前回の巨大紙飛行機のように、今回も巨大なものシリーズです。普通のトランプを大きくしてみたらどうなるか。それで実際に遊んでみると、また新しい発見が待っていました。
サンタクロースにもらった「巨大トランプ」。私は、先日それで「神経衰弱をしてみない?」と子どもたちに提案してみたのです。
- 左が通常サイズのトランプ
子どもたちは、この巨大トランプに驚きながら、大きな好奇心を抱いていました。早速、そのトランプをセッティングします。普通のトランプは、一つの机の上に全てのトランプを置くことができますが、このトランプはそうはいきません。どうなるかというと、子どもたちはこのようにセッティングしていました。
- トランプをセッティング
普段より9倍の机と場所を使うことになりました。その9倍がもたらすことは、まず足を動かす距離が増えたことです。普通のトランプで行う神経衰弱は、歩く必要もありませんが、このトランプではめくりに行くまでに体を動かさなくてはいけません。そこで発生する運動は、自発的なものになります。当然ですね。トランプをめくりたいと、うずうずしていますので。また、自分と他児がめくったトランプの記憶をさかのぼりながらブラブラと歩いて探すため、自然と歩く距離も長くなりますし、考えながらなので走り回ったりはしません。(もしかしたら、近所の公園に遊びに行くよりも歩いていたかもしれません。)ここから、運動における室内と屋外に新しい価値観を持つことができます。もちろん、外へ散歩に行くということは様々な環境に出会えるという利点がありますが、室内だから全く動いていないということではなくなりますね。
また、私は「運動と記憶力」との関連性にも着目してみました。これはあくまで推測ですが、見たり聞いたりするだけよりも、実際に自分の体を動かした時の方が記憶に残っている印象があります。つまり、巨大トランプで行う「神経衰弱」は、理にかなっているというのが私の見解です。自分が持つ記憶力を、最大限に活かすことができるような仕組みになっているのではと予想します。
そして、「トランプ」自体をよく見てみると、スペード・ハート・クローバー・ダイヤなどのマークが、サイコロでいうところの“ドット”の役割を担っていることに気がつきます。右上には数字が書かれているため、「神経衰弱」を行うことで、同時に【数】の認識にもつながっていることになっていると感じました。
- マークとドットと数
今回で、トランプの可能性をたくさん感じることができました。この巨大トランプで「ババ抜き」や「七並べ」など、違ったトランプ遊びを提案してみても面白いかも…と思ったりもしています。
(報告者 小松崎高司)
大きなトランプですね。こんなに大きなトランプがあるのですね。通常のトランプもどのように作られるの知らないのですが、この大きなトランプはまたどのように作られているのか気になりました。また、これを作ろうと思った人はどんな人なのですかね。どんな気持ちで作ろうと思われたのでしょうか、小人の気分になりたかったりしたのですかね。いつもとは違う物で子どもたちがどのようにして遊ぶのかというのを見るというのは予期せぬ発見がありそうで、楽しそうです。自然な運動、運動と記憶と小松崎さんも様々な発見を聞き、こちらも楽しくないました。発見のある日常は刺激的で楽しいですね。私も日々をそんなふうに過ごしたいと思います。
遊び心溢れる非凡な実践ですね。「運動と記憶力」ということで言うと、茂木健一郎著『脳を活かす勉強法』の中に、「記憶は、脳の大脳皮質にある側頭葉の側頭連合野というところに蓄えられます。そして、側頭連合野は、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚といった五感や、自分が行動する動機や心的態度などのさまざな機能ーいわゆる〝モダリティ〟を統合するところでもあります。この連合野にはある特徴があります。さまざまなモダリティから働きかけたほうが、記憶が定着しやすいのです。」とあり、子ども達はまさに運動をすることでさまざまなモダリティを用いて神経衰弱を行っていったのかもしれませんね。
それとは別なのですが、「どんな気持ちで作ろうと思われたのでしょうか、小人の気分になりたかったりしたのですかね。」というもりぐちさんのコメントを読んで思わず笑ってしまいました。(笑)まるで子どものような感性に、奥様も惹かれたのでしょうね!!!