先日、塾長と一緒に大阪出張へ同行させていただきました。大阪では塾生の先輩でもある邨橋先生の幼稚園にお邪魔しました。園内研修の前に市長さんと教育部長さんなどなど市の教育関係者の方が6名ほど集まり、幼稚園の園長先生(邨橋先生のお父様)、塾長の話を聞きながら、質疑応答をするという場がありました。その会は2時間半ほどあったのですが、1時間あまりで塾長が保育の重要さ、乳児の重要さをノンストップで、とても強烈に相手に伝わる話し方でお話をされました。短い時間の中に、大切なことをしっかり詰め、短時間ではあったのですが、見事に相手に伝わる内容で、私は近くでその話を聞いていて衝撃を受けました。
なかなか伝わらないかもしれませんが、その時に塾長が話されたことを簡単にまとめでご紹介したいと思います。
・赤ちゃんは大人にやらせるように仕掛けている。とても能動的な存在である。
・人工知能の発達に対応する教育をしていかなければならない。そのための非認知教育。
・地域に税金を納めるような大人にしていかなければならない。若い人はきつい仕事をしなくなっている。
・勉強につながるために乳幼児期の「楽しむ」「味わう」という(経験カリキュラム)ことが大切になる。
・人類の祖先であるホモサピエンスが持っていた力(協力)を子どもに伝えることが大切。
・赤ちゃんは生まれながらに協力の基盤を持っている。
・赤ちゃんが持っている…
①人を援助する力
②人にものをあげたがる力
③人に教えたがる力
④道徳心
これらの力が発揮される場を作らないといけない。その場がないと消えてしまう。
これらの力は相手がいてこそ成り立つ。
偏見を持ってしまう理由…
①異年齢を体験しない
②障害のある子を分ける
③男女を分ける
差別意識、偏見は環境によって作られる
・人類が子孫を残せてきたのは、族を作り、共同保育を行なってきたから。だからこそ離乳も早い。
・大正デモクラシーの時以来の新教育運動が起こってきているが、それを教える教師が育っていない。
・総合的な学習の時間が教科になってしまっている。
・子どもに話す力がないのは先生に聞く力がないから。子どもに聞く力がないのは、先生に話す力がないから。
・ネアンデールタール人の遺伝子を少し受け継いでいるのは日本人だけ。
・幼さを残す幼形成熟が鍵。
・遊びを通して学ぶので、幼児期の遊びという学びも就学時の学びも同じものである
・それぞれの地域で活躍する人材を作らなければいけない。それが多様性である。東京でサラリーマンをすることがいいという価値観をおかしい。八百屋も魚屋も必要である。
・自分でなんとかできるという思いが病気を治す。ストレスをなくすのではなく、自分で解消できる力が大切。
・一斉画一的教育から主体性、選択制の教育へ。それは病気を克服する力、生きている力につながる。
・十分にハイハイをするから歩くことができる。
乳児期にしっかり発達する、楽しむことができれば勉強ができるようになる。
・乳児の保育時間は長すぎる。乳児の保育は重要だが、長すぎるのは良くない。そのためには子ども園では1号認定を乳児にも認めるべき。
・親と同居している家庭に補助を出してみては。
・人類だけにある青年期、老年期は心を育てる、孫の面倒を見るためにある。
・親の養育が子どもに影響する。だからこそ園に預けた方がいい。親のよって格差を生んでしまうから。
・子どもたちの発達を見せる切り口が5領域。
・言語能力はすべての教科につながる。
日本人の英語力は論文向き
韓国人の英語は会話向き
・足が速い子がいるのと同じように、勉強にも向き不向きがあるのだから、得意な子がやればいい。
・3〜4年生でヴァーチャルな世界を見ることができるので、歴史、地理といった教科が始まる。この時期に英語が始まるのは理にはかなっている。
・困難を乗り越える力を持っている子は…
①愛されていると思っている
②自分が好きである
③前向きである
・子どもは刷り込みなので、大人が多様な価値観を持ち、そのあり方を示していかなければならない。
このようなことを塾長は話されました。箇条書きなので、分かりにくい部分もあると思いますが、塾長の話は全てが繋がっており、乳児教育の重要さを市長さんはじめ、教育部長さんたちは納得されておられました。是非とも市としても、こういう保育を進めていきたいと仰っていました。見守る保育がこのようにどんどん広がっていくと子どもたちも大人も幸せになると思うので、このような動きはとても嬉しくなりますね。
また、塾長の分かりやすく確信をつく話し方に改めて感動しました。私も塾長のように柔らかく、しかし確固たる信念を持ち、相手を納得させる話し方ができるようになりたいなと思いました。
塾長はよく難しいことを難しく話すことは誰にでもできる。難しいからこそ簡単に分かりやすく話すことを心がけたいと仰っています。私もそれを目指していきたいです。
報告者 森口達也