私の働く幼稚園・保育園は大阪にあります。最近いろんな保育園が見学に来ることがありますが、今、見守る保育を進めているというと、よくこういった質問があります。
「東京と大阪とでは、環境が大きく違うので同じことはできないのではないですか?」
「保護者の見方も、場所によって違うのでなかなか理解してくれないのではないですか?」
といったような質問がでることがあります。
確かに、地域性といいますか、その違いや文化の違いは少なからずあるのは当然なのですが、今回、自園において成長展をしたことで改めて気づいたことがありました。
先日、私たちの園で成長展を行いました。といっても、今年度より始まった1歳児・2歳児クラスだけであって、まだ、幼稚園全体での取り組みではないのですが、新宿せいが保育園の資料や手法を真似て、そのまま、取り組んでみました。
今回の場合は、1回目ということもあり、シンプルに中心となる部分(自由画・人物画・塗り絵・シルエット)そして、遊びの環境の代わりや子どものたちの関わりの写真、身長・体重、メッセージ、手足型、といったものを行いました。というのも、初めての先生も多く、見るのも初めての先生が半数なので、「成長展とは・・」ということから伝えていきました。なので、あまり、広げすぎず、シンプルにしました。
子どもたちの成長を「他児と比較するのではなく、一年の成長を実感し、幼稚園と一緒にそれを喜ぶ」原点をしっかりと見つめて始まった行事です。実際、始めは最初に書いたように「大阪の文化、東京との違い」というものは少なからずあり、この行事が保護者にとって、どう受け取られるか、わくわくしていたのですが、始まってみると、思った以上に大反響があり、クイズを必死にやるお母さん、じっくり考えてクイズを当てるお母さんがほとんどで、全員の保護者が「楽しかった」といっていました。なにより「これほど一年で大きくなっているとは思いませんでした」という最高の褒め言葉をいただいたので、まさに上場でした。
ここで思ったのは、やはり地域や文化だけで、子どもの見方は変わらないということです。「親は親であり、どこの地域でも、どんな文化の中でも、子どもたち一人一人の成長を見て、感じる感動や喜びは同じ」ということを改めて強く感じました。そして、自分自身、どこかで、「大阪の保護者は」とか「大阪の文化は」と少なからず思っていたことをとても恥ずかしく思いました。こういったように子どもたちの成長を保護者に「実感や共感」する機会や一緒に成長を喜ぶ機会があまりにも少ないのが一番の偏見や既成概念を作る要因だということに気づきました。そこに気づいたことが私の成長展をしたことにおいて学んだことです。
成長展の資料のなかで藤森先生は
「子どもの成長は目標ではなく、課題ではなく、喜びであるような保育を展開する必要があります。また、他の子との比較をするのではなく、その子の成長を喜ぶことが必要です。」
「保育、育児の楽しさは、子どもたちの成長する過程を知識として知ることではなく、その過程を見ることができること、そして、それに関わることが出来る喜びです。」
と書かれています。
(投稿者 邨橋智樹)
地域、文化は違えど、子どもを思う気持ち、子どもの成長を感じることで得られる喜びに違いはないのではないかと気がつかれた邨橋さん学びのプロセスに刺激を受けました。そのようにして、やってみて気がついたことを自分の考えにできるということはとても大切なことなのかもしれませんね。成長展を行うことで、保育者自身も子どもたちの成長を感じ、嬉しくなります。私たち自身が子どもの成長、変化を喜べる気持ちを持つことで、保護者の方とその喜びを共有するきっかけにもなるように思います。保育者、保護者の双方にとってもとても大切な時間になりますね。
成長展お疲れさまでした!大成功だったことが文面から伝わってきます。素晴らしい時間を保護者とも職員の皆さんとも共有できたこと、それもこの度の行事の成果だったようにも思えてきますね。
新しい取り組みをして、それを形にしていく、そしてそれが成功する時の達成感は何にも代えがたいものであると思います。親が子を思う気持ちは人類共通のものなのかもしれませんね。保護者も職員の皆さんも、また来年の成長展が楽しみでしょうね!本当にお疲れさまでした!!!