきたのです。よく見てみましたが、分かりませんでした。上級者向きです。時間をかけてまでも自力で見つけたいと思う、そういうやつです(笑)。その面白さを子どもたちにも共有したいと思い「ぜひ、その写真を保育園宛にメールで送って下さい。」と伝え、その写真をゲットしました。さっそく掲示してみると、子どもたちは案の定興味津々です。
その保護者に、どうして写真を撮ったのか聞くと「お迎えの際に、子どもたちが楽しそうにクイズを出している様子を見ましたので。」と言っていました。保育園という建物が、その職員だけのものではないことを再確認させてもらいました。また、保育というものが、職員だけで行うものではないことを教えてくれました。
保育所保育指針の『家庭及び地域社会との連携』というところにはこのようなことが書かれていました。
「子どもの生活の連続性を踏まえ、家庭及び地域社会と連携して保育が展開されるよう配慮すること。その際、家庭や地域の機関及び団体の協力を得て、地域の自然、人材、行事、施設等の資源を積極的に活用し、豊かな生活体験を始め保育内容の充実が図られるよう配慮すること。」
先週末には「親子遠足」という行事がありました。その行事では、沢山の地域機関・地域の人々の協力を得て、素敵なウォークラリーが展開されていました。家庭と保育園とをつなげる媒体、地域社会と子どもたちをつなげる媒体、昨日と今日をつなげる媒体、さっきと今をつなげる媒体という、何かと何かをつなぎ合わせる役割が私たちにはあるのだなと感じます。きっと、子どもたちにとって、都合のよい区切りはないのだと思います。生活と遊びとが関連し合う相互関係による学びがあるからです。それが「連続性」という言葉が指針にある意味であると思いました。大人による便宜上の区切りは、子どもたちから知的好奇心とか、何かを面白がる機会を奪っているまではいかないにしても、何かが芽生えるきっかけやチャンスを減らしているかもしれません。
(報告者 小松崎高司)