日々の保育の中で子どもたちから教わることは多く、子どもは
すごいなと思うことは誰もがあることだと思います。
その中で私が教わったことを書きたいと思います。
私は幼児クラス(3.4.5歳)を今受け持たせてもらっています。
最近の子どもたちはというと活発に活動し、やりたいことを
正面から向かっていっているような印象です。
そんな正面から向かう姿勢からはやはりお友だちとぶつかることも多々あります。
特に今は4歳児クラスの女の子は毎日のようにケンカをし、ピーステーブルに行っています。
ピーステーブルというのはケンカしたときにお互いに自分の意見を伝えて、
尚且つ相手の意見もしっかりと聞こうというテーブルです。
そこに行くことで落ち着いて話をし、仲直りしてくることが多いです。
これは先日の給食のときの出来事です。
配膳をもらい、座っている3歳クラスの男の子がいました。
隣に座っているのも3歳クラスの女の子でした。
すると少しお話が盛り上がりスープをこぼしてしまいました。
トレーの上のみならずテーブルクロスにまでこぼれてしまったため、
そのテーブルに座っているお友だち全員がこれは汚いという判断をし、
全員トレーを椅子に起き、テーブルクロスを取りました。
そのテーブルにいた年長の子がテーブルを拭いてくれていました。
これはいつものことですが取ったテーブルクロスを3歳クラスの
男の子が「僕が洗濯機に持って行く!」
女の子が「私が先に持ったんだから!」とケンカになっていたようです。
ここまでは違う先生が見ていて、その先生は違うトラブルも抱えていたので
すぐに私がバトンタッチをしました。
ただ私はどちらが先だったのかなど見ていなかったのと状況をその子たちに聞いても
よくわからなかったので少し曖昧に仲直りをしてみようかと試みました。
その場が落ち着くのを待ちケンカした2人と一緒にテーブルクロスを
洗濯機に持っていきました。
どちらが正しいとかどちらが先というのを明確にするのではなく
ふとした瞬間に笑顔がこぼれたり面白いことがあって仲直りができるのでは
ないかとその状況と3歳クラスの子には良いのかなと瞬時に判断してしまいました。
しかし、少しするとまだ状況をうまく説明できなかった男の子が、
「ピーステーブル行くの!!」言ったのです。
納得いかないことがやはりあるようで、「それは行っておいで!ごめん!」
と一声かけると女の子を連れ、走ってピーステーブルにいきました。
覗きに行こうとしましたがすぐに違う子どもに呼ばれ覗きにいくことが
できませんでした。
しかし、2、3分経つとものすごい良い笑顔で二人が帰ってきました。
どんなことを話したのか非常に気になりますが、すっきりした様子でした。
よくケンカをした際には「ピーステーブルに行っておいで」と声をかける
ことはありますが逆に行かないと気が済まないというケースもあることを
知りました。
まだ3歳だからという固定概念とまだその子を本当に理解してはいなかったことを
恥ずかしく感じるとともに子どもの可能性は無限大であることを再確認しました。
当たり前のことですがもっともっと子どもたちをよく見なくてはいけない、
それを子どもたちから教わった出来事でした。
(報告者 本多悠里)
その場を丸く収めることや、早くその場の収拾をつけることに意識が向きすぎると子ども達もそれを感じてか、より頑固にこちら側の提案に乗ってこないことが、多々あります。大人主導で動かされることを嫌うかのようです。
本人の納得は本人がするものであることを改めて感じることができました。相互に納得がいくような提案をすることも、相互に納得がいくようやりとりをする姿を離れたところで見守ることも、同じように大切なことであることに、改めて気付かされた思いです。
大人が持っている思いが少し強いと自然とその思いへ誘導してしまう雰囲気を作っていることもあるのかもしれませんね。子どもの世界があるということに気づかされるとその世界が大人である私の思っているものと違うので、驚きますし、おもしろいな、すごいなと思います。まだまだそんな世界に出会える機会が少ないのは、きっと子どものことをしっかり見れていない、その世界を感じれるような余裕がないのだろうなと反省しました。