今回、「GT熊本」が新たに立ち上がり、九州から5か所、全30園から最大計221名の先生方が3日間にわたる研修に参加されていました。
29日は午後に1園、30日は午前中に3園の公開保育があり、そのうち2園を見学させて頂きました。午後からは見学園からの実践発表がありました。
1園目は、「視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚」の五感を体験できるおもちゃが常設で置かれていました。ちょうどその時は子ども達が全員外で過ごしていたので実際にそれを使って遊んでいる姿は見ることができなかったのですが、日々五感を使って体験できるものがあるというのは素晴らしいことだと思いました。
そして何より驚いたのは、野菜を通じて製作したものや、描いたものがとても多かったということでした。というのも実践報告で、園の畑には年間を通して何かしら育てているという事だったので観察や収穫をすることでそういったものが多くなるということでした。「五感」と言いましたが、「味覚」だけはなかなか保育室で常設が難しいと思いますが、見学させてもらっていた時に、畑で大葉を収穫しているグループがいました。その後その大葉を使って和風パスタを作っていました。何かしら育てている畑を利用することで常設が可能になっていました。
面白かったのは、収穫したじゃがいもと子どもをシーソーにのせ重さ比べをしている実践でした。シーソーの片方に子どもが乗り、もう片方にはかごを置いて、そのかごに1個ずつじゃがいもを釣り合うまで乗せていきます。
2園目は、0、1歳の部屋に「ハッピーコーナー」というコーナーがありました。そこには子どもたちの初節句のときの写真や、職員の先生と思われる方の結婚式の写真など、プライベートでハッピーな時の写真が貼ってありました。こういった写真を貼るのもいいなと感じました。また、3,4,5歳のクラスの活動紹介で、「水を色んな角度から楽しみました」という取り組みが紹介されていました。そこには「水」というテーマから遊びを発展させていく過程が描かれていました。先ずは、プール遊びをしている時に子どもたちが発見したことが3つあったそうです。
- ペットボトルに入れた水の量によって穴から出てくる勢いの違いに気づく
- 排水溝へ排水している水に船を浮かべ、同じところで止まっている船はなぜだろう
- ペットボトルの口と口を合わせ、逆さにすると水が外にこぼれないことになぜだろう
という発見があったそうです。その子どもの疑問、不思議を大切にしようという取り組みです。
そして、近くの湖で生き物を捕まえ観察したり、泡遊びをしたりと、1つのテーマから子ども自身がいろんな遊びを発展させ、そこから色々な事を発見したり不思議に感じたりと、とても素晴らしい活動をしているなと思いました。
また、実践報告では「あおぞら弁当の日」という活動を紹介していました。園の近くに湖があり、散歩へ行った際に「ここでお昼ご飯を食べたい」という子どもたちからの意見から考えた活動だそうです。この園は3,4,5歳児クラスが2グループあります。片方のグループが湖へ行ってお弁当を食べる時には、行く前にどのくらい食べるかをボードに記入し、それを参考にしながら園で過ごすもう片方のグループが弁当を作ってあげ、次回は逆をという活動をしていました。この活動は、ご飯やおかずを食べやすいようにと、相手のことを考えながら作ることを目的にしています。
実は、30日に公開保育をされていた園さんは、数年前に新宿せいがの研修旅行の際にお世話になった園で、その後、建て替えたという事もありますが、私自身その時には感じられなかったことや、新しい取り組みなどされていて参考になるこがたくさんありました。(投稿者 柿崎)
ハッピーコーナー、素敵なアイデアですね!考えたこともありませんでした。なんだかその園の雰囲気の良さを感じるようでもありますね。子どもの成長の喜び、そして、子どもだけではなく、園には子どもと一緒に過ごす職員もいます。そんな職員の方の幸せを子どもや他の人が感じることでとてもいい雰囲気が生まれてきそうな気がします。なんだか報告を読んで、こちらまで嬉しくなりました!
素晴らしい活動の数々ですね。読んでいて思わず口元が緩んでしまいます。
あおぞら弁当の活動など、自分だけの楽しみではなく自分以外の人のことを考えた内容となっています。きっと食べる方も楽しいし、つくる方も同じくらい楽しいでしょうね。「美味しかったよ」なんて友だちに言われたら、作る喜びも感謝される喜びもいっぺんに味わって、人の為に何かをすることの楽しさを感じることでしょうね。
読んでいて心温まる報告を、ありがとうございました。