完全ではないこと

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私のお気に入りの映画に「ガタカ」という映画があります。

その内容は、遺伝子工学が発展した近未来。遺伝子操作で新生児が生まれる前に、持病をなくしたり、オリンピックに出られるような体力をつけたりできるようになり、社会も、遺伝子的に優秀な人材しか認めなくなる時代。そんな時代を嫌に思う親の気持ちから、主人公は遺伝子操作などせずに、自然の方法で産まれてきます。

しかし、出生時の検査で、心臓の持病があり、約30年の寿命と判断され、また社会の風潮ある中、やがて将来の見込みがない子として育てられていってしまう。

さらに遺伝子操作を利用した優秀な弟ができ、主人公的も遺伝子の壁に希望を失っていく。

そうした生活の中、主人公はある時、宇宙飛行士になりたいという夢を持ちます。しかし、宇宙飛行士は、遺伝子操作をした中でもエリートしか就けない職業。様々な困難を努力で乗り越えていこうとしますが、血液での遺伝子検査など、努力ではどうしても越えられない壁がでてきます。

ある時、超エリートの水泳選手だったが、結果が残せないまま、下半身が事故で動かなくなってしまった元エリートと出会います。

そこから、物語は面白くなっていくのですが、続きはぜひとも見てみてください。

この映画では、主人公のあきらめない気持ち、努力といった所がすごく描かれているのですが、私が一番に深いな感じたのは、途中で出会う元エリートの心境でした。

遺伝子操作により、体力的にはオリンピックでの活躍、そして金メダルを約束されているのに、それを実現することができず、自分の潜在能力が見えることのプレッシャーや、その葛藤に苛まされる。

私も、もし自分の能力がわかったとして、それが活かせなかったとしたら、、、。その要因はどこにあるのだろうと深く考え込んでしまうでしょう。

それは人が、完全ではないことの大切さとありがたさを感じさせられます。

わからないことがあるからこそ、それを頑張る力に変えることができる。そんなことも子どもたちにも伝えられる保育士になれたらと思います。

(投稿者 西田 泰幸)

完全ではないこと」への2件のフィードバック

  1. とてもおもしろそうな内容の映画ですね。説明だけで引込まれてしまいました。機会があれば探してみようと思います。「知るということは怖い事でもある」というようなことを言っておられた人を思い出しました。知ることは楽しいことでもあるのですが、知ることで世界を縮めてしまうこともあるのかもしれません。また、知らなくてもいいことというのはありますね。知らないからこそ、分からないからこそ保たれている秩序というのがあるように思います。知れるようになった場合、知りたくなるのが人の性なのかもしれませんが、そのあたりの揺れる心境が映画からも伝わってくるようでもあります。知らなくてもいいこと、知らないほうがいいことを見極めて、子どもたちと接することが大切なのかもしれませんね。

  2. もりぐちさんのコメントに全く共感です。説明だけで引き込まれてしまいました。僕は我慢が出来ず内容を調べてしまいましたが、知れば知るほど実際に映画を見てみたい気持ちになりました。
    遺伝子の壁。それに近いような劣等感を抱いている人も少なくないかもしれません。昨日TV番組で障碍をもった男の子の話が放送され、とても感動したことを妻が話してくれました。要約すると、歩くことも困難だった男の子が父親の支えの元、トライアスロンに参加し、最後の1kmを自分の足でゴールしたということでした。その父親の言葉は「スタートはそれぞれに違うかもしれない。ただ、目指すゴールはどんなゴールを描くこともできる。そしてそれは必ず達成できる」といったものでした。
    どんな逆境にも耐え抜き、自分の足で歩き抜いて夢を叶えていきたいと、強く思いました。

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